はじめに
本書の目的
この文書は、Googleサーチコンソールにある「平均掲載順位」について、基本から実務で使える確認・改善方法までをわかりやすく整理して解説します。数字の意味や計算方法、サーチコンソールでの確認手順を丁寧に説明し、実際の分析に役立つ知識を提供します。
対象読者
- ブログ運営者やウェブ担当者
- 検索流入を増やしたい個人やチーム
- サーチコンソールの数字を正しく理解したい人
専門的な前提知識は不要です。用語は最小限にして、具体例で補足します。
本書で学べること
- 平均掲載順位の定義と仕組み
- 数値の見方と計算方法の例
- サーチコンソールでの確認手順
- 外部ツールとの違いと注意点
- 数値を改善するための基本的な対策
読み方のポイント
章ごとに順を追って理解できる構成です。第2章で基礎を押さえ、第3章で計算例を確認、第4章で実際の操作方法を学べます。すぐに使えるヒントも各章に盛り込みます。
平均掲載順位とは何か？基本の理解
意味
平均掲載順位は、サイトのページがGoogle検索結果の何番目に表示されたかの平均値を示す指標です。順位は1が最上位で、数値が小さいほど良い位置にあると考えます。クエリごと、ページごと、サイト全体で確認できます。
どう解釈するか
単一の検索での「確定した順位」ではなく、検索ごとに異なる表示位置の平均です。地域や検索履歴、端末によって同じクエリでも結果が変わるため、平均で傾向を把握します。
なぜ変動するか
- ユーザーの位置情報や過去の検索履歴
- 使用デバイス（スマホ・PC）や言語設定
- 検索結果ページ（SERP）の仕様や特集枠の有無
具体例
あるページが3位で表示された検索が10回、7位で表示された検索が10回あった場合、平均掲載順位は(3×10 + 7×10)÷20 = 5です。これは「おおむね5位前後に表示されている」と読む指標です。
注意点
一般に上位200位までが計算対象です。平均掲載順位は改善の方向を示す便利な指標ですが、クリック率や実際の流入と合わせて見るとより有益です。
平均掲載順位の計算方法と具体例
基本の計算式
平均掲載順位は、とてもシンプルです。各インプレッション（表示）ごとの掲載順位を合計して、インプレッション数で割ります。
例：掲載順位が1位と3位の2回表示された場合
(1 + 3) ÷ 2 = 2.0
これは「インプレッションごとの平均」なので、表示回数が多いキーワードの順位が全体に強く影響します。
複数キーワードの扱い方（重みづけの例）
キーワードごとにインプレッション数が異なるときは、インプレッションで重みづけされます。例えば：
– キーワードA：インプレッション100回、平均順位2
– キーワードB：インプレッション50回、平均順位5
合計は (100×2 + 50×5) ÷ (100 + 50) = 450 ÷ 150 = 3.0
このように、表示回数が多いキーワードの順位が平均に大きく影響します。
Googleの技術的な仕様について（注意点）
概要にある通り、Google内部ではインプレッション数と最上位掲載順位の合計から、1ベース（順位は1から始まる）で算出する技術的処理があります。実際の管理画面で表示される平均掲載順位は、この内部処理や四捨五入の影響で、手計算の結果とわずかに差が出ることがあります。
実務上のポイント
- 平均値は傾向を見る指標として有効です。個別のキーワード順位やクリック率と併せて判断してください。
- 極端に多いインプレッションがある場合、そのキーワードの改善が平均に大きく効く点を意識してください。
サーチコンソールで平均掲載順位を確認する方法
検索パフォーマンスを開く
サーチコンソールにログインし、左メニューの「検索パフォーマンス」をクリックします。表示されるグラフと表に、合計の平均掲載順位やクリック数、表示回数、CTRが出ます。
期間とフィルタ設定
画面上部で期間を選びます。直近の変化を見るなら28日や3か月、長期傾向は12か月が便利です。フィルタで国、デバイス、検索タイプ（ウェブ・画像）を絞れます。
サイト全体の平均掲載順位確認
上部の指標で「平均掲載順位」を選ぶとサイト全体の推移が見えます。例えば「平均8.2」であれば検索結果の1ページ目に多く表示されている目安です。
クエリ別・ページ別の確認
下のタブで「クエリ」「ページ」を切り替え、個別の平均掲載順位を確認します。順位が8〜12前後のクエリやページは、リライトで上位化しやすい候補です。
クロス分析（ページ×クエリ）
「新しい」→「ページ」を選び、更に「+ 比較」からクエリを指定すると、特定ページがどの検索語で表示されているか確認できます。表示回数やCTRと合わせて見ると改善点が分かります。
データの書き出しと活用
右上のエクスポートでCSV出力し、スプレッドシートで並べ替えやフィルタをかけます。クリック数が多くCTRが低いが掲載順位が高い場合はタイトルや説明文を改善すると効果が出やすいです。
実務での使い方例
・平均掲載順位が上がったページは、その原因（内部リンク・被リンク・コンテンツ改善）を確認します。・8〜12位のページを優先的にリライトして上位化を狙います。・クエリごとのCTRと掲載順位を見て、スニペット改善や構成変更を検討します。
