はじめに
このドキュメントは、Googleサーチコンソールの「検索キーワード機能」を中心に、サーチコンソールの全体像と実務で使えるポイントをまとめたガイドです。
目的
- サーチコンソールの基本を分かりやすく理解すること。
- 検索キーワード(検索パフォーマンス)の見方と活用法を実例で学ぶこと。
対象読者
- 自社サイトを運営する方、コンテンツ担当者、SEOを学び始めた方に向けています。専門用語は最小限にし、実例を交えて説明します。
このドキュメントの構成と読み方
- 第2章以降で機能ごとに分け、段階的に理解できるようにしました。まず第2章で全体像を把握し、第4章でキーワード分析の具体的な手順を確認してください。日常の運用では、検索パフォーマンスとインデックス状況を定期的にチェックすると効果が出やすいです。
期待される効果
- 検索結果の見え方が分かり、改善点を具体的に見つけられるようになります。結果として、より多くの訪問者獲得やコンテンツ改善につながります。
Googleサーチコンソールとは
概要
Googleサーチコンソール(通称:サチコ)は、Googleが無料で提供するウェブサイト向けの分析ツールです。自社サイトがGoogleの検索結果にどれくらい表示されているか、どのキーワードで表示・クリックされているかを把握できます。特徴は、ユーザーが検索窓に入力した「生のキーワード」を直接見られる点です。
最大の特徴と利点
- 検索される前のデータが見られる:どんなキーワードで表示されたか(インプレッション)や、クリック数、クリック率(CTR)、平均掲載順位が分かります。
- インデックス状況を確認できる:Googleがページを登録(インデックス)しているか、不具合や警告も分かります。
- 問題の検出と通知:モバイルの使いやすさやセキュリティ問題、手作業の対策(ペナルティ)などを知らせます。
具体例(活用イメージ)
「ある記事が『〇〇 使い方』で表示は多いがクリックが少ない」場合、タイトルや説明を変えてCTRを上げるといった改善に役立ちます。意外な検索語から新しい記事のネタも見つかります。
誰に向いているか
- サイト運営者、SEO担当者、コンテンツ作成者、開発者など、サイトの検索表示や問題を把握したい人におすすめです。
簡単な始め方
- サーチコンソールにサイトを登録する(プロパティ追加)。
- HTMLタグ、Googleアナリティクス、DNSなどで所有権を確認する(認証)。
- サイトマップを送信して、検索への登録を促します。
サーチコンソールでできることの詳細
主な役割(3つ)
- Webサイトの健康状態確認
- クロールやインデックスの状況を確認し、検索で見つけてもらえるかを把握します。例えば、ページがインデックスされていなければ検索に表示されません。
- ユーザーの検索ワード確認
- どんな語句でユーザーが訪れているかが分かります。具体例:『レシピ 簡単』で流入が多ければ、関連記事を増やす判断ができます。
- 記事のインデックス状況確認
- 新しい記事がGoogleに登録されたか、エラーが出ていないかを確認できます。
主な機能(4つ)
- Google検索での表示状況確認
- 表示回数、クリック数、平均掲載順位を見て、どのページが強いかを把握します。
- リンク状況確認
- 内部リンク・外部リンクの数やリンク元を確認し、被リンクやサイト内回遊を改善できます。
- サイト情報提供
- サイトマップ送信やモバイル対応の状況など、検索に関する基本情報をGoogleに伝えられます。
- サイト問題点把握
- クロールエラーやセキュリティ問題、モバイル表示の問題などを通知し、問題箇所を修正できます。
各機能は、具体的な数値やレポートで現状を示します。日常的に確認すると、検索で見つけてもらいやすいサイト運営に役立ちます。
検索キーワード分析機能(検索パフォーマンス)
概要
検索パフォーマンスは、どのキーワードでサイトが表示され、どれだけクリックされたかを示す機能です。表示回数(インプレッション)、クリック数、クリック率(CTR)、平均掲載順位を確認できます。通常のウェブ検索だけでなく、画像・動画、Google Discover、ニュースのパフォーマンスも切り替えて見られます。
主な指標と意味
- 表示回数:検索結果にページが表示された回数です。露出量の目安になります。
- クリック数:ユーザーが実際にクリックした回数です。実際の流入を示します。
- クリック率(CTR):クリック数÷表示回数。タイトルやスニペットの強さを示す指標です。
- 平均掲載順位:そのクエリに対する平均の検索順位です。上位ほど流入が増えます。
データの見方と活用例
- 表示は多いがCTRが低い場合は、タイトルや説明文を改善すると効果が出やすいです。
- CTRは高いが掲載順位が低い場合は、コンテンツの拡充や内部リンクで順位向上を目指します。
- 特定のクエリで急に表示が減ったら、コンテンツ更新や競合の動きを確認してください。
フィルタと比較の使い方
日付範囲、国、デバイス(スマホ・PC)、検索タイプ(ウェブ・画像等)、ページやクエリで絞り込みできます。デバイス別に比較すると、スマホでの表示は多いがCTRが低いなどの問題が見つかります。
実践ポイント
- 定期的に上位クエリをチェックして、狙いのキーワードに合わせて見出しや導入文を最適化してください。
- データはCSVで書き出せるので、定点観測や改善前後の比較に活用します。
- 新しいクエリが増えたら、それに合わせたコンテンツやFAQを作ると好結果につながります。
インデックス作成機能
概要
インデックス作成機能は、Googleがあなたのサイトをどのように見つけ、検索結果に登録しているかを確認するための機能です。ページが検索に出ない場合、発見されていないか、発見はされても何らかの理由で登録(インデックス)されていない可能性があります。
カバレッジ(インデックス状況)の見方
カバレッジレポートでは、次の状態を確認できます。
– インデックス:問題なく登録されているページ
– インデックスされていない:Googleが登録を見送ったページ
– エラー:クロールや読み込みで問題があったページ
各項目をクリックすると、該当URLの一覧や具体的なエラー内容が表示されます。
よくある非インデックスの原因と対処
- robots.txtでブロック:対象のURLがクロール禁止になっていないか確認し、必要なら修正します。
- noindexタグ:意図せずnoindexが付いていないかチェックします。
- canonicalの指定ミス:別ページを正規化してしまうと登録されません。正しいcanonicalを設定します。
- 重複コンテンツ:内容が似ている場合、統合や差別化を図ります。
インデックスを促す方法
- URL検査ツールで該当ページを入力し、ステータスを確認します。2. 「インデックス登録をリクエスト」ボタンで再クロールを依頼できます。3. サイトマップを送信すると効率的に複数のURLを通知できます。
修正後の確認と運用
問題を直したらURL検査で再確認し、インデックス登録をリクエストします。数日から数週間で反映することが多いので、定期的にカバレッジをチェックして改善を続けてください。
注意点
インデックスは自動処理のため必ず即時反映するわけではありません。重要なページは内部リンクを増やし、サイトマップで優先度を伝えると効果的です。
その他の主要機能
URL検査
個別ページの状態を詳しく確認できます。インデックスの有無、クロール日時、モバイルとPCの表示差、構造化データのエラーなどを確認し、ライブテストで実際のGoogleの取得結果を試せます。たとえば「インデックス未登録」の場合、理由を特定して再送信できます。
サイトマップ
XMLサイトマップを送信して、サイト内の重要ページをGoogleに伝えます。新しい記事を含むサイトマップを登録すると、クロールの効率が上がりやすくなります。送信後は処理状況やエラーを確認できます。
リンクの確認
内部リンクと外部リンクの一覧を見られます。どのページがよくリンクされているか、被リンクの上位ページも把握できます。内部の巡回構造を改善する際に役立ちます。
Core Web Vitals
ページ表示速度や操作性(表示の安定性や応答性)を指標で示します。問題があれば該当ページを特定し、画像最適化やスクリプトの見直しで改善していきます。
モバイルユーザビリティ
モバイル表示での問題(テキストサイズ、タップ要素の間隔、ビューポート設定など)を検出します。スマホでの見え方を整えることで、検索順位と離脱率に良い影響があります。
セキュリティと手動対策
マルウェアやハッキング、手動ペナルティがあれば通知されます。問題発生時は原因を修正して再審査を申請できます。
一時削除ツール
公開を一時的に差し止めたい場合に使います。恒久的な削除にはページ自体の対応(noindexや削除)も併用してください。
サーチコンソールとGoogleアナリティクスの違い
概要
サーチコンソールはGoogle検索での見え方や検索流入に特化したツールです。検索キーワードや表示回数、クリック数、平均掲載順位などを教えてくれます。一方でGoogleアナリティクス(GA4)は、サイト内でのユーザーの行動に注目します。ページビュー、滞在時間、離脱や経路などを計測します。
主な違い(目的とデータ)
- 目的:サーチコンソールは「検索で見つけられるか」を把握します。GA4は「見つかった後の行動」を理解します。
- データ:サーチコンソールは検索クエリや表示・クリックに関する集計を出します。GA4は個々のページやイベントに対する行動データを出します。
使い分けと活用例
- 検索語での露出を増やしたい時:サーチコンソールで表示回数や順位を確認し、タイトルや見出しを改善します。
- サイト内の導線改善:GA4でどのページで離脱が多いかを見て、導線やコンテンツを整えます。
- 両方を使う例:あるキーワードで表示は多いがクリックが少ない場合、サーチコンソールで改善点を見つけ、GA4で流入後の行動を確認して効果を検証します。
連携と運用のポイント
- 両ツールは補完関係にあります。片方だけで判断せず両方を確認してください。
- 設定は別々に必要です(サイト所有の確認やタグ設置)。
- 定期的に両方を見比べることで、検索対策とサイト改善を効率よく進められます。
サーチコンソールの活用シーン
概要
サーチコンソールは、検索結果に関する現状を把握し改善につなげるためのツールです。検索流入の傾向やエラー情報を見て、優先的に手を入れる箇所を決められます。
検索流入改善・コンテンツづくり
- 流入キーワードから読者のニーズを把握します(例:「夏 簡単 レシピ」で流入が多ければ、夏向けの短時間メニューを増やす)。
- 表示回数・CTR・掲載順位を見て、タイトルや導入文、見出しを改善します。
技術的な改善・エラー対応
- クロールエラーやモバイル表示の問題、インデックス状況を確認します。問題箇所は優先度を付けて修正してください。修正後は再クロールをリクエストして反映を早めます。
マーケティングでの活用
- 特定キーワードの季節性やトレンドを見て、記事作成の優先順位を決めます。コンバージョンに直結する語句を把握して、CTA(行動喚起)を最適化します。
日常運用の流れ(例)
- 週次:検索パフォーマンスをざっと確認し、急落やエラーをチェック
- 新規記事公開時:URL検査でインデックスをリクエスト
- 月次:キーワード・CTR・順位の深掘りと改善計画作成
注意点
- データは数日遅延します。全ての改善効果がすぐには出ない点にご留意ください。












