はじめに
この文書は、Googleサーチコンソールの認証(所有権確認)について、初心者から企業担当者まで分かりやすく解説することを目的としています。認証は「あなたがそのサイトの管理者であることを証明する」手続きです。証明ができると、検索パフォーマンスのデータを見たり、インデックス登録をリクエストしたり、問題通知を受け取ったりできます。
本稿では次の内容を順に扱います。
- 認証の意味とプロパティタイプの違い(例:ドメイン単位かURLプレフィックスか)
- 認証の全体フロー(準備から確認までの流れ)
- 登録時の共通手順(共通の注意点や準備物)
- 代表的な認証方法5つの特徴と手順(HTMLファイル、metaタグ、DNS、Google Analytics、Google Tag Manager)
事前に用意しておくと良いものは、サイトの管理画面(CMS)やサーバーのファイル編集権限、ドメインの管理画面のログイン情報などです。以降の章で実際の手順や注意点を丁寧に説明しますので、順を追って進めてください。
サーチコンソールの「認証」とは何か?
所有権確認とは
サーチコンソールの認証(所有権確認)は、あなたがそのサイトを管理する権限を持っていることをGoogleに示す手続きです。確認が終わらないと、検索パフォーマンスやインデックスの状況などのデータを閲覧できません。
なぜ必要か
外部の第三者が勝手にサイト情報を見たり操作したりするのを防ぐためです。たとえば誰でも他人のサイトにアクセスして検索データを見られたら問題になります。認証はそのリスクを減らします。
プロパティの種類と使い分け
- ドメインプロパティ:DNSの設定で確認します。example.comや*.example.comなど、ドメイン全体(サブドメインやプロトコルを含む)を一括で管理したいときに向きます。
- URLプレフィックスプロパティ:URL単位で登録します(例:https://example.com または https://example.com/blog)。HTMLファイルのアップロードやmetaタグ、Google Analyticsなど複数の確認方法が使えます。部分的に管理したいときや手続きが簡単な方法を選びたいときはこちらが便利です。
例えば、会社全体のサイトを一括で管理したければドメインプロパティを選びます。特定のサブフォルダだけをチェックしたければURLプレフィックスが都合よく使えます。
サーチコンソール認証の全体フロー
概要
認証までの流れは大きく3ステップです。
- Googleアカウントにログイン
- サーチコンソールにサイト(プロパティ)を追加
- サイトの所有権を確認(認証)
事前準備として、Googleアカウント、正確なサイトURL(https:// や www の有無を含む)、およびサーバーやCMSの管理権限を用意してください。
各ステップのポイント
- 1: Googleアカウントは個人用でも組織用でも構いません。複数アカウントを持つ場合は認証に使うアカウントを決めておきます。
- 2: プロパティ追加では「ドメイン」(ドメイン全体)か「URLプレフィックス」(特定のURL)を選びます。簡単なのはURLプレフィックスですが、全サブドメインをまとめるならドメイン設定が便利です。
- 3: 認証方法はHTMLファイルのアップロード、トップページへのmetaタグ追加、DNSレコード追加などがあります。まず自分が操作できる方法を選んでください。
実務上の注意点
- URLの表記が少しでも違うと認証できません(例: httpとhttps、末尾の/)。
- DNS変更は反映に時間がかかることがあります。急ぐ場合はファイルやmetaタグが早いです。
以上を踏まえ、次章で実際の登録手順(共通部分)に進みます。
サーチコンソールへの登録手順(共通部分)
1. Googleアカウントでログイン
まず、Googleアカウントにログインします。サーチコンソールの画面で「今すぐ開始」をクリックしてください。ビジネスで使う場合は、個人用ではなく業務用のGoogleアカウントを使うことをおすすめします。ログインしたアカウントがサイトの所有者として認識されますので、誰のアカウントで作業するか確認してください。
2. プロパティを追加
「プロパティを追加」をクリックします。ここで「ドメイン」と「URLプレフィックス」のどちらかを選び、サイトのURLを入力します。簡単な例を挙げると、URLプレフィックスは「https://example.com/」や「https://www.example.com/」のように、プロトコル(https://)とホスト名(wwwの有無)まで正確に入力します。
3. ドメインとURLプレフィックスの違い(要点のみ)
- ドメイン:example.com 全体をまとめて扱えますが、DNSでの認証が必要です。設定に時間がかかることがあります。
- URLプレフィックス:特定のURLだけを登録します。初心者にはこちらが分かりやすく、推奨されることが多いです。
4. 次にすること
プロパティを追加した後は所有権確認(認証)が必要です。認証方法はいくつかあり、それぞれ手順や注意点が異なります。以降の章で詳しく説明します。
5. よくある注意点(短く)
- 入力ミス:httpsやwwwの有無を間違えると別サイトとして扱われます。\n- ログインアカウント:別のGoogleアカウントで既に登録されていると混乱します。\n- 企業利用では業務アカウントで管理し、必要に応じてユーザーを追加してください。
認証(所有権確認)方法の種類と特徴
以下では、代表的な5つの認証方法を分かりやすく整理します。用途や管理環境に合わせて選んでください。
- HTMLファイルのアップロード
- 概要:指定された小さなファイルをサーバーのルートに置きます。
- メリット:確実でわかりやすい。外部ツールに依存しません。
- デメリット:サーバーにアクセスできないと使えません。
-
向いている人:サーバー管理者や独自サーバー運用者。
-
TOPページにmetaタグを追加
- 概要:サイトのhead内に短いタグを追加します。
- メリット:プログラム変更だけで済み、簡単です。
- デメリット:CMSやテンプレート編集が必要です。
-
向いている人:自分でHTMLやCMSテンプレートを編集できる方。
-
Googleアナリティクス(GA/GA4)利用
- 概要:既にGAを設定済みなら、その権限を使って認証します。
- メリット:追加作業が少ない。アクセス権の管理と連携できます。
- デメリット:GAの設定が正しくないと認証できません。
-
向いている人:解析ツールを既に導入しているサイト運営者。
-
Googleタグマネージャー(GTM)利用
- 概要:GTMコンテナを設置していれば、その権限で認証します。
- メリット:タグ管理と一元化できるので運用が楽です。
- デメリット:GTM未導入だと初期設定が必要です。
-
向いている人:複数タグを管理している方や代理店。
-
DNSレコード(TXT)認証
- 概要:ドメインのDNSに指定のTXTレコードを追加します。
- メリット:ドメイン全体の所有を証明でき、サブドメインも含めやすいです。
- デメリット:DNS操作に慣れていないと怖く感じる場合があります。
- 向いている人:ドメイン管理者やレンタルサーバーのDNSを操作できる方。
選び方のコツ
– サーバーに直アクセスできるならHTMLファイルかmetaタグが手早いです。
– 解析ツールを既に使っているならGA/GTMを優先すると手間が減ります。
– サブドメインや複数サイトを一括で管理したい場合はDNS認証が便利です。
確認の注意点
– 認証は一度行えば基本的に持続しますが、設置を外すと失効します。
– どの方法でも権限を持つ人が変わると再確認が必要になることがあります。
認証方法1:HTMLファイルをアップロードする
説明
サーチコンソールで提供される専用のHTMLファイルをサイトの“ドキュメントルート”(例:public_html や /www)に置き、ブラウザでそのファイルにアクセスできることを確認して所有権を証明します。仕組みが単純で、一度正しく置けば長期間有効です。
手順(簡単な流れ)
- サーチコンソールで「HTMLファイル」を選び、ファイルをダウンロードします。
- FTPクライアント(例:FileZilla)やサーバーパネルのファイルマネージャーでドキュメントルートにアップロードします。
- ブラウザで https://あなたのドメイン/ダウンロードしたファイル名 を開き、内容が表示されるか確認します。
- サーチコンソールに戻り「確認」ボタンを押します。
メリット
- 設定が分かりやすく確実です。
- 一度設置すれば再認証の必要が少ないです。
デメリット
- FTPやサーバーパネルの操作が必要で、初心者には難しい場合があります。
- 一部のCMSや管理ホスティングではルートにファイルを置けないことがあります。
注意点とよくあるトラブル
- ファイル名や中身を変更しないでください。変更すると認証に失敗します。
- 404(見つからない)になる場合はアップロード場所が間違っています。ルート直下か確認してください。
- 403(アクセス拒否)やキャッシュの問題で表示されない場合はパーミッションやキャッシュを確認してください。
以上の手順で多くのサイトは問題なく認証できます。次の章では別の方法を説明します。
認証方法2:TOPページにHTML(meta)タグを追加する
概要
サーチコンソールが表示するmetaタグ形式の認証コード()をコピーし、自サイトのトップページの内に貼り付けてアップロードします。サーチコンソールで「確認」を押せば所有権が確認されます。トップページに確実に出力されていることが重要です。
手順(簡潔)
- サーチコンソールでmetaタグをコピー
- サイトのトップページHTMLの内に貼り付け
- ファイルをアップロード(またはプラグインで保存)
- ブラウザでトップページのソースを確認
- サーチコンソールで「確認」ボタンを押す
WordPressでの具体例
- テーマ編集(header.php)で内に直接挿入
- SEOプラグイン(例:Yoast、All in One SEO)や「Insert Headers and Footers」などに貼り付け
- プラグインの場合、適切な設定欄に入力すれば子テーマの更新で消える心配が減ります。
確認方法と注意点
- ブラウザでページのソース表示(右クリック→ページのソースを表示)し、metaタグが内にあるか確認してください。
- キャッシュやCDNを使っている場合はキャッシュをクリア後に確認してください。
- トップページにのみ出力する設定もありますが、サーチコンソールはトップページのHTMLを見に来ます。トップページに出ていなければ認証は失敗します。
よくある失敗と対策
- 以外に貼ってしまう:必ず内へ
- Stagingや別ドメインに貼っている:本番サイトのトップページであることを確認
- キャッシュの影響:キャッシュやCDNをクリア
以上の手順で、比較的シンプルに所有権確認が完了します。問題が続く場合は、metaタグが本当にトップページのHTMLに出力されているか再確認してください。












