はじめに
この章では、本記事の目的と読むことで得られることをやさしく説明します。
目的
本記事は、Googleサーチコンソールの「平均掲載順位」を正しく読み取り、SEO改善に活かす方法を丁寧に解説します。専門用語は必要最小限に抑え、具体例を交えて分かりやすく説明します。
対象読者
- サイト運営を始めたばかりの方
- サーチコンソールの数値の意味を確認したい方
- SEO施策の効果を正しく評価したい方
この記事を読むと得られること
- 平均掲載順位の基本的な意味がわかります
- 数値の見方と注意点を理解できます
- 実際の確認手順やデータの活用方法が身につきます
たとえば、あるページが検索キーワードAで1位、Bで9位なら平均掲載順位は5になります。平均は全体の傾向を示しますが、個別の変動を隠すことがあります。次章から順に、定義や計算方法、具体的な確認手順までわかりやすく進めます。
サーチコンソールの平均掲載順位とは
概要
Googleサーチコンソールの「平均掲載順位」は、ある期間における検索結果での平均的な順位を示す指標です。個々の検索で表示されたすべての順位(実データ)を合算し、それが表示された回数で割って求めます。つまり、複数のユーザーや端末、検索条件の違いをまとめた「平均的な見え方」を示します。
なぜ平均を表示するのか
検索結果は検索者の場所や端末、検索履歴、パーソナライズ、表示する検索タイプ(ウェブ・画像など)で変わります。サーチコンソールは「その時点の1つの順位」ではなく、一定期間での傾向を把握しやすくするために平均を出しています。これにより、キーワードの全体的なパフォーマンスを評価できます。
簡単な例(イメージ)
例えば同じキーワードで3回表示され、順位がそれぞれ「2位、5位、8位」だったとします。これらを合計して3で割ると平均掲載順位は5位です。表示回数が多いほど、その分だけ平均値に影響します。
解釈のポイント
- 数値が小さいほど上位表示しています(1に近いほど良い)。
- 短期間の上下は一時的な変動であることが多いので、週単位や月単位での傾向を見ます。
- 平均はあくまで全体の目安であり、特定ユーザーの「その瞬間の表示順位」は示しません。
注意点(簡潔に)
平均掲載順位は便利な指標ですが、検索結果の多様性を簡潔化したものです。個別の検索結果や表示回数の偏りを理解するためには、クリック数や表示回数も合わせて確認するとよく分かります。
平均掲載順位の計算方法
計算式の全体像
平均掲載順位は次の式で求めます。
平均掲載順位 = SUM(sum_top_position) / SUM(impressions) + 1
この式は、複数行のデータを結合して重み付き平均を出す考え方です。分子は掲載順位の合計、分母はインプレッションの合計です。
sum_top_positionとは
sum_top_positionは各行ごとに「その行の掲載順位 × インプレッション」を足し合わせた値です。内部では掲載順位を0から数えているため、最後に+1で人間が見やすい1始まりの順位に直します。
算出手順(手順を追って)
- 各行について「掲載順位 × インプレッション」を計算します。これがその行のsum_top_positionです。
- すべての行のsum_top_positionを合計してSUM(sum_top_position)を出します。
- すべての行のインプレッションを合計してSUM(impressions)を出します。
- 式に当てはめて平均掲載順位を求めます。
具体例
例:
– 行A:インプレッション100、掲載順位(内部値)0(=1位) → 0×100 = 0
– 行B:インプレッション50、掲載順位(内部値)2(=3位) → 2×50 = 100
SUM(sum_top_position)=100、SUM(impressions)=150
平均掲載順位 = 100 / 150 + 1 = 1.666… → おおよそ1.67位
実務でのポイント
- CSVで出力すれば各行を掛け合わせて合計を出せます。
- フィルタ(端末や検索タイプ)を変えると値が変わるので、同じ条件で計算してください。
検索順位の数え方
基本ルール
検索順位は画面の上から下へ順に番号を付けます。最上段が「1位」となり、順に2位、3位…と続きます。これは直感的で分かりやすいルールです。
PCでの数え方(デスクトップ)
PC画面では、表示が左右二列になることがあります。数え方は次の通りです。
1. まず左側の検索結果を上から下へ順に数えます。
2. 左側の一番下まで数え終えたら、次に右側の検索結果を上から下へ数えます。
例:左列に1〜8位、右列に9〜16位といった形になります。画面上の配置が順位に直結すると考えてください。
スマホでの数え方
スマホは画面が縦一列になるため、単純に上から下へ順に数えます。PCより分かりやすく、1ページ目の上から下までが1〜10位などになります。
特別な表示の扱い
リッチスニペット、ナレッジパネル、広告、地図パックなどは見た目に目立ちますが、順位の数え方に影響する場合があります。Search Consoleなどのツールは内部ルールで順位を報告するため、画面表示と完全に一致しないことがあります。確認する際は、実際の検索結果画面とツールの定義を照らし合わせてください。
確認のコツ
スクリーンショットを撮って上から順に番号を振ると分かりやすいです。異なる端末やブラウザで確認して差がないか見ると、表示の違いを把握できます。
サーチコンソールでの確認手順
前提
サーチコンソールにログインしておいてください。対象のサイトを選択するとデータを見られます。
基本の手順(手順を順に実行してください)
- 左メニューで「検索パフォーマンス」をクリックします。
- レポート上部の指標から「平均掲載順位」にチェックを入れます。折れ線グラフに推移が表示されます。
- 画面上部でレポート期間を選びます(例:過去3か月、過去28日など)。比較表示も使えます。
- 下のタブで「クエリ」「ページ」「国」「デバイス」などを切り替えて、項目ごとの平均掲載順位を確認します。
- 特定のページを詳しく見るには「ページ」タブをクリックし、該当URLを選びます。クリック数・表示回数・掲載順位を一覧で確認できます。
- フィルタ(クエリやページ、国、デバイス、検索タイプ)で範囲を絞り、傾向をつかみます。
- 必要ならエクスポートボタンでCSVをダウンロードして、表計算ソフトで詳しく分析します。
- 個別のURLの最新状況を知りたいときは「URL検査」機能を使ってインデックスや最終クロール日時を確認します。
注意点(使い方のコツ)
- 短期間だと順位が変動しやすいので、一定期間で比較すると安定した判断ができます。
- 平均は極端な順位に引きずられることがあるため、クエリ別やページ別の詳細も合わせて見てください。
上記手順で、日々の検索順位の変化とページごとのパフォーマンスを効率よく確認できます。
特定キーワードの検索順位確認方法
手順(簡単)
- サーチコンソールで「検索パフォーマンス(Performance)」を開きます。
- 「フィルタを追加」→「検索キーワード(Query)」を選びます。
- 確認したいキーワードを入力します。
- 表示された結果で平均掲載順位やクリック数、表示回数を確認します。
正確なクエリで絞り込む
「正確なクエリ(Exact match)」を選ぶと、入力した検索語と完全に一致する検索だけに絞れます。意図した語句だけを対象にしたいときに便利です。部分一致を避けたい場面で使ってください。
正規表現を使う例
もっと複雑な条件が必要なら正規表現(Regex)を使います。例えば、2つの語句のどちらかに完全一致するものだけを抽出したいときは次のようにします。
^(検索順位 チェックツール|検索順位チェックツール)$
この例では両方の語句に部分一致しないように先頭(^)と末尾($)を使っています。
実務的な注意点
- 日付範囲を適切に設定して、季節やキャンペーンの影響を見落とさないようにします。
- 絞り込み後に「ページ」フィルタを併用すると、どのページがそのキーワードで表示されているか確認できます。
- 正規表現は強力ですが誤入力で結果がゼロになるので、一度少ない語で試して動作を確認してください。
データの活用方法
概要
サーチコンソールで確認した平均掲載順位のデータは、複数の切り口で活用すると分析が進みます。ここでは実務で使いやすい方法を具体例とともに説明します。
期間・検索タイプ・国のフィルタ
期間(過去7日・28日・過去12か月など)で比較し、検索タイプ(ウェブ・画像・動画)や国で絞り込みます。例:海外流入が増えているか知りたいときは国でフィルタして比較します。
クエリ(特定キーワード)の活用
クエリタブで特定キーワードを選び、表示回数(インプレッション)・CTR・平均掲載順位を同時に確認します。実例:掲載順位は高いのにCTRが低ければタイトルやスニペットを改善します。
日付タブ(時系列)の確認
日別・週別で推移を見て季節性や直近の変動を把握します。変動があれば、更新や外部施策の効果を照合します。
ページのディメンション確認
ページごとの平均掲載順位を見て、集客の要となるページと改善が必要なページを分類します。優先順位付けの材料になります。
ブックマークと定期チェック
よく使うフィルタはブックマークしておくと効率的です。月次・四半期の定期レビューをスケジュール化します。
実務での優先アクション例
1) インプレッション多く順位が低いキーワードは上位化を優先
2) 掲載順位下落が続くページは原因調査と修正
3) 高順位だがCTR低いページはタイトル・説明文を改善
レポートと共有
必要なデータはCSVやGoogleスプレッドシートへエクスポートして、施策案と一緒に共有すると実行に繋がります。
検索タイプの選択
概要
サーチコンソールの「検索タイプ」は、検索の種類を切り替える機能です。選べるのは「ウェブ」「画像」「動画」「ニュース」。どのタイプを見ているかで、表示されるデータ(掲載順位・表示回数・クリック数)が変わります。
各タイプの説明と具体例
- ウェブ:通常の検索結果です。ブログやコマースサイトなど、テキスト中心のページを確認するときに使います。例えば商品ページや記事の順位を見るならこれを選びます。
- 画像:画像検索での表示状況を見ます。写真やイラストを多く掲載するサイト、ECの商品画像を対策している場合に役立ちます。
- 動画:動画コンテンツの表示状況を確認します。YouTube埋め込みや自社ホスティングの動画が対象です。
- ニュース:Googleニュースに関係する表示を確認します。速報性のある記事やプレスリリース向けです。
選び方のポイント
通常の順位確認はデフォルトで「ウェブ」を選びます。サイトのユーザーが国内向けなら、フィルターで国を「日本」に設定してローカルな結果を見てください。複数のタイプへ露出がある場合は、それぞれ切り替えて比較すると改善点が見えます。
サーチコンソールでの操作手順
- サーチコンソールの「検索パフォーマンス」を開く
- 上部の「検索タイプ」ドロップダウンから該当タイプを選ぶ
- 必要なら「国」フィルターで日本を選択する
注意点
異なる検索タイプはトラフィックや順位の傾向が大きく異なります。データを比較する際はタイプを合わせて確認してください。
注意点
操作の流れと手間の理由
ページを変更するときは、現在選択しているページの選択を解除してから、タブを「ページ」に戻し、URLリストから目的のページを探して選択し、最後に「クエリ」をクリックする必要があります。手順が複数あるため、慣れないと時間がかかります。例:一つのページを確認→別ページに切り替え→再度クエリを表示、を繰り返すと手間が増えます。
よくある注意点
- URLの表記ゆれに注意(末尾のスラッシュ、http/https、wwwの有無)。意図したページが選べないことがあります。具体例:https://example.com/page と https://example.com/page/ は別扱いになることがあります。
- フィルタ解除を忘れると、前の条件が残り期待する結果が出ません。
- 大量のページを順に確認すると時間がかかるため集中力を欠きやすいです。
作業を楽にするコツ
- 検索ボックスや部分一致のフィルタを使い、URLの一部で絞り込むと早く見つかります(例:「/products/」で絞る)。
- ブラウザタブを複数使い、よく見るページは別タブで開いておくと切替が楽です。
- 作業する前に確認リスト(URL一覧)を用意し、順番に処理すると漏れが減ります。
- どうしても一度に多くのページを扱う場合は、CSVでデータを出力して表で整理すると効率化できます。
以上の点を押さえると、ページ切替時の手間を減らし、誤操作を防げます。












