はじめに
この文書の目的
この文書は、Googleサーチコンソールを使って自分のWebサイトの記事をGoogle検索結果から削除する方法と注意点をわかりやすく解説します。初心者にも使いやすいように、手順だけでなく削除の種類やその後の対応まで丁寧に説明します。
誰向けか
・個人ブログや企業サイトの運営者
・過去記事を削除したい方
・検索結果の情報管理を学びたい方
本書で学べること
・サーチコンソールでの削除手順の流れ
・一時的な非表示と恒久的な削除の違い
・完全に検索結果から消すための追加対応
・申請後の確認方法と注意点
読み方のポイント
実際の画面に沿って手順を示します。専門用語はできるだけ避け、具体例を交えて説明します。準備はサーチコンソールのアカウントと削除したいページのURLのみで大丈夫です。
サーチコンソールで記事を削除する目的と基本知識
目的(いつ使うか)
サイト運営中、次のような理由で検索結果から早く外したい場面があります。
– 誤って公開したページ(テスト用ページや未完成の記事)
– 古くなった・誤情報を含むページ
– 個人情報や機密情報が含まれるページ
– 重複コンテンツや法的要請があるページ
具体例:公開前のプレビューを間違って公開してしまった、古い価格情報をすぐに見えなくしたい、などです。
サーチコンソール削除ツールでできること(基本)
- 指定したURLを検索結果から一時的に非表示にできます。通常、短期的な対応に向きます。
- 検索結果に表示されるスニペット(キャッシュ)を消すこともできます。
注意:このツールはサイト上のファイルを削除しません。サーバー上でページが残っていると、再クロールで再び表示される可能性があります。
利用前の準備と基本ルール
- サーチコンソールで対象プロパティの所有権を確認する必要があります。
- URLは正確に指定してください(http/https、wwwの有無、末尾スラッシュなど)。
- 削除申請は短期対処です。永続的に消したい場合はサイト側の対応が必要です。
永続的に検索結果から消すための基本対応
- ページを削除して404/410を返す、またはnoindexメタタグを入れる。
- パスワード保護やアクセス制限も有効です。
- robots.txtはクロールを止めますが、URLだけが残る場合があるため注意してください。
実務上のポイント
- 削除申請後も外部サイトに転載されたコピーは別に対処が必要です。
- 正しいURLで申請し、対応後はサーチコンソールでステータスを確認してください。
サーチコンソールでの削除手順
1. 準備:ログインとプロパティ選択
Googleサーチコンソールにログインし、対象のサイト(プロパティ)を選びます。複数サイトを管理している場合は間違えないよう注意してください。
2. 削除ツールの場所に移動
左側メニューから「インデックス」→「削除」をクリックします。画面が変わったら「新しいリクエスト」ボタンを押します。
3. URLの入力とオプション選択
削除したい記事のURLを正確に入力します。URLはコピー&ペーストで入力すると間違いが減ります。オプションでは「このURLのみを削除」にチェックを入れてください。サイト全体のルールを変えたくない場合に有効です。
4. リクエストの送信
「次へ」を押し、内容を確認して「リクエストを送信」します。この操作で該当URLが検索結果から一時的に消えます。
5. 確認ポイントと注意点
- URLはhttpsとhttp、末尾のスラッシュの有無で別物になります。正確に入力してください。
- ページ自体をサーバーから削除していないと、申請期間終了後に再び表示される可能性があります。完全に消したい場合は別途対応が必要です。
よくある間違い
- ワイルドカードやディレクトリ指定を使ってしまい、意図しないページを消してしまうことがあります。1ページずつ確実に選んでください。
削除の種類と特徴
1. URLを一時的に削除
- 概要:指定したURLを検索結果から最大6か月間非表示にします。申請直後に検索結果とスニペット(検索結果の要約)が見えなくなります。
- 特徴:即時性が高く、公開済みのプライバシー情報や誤情報を素早く隠せます。ただし恒久的ではありません。ページ自体がサイト上に残っていると、期間終了後に再びインデックスされます。
- 使いどころ:個人情報の流出や誤掲載など、早急に検索から隠したい場合。
2. キャッシュされたページの削除
- 概要:Googleに保存された古いページのキャッシュやスニペットを消すためのリクエストです。サイト上で内容を更新したときに古い情報が残る場合に使います。
- 特徴:検索結果からURL自体を消すわけではありません。インデックス状態は変わらず、最新の内容が再クロールされれば新しいキャッシュが反映されます。即時性は比較的高いですが、永久的なものではありません。
- 使いどころ:記事を修正したときや表現を訂正したときに、古いキャッシュが検索結果に残って困る場合。
違いを簡潔にまとめると
- URL一時削除:検索結果ごと確実に隠す(短期的、恒久化には別対応が必要)。
- キャッシュ削除:古い内容だけを消す(ページ自体は検索に残る)。
どちらを選ぶかは目的次第です。恒久的に消したい場合は、別途ページ削除やnoindexの設定などを併用してください。
本当に完全削除したい場合の追加対応
サーチコンソールの削除ツールは一時的な非表示措置です。本当にGoogleの検索結果から完全に消したい場合は、サイト側での恒久的な対処が必要です。以下の方法を組み合わせて行ってください。
1) ページを削除して404/410にする
不要な記事はサーバー側で削除し、該当URLが404(存在しない)または410(恒久的に削除)を返すようにします。Googleはこれらを検出してインデックスから除外します。内部リンクやサイトマップからも該当URLを外してください。
2) 301リダイレクトで別ページへ誘導
同等の代替コンテンツがある場合は、該当URLを関連ページへ301リダイレクトします。これにより古いURLは検索結果から置き換えられます。
3) ページにを追加
HTMLページならヘッダーにnoindexを入れます。これでクロール時にインデックスを外すよう指示できます。画像やPDFなどHTML以外は、HTTPヘッダーのX-Robots-Tagでnoindexを指定します。
4) robots.txtでのクロール禁止は注意が必要
robots.txtでブロックするとGoogleはそのページをクロールできません。クロールできないとnoindexを確認できないため、外部リンク情報などを元にURLのみが残る場合があります。そのため、確実な削除には404/410やnoindexを優先してください。
5) サイトマップ・内部リンクの整理と確認
サイトマップから当該URLを削除し、ページへの内部リンクを全て削除します。Search ConsoleのURL検査やカバレッジ画面で状態を確認し、再クロール後にインデックスが消えたかを確認してください。
これらを組み合わせることで、恒久的な削除を確実に進められます。
削除リクエスト後の流れとステータス確認
受付と初期処理
リクエスト送信後、まず受信の確認がサーチコンソール上に表示されます。通常は「処理中」や「受付済み」といった表記になります。運営側で初期チェックが行われます。
審査期間の目安
審査には数日から数週間かかることがあります。内容や優先度によって差が出ますので、気長に待つことが大切です。
サーチコンソールでの確認手順
- サーチコンソールにログインします。
- 左メニューの「削除」を開きます。
- 「リクエストの履歴」や「一時的に削除された URL」を確認します。
ステータスはここで随時更新されます。
結果に応じた対応
- 承認:検索結果からの一時除外やキャッシュ削除が実行されます。必要ならサイト側でも恒久対策(ページ削除やnoindex)を行ってください。
- 拒否:理由を確認し、コンテンツ修正やアクセス制限などを行ったうえで再申請します。
- 保留や期限切れ:時間を置いて再確認し、必要なら再申請します。
補足(注意点)
メール通知が届く場合があります。頻繁に同じリクエストを出すと処理が遅れることがあるため、ステータスを確認してから次の行動を判断してください。
削除申請時の注意点
管理者権限が必要
サーチコンソールで削除申請するには、対象プロパティの「所有者・管理者」であることが前提です。権限がないと申請できないため、事前に確認してください。
URL入力のミスに注意
URLは正確に入力します。プロトコル(http/https)、サブドメイン(wwwの有無)、末尾のスラッシュで別ページと扱われます。例:https://example.com/page と https://example.com/page/は違う場合があるため、コピー&ペーストで確実に指定してください。
SEOへの影響
過去記事の削除はサイト全体の評価に影響することがあります。アクセスや被リンクのあるページを安易に削除すると、検索順位にマイナスになる可能性があります。安易な削除は避け、影響を確認してから進めてください。
代替手段の検討
完全削除が本当に必要か判断します。リダイレクト(301)で関連ページへ誘導する、またはmeta noindexで検索結果から外す方法もあります。これらは順位やユーザー体験を保ちながら対応できます。
その他の注意点
申請後もキャッシュやインデックスの反映に時間がかかります。誤った削除をした場合、復旧に時間と手間がかかるため、申請前に必ず確認を行ってください。
サーチコンソール削除ツール活用のまとめ
要点
サーチコンソールの「削除ツール(一時的な削除)」は、Google検索結果からページを素早く隠すための手段です。急ぎで表示を止めたいときに便利で、実務ではまずここを使うことが多いです。
使い分けの目安
- 緊急で非表示にしたい:削除ツール(即効性あり)
- 本当に二度と公開しない:対象ページの削除、404/410応答、またはmetaタグのnoindexを併用する(恒久対応)
実務での注意点
- 削除ツールは一時的なので、恒久的に消したい場合はサーバー側やページ内の対応が必須です。
- 内部リンクやサイトマップに残っていると再インデックスされやすいので、リンク切れやサイトマップ更新を確認してください。
- SEO影響を考え、類似ページへのリダイレクトやcanonical設定を検討してください。
運用のコツ
- まず削除ツールで緊急対応、同時に恒久対応を計画・実施する流れを定着させると安全です。
- 削除後はサーチコンソールでステータスを確認し、必要があれば再対応します。
この章では実務の優先順位と注意点を簡潔に示しました。実際の運用では、検索に与える影響を見ながら慎重に進めてください。
参考:削除対応時の具体的画面イメージ
画面の場所
Google サーチコンソールの管理画面で、左メニューの「インデックス」→「削除」を開きます。中央に「一時的な削除」や「履歴」などのタブが並びます。
新しいリクエストの操作手順
- 「新しいリクエスト」ボタンを押します。\n2. 表示される入力欄に削除したいURLを正確に貼り付けます(例:https://example.com/page)。\n3. 提出前にプロパティが正しいか確認し、「リクエスト送信」を押します。
ステータスと履歴の見方
- ステータス欄で「保留」「完了」「却下」などが表示されます。\n- 履歴タブには過去の申請日時、対象URL、結果が一覧で見えます。\n
画面上の注意点
- URLは正確に入力してください。末尾のスラッシュやサブドメインが異なると別URL扱いになります。\n- 一時削除は検索結果から一時的に消す処理です。完全削除は別途サーバー側の対応が必要です。\n
実際の管理画面を見ながら操作すると迷いが少なくなります。












