はじめに
本章の目的
本記事全体の導入として、Googleサーチコンソールがサイト運営でどのように役立つかを分かりやすく説明します。初心者でも実践できるよう、次章以降の構成と学び方の指針を示します。
この記事で学べること
- 検索でどんなキーワードで何回表示・何回クリックされたかを確認する方法
- サイトが検索に載っているか(インデックス)を確かめる方法
- サイトに技術的な問題や表示上の課題がないかを見つける方法
- 被リンクや内部リンクの基本的な見方
具体例:例えば「ハンドメイド バッグ」で何回表示されたかを見て、どのページが人気か判断できます。
読者の想定
- 個人のブログや小規模サイトを運営する方
- SEOの基礎を知りたい方
- サーチコンソールを使い始めたばかりの方
読み進め方
各章は実際の画面操作と結果の解釈を意識して書きます。まずは第2章でサーチコンソールの全体像をつかみ、必要に応じて第3章以降を順に読み進めてください。操作に不安があれば、実際のサイトで試しながら読むと理解が深まります。
サーチコンソールとは何か?「何ができる?」の全体像
概要
Googleサーチコンソール(以下、サチコ)は、自分のサイトがGoogle検索でどう見えているかを把握する無料ツールです。検索結果に表示された回数やクリック数、インデックスの状態、検索から見つかった問題点を確認できます。サイトに来る前の「検索側の情報」に特化しており、改善の手がかりを与えてくれます。
主な機能(できること)
- 検索パフォーマンスの確認:どんなキーワードで何回表示され、何回クリックされたかが見えます。ページごとの成績も分かります。
- インデックスの確認・操作:Googleがどのページを登録(=インデックス)しているかを確認し、再クロールをリクエストできます。
- 問題点の把握:クロールエラーやモバイル表示の問題、構造化データのエラーなどを通知します。
- リンク状況の確認:自分のサイト内リンクと外部からのリンクの状況を確認できます。
アクセス解析ツールとの違い
アクセス解析(例:Googleアナリティクス)はサイトに来た後の行動を追います。サーチコンソールは来る前の検索状況に焦点を当てます。両方を組み合わせると、検索からの流入改善に役立ちます。
初めて見るときのポイント
- 所有権を登録してサイトを追加します。
- 最初に「検索パフォーマンス」と「カバレッジ(インデックス状況)」を確認してください。問題があれば通知が来ます。
- データは遅れて反映されるため、変化は数日から数週間単位で確認します。
注意点
技術用語は最低限にし、具体的なエラー表示は画面の説明を参照してください。改善は一度に全部変えるのではなく、優先度の高い項目から取り組むと効果が出やすいです。
検索パフォーマンスの確認:どんなキーワードで何回表示・何回クリックされたか
概要
サーチコンソールの「検索パフォーマンス」では、検索キーワードごとの「表示回数」「クリック数」「CTR(クリック率)」「平均掲載順位」が見えます。ページ別、国別、デバイス別、検索タイプ(ウェブ・画像など)で絞り込めます。
指標の見方(簡単な例付き)
- 表示回数:検索結果に何回現れたか。例:『焼き菓子 レシピ』で1000回表示。
- クリック数:そこから何回訪問したか。表示1000回に対してクリック50回ならCTRは5%。
- 平均掲載順位:検索結果の平均位置。10位前後なら上位化の余地あり。
具体的な活用法
- タイトル・ディスクリプションを改善してCTRを上げる(例:数字や期間を入れる)。
- 平均順位が11〜30位のキーワードは、少しの改善で上位化が狙えます。
- デバイス別で流入差があれば、モバイル表示や読み込み改善を優先します。
フィルタと比較の使い方
期間を変えて推移を見る、ページ別やクエリ別で比較することで問題点や伸びしろが分かります。例えば、特定ページがPCで強いがモバイルで弱い、といった具合です。
優先順位の付け方
検索ボリューム(表示回数)と平均順位、CTR改善の見込みで優先順位を決めます。まずはクリック増が見込める項目から手を付けると効果が出やすいです。
インデックス状況の確認・制御:ページが検索に載っているか、問題ないかを把握
カバレッジレポートで全体を把握
サーチコンソールの「カバレッジ」は、サイト内のページがどう扱われているかを一覧で示します。主な状態は「有効」「除外」「エラー」。まずは数の比率を見て、急にエラーが増えていないか確認します。各項目をクリックすると、該当ページ一覧と理由が表示されます。
URL検査ツールで個別チェック
問題が疑われるページはURL検査で詳しく確認します。実際にGoogleがそのURLを認識しているか、最後にクロールした日時、インデックスの有無が分かります。「インデックス登録のリクエスト」ボタンで再クロールを依頼できます(重要な修正後に使うと効果的です)。
サイトマップの送信で効率よく案内
サイトマップ(XML)を送信すると、Googleに重要なページ構成を伝えられます。新規ページや更新の多いサイトは特に有効です。サイトマップを更新したら再送信し、カバレッジとの整合性を確認します。
よくある原因と対策(具体例)
- noindex指定:意図せず付けている場合はメタタグを修正します。
- robots.txtでブロック:該当行を編集してクロール許可にします。
- 重複や正規化問題:canonicalタグを見直し、正しい代表URLを示します。
- サーバーエラー(5xx):ホスティングや設定を確認して復旧します。
優先順位の付け方
まずビジネスやユーザーに重要なURLを優先してチェック・修正します。修正後はURL検査で再送信し、カバレッジの変化を数日から数週間かけて確認してください。
サイト・ページの問題点の把握:SEO技術面・ユーザビリティ・セキュリティまで
概要
サーチコンソールは、インデックスエラー、モバイル表示の問題、ページエクスペリエンス指標、セキュリティ通知などを見せてくれます。これにより、検索結果に出る前の見た目や動作を総合的に改善できます。
インデックス関連のエラー確認と対応
確認ポイント:404、クロールエラー、noindex設定、sitemapの問題。具体例:重要ページが「noindex」になっていたら削除して再送信。404はリダイレクトか有効なページへ修正します。URL検査で再クロールを依頼できます。
モバイルユーザビリティの改善
よくある問題:タップ要素が近すぎる、表示幅が合わない、フォントが小さい。対策例:ボタン間隔を広げる、ビューポートを正しく設定する、テキストサイズを調整する。実機やエミュレーターで必ず確認してください。
ページエクスペリエンス(Core Web Vitals)への対応
主要指標:LCP(読み込みの速さ)、CLS(表示の安定性)、INP(応答の速さ)。対策例:画像や動画を圧縮、遅延読み込み(lazy loading)を導入、不要なレイアウトシフトを避ける。改善後は実データで効果を確認します。
セキュリティと手動対策のチェック
通知にマルウェアやフィッシングが出たら、該当ファイルを削除して感染源を除去します。手動対策が通知された場合は、問題を修正して再審査を申請します。
優先順位と運用フローの例
1) サイト全体の深刻度で分類(セキュリティ>インデックス>UX)
2) 修正→ステージ環境で検証→本番反映
3) サーチコンソールで再クロール依頼と結果確認
チェックのコツ
- 定期的にサーチコンソールを確認する
- アラートをオンにして早期発見する
- URL検査やパフォーマンステストを活用する
これらを続けると、検索での表示品質とユーザー体験が着実に向上します。












