はじめに
目的
本資料は、Googleサーチコンソールの「平均掲載順位」について、仕組み・確認方法・活用法をやさしく解説することを目的としています。初心者の方でも実務で使えるよう、具体例を交えて説明します。
対象読者
サイト運営者、編集者、マーケター、SEOを学び始めた方など、掲載順位を把握して改善したい人向けです。
本資料で得られること
- 平均掲載順位の意味と見方が分かります
- サーチコンソールでの確認手順を理解できます
- データを使った改善のヒントが得られます
この章の位置づけ
第1章では本資料の全体像と読み方を示します。続く章で順に仕組み・確認方法・活用法・改善ポイントなどを丁寧に解説しますので、まずは全体像をつかんでください。
Googleサーチコンソールの平均掲載順位とは
概要
Googleサーチコンソールの「平均掲載順位」とは、自社サイトがGoogle検索で表示されたときの順位の平均値です。複数のキーワードや表示回数に基づき計算され、サイト全体やページ単位で確認できます。
どう算出されるか（具体例）
例えば、あるキーワードで検索結果の3位に表示され、別のキーワードで7位に表示されたとします。この2つを単純平均すると（3＋7）÷2＝5が平均掲載順位です。実際は同じキーワードで複数回表示される場合の扱いや、クエリごとの計算方法が影響します。
対象とする検索とデータの範囲
サーチコンソールのデータはGoogle検索に限定されます。広告や他検索エンジンの順位は含まれません。期間指定や検索タイプ（ウェブ、画像、動画）で絞り込めます。
なぜ信頼されるのか
実際の検索結果に基づく生データをGoogle自身が提供するため、外部ツールより正確性が高いとされています。とはいえサンプルの制約や匿名化で細部が変わることがあります。
注意点
平均は目安です。高順位の表示が少数で低順位が多数あると平均が悪化しても実際の影響は一概に判断できません。順位だけでなく、表示回数やクリック率と合わせて見ることをおすすめします。
掲載順位の確認が必要な理由
なぜ掲載順位が重要か
掲載順位は検索からの集客力を直接左右します。米国の調査では、上位10位でクリック率が86.3％、上位3位で55％と報告されており、1ページ目に入るかどうかで得られるアクセス量が大きく変わります。2ページ目以降はほとんどアクセスが見込めないため、順位は成果を測る重要指標です。
実務上の理由（具体例含む）
- 変動の早期発見：ある日の急落を見つければ、インデックス問題やペナルティ、技術的な不具合にすぐ対応できます。例：あるページが一晩で10位下がったら、まずサーチコンソールでカバレッジや手動対策を確認します。
- キーワードの入れ替わり：検索ユーザーの意図が変わると順位も変わるため、狙う語句の見直しが必要です。
- 競合対応：競合が改善すれば自分の順位が下がるため、タイトルや導入文を改善して差別化します。
確認頻度と初動対応
定期チェックは重要です。日次で大きな変動を監視し、週次・月次で傾向を分析します。順位が下がったら、まず表示回数・クリック率・掲載ページの内容を見直し、必要ならコンテンツ改善や内部リンク強化を行います。したがって、継続的な確認と素早い対応が成功の鍵です。
サーチコンソールで平均掲載順位を確認する方法
概要
サーチコンソールでは「検索パフォーマンス」画面からサイト全体やクエリ・ページごとの平均掲載順位を簡単に確認できます。ここでは実際の操作手順と押さえておきたいポイントをわかりやすく説明します。
手順（画面操作）
- サーチコンソールにログインして該当プロパティを開きます。
- 左メニューの「検索パフォーマンス（Performance）」をクリックします。
- 上部の指標欄で「平均掲載順位（Average position）」にチェックを入れます。グラフと表に順位が表示されます。
クエリ（キーワード）ごとの確認
「クエリ」タブを選ぶとキーワードごとの表示が出ます。順位で並べ替えたり、検索窓やフィルタ（完全一致・部分一致など）で絞り込めます。クリックや表示回数も同時に見られるので、重要なキーワードの状況が把握できます。
ページごとの確認
「ページ」タブで各ページの平均掲載順位を確認します。特定のページがどのキーワードで上位にいるかを調べたいときに便利です。
期間指定・比較
「日付」タブで期間を指定できます。前期間との比較表示も可能なので、改善施策の効果を確認するときに役立ちます。
フィルタ・並べ替えの活用
国・デバイス・検索タイプ（ウェブ・画像など）で絞り込みができます。上位のキーワードやページを抽出して優先対応を決めると効率的です。
見るときのポイント
- 平均掲載順位は印象数で重み付けされます。単純な順位だけで判断しないよう注意してください。
- まずは重要キーワードや主要ページを中心に確認すると改善が進めやすくなります。
平均掲載順位の仕組みと注意点
平均掲載順位とは
平均掲載順位は、あるページやクエリが検索結果に表示されたすべての順位の平均値です。例えば同じキーワードで位置3と7に表示されたら平均は5になります。順位は数字が小さいほど上位表示を意味します。
順位が変わる主な理由
- ユーザーの検索場所や国で結果が変わる（東京と大阪で変わることがある）
- デバイス（スマホ・PC）やブラウザで見え方が異なる
- 個人の検索履歴やパーソナライズで違いが出る
サードパーティーツールとの違い
サードパーティーは特定の時間・地域・端末での順位をチェックすることが多く、瞬間的な位置を示します。一方、サーチコンソールは実際の表示に基づく多数のデータを平均化するため値が異なる場合があります。
複数ページが同キーワードで表示される場合
自サイトの複数ページが同じキーワードで表示されると、それぞれの順位が分散して平均が上がる（悪化する）ことがあります。どのページが主体なのか把握し、対象ページを絞ると見やすくなります。
注意点（解釈と運用）
- 平均値は傾向を示す指標です。短期の増減だけで判断しないでください。
- 特殊な検索結果（スニペットやナレッジパネルなど）が見え方に影響します。
- レポートを見る際は、期間や国・デバイスのフィルタを合わせて比較してください。
掲載順位データの活用方法
目的を明確にする
掲載順位データは、成果評価と次の施策決定に使います。どのキーワードで上位表示できているか、実際にクリックされているか、表示回数の伸びを見ます。目的を「流入増」「コンバージョン改善」「ブランド認知」などで分けると分析がぶれません。
具体的な分析例
- 上位表示キーワードのCTR確認：順位に対してクリック率が低ければタイトルやスニペットを改善します。例：順位3位でCTRが1%ならメタディスクリプションを見直します。
- 表示回数が増えているが流入が増えない：検索意図とコンテンツのズレを疑います。
- 意図したキーワードで上位か確認：狙った語句で上がっていなければ内部リンクや見出しの調整を行います。
優先順位のつけ方
- インパクト（想定流入やCVR）
- 労力（改修の工数）
- 成果の再現性
これらを掛け合わせて、着手するページやキーワードの順番を決めます。
順位下落時の対応
順位が下がったら、競合サイトの変更、検索アルゴリズムの更新、サイト側の技術的問題を順に確認します。競合のコンテンツを比較して足りない要素を補い、必要ならコンテンツを更新します。
BigQuery／Looker Studioとの連携例
Search ConsoleのデータをBigQueryに流し、ページ別・キーワード別に集計します。Googleアナリティクスと結合すると、検索からの行動や成果まで追えます。Looker Studioでダッシュボード化すると、チーム共有や定期レポートが楽になります。
運用のポイント
定期的に（週次・月次）データをチェックし、仮説→検証→改善を回します。小さな改善を積み重ねることで、着実に成果が出ます。
掲載順位を改善するポイント
以下では、実際に手を動かして掲載順位を改善するための具体的なポイントを、分かりやすくまとめます。初心者の方でも取り組みやすい順に並べています。
1. コンテンツの質を高める
- ユーザーの疑問を明確に解決する文章を優先します。例：手順が必要ならステップごとに番号で示す。
- 古い記事は情報を更新し、具体例や画像を追加して理解しやすくします。
2. 検索意図に合わせる
- キーワードに対して「知りたいのか」「買いたいのか」を考え、見出しや導入文を調整します。
- 検索結果（上位サイト）を見て共通点を取り入れると効果的です。
3. 内部リンクとサイト構造を見直す
- 関連ページを自然にリンクし、重要ページへ誘導します。アンカーテキストは分かりやすく。
- ページの階層を浅く保ち、訪問者が3クリック以内で主要情報に到達できる設計にします。
4. モバイル対応とページ速度を改善する
- スマホ表示を必ず確認し、読みにくければレイアウトを修正します。
- 画像圧縮やキャッシュ利用、不要なスクリプト削除で表示速度を上げます。
5. 定期的な順位チェックとPDCA
- 検索順位だけでなくCTRや滞在時間も見て、仮説→改善→検証を繰り返します。
- 小さな改善（タイトルや導入文の変更）を試し、効果が出たものを広げていきます。
よくある疑問・注意点
平均掲載順位と実際の順位が違うのはなぜ？
平均掲載順位は同じ検索クエリで表示された位置の平均値です。個々のユーザーの検索履歴や地域、端末によって実際の表示位置は変わるため、必ずしも自分の見た順位と一致しません。
データの遅延やサンプルについて
サーチコンソールのデータは数日遅れることがあります。表示回数が少ないクエリは統計が不安定になるため、サンプル数が十分なデータを重視してください。
Google検索のみを対象にしている点
サーチコンソールはGoogleの検索結果だけを計測します。他の検索エンジン（例：Bing）での順位は別途ツールや対策が必要です。
小さな変動への対処法
日々の微差に一喜一憂せず、7日・28日などの期間でトレンドを確認しましょう。急激な変動があれば、サイトの変更やアルゴリズムの影響を疑い、原因を調査してください。
異常値の見分け方
極端に高い/低い順位や短期間での急落はデータのノイズやフィルタ設定の影響かもしれません。フィルタや期間、国／デバイス設定を見直して再確認してください。
実務的なチェック項目（簡単）
- 期間とフィルタを揃えて比較する
- クエリ別・ページ別で見る
- クリック率（CTR）や表示回数も合わせて確認する
これらを習慣にすると、掲載順位の意味を正しく理解しやすくなります。
