はじめに
この記事の目的
このシリーズでは、Googleサーチコンソールの「平均CTR(クリック率)」を分かりやすく解説します。平均CTRの見方や検索順位ごとの目安、デバイス別の違い、業界差の考え方、低CTRページの見つけ方、そして改善策までを網羅します。これにより自分のサイトのCTRが高いか低いかを判断し、改善行動につなげられます。
こんな方におすすめ
- サーチコンソールを使い始めた方
- 自分のページのCTRが気になる運営者
- 検索順位は悪くないのに流入が伸びない方
読み方の注意点
CTRはキーワードや検索意図、表示形式(リッチスニペットなど)で大きく変わります。同じ業界でもページごとに差が出ますので、まずは自分のサイト内で比較することをおすすめします。
次章から具体的な目安や分析方法、改善施策を順に解説します。
平均CTRとは?サーチコンソールで何が分かるのか
平均CTRの定義と計算
CTR(クリック率)は、表示回数に対して何回クリックされたかを示す割合です。計算式は「クリック数 ÷ 表示回数 × 100」。例えば表示が51,300回でクリックが2,599回なら、CTRは約5.1%になります。
サーチコンソールで見られること
Googleサーチコンソールの「検索パフォーマンス」レポートで平均CTRを確認できます。クエリ別、ページ別、国別、デバイス別などで絞り込めるため、どの検索語やページがクリックされやすいかが分かります。表示は多いのにクリックが少ないページを特定し、タイトルやディスクリプションの改善対象を見つけられます。
なぜCTRを見るべきか
CTRは検索結果でユーザーに選ばれる割合を示します。クリックが増えれば自然流入(オーガニックトラフィック)が増えるため、サイトの成果に直結します。短期的な改善効果を把握しやすい指標です。
注意点
CTRは検索順位や検索意図、SERP上の要素(広告やスニペット)によって大きく変わります。表示回数が少ない場合は数値がぶれやすい点に注意してください。
まず見るべき簡単な手順
- サーチコンソールで「検索パフォーマンス」を開く
- 期間を指定して「表示回数」でソート
- 表示は多いがCTRが低いページやクエリを抽出
- タイトル・ディスクリプションやスニペット表示を見直す
以上が平均CTRの基本とサーチコンソールで分かることです。
サーチコンソールで見る「平均CTRの一般的な目安」
概要
サーチコンソール上のCTR(クリック率)は、全体の目安として「おおむね1〜5%」のレンジで見られることが多いです。これはすべてのページ・キーワードを混ぜた平均値であり、個別のページやクエリでは大きく上下します。
なぜ幅があるのか(主な要因)
- 検索順位:上位ほどCTRは高くなります。1位と10位では大きな差が出ます。
- 検索意図:ブランド名や商用キーワードはクリックされやすく、情報検索は低めです。
- デバイス:モバイルは表示される要素(広告やリッチ結果)によってCTRが変わります。
- SERPの構成:リッチスニペットやナレッジパネル、広告の有無でクリック先が分散します。
具体例(イメージ)
- ブランド名で1位:CTRが30%以上になることもあります。
- 一般的な情報系キーワードの平均:1〜10%程度に収まることが多いです。
- 検索結果に広告やリッチ機能が多い場合:平均が下がりやすいです。
実務での見方
- 全体の「1〜5%」を基準にしつつ、ページやクエリ、デバイス別に分けて比較してください。
- インプレッションが多いのにCTRが低いページは改善の余地があります。CTRは単独では判断せず、順位や検索意図と合わせて評価しましょう。
- まずは同じ検索順位・デバイスで自分のCTRを他ページと比べることをおすすめします。
検索順位ごとの平均CTRの目安(ざっくり全体感)
全体の傾向
検索順位とCTRは強い相関があります。1位が飛び抜けて高く、2位で半分ほど、3位以降は緩やかに下がるのが一般的です。ここでは複数データで共通する大まかな目安を示します。
順位ごとの目安(ざっくり)
- 1位:20〜30%程度(検索クエリや表示形式によって上下します)
- 2位:10〜15%程度
- 3位:7〜10%程度
- 4〜10位:各3〜6%程度(下位に行くほど徐々に低下)
- 11位以下:1〜2%未満が多い
これらはあくまで目安です。キーワードの意図や検索結果の見え方(スニペット、広告、地図など)で大きく変わります。
簡単な理由説明
1位はページタイトルやスニペットが目立ち、クリックが集中しやすいです。2位で大きく下がるのは、上位が持つ注目度の差が原因です。さらに下位はクリック率が徐々に減ります。
実務での使い方(短く)
この目安を元に、自分のページのCTRを比べてください。1位でこの目安を下回るならタイトルや説明文を見直します。11位以下でCTRが極端に高ければ意図に合った上位表示のチャンスです。
デバイス別(PC・モバイル)の順位ごとの平均CTR
概要
検索では一般にPCの方がややCTRが高い傾向にあります。代表例として1位はPCで約32.35%、モバイルで約26.70%というデータがあります。ただ、最も大きく影響するのは「検索順位」です。順位差がCTRの差を作る主因です。
主な数値イメージ(例)
- 1位:PC 約32.35% / モバイル 約26.70%
- 上位数位はPCがやや高め、順位が下がるほど両者とも急落します。
なぜデバイス差が出るのか
- 表示画面の広さや見え方の違いで、モバイルは1ページ内に表示される情報が制限されます。
- モバイルは検索行動が即時的でクリック先を絞る傾向があります。
- 一方でPCでは複数タブや詳細なスニペットがクリックを誘発します。
実務での判断ポイント
- まずは順位ごとの目安を基準にしてください。デバイス差は補助情報として扱うと実務的です。
- Search Consoleでデバイス別にフィルタし、同じ順位帯のページどうしで比較します。
チェックすべき項目(具体例)
- ページごとの表示回数(Impressions)が十分か
- タイトル/ディスクリプションの見え方(モバイルで切れていないか)
- モバイルフレンドリーか、読み込み速度
- SERP上のリッチ要素(レビューやFAQ)がCTRに与える影響
これらを確認すると、デバイスごとの差異を踏まえて合理的にCTRを評価できます。
「自分のCTRは高い or 低い?」を判断するための基準
簡単な基準
- 検索順位ごとの目安:1位で20〜30%、2位で10〜15%、3位で7〜10%あれば標準〜良好です。3位以上でCTRが10〜30%なら良好、3位以上で5%未満なら改善の余地が大きいと見ます。11位以下(2ページ目以降)は1〜2%未満が多く、それほど低くても不思議ではありません。
判断の手順(実務的)
- サーチコンソールで対象ページの「平均CTR」と「平均掲載順位」を確認する。
- 上の目安と照らし合わせる。順位に比べてCTRが明らかに低ければ要改善。
- インプレッション数が少ない場合は誤差が大きいので、最低でも数百インプレッションを目安に判断する。
- デバイスやクエリの意図(情報収集か購入か)で期待値が変わる点も考慮する。
チェックすべき要素
- タイトルとディスクリプションの魅力、スニペット表示の有無、構造化データやリッチリザルトの影響。
- 同じ順位でも業界や検索意図でCTRは変わる点に注意。
短く言えば、順位別の平均値と比べ、インプレッション数や検索意図を踏まえて自サイトのCTRが高いか低いか判断してください。
業界・キーワード特性によるCTRの違いと見方
業界ごとの傾向
業界やテーマでCTRは大きく変わります。ブランド名や商標検索は上位表示で高いCTRになりやすいです。一方、幅広い情報検索(例:『ダイエット』)は結果が分散し、CTRは下がりやすくなります。
キーワードの長さ(ロングテール)の影響
短い語句は競合が多く、1位でもCTRがそれほど高くならない場合があります。逆にロングテール(詳細なクエリ)は意図が明確でクリック率が上がりやすいです。実務観点では、1位のCTRはキーワード数が少ない方が高く、2位以降はロングテールでCTRが落ちにくい傾向を見ます。
季節性・イベントの影響
季節商品やイベント(例:春のセール、年末商戦)は一時的にCTRが急変します。期間を分けて比較すると実態を正しく把握できます。
見方と実務ポイント
・業界平均は参考値に留め、自サイト内で同ジャンル同ページ群と比較してください。
・検索意図(ブランド・購入・情報)でグループ化すると理解しやすいです。
・期間・デバイス別に分けて、季節変動やモバイル優位性を確認しましょう。
これらを組み合わせて、自分のCTRの“期待値”を作ると改善施策が狙いやすくなります。
サーチコンソールで「CTRが低いページ」を見つける方法
概要
サーチコンソールの「検索パフォーマンス」で「平均CTR」と「平均掲載順位」にチェックを入れ、クエリやページごとにCTRと順位を同時に確認します。以下は具体的な手順です。
手順
- 全体平均CTRを把握する
- 日付範囲を設定して全体の平均CTRと平均掲載順位を確認します。基準値が分かります。
- 表示列を設定する
- 「平均CTR」と「平均掲載順位」を必ず表示します。クリック数やインプレッション数も表示しましょう。
- クエリ/ページで絞り込む
- 「クエリ」タブと「ページ」タブを切り替えて両方確認します。どちらも重要です。
- 並べ替えて抽出する
- 平均掲載順位が上位(例:1〜3位)なのにCTRが低いものを探します。CTRで昇順に並べると見つけやすいです。
- インプレッション閾値を設定する
- インプレッションが極端に少ないものは誤差が大きいので、例えば100以上などの閾値で絞り込みます。
優先度の決め方
- 掲載順位が高くインプレッションが多いのにCTRが低いページを優先します。ブランドクエリは除外するか別扱いにします。
- モバイルとPCで差がある場合はデバイス別に確認し、ユーザー意図(購入系か情報系か)も加味して優先順位を付けます。
補助テクニック
- 日付比較で改善施策の効果を測るため、過去期間と比較します。
- 結果をCSVでエクスポートしてスプレッドシートで集計すると管理しやすいです。
注意点
- リッチスニペットや広告表示の影響でCTRが下がることがあります。ブランド検索は高CTRであるため除外してください。
- 小さいデータセットではブレが大きいため、閾値設定を必ず行ってください。
CTRを改善するための具体的な施策
概要
CTR改善で最も効果が出やすいのはtitleタグの見直しです。検索意図に合った語句を入れ、具体的なベネフィットや数字、疑問形で興味を引きます。以下に具体策を挙げます。
タイトル(titleタグ)の改善
- 検索意図を先に考え、主要キーワードを自然な位置に入れる。例:「腰痛 ストレッチ」→「腰痛を和らげる5分ストレッチ|今すぐ試せる3つの動き」
- 数字や時間、具体的な効果を入れる(例:5分、3つ、90%)
- 疑問形や「〜する方法」「なぜ〜か」を使い興味を引く
- 文字数はPCで60字程度、モバイルで切れる点を意識する
- 誤解を招くクリックベイトは避け、内容と整合させる
メタディスクリプションの改善
- 行動を促す動詞(今すぐ、チェック)と具体的ベネフィットを入れる
- 120〜160文字で簡潔に要点を伝える
- ユニークでページごとに最適化する
構造化データ・リッチスニペット
- FAQやHowToの構造化データを実装すると視認性が上がる
- レビューの星評価などはCTR向上に寄与する
URLと表示要素
- 短く分かりやすいURLにする(example.com/腰痛-ストレッチ)
- ()や|で補足を入れると見やすくなる
モバイル最適化
- スニペットはモバイルで短く表示されるため、冒頭に重要語を置く
- タイトルの先頭20〜30文字に注目するユーザーが多い
A/Bテストと計測方法
- 変更は1項目ずつ行い、2〜4週間程度データを比較する
- サーチコンソールでCTRと平均掲載順位を確認し、印象数が十分ある対象で判断する
優先順位チェックリスト(短期→中長期)
- クリックを誘うタイトルの作成(即効)
- メタディスクリプション最適化(即効)
- モバイル表示の確認(短期)
- 構造化データの実装(中期)
- コンテンツの検索意図への最適化と内部リンク(長期)
各施策はまず一つ試し、データで効果を確かめてから次に進めてください。












