はじめに
この章では、この文書の目的と扱う範囲を分かりやすく説明します。
目的
Googleサーチコンソールでよく「アカウント削除」と表現される操作は、実は異なる3種類の意味を持ちます。本記事はそれらを整理し、誤解なく適切に操作できるように手順と注意点を丁寧に解説します。
対象となる削除の種類(概要)
- ユーザー(権限)の削除:サーチコンソール内で特定の人のアクセス権を取り消します。例:共同管理者を外す。
- プロパティ(サイト)の削除:サイト(プロパティ)をサーチコンソールの管理対象から外します。例:古いドメインを削除する。
- Googleアカウント自体の削除:そのアカウントを完全に削除すると、関連するサーチコンソールの権限やデータも影響を受けます。
本文の流れ
以降の章で、まず何を削除したいかの整理、次に各削除手順、最後に検索結果からURLを除外する方法まで順に説明します。初心者の方も安心して進められるよう、具体例と注意点を交えて説明します。
何を削除したいか整理
はじめに
サーチコンソールで「削除」と言っても、意味は主に三つに分かれます。まず何を消したいのか明確にすると、誤操作を防げます。
1)ユーザー(権限)を削除したい
説明:特定の人がサイトデータにアクセスできないようにする操作です。例:外注した人のアクセスを切る、退職者の権限を取り消す。
注意点:サイト自体や検索結果は変わりません。別の所有者がいればその人は引き続き管理できます。
2)プロパティ(サイト)をサーチコンソールから削除したい
説明:サーチコンソールの管理対象からサイト(プロパティ)を削除します。例:古いドメインを一覧から外す。
注意点:削除してもGoogleの検索結果やインデックス自体は自動で消えません。検証情報がなくなると自分で再登録・再検証が必要になります。
3)Google アカウント自体を削除したい
説明:そのGoogleアカウントに紐づくサーチコンソールのすべての権限や他サービスのデータも削除されます。例:個人のアカウントを完全に退会する場合。
注意点:メールやドライブなど他サービスにも影響します。大きな影響が出るため、バックアップや代替アカウントの準備をおすすめします。
判断のポイント
誰が困るか、検索結果そのものを消したいのか、管理権限だけを切りたいのかを基準に選んでください。次章からは、それぞれの具体的な手順を説明します。
ユーザー(権限)を削除する手順
手順(画面操作)
- Googleサーチコンソールにログインします。対象のプロパティを選びます。
- 左側メニューの「設定」をクリックします。
- 「ユーザーと権限」を開きます。現在登録されているユーザーが一覧で表示されます。
- 削除したいユーザー行の右側にある「︙(縦三点)」をクリックします。
- 表示されるメニューから「権限の削除」または「ユーザーの削除」を選び、確認して確定します。
補足と注意点
- 削除すると、そのユーザーはそのプロパティへアクセスできなくなりますが、Googleアカウント自体は削除されません。
- オーナー(所有者)が1人しかいないプロパティで自分以外の唯一のオーナーを削除すると管理できなくなる恐れがあります。事前に別のオーナーを追加するか、削除対象となる人に通知してください。
- 削除後は「ユーザーと権限」一覧で反映を確認できます。反映が遅れる場合がありますが、通常はすぐ反映されます。
実務上のおすすめ
- どの権限を与えていたか(フル/制限)を削除前に確認してください。誤って重要な人を外さないよう、関係者に事前連絡すると安全です。
- 大量にユーザー管理が必要な場合は、管理手順を社内ルールにしておくと混乱が減ります。
プロパティ(サイト)を削除する手順
概要
サーチコンソールからプロパティを削除すると、そのプロパティが自分の管理画面から消えます。サイト自体や検索結果はそのまま残る点にご注意ください。
手順(画面操作)
- プロパティを選ぶ
- サーチコンソールで画面上部のプロパティ選択ボタンから対象サイトを選択します。表示されないときは所有権があるか確認してください。
- 「設定」を開く
- 左メニューの「設定」をクリックします。設定画面に移動します。
- 「プロパティを削除」をクリック
- 設定内にある「プロパティを削除」を押します。削除対象が正しいか画面で確認します。
- 確認して確定
- ポップアップで再確認が出ます。問題なければ「プロパティを削除」を押して確定します。
注意点
- 削除には該当プロパティの所有者または適切な権限が必要です。
- 削除後、Search Consoleのデータは自分の画面から見えなくなります。必要なら事前にデータをエクスポートしてください。
- サイトの検証情報(HTMLタグやDNS設定)はサイト側に残るため、再登録すれば再びプロパティに戻せます。
- 削除してもGoogleの検索結果には影響しません。サイトを検索結果から消したい場合は別の手順が必要です。
よくある質問
Q: 間違えて削除したら戻せますか?
A: 同じ手順で再度プロパティを追加し、所有権を証明すれば復元できます。
Q: 他のユーザーのアクセスには影響しますか?
A: 自分のアカウントからの表示が消えるだけで、他のユーザーの権限は変わりません。
削除の種類ごとの違い
ここでは、削除対象ごとの操作手順と検索結果への影響をわかりやすく説明します。
ユーザーの権限
- 具体的な操作: 設定 → 「ユーザーと権限」→ 対象ユーザーの「権限の削除」を選びます。
- 検索結果への影響: なし。権限を外してもページやインデックスには影響しません。
- 具体例と注意点: 退職した社員のアクセスを止めたいときに使います。ユーザーのGoogleアカウント自体や公開ページはそのまま残るので、必要なら他のサービスの権限も確認してください。
プロパティ(サイト)
- 具体的な操作: 設定 → 「プロパティを削除」を実行します。
- 検索結果への影響: なし。Search Console上から管理対象が消えるだけで、サイトのインデックスや表示には影響しません。
- 具体例と注意点: 間違えて削除しても、所有権を再確認して再追加すれば再び管理できます。ただし、プロパティ内のレポートや設定はコンソール側で消えます。
ページやURL
- 具体的な操作: 左メニューの「削除」ツールからURL削除リクエストを出します。緊急時は一時的に非表示にできます。恒久的に消したい場合は、ページを削除する、サーバーで404を返す、またはnoindexを設定してください。
- 検索結果への影響: 削除ツールは検索結果やキャッシュを一時的に非表示にします。ページ自体を削除またはnoindexにしない限り、再度表示される可能性があります。
- 具体例と注意点: 個人情報や誤情報を早く隠したいときは一時削除が有効です。同時にサーバー側での対応も行い、永久的に検索結果から消す手続きを忘れないでください。
URL自体を検索結果から消したい場合
検索結果から特定のURLだけを消したいときの手順を、わかりやすく説明します。短い操作で済みますが、目的に応じて選ぶ項目が変わります。
- 対象サイトのプロパティを選択する
-
Search Consoleで、該当するプロパティ(例: https://example.com)を選びます。ドメインプロパティとURLプレフィックスがあるので、操作するURLと一致する方を選んでください。
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左メニューから「削除」をクリックする
-
メニューの「削除(Removals)」を選びます。ここで現在のリクエスト状況も確認できます。
-
「新しいリクエスト」で削除したいURLを入力する
-
フルURLを入力します(例: https://example.com/path/page.html)。サブディレクトリ単位でまとめて指定することも可能です。
-
一時的な非表示かキャッシュ削除などの種類を選んで送信する
- 一時的な非表示: 検索結果から一時的に隠します。ページ自体が残っている場合、再クロールで復活することがあります。
- キャッシュとスニペットの削除: 検索結果のキャッシュや説明文(スニペット)だけを消します。ページ自体は検索に残ることがあります。
どれを消したいのか(ユーザー・プロパティ・URL)が決まっていれば、よりピンポイントの操作手順も案内できます。最後に、恒久的に検索結果から消したい場合はページ自体を削除するか、noindexを付ける必要がある点にご注意ください。












