はじめに
目的
本書は、Google Search Console(サーチコンソール)でnoindexタグを正しく設定・管理するための実用ガイドです。noindexタグの基本から、設定すべき具体例、実際の設定方法、そしてサーチコンソールでの確認までを丁寧に解説します。
対象読者
ウェブ担当者、サイト運営者、CMSを使う初心者など、検索結果の表示を適切に管理したい方を想定しています。専門的な前提知識は不要です。
章構成と読み方
第2章でnoindexの基礎を分かりやすく説明します。第3章では具体的にnoindexを設定すべき6つのケースを挙げ、例を交えて解説します。第4章でHTMLタグ、HTTPヘッダー、CMSの各設定方法を紹介します。第5章ではサーチコンソールで設定を確認する手順を説明します。
注意点
noindexは検索結果からページを外す強力な手段です。使い方を誤ると重要なページが検索結果に表示されなくなりますので、設定前に本書を順にお読みください。
noindexタグとは?基礎知識
1. noindexの定義
noindexは検索エンジンに「このページを検索結果に載せないでください」と伝えるメタタグです。設定したページは検索結果に表示されませんが、URLを直接開けばユーザーは閲覧できます。
2. 動作のイメージ
クローラーはページを巡回できます。巡回は許可するが、インデックス登録だけ拒否する指示です。つまりページを見に来るけれど検索結果には載せないという扱いになります。
3. 設置例
上の例はインデックスは拒否しつつ、ページ内のリンクはたどってよいという意味です。
4. 他のディレクティブとの違い
- index / follow: 標準動作です。
- nofollow: リンクをたどらない指示。
- none: noindexとnofollowの組合せ。
- noarchive / nosnippet: キャッシュやスニペットの制御を行います。
5. 注意点
robots.txtでクロール自体をブロックすると、検索エンジンがnoindex指示を読めない場合があります。noindexはページ内のmetaで指定するのが確実です。また、canonicalやHTTPヘッダーでも影響するため、設定を変えたらサーチコンソールで確認してください。
noindexを設定すべき6つのケース
以下では、noindexを設定したほうがよい代表的な6つのケースを、具体例と設定時のポイントを交えて丁寧に説明します。
1. 検索結果0件ページ
ユーザー検索で結果が0件になるページは価値が低く、検索結果に出す必要はほとんどありません。例:絞り込みで何もヒットしない商品一覧。対処:noindexを付けてインデックスを避けます。
2. 完了ページ・サンクスページ
購入完了や問い合わせ完了ページは一時的かつ個別のものです。例:注文完了ページ。対処:noindexを付けて検索に出ないようにします。
3. カート内・マイページなど個人情報を含むページ
カートやログイン後のページは個人データがあるため公開不要です。例:カートページ、会員情報編集ページ。対処:必ずnoindexを設定します。
4. 類似・重複ページの統合で片方を除外
ほぼ同じ内容が複数ある場合、検索結果を分散させないために一部をnoindexにします。例:複数のURLで同じ商品説明が存在する場合。対処:主要ページを残し、残りをnoindexにします。
5. 低品質なページ(コンテンツ薄いページ)
中身が薄くユーザー価値が低いページはサイト全体の評価に影響します。例:短い説明だけのテンプレートページ。対処:改善が難しければnoindexで除外します。
6. タグページ・アーカイブページ
タグや日付別アーカイブは重複コンテンツになりやすいです。例:WordPressのタグページ(Cocoonテーマなど)。対処:重要でなければnoindexにして重複を防ぎます。
各ケースでは、まずページの役割を確認して価値が低いと判断したらnoindexを付けるのが基本です。設定方法は第4章で詳しく解説します。
noindexの3つの設定方法
以下では、代表的な3つの設定方法を分かりやすく説明します。どの方法も目的や扱うファイルによって使い分けてください。
方法1:HTMLのheadにmetaタグを入れる
ページ単位で最も使いやすい方法です。head内に次のタグを追加します:
<meta name="robots" content="noindex" />
特定の検索エンジンだけに指定したいときは、nameをgooglebotなどに変えます。テーマやテンプレートのheader.php、もしくは投稿編集画面のカスタムヘッダー欄に挿入します。HTMLのみ対象となる点に注意してください。
方法2:HTTPレスポンスヘッダー(X-Robots-Tag)を使う
非HTMLファイル(PDFや画像)やディレクトリ単位で一括制御するときに便利です。Apacheの.htaccessの例:
<IfModule mod_headers.c>
# ディレクトリ内の全ファイルにnoindexを付ける
Header set X-Robots-Tag "noindex"
# PDFだけに適用する例
<FilesMatch "\.pdf$">
Header set X-Robots-Tag "noindex, nofollow"
</FilesMatch>
</IfModule>
この方法はHTML以外にも効きます。サーバー設定が必要なので管理者権限があることを確認してください。
方法3:CMS(例:WordPress)の管理画面から設定する
WordPressなら管理画面で簡単に設定できます。主な手順例は次の通りです:
- [設定]→[表示設定]の「検索エンジンがサイトをインデックスすることを許可しない」にチェックを入れると、サイト全体のインデックス抑止の目安になります。テーマやプラグインが対応しているか確認してください。
- Cocoonなど多くのテーマは投稿編集画面やテーマ設定に個別noindexのチェック欄を用意しています。投稿単位で細かく制御できます。
- All in One SEO Pack等のSEOプラグインでは、投稿編集画面のAIOSEOボックス→「Advanced(詳細)」→Robots Metaでnoindexを指定できます。プラグイン側でカテゴリ、アーカイブなども一括でnoindexにできます。
最後に、設定後は実際にページのheadやレスポンスヘッダーを確認して、noindexが正しく出力されているか確かめてください。
サーチコンソールでnoindex設定を確認する方法
概要
Google Search Console(サーチコンソール)のURL検査ツールで、ページにnoindexが設定されているか簡単に確認できます。実際にGoogleがどう判定しているかを知るのに便利です。
手順(簡単4ステップ)
- サーチコンソールにログインし、該当サイトのプロパティを選択します。
- 上部の検索窓に確認したいページのフルURLを入力し、Enterで検査を実行します。
- 検査結果で「インデックス登録の可否」や除外理由欄を確認します。ここに「インデックス登録を許可しない(noindex)」などの表示が出ればnoindexが検出されています。
- 必要なら「ライブテストを実行」をクリックして、現在の実際の表示(現在のヘッダーやmetaタグ)で再検査します。
ライブテストでのポイント
ライブテストはサーバーから直接ページを取得して判定します。meta name=”robots”の内容や、HTTPヘッダーのX‑Robots‑Tagも検出対象です。ライブテスト結果はソースビューで確認できるので、どのタグやヘッダーが原因かを特定できます。
よくある確認項目と対応
- noindexが出ている場合:該当ページのmetaタグかサーバー設定(X‑Robots‑Tag)が原因です。該当箇所を修正してからサーチコンソールで再度ライブテストを行い、問題が解消したら「インデックス登録をリクエスト」します。
- noindexが出ないのにインデックスされない場合:robots.txtでブロックされていないか、canonicalの指定を確認してください。
以上の手順で、サーチコンソールを使ってnoindex設定の有無と原因を効率よく確認できます。必要なら各項目の確認方法を詳しくご案内します。












