はじめに
概要
この文書は、Googleサーチコンソールで「掲載順位」が「0」と表示される理由や意味、原因、対処法を分かりやすく解説します。平均掲載順位の基本仕様、順位が表示されない主な理由、掲載順位「0」の仕様上の注意点、実践的な対処法、よくある誤解、外部ツールによる確認方法まで幅広く扱います。
誰に向けた内容か
ウェブサイトの運営者、SEOを学び始めた方、サーチコンソールのデータに戸惑っている方に向けています。専門知識が少なくても読み進められるように、専門用語は最小限にし具体例で補います。
本章の目的と読み方
本章ではこの文書全体の目的と各章の使い分けを説明します。次の章で技術的な理由や対処法を順に示すので、まずは全体像をつかんでください。実際の操作や確認手順は第5章と第7章を参照すると効率的です。
簡単な前提
掲載順位は検索結果に関する指標の一つで、データの取得や集計の仕様で「0」や空欄が出ることがあります。本書ではそうした仕様と対応策を丁寧に説明します。
平均掲載順位とは何か？サーチコンソールの基本仕様
概要
平均掲載順位は、Google検索の結果画面であなたのサイトやページが表示されたときの「順位の平均値」です。サーチコンソールではサイト全体、個別ページ、検索クエリごとに確認できます。表示回数の多い検索での順位が平均に強く影響します。
計算方法（簡単な例）
計算式は「表示された順位の合計 ÷ 表示回数」です。たとえば、あるページが検索で2回表示され、1回は3位、もう1回は7位だった場合、(3+7)÷2＝5が平均掲載順位です。重要なのは「表示されたとき」の順位だけを使う点で、クリックの有無は関係しません。
サーチコンソールでの範囲
サーチコンソールの数値はGoogle検索のみを対象とします。他の検索エンジンやSNSは含みません。日付範囲を指定すると、その期間内の表示分だけで平均を算出します。
掲載順位が変わる主な要因
- 検索ワード（クエリ）によって順位は変わります。似た言葉でも違う結果が出ます。
- ユーザーの端末（スマホ・PC）や位置情報、検索のタイミングで表示が変わります。
- パーソナライズや地域差、検索結果の仕様（ローカルパックやリッチリザルト）も影響します。
注意点
- 平均は単純平均なので、極端な低順位や高順位があると数値が変わりやすいです。
- 検索結果に同じページが複数見える場合や、検索結果の仕様によって順位の解釈が難しいことがあります。
- サーチコンソールの数値は傾向を見るのに便利ですが、厳密なリアルタイム順位を知るには専用ツール併用を考えてください。
掲載順位が「0」や表示されない・データが出ない場合の主な理由
サーチコンソールで掲載順位が「0」や空欄になる主な理由を、分かりやすく整理します。
1) 表示回数（インプレッション）がほとんどない
該当のキーワードやページが検索結果に一度も出ていないと、掲載順位は「0」または空欄になります。例：新しく作った記事で表示回数が0の場合。
2) 検索順位が100位より下
サーチコンソールは100位より下を平均掲載順位として表示しません。つまり検索結果の末端にいる場合、順位データが出ません。
3) 検索ボリュームが極端に少ない
対象キーワードの検索数が非常に少ないと、集計対象から外れてデータが表示されないことがあります。
4) データ反映の遅延
新規ページや大幅な更新直後は、検索データが処理されるまで時間がかかります。この間は順位が「0」や空欄に見えることがあります。
5) 技術的要因や設定の問題
プロパティ設定やURLの所有権、robotsやnoindexによる除外、検索タイプ（ウェブ／画像）のミスマッチなどでデータが正しく出ないことがあります。
6) パーソナライズやサンプル集計の影響
ユーザーの個別表示やサーチコンソール側の集計方法で、すべての表示が反映されない場合があります。
確認方法のヒント：期間の絞り込み、該当URLのURL検査、インプレッションの有無チェック、検索タイプの切替を行ってください。
掲載順位「0」の意味と仕様上の注意点
基本的な意味
サーチコンソールで掲載順位が「0」や空欄で表示される場合、その期間・キーワードで自サイトが全く表示されなかったことを意味します。掲載順位が「1」は最上位、数値が大きいほど下位表示です。表示回数（インプレッション）が0なら掲載順位は0や空欄になります。
具体例
- ある検索キーワードで自分のページが検索結果に出なかった → 表示回数0 → 掲載順位は0または空欄。
- 表示回数10、クリック0 → 掲載順位は集計されて表示される（例：8.3のように小数で出ることがある）。
仕様上の注意点
- 平均掲載順位は複数のクエリやページで平均化されるため、小数で表示されます。
- 同じページでも検索クエリごとに順位が異なります。あるクエリで0でも別のクエリでは順位が出ることがあります。
- 新しいページや範囲を狭くした場合は表示回数がまだないことがあります。データには遅れが出る場合もあります。
したがって、順位が0に見えるときはまず表示回数を確認し、必要なら期間やクエリの設定を見直してください。
掲載順位が「0」の場合の具体的な対処法
概要
掲載順位が「0」になるときは、まずデータ不足や表示されていない可能性を考えます。ここでは実務で使える具体的な手順を順を追って説明します。
1) 対象期間を長めに設定する
- サーチコンソールの期間を3か月〜6か月に広げ、データを安定させます。短期間だとノイズが多く、実態を見誤ります。
2) 表示回数が0なら「検索結果に出ていない」と判断して対策する
- 表示回数が0なら、そのキーワードで検索結果に出ていない可能性が高いです。タイトルやメタディスクリプション、本文に自然な形でキーワードを入れ直します。
- 検索意図（何を求めているか）に合致する見出しや段落を増やします。
3) 内部施策で露出を高める
- 関連ページから内部リンクを貼り、該当ページへの流入を増やします。リンクのアンカーテキストは分かりやすくします。
- 重要なページはサイト内で目立つ場所に置き、クロールされやすくします。
4) 技術的な確認事項
- ページがnoindexになっていないか、robotsでブロックされていないか確認します。canonicalが誤って別ページを指していないかもチェックします。
- すぐに反映されないことがあるため、公開・更新後は数日待ってから再確認します。
5) キーワードの優先順位を決める
- 検索ボリュームが非常に低いキーワードは優先度を下げ、流入が見込めるキーワードにリソースを振ります。
- ロングテール語は複数ページで狙うか、関連語でまとめてコンテンツを強化します。
6) 変化がない・異常が疑われるときは
- サーチコンソールのステータスやエラー通知を確認し、問題があれば修正します。必要ならGoogleのヘルプや専門家に相談します。
7) モニタリングの習慣化
- 対策後は定期的に表示回数、クリック数、CTRを確認し、小さな改善を積み重ねます。短期で判断せず、データを蓄積して評価してください。
よくある誤解・注意点
検索結果の掲載順位「0」について、誤解が広がりやすい点をわかりやすく整理します。特に「0＝1位」ではないことを最初に押さえてください。
-
「0は1位」を意味しない
サーチコンソールでは1が最上位です。0が出るのは仕様やデータ不足のためであり、順位が実際に1位であれば数値は1になります。ツールや表示の違いで誤認しないでください。 -
表示回数1でクリック0はよくある
ページが一度だけ表示されてクリックされないことは普通に起きます。サーチコンソールの掲載順位は表示回数ごとに算出されるため、表示が1回だけならその1回の順位が平均に反映されます。 -
集計方法によるブレ
平均掲載順位はクエリ、ページ、デバイス、地域、期間で集計します。複数の条件が混ざると順位が丸められたり変化して見えるため、短期間や狭い条件では数値が安定しません。 -
0はデータ欠損やフィルタの影響の可能性
フィルタ、比較、プロパティ設定、あるいは処理遅延で数値が表示されないことがあります。まず期間やフィルタを確認してください。 -
外部ツールとの差異
検索語の扱いや地域、シミュレーション方法が違うと順位がずれます。サーチコンソールの値は実際の検索に基づくため、外部ツールと完全一致するとは限りません。
対処としては、クエリや日付、デバイス別に絞って確認し、十分な表示数がある期間で比較してください。短期の0や小さな変動に一喜一憂せず、傾向を見て判断することをおすすめします。
補足：外部ツールやより正確な順位確認方法
Search Consoleの平均掲載順位は、検索者ごとの履歴や位置情報の影響を受けます。ここでは、より正確に順位を把握するための実務的な方法を分かりやすく説明します。
1) シークレットモードでの直接確認
ブラウザのシークレット（プライベート）モードで検索して、個人化の影響を減らします。Cookieやログイン状況を切ることで、自分の閲覧履歴が結果に反映されにくくなります。簡単な初動確認に向きます。
2) 専用順位計測ツールの活用（例：GRC／Nobilista）
これらのツールは、地域やデバイスを固定して定期的に計測できます。主な利点は以下です。
– 都道府県や国を指定して測る
– モバイル／デスクトップを切り替えられる
– 日次で履歴を保存し推移を確認できる
– 検索結果の特別表示（スニペットやローカルパック）も検出できることが多い
実務では、対象キーワードを登録して毎日同じ条件で計測するのがおすすめです。
3) ローカル差の確認方法
地域差を確かめたいときは、VPNや地域指定機能を使って複数地域から検索します。開発者ツールでユーザーエージェントを切り替えれば、端末別の表示も確認できます。
4) 比較と判断のコツ
Search Consoleの平均値と順位ツールの結果は一致しないことが多いです。大切なのは短期の揺れに一喜一憂せず、ツールで得た一定条件下の推移を重視することです。データに大きな差が出たら、条件設定（地域・デバイス・日時）を揃えて再計測してください。
5) 最後の注意点
どの方法も完璧ではありません。複数の手法を組み合わせて傾向を把握し、改善施策の効果を継続的に追うことが重要です。
まとめ
サーチコンソールで掲載順位が「0」と表示される場合、最も多い原因はそのキーワードやページが検索結果に一度も表示されていないことです。表示回数（インプレッション）・掲載順位・クリック数は互いに影響し合います。例えば表示回数が0なら当然クリックも発生しませんし、掲載順位の統計も出ません。
対応としては次の点を確認してください。
- 期間やフィルタを見直す：短期間や誤ったフィルタでデータが出ていないことがあります。
- クエリとページを照合する：対象のキーワードで実際に表示されたか、別のページが上位になっていないか確認します。
- コンテンツとメタ情報を改善する：タイトルや説明を分かりやすくし、検索意図に合う内容を増やします。ロングテールの語句を狙うのも有効です。
- 外部の順位チェックツールを併用する：サーチコンソールと合わせて使うと見落としを防げます。
一時的に数値が出ないことはよくあります。過度に不安にならず、データを定期的に確認して施策を積み重ねてください。必要に応じてサイト全体のSEO方針を見直すことをおすすめします。
