はじめに
この連載では、Googleサーチコンソールの「内部リンクレポート」を軸に、実務で使える知識をわかりやすく解説します。内部リンクとはサイト内のページ同士をつなぐリンクのことで、検索エンジンがページの重要度を判断する際に参考にします。初心者の方でも実践できるよう、数の確認方法、見方、SEOへの活かし方、改善のポイントや便利なツールまで順を追って紹介します。
対象は、個人ブログや企業サイトを運営する方、コンテンツ担当者です。例えば「重要な記事にリンクが少ない」と気づいたら、内部リンクを増やすだけで流入が改善することがあります。この記事を読むと、何を見てどう手を入れるべきかが具体的に分かります。
本記事の構成は次の通りです。
- 第2章: 内部リンクレポートの概要
- 第3章: 確認手順(サーチコンソール操作)
- 第4章: データの読み方と活用例
- 第5章: 最適化の方法とツール紹介
- 第6章: よくある疑問と注意点
まずは基本を押さして、次章で実際の画面を見ながら進めていきましょう。
Googleサーチコンソールの内部リンクレポートとは
概要
Googleサーチコンソールの「リンク」レポート内にある「内部リンク」欄は、自分のサイト内でどのページがどれだけ他のページからリンクされているか(内部リンク数)を一覧で見られる画面です。Google が実際に認識しているリンク情報のサンプルを示しており、必ず全てのリンクを網羅するわけではありません。
レポートで分かること
- 各ページごとの内部リンク数(多い順に表示)。
- サイト内でどのページが相対的に重視されているかの把握。
- リンクが少なく、強化が必要なページの発見。
制限と注意点
- サンプルであるため、実際のHTML上のリンク数と異なる場合があります。
- 正規化(canonical)やnoindex、nofollowなどの扱いでカウントが変わることがあります。
- リアルタイムではなく取得時点の情報です。
具体的な活用例
- 重要な商品ページの内部リンクが少なければ、ナビゲーションや関連記事からリンクを増やす。
- ブログ記事が孤立していれば関連記事を相互リンクして回遊を促す。
点検するときのチェック項目
- 意図する重要ページが上位に来ているか。
- 重要ページでリンクが不足しているページはないか。
- 不要な重複ページにリンクが集まっていないか。
このレポートは簡潔にサイトの内部構造の傾向を把握するのに便利です。見えない問題の手がかりとして定期的に確認すると良いです。
サーチコンソールで内部リンクを確認する具体的手順
1. Googleサーチコンソールにログインする
まずサーチコンソール(https://search.google.com/search-console)にアクセスし、対象サイトのプロパティを選びます。事前にサイト登録と所有権確認が済んでいる必要があります。ドメインプロパティとURLプレフィックスの違いに注意してください。
2. 「リンク」メニューを開く
画面左側のメニューから「リンク」をクリックします。そこに「外部リンク」「内部リンク」などのセクションが並びます。
3. 「内部リンク」セクションを確認する
「内部リンク」欄では、各ページが受けている内部リンクの本数が一覧表示されます。行をクリックすると、そのページにリンクしている具体的なリンク元ページ、リンク数、リンクテキスト(アンカーテキスト)を確認できます。例:/contactページに何本の内部リンクがあるかをすぐに把握できます。
4. 特定ページの内部リンクを絞り込む
詳細表示画面の検索バーやフィルタで特定のURLを入力すると、そのURLに対してどのページからリンクがあるかを絞り込めます。必要なら「エクスポート」機能でCSVにして、表計算ソフトでさらに分析してください。
補足のポイント
- リンク元が多くても質が低ければ改善が必要です。アンカーテキストの重複もチェックしましょう。
- サイト構造の修正時は内部リンクの数と配置を確認して、重要ページへリンクが集中するように調整します。
内部リンク情報の見方と活用方法
見方のポイント
- 「内部リンク」数は、そのページがサイト内でどれだけ参照されているかの目安です。数が多いほど重要とみなされやすいです。具体例:トップページやカテゴリーページは多くリンクされる傾向があります。
- サーチコンソールのデータはサンプルです。全リンクが表示されないことがあるため、数値だけで判断しないでください。
具体的な活用ステップ
- 重要ページを確認する
- 商品ページや集客したい記事が内部リンクで十分に参照されているかをチェックします。例:セール対象ページに関連記事やカテゴリーページからリンクを足す。
- リンクの質を見直す
- サイドバーやフッターの共通リンクだけで数が多くなっていないか確認します。文中の関連リンク(コンテキストリンク)を優先して増やします。
- オーファンページの発見と対応
- 内部リンク数が極端に少ないページはインデックスや評価が弱まる恐れがあります。サイト内の関連記事からリンクを張るなど対処します。
- リンク切れの発見と修正
- クリックして確認し、404やリダイレクトがある場合は修正します。内部リンクエラーはユーザー体験と評価に影響します。
補助的な確認方法
- サイト内クローラー(クロールツール)やサイトマップと併用して網羅性を高めます。
- 重要ページに対してはアンカーテキストを分かりやすくし、誘導しやすくします。
注意点
- 単純にリンク数を増やすだけでは効果が出ません。関連性と自然な導線を重視してください。
- サーチコンソールの数値は参考情報として扱い、内部監査やツールを組み合わせて最適化を進めてください。
SEO観点での内部リンク最適化とツール活用
なぜ内部リンクが重要か
内部リンクはページ同士の関連性を伝え、検索エンジンがサイト構造を理解する助けになります。適切に設置すると、重要ページへの評価が伝わりやすくなり、訪問者の回遊率も上がります。
最適化の基本ポイント
- 適切な設置場所:本文中の自然な文脈で設置します。サイドバーやフッターの大量リンクだけに頼らないでください。
- リンクテキスト(アンカーテキスト):簡潔で内容を示す言葉を使います。過剰に最適化した短い単語だけは避けます。
- 関連性を重視:内容が近いページ同士を結び、ユーザーの導線を意識します。
- リンク深度を意識:重要ページはトップから数クリックで届くようにします。
ツール活用例と使い方
- Googleサーチコンソール:内部リンク数の傾向把握に使います。
- サイトクローラー(例:Screaming Frogなど):リンク構造やオーファンページ(参照されないページ)を見つけます。
- 可視化ツール/専用管理ツール(例:inSite、ネットワーク図ツール):大きなサイトの構造を図で確認できます。マトリクス表示で優先度をつけやすくなります。
定期チェックの手順(簡易)
- サイト全体をクローリングしてリンクマップを作成します。
- 重要ページに十分な内部リンクがあるか確認します。
- オーファンページを洗い出し、必要なら関連ページからリンクを追加します。
- アンカーテキストが適切かをランダムサンプルで確認します。
- 変更後はサーチコンソールで影響を確認します。
実践チェックリスト(短く)
- 重要ページへ3〜5本の自然な内部リンクがある
- アンカーテキストは説明的で重複が多すぎない
- オーファンページを月1回はチェック
- リンクはユーザーの流れを優先して配置
定期的な見直しとツールの組み合わせで、サイト全体のSEO効果を高められます。
よくある疑問や注意点
内部リンクが多すぎるとペナルティになりますか?
内部リンクの数だけで自動的に罰則を受けることは稀です。ただし、無関係なページへ過剰にリンクしたり、キーワードを詰め込んだ不自然なアンカーを大量に使うと評価が下がるリスクがあります。対策としては、関連性の高いページへ自然な文脈でリンクを張ることを心がけてください。
適切なリンク数の目安はありますか?
明確な上限はありませんが、訪問者が迷わない範囲でリンクを設けます。例:記事本文には3〜10件の関連リンク、サイト全体では重要ページに優先的にリンクを集める、という意識が役立ちます。
URLの正規化(統一)で気を付ける点
wwwの有無、HTTPとHTTPS、末尾スラッシュの扱いを統一します。rel=”canonical”や301リダイレクトで正規化し、サーチコンソールで正しいバージョンをプロパティに設定してください。
サーチコンソールのリンクレポートの制限について
リンクレポートは表示が最大1,000行に制限されます。CSVでのエクスポートは可能ですが、サイト全体の全リンクを網羅しない点に注意してください。全網羅が必要ならクローラーやサーバーログ解析も併用します。
ペナルティや問題をどう確認するか
サーチコンソールの「手動による対策(Manual Actions)」や検索順位・トラフィックの急落をチェックします。問題が見つかれば、不要なリンクの削除やnofollow付与、正規化処理を行い、再審査を申請します。
最後に(注意点)
- ナビゲーションのようなサイト全体に張る共通リンクは有効ですが、すべてのページで同じアンカーだけに偏らないようにします。
- 内部リンクの目的を明確にし、ユーザーの利便性を最優先に設計してください。












