はじめに
目的
本資料は、オウンドメディア運営で成果を出すための目標設定方法を分かりやすくまとめたガイドです。目標の立て方から具体的な指標の作り方、長期的な見通しまで順を追って説明します。
対象読者
- オウンドメディアの運営を始めた方
- 既存メディアの成果に悩んでいる方
- マーケティング担当者や経営者で、実行可能な目標作りを学びたい方
本書の構成と読み方
各章で概念と実践を交互に示します。第2章で基礎を押さえ、第3章でよくある失敗を学びます。第4章と第5章で具体的なKGI・KPIの設定手順と例を紹介し、第6章で長期管理の考え方を解説します。読み進めながら自社の例に当てはめてください。
なぜ目標設定が重要か
ただ記事を増やすだけでは成果が見えにくくなります。目標を明確にすると、優先順位が定まり、効果測定ができ、改善のサイクルが生まれます。例えば「月間問い合わせ数を30件に増やす」といった具体的な目標があれば、何を改善すべきか判断しやすくなります。
本書の使い方のコツ
小さな仮説を立てて検証を繰り返してください。短期と中長期の指標を分けて考えると、日々の施策と戦略的な投資の両方に対応できます。
オウンドメディアとは何か
定義と種類
オウンドメディアは企業や団体が自ら運営し、情報を発信する自社の媒体です。代表的なものはブログやオウンドメディアサイト、メールマガジンなどで、場合によっては自社運営のSNSや動画チャンネルも含めます。
主な目的
目的は主に認知向上、顧客との関係構築、ブランドの強化です。役立つ情報を継続的に提供して理解を深め、最終的には商品の購買やファン化につなげます。
具体例と活用法
商品説明だけでなく、使い方のコツや導入事例、お客様インタビューなどを掲載します。メールマガジンで定期的に届く情報を用意したり、専門性の高い記事で検索からの流入を狙ったりします。
メリットと注意点
メリットは自社でメッセージをコントロールできることと長期的な資産になる点です。一方で継続的な更新と品質管理が重要で、目的と運用体制を明確にして始める必要があります。
目標設定の重要性と失敗要因
はじめに
オウンドメディア運営で最も多い失敗は、目的やゴールが不明確なことです。誰に何を届けたいかが曖昧だと、施策が散漫になり効果が出にくくなります。
なぜ目標が重要か
明確な目標は、やるべきことを絞り、優先順位を決める指針になります。目標があると施策の効果測定ができ、改善点も見えてきます。
代表的な失敗要因
- 目的が抽象的:認知向上、ブランディングなどだけで終わる
- 期待値が高すぎる:短期間で大量の流入を期待する
- 測定指標がない:何をもって成功とするか定義していない
- 役割分担が不明:誰がコンテンツを作るか決まっていない
目標設定のポイント(実践的)
- 具体的にする:月間◯◯PV、記事数◯本など数値で決める
- 期間を決める:3か月、6か月と区切る
- 達成可能にする:初期は現実的な数字から始める
- 担当を決める:編集、執筆、SEOそれぞれの責任者を明確に
初期におすすめの現実的な目標例
- 3か月で記事数を20本にする
- 6か月で検索流入を月間1,000セッションにする
- 月のエンゲージメント率を現状比で20%向上させる
測定と改善
目標は設定して終わりではありません。定期的に数値を確認し、原因を分析して改善策を実行します。目標が達成困難なら、指標や施策を見直して段階的に上げていきます。
KGI(重要目標達成指標)の設定
KGIとは何か
KGIは最終的に達成すべきゴールを指します。年間売上、問い合わせ件数、新規採用人数などが代表的な例です。オウンドメディアの場合は「メディア経由で達成する最終成果」を明確にします。
設定の3ステップ
- 事業課題の洗い出し
- 会社全体の目標(売上や採用目標など)を具体化します。例:年間売上1億円。
- オウンドメディアの貢献度定義
- メディアが全体のどの程度を担うか決めます。例えば総売上の20%をメディアで生むと決めると、メディアKGIは2,000万円です。
- 数値化と期限設定
- 数値と期間を確定します。問い合わせなら「半年で問い合わせ300件」、採用なら「年間で新規採用10名」など、測定可能にします。
設定時のポイント
- 測定可能であること:KPIに落とし込める数値にします。
- 現実性:達成可能なレンジを想定します。
- 共有:関係部署と合意して一貫した戦略にします。したがって、KGIは戦略とコンテンツの方向性を決める羅針盤になります。
KPI(重要業績評価指標)の設定
KPIとは
KPIはKGI(最終目標)に向かうための中間指標です。数値で評価できるため、施策の効果を見える化できます。進捗が遅ければ早めに軌道修正できます。
目的別の具体例
- 認知拡大:PV数、ユニークユーザー数、SNSシェア数
- エンゲージメント向上:平均滞在時間、直帰率、コメント数
- リード獲得:問い合わせ数、資料請求数、メール登録数
- 収益化:コンバージョン率、購入数、平均購入単価
※数値は具体的に設定します(例:月間PVを5万にする、資料請求を月50件にする)。
KPIの設定手順(実践)
- KGIと結びつける:KGIから逆算してKPIを選びます。
- 計測方法を決める:どのツールで、どの条件で測るか明確にします。例:GAでのページビュー、SNS管理画面でのシェア。
- 目標値と期限を決める:いつまでにどれだけ達成するかを決めます。
- 担当者を決める:誰が責任を持って改善するか明確にします。
計測と運用のポイント
- 定期的に見る:週次や月次でダッシュボードを確認します。
- 閾値を設定:想定範囲を超えたらアラートを出します。
- 複数指標で判断:一つのKPIだけで判断せず関連指標も見ると正確です。
注意点
短期の数字だけ追うと本来の目的を見失います。KPIはあくまで手段なので、定期的に見直してください。
長期的な目標設定の重要性
はじめに
オウンドメディアの成果は短期間で出にくいです。検索流入や信頼構築には時間がかかるため、長期の目標を持つことが成功につながります。
なぜ長期目標が必要か
- SEOやコンテンツの効果は数ヶ月〜数年で現れます。
- ブランド認知やリード育成は継続的な接点が必要です。
目標の立て方(ポイント)
- 期限を明確にする:例)1年後のリード数、3年後のオーガニック流入
- 数値化する:例)年間300件の見込み客、月間訪問者数を50%増
- 具体的な施策と紐づける:コンテンツ軸、配信頻度、CTA設計
定期的な進捗チェックと軌道修正
- 毎月・四半期ごとの評価を設定します。
- データで判断し、必要なときに方針を変えます(例:テーマ変更、配信チャネルの見直し)。
- 小さな実験(A/Bテスト)を続けて改善点を見つけます。
具体例(短め)
中小企業の事例:1年で300件のリードを目標に設定。月25件をKPIとし、月次でコンテンツ効果とランディングページのCVRを確認。6か月で達成が難しければ、広告で流入を補いながらコンテンツを改善します。
注意点
- 現実的な数値を設定し、チームで共有します。
- 長期目標の中に短期の成功指標を入れて、モチベーションを維持します。











