はじめに
目的
本章では、本記事の狙いと読み方をやさしく説明します。ランディングページ(LP)とサイトマップはどちらもウェブサイト設計に関わりますが、役割が違います。まずは違いを理解し、設計全体のバランスを取る意識を持つことが大切です。
LPとサイトマップの役割(かんたん説明)
- LP:特定の目的(問い合わせ、購入、登録など)に訪問者を導くための専用ページです。構成は短く、行動を促す要素を重視します。たとえば、商品購入のための1ページ構成が典型です。
- サイトマップ:サイト全体の設計図です。すべてのページ構成や導線を俯瞰し、情報の階層やつながりを整理します。企業サイトや情報サイトで重要になります。
なぜ違いを押さえるべきか
目的が違えば設計方法も変わります。LPはコンバージョン率を高める個別最適、サイトマップは長期的なユーザビリティやSEOを見据えた全体最適を目指します。両方を混同すると使い勝手や集客に影響します。
本記事の使い方
以降の章で、用語整理→関係性→設計上の注意点→設計タイミングを順に解説します。実務で迷ったときに参照できる実践的な視点を提供します。
用語の整理
ランディングページ(LP)とは
LPは広告や検索、SNSなどから来たユーザーに特定の行動(購入、申込み、資料請求など)を促すための1ページ構成の縦長ページです。余分なリンクや選択肢を減らし、目的に集中させます。例:広告バナー→商品の購入ボタンへ直接誘導するページ。
サイトマップとは
サイトマップはサイト内のページ一覧を示すものです。ユーザー向けのサイト内ナビと、検索エンジン向けのsitemap.xmlの二種類があります。例:会社概要、商品一覧、ブログ一覧を並べたページや、XMLで全URLを列挙するファイルです。
役割の違い(具体例で理解)
- LP:短時間で決断させる設計。例:キャンペーン専用ページで申込フォームだけを置く。
- サイトマップ:回遊を促し、情報の所在を明示する設計。例:顧客が他の商品ページやFAQへ簡単に移動できる導線を提供する。
注意点(簡潔に)
LPはリンクを絞るためサイトマップからは独立して扱うことが多いです。しかし、検索流入を意識するならsitemap.xmlに該当LPを含める判断が必要です。
LPとサイトマップの関係・注意点
広告用(独立)LPのポイント
広告の到着点として使うLPは、目的がコンバージョンです。ヘッダーやフッターにサイト全体へのリンクを置かないか、最小限にします。例:グローバルナビを外し、重要な問い合わせボタンだけ残す。こうすることで離脱を減らし成約率を高めます。
企業サイト内に組み込むLPのポイント
企業サイトの一部としてLPを作る場合は、サイトマップやグローバルナビに含めます。サイト全体のSEOや内部リンク効果を高めるため、関連する製品ページやFAQからLPへ自然に誘導します。例:製品紹介ページから「詳しくはこちら」でLPへ遷移させる。
共通の注意点
・インデックス制御:検索で表示させたくない場合はmeta robotsで調整する。
・重複コンテンツ:似た内容が多数あると評価が分散するので、文面や構成を変える。
・計測と遷移設計:広告からの流入経路が分かるようUTMや遷移先を整理する。
・ユーザビリティ:読みやすい構成とスマホ最適化を優先してください。
いつどう設計すべきか
概要
LPは目的(CV重視かSEO兼ねたブランド訴求か)で設計方針を変えます。広告から直接コンバージョンを狙う単体LPはナビゲーションを絞り、外部や他ページへの導線を減らすことが多いです。一方で、ブランドやSEOを狙うLPはサイト構造の一部として扱い、サイトマップに含めて内部リンクを張ります。
運用パターンと具体例
- CV重視の単体LP
- 特徴:ファーストビューで申し込みボタンを表示、不要なリンクは省く。
- サイトマップ:基本は掲載しないか、広告用フォルダ(例:/ads/)の深い階層に置く。
-
例:広告バナーから誘導し、申込完了で完結するキャンペーンLP。
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SEO/ブランド一体型のLP
- 特徴:カテゴリページや特集ページから内部リンクを張り、回遊性を高める。
- サイトマップ:含めることでクロールされやすくし、掲載キーワードでの評価を狙う。
- 例:製品比較ページや季節キャンペーンの特集LP。
設計のタイミングとチェック項目
- 目的定義:CV優先か認知・SEOかを明確にする。2. 流入経路確認:広告流入が主ならナビを最小化する。3. 内部リンク設計:サイト一体型ならカテゴリや特集からリンクを張る。4. サイトマップ設定:目的に沿って含めるか除外する。5. 計測設定:コンバージョン・離脱率を細かく測る。
実務での判断目安
- 広告投資で直接CVを狙う期間は単体LPを優先し、サイトマップ非掲載で回す。
- オーガニック流入やブランド長期施策を始める時はLPをサイトに組み込み、内部リンクとサイトマップで育てる。
注意点
同じLPを広告用とSEO用で二重化すると重複コンテンツのリスクがあります。片方をcanonicalで統一するなどの対応を必ず行ってください。
ざっくりまとめ
要点まとめ
LP(ランディングページ)は通常、CV(コンバージョン)に集中するためナビゲーションやサイトマップ掲載を省くことが多いです。一方でサイト全体のサイトマップにLPを含めるかは目的や運用体制で決めると整理しやすいです。
判断の軸(目的別)
- CV集中(短期キャンペーンや広告誘導): LPはサイトマップに入れず、ナビゲーションを最小化します。具体例: 1か月程度の広告LPは外すことが多いです。
- 集客兼ねる(検索流入や情報提供も狙う): サイトマップに掲載し、内部リンクでサイト全体とつなげます。具体例: 継続的に参照される商品紹介LPは含めます。
判断の軸(運用別)
- 一時的運用: サイトマップに入れない方が管理が楽です。
- 継続運用: サイトマップに入れて更新ルールや担当を決めます。
実務チェックリスト(簡単)
- 目的はCV集中か集客かを明確にする
- 運用期間と担当を決める
- サイト内でのリンク設計(必要なら追加)
- サーチコンソールやアナリティクスで計測設定
必要に応じて、LPの役割ごとに取り扱いをドキュメント化すると運用負担が下がります。以上がざっくりとした整理です。












