はじめに
本資料の目的
本資料は「オウンドメディア 企画書」に関する調査結果を分かりやすくまとめたものです。企画書を初めて作る方から、社内承認を得る段階にいる担当者まで、実務で役立つポイントを具体的に説明します。
対象読者
- オウンドメディアの立ち上げを検討している企業担当者
- 既存メディアの改善や再構築を考える編集者・マーケター
- 社内稟議書作成で承認を目指すプロジェクトリーダー
本資料で扱う内容（全章の概要）
第2章：企画書作成で重要な3つのポイント
第3章：社内稟議を通すための記載内容
第4章：企画設計書の作成手順
第5章：コンテンツ設計の主要要素
第6章：企画書作成時の基本アプローチ
第7章：取材企画書に特化した記載項目
それぞれに実務で使えるチェックリストや例を添えます。
使い方のポイント
まず全体を軽く読み、次に自社の課題に近い章を選んでください。章ごとに手順と記載例を示すので、そのまま社内文書に転用できます。必要に応じて目次や指標をカスタマイズしてください。
期待される成果
本資料を活用すると、企画意図が明確になり関係者の合意形成が速くなります。結果として、立ち上げや改善のスピードが上がり、コンテンツの質向上につながります。
オウンドメディア企画書の作成における3つの重要ポイント
1. 長期スパンでの費用対効果（ROI）を明確に示す
短期の流入だけで判断せず、12〜36ヶ月など長期スパンのシミュレーションを提示します。具体例：広告費が毎月30万円で流入を得る場合、年間360万円。オウンドメディアは初期制作・運用で年間150〜300万円かかるが、2年目以降は獲得コストが下がり累積で有利になることを数値で示します。グラフや比較表で「同期間のCPAやLTV」を並べると説得力が増します。
2. 他社事例で信頼性を補強する
業界や規模が近い企業の成功事例を3〜5件集め、成果（流入増、リード獲得、成約率改善）と取り組み内容を簡潔にまとめます。可能なら引用元やKPI値を明記します。自社に置き換えた推定効果を示すと決裁者がイメージしやすくなります。
3. 売上以外の効果を定量・定性で示す
ブランド認知、顧客との関係構築、採用力向上、メディア露出の土台化など、売上以外の利点も記載します。定量化可能な指標（検索流入数、滞在時間、応募数増加など）と、顧客の声や社内外の評価といった定性データを組み合わせて示すと説得力が高まります。
各ポイントを企画書の冒頭で簡潔にまとめ、後半で詳細シミュレーションや事例を提示する流れが有効です。
社内稟議を通すための企画書の記載内容
要点
稟議を通すには「投資の妥当性」「実行体制」「成果の評価指標」を明確にします。冒頭で結論と必要金額を示してください。
広告費と売上目標
広告費は項目別に提示（制作費、配信費、外注費）。投資対効果として、想定CTRやCVRを使い月次・四半期の売上予測を数値で示します。例：広告費50万円→月間売上150万円（回収率3倍）。
別媒体への転用可能性
作成コンテンツがSNS、メルマガ、営業資料などへどう流用できるかを記載します。転用例と想定効果を一つずつ示すと説得力が増します。
良質なコンテンツ作成のための社内プロのアサイン
編集長、ライター、デザイナー、SEO担当など必要人員を氏名または役職で明示し、各人の工数（週何時間）を示してください。外部協力が必要ならその範囲と見積もりも。
チーム構成とメンバー
責任者と承認フロー、連絡体制を図示します。誰がKPI管理を行うか、納期の責任者は誰かを明確にします。
立ち上げから半年後までのKPI
立ち上げ月、1〜3ヶ月、4〜6ヶ月で追う指標を示します。例：PV、オーガニック流入率、リード獲得数、CPA、売上転換率。各期ごとに目標値と達成基準を設定します。
提示の仕方
表・グラフで要点を可視化し、リスクと代替案を一文で添えてください。審査が速く進みます。
企画設計書の作成手順
はじめに
オウンドメディアの企画設計書は、順序立てて作ることで現場で迷わず進められます。本章は6つのステップで具体的に手順を示します。
ステップ1：目的の定義
最初に「何のために運営するか」を明確にします。例：認知拡大、リード獲得、顧客育成。それぞれで必要な指標が変わるため、目的は短く・具体的に記載します。
ステップ2：ターゲット設定
ペルソナを1～3人作り、年齢・職業・課題・情報接触チャネルを記載します。例：30代子育て中の女性、通勤中にスマホで読む傾向。
ステップ3：コンテンツ戦略の決定
主要テーマ、コンテンツの型（解説、事例、ハウツー、FAQ）と優先度を決めます。例：月2回の事例インタビュー、週1回のハウツー記事。
ステップ4：配信チャネルと頻度
どのチャネルで配信するか（自社サイト、メール、SNS）と投稿頻度を決めます。チャネルごとに目的を合わせると効果が出やすいです。
ステップ5：KPIと計測設計
KPIは目的に直結させます。例：PV、滞在時間、リード数、CVR。測定方法とツール、計測の責任者を明記します。
ステップ6：運用体制とスケジュール
制作フロー、担当者、レビュー基準、納品物のフォーマット、更新頻度を明確にします。リスク時の対応フローも用意しておくと安心です。
実務上のポイント
各ステップで『証拠』を添えると承認されやすくなります。過去データや参考サイトの実例、想定KPIの根拠を短く示しましょう。順序を守ることで改善施策が一貫します。
コンテンツ設計の重要な構成要素
1. コンテンツ名（メインメニューや企画名）
分かりやすく、目的が伝わる名前を付けます。例：「初心者向け節約術」「製品レビュー一覧」。短くて検索語にも合うと良いです。
2. コンテンツ概要（読者視点のメリット）
読者が得られる価値を一文で示します。例：「毎月の支出を1万円減らす具体的手順を紹介」。読み手の悩み・期待を想定して書きます。
3. コンテンツの狙い（企業視点のビジネス貢献）
KPIと結び付けます（例：リード獲得、購買促進、認知拡大）。狙いを書くことで運用優先度や効果測定が明確になります。
4. 対策キーワード（SEO対策）
主キーワードと関連語を3〜5個選びます。検索意図（情報収集・購入検討など）を考え、見出しや導入文に自然に盛り込みます。
5. 制作イメージ（記事の種別や制作方法）
記事タイプ（ハウツー、比較、インタビュー）、想定文字数、必要素材（画像、図表、取材）を明記します。テンプレートや担務分担も決めると制作が早くなります。
これら5要素を揃えると、サイト構成が整い、読者価値と制作効率が同時に高まります。
企画書作成時の基本的なアプローチ
結論を先に示す（結論ファースト）
企画書の冒頭に「企画の要点」を一文〜一段落で示します。目的、提案内容、期待される効果を簡潔に書くと決裁者の理解が早まります。
目的と課題を明確にする
何を達成したいのか、現状のどの課題を解決するのかを具体化します。数値で表せる目標（例：月間流入を20％増）を入れると説得力が増します。
ターゲットと提供価値を定義する
誰に届くのか（ペルソナ）、その人が抱える悩み、企画が提供する価値を明確にします。例や短いシナリオで示すとイメージしやすいです。
KPI・効果測定と期間設定
主要KPI、測定方法、想定効果、期間を入れます。現状値と目標値を並べると比較しやすくなります。
実行計画と担当・予算
主要施策の流れ、担当者、スケジュール、必要予算を示します。段階ごとのゴールとチェックポイントを入れると管理しやすいです。
リスクと代替案
想定されるリスクと、それに対する対処方法（代替案）を用意します。問題発生時の対応が見えると安心感が出ます。
見せ方の工夫
1枚で伝わる要約、図表やグラフ、根拠となるデータや参考事例を入れて視覚的に訴えます。決裁者の視点で簡潔に整理することを心がけてください。
承認を得るための準備
事前に関係者へ説明して意見を取り込み、よくある質問と回答を用意します。承認フローと期限も明記すると進行がスムーズです。
取材企画書に特化した記載項目
掲載メディアの概要
媒体名、発行形態（Web/紙）、想定読者層、配信頻度を簡潔に記載します。例：「ビジネスパーソン向けWebメディア、月間UU30万」。相手がイメージしやすくなります。
企画概要
企画の要旨を1〜2文でまとめます。目的（情報提供・ブランド訴求など）と期待する効果を明示します。短いリードで興味を引きます。
希望日時・場所
取材希望日時を複数提示し、所要時間や場所（オンライン可否）を明記します。移動や撮影が必要な場合はその旨も書きます。
取材時の質問事項
主要質問と予備質問を箇条書きにします。質問の意図や想定回答時間も添えると当日がスムーズです。録音や写真撮影の可否も明記します。
取材の条件
交通費や謝礼の有無、素材の使用範囲（写真・音声）、守秘義務の扱いを明確にします。条件はトラブル防止につながります。
取材チームの情報
担当者名、役割（記者・カメラマン・編集）、過去の代表的な実績やURLを付けます。顔写真や名刺の添付があると信頼感が増します。
記事のイメージ
想定見出し、リード文、構成案（導入→背景→取材内容→まとめ）や掲載予定の写真イメージを示します。完成イメージが共有しやすくなります。
連絡先
担当者の氏名・役職・電話番号・メールアドレス、返信希望期限を明記します。緊急連絡先も一つあると安心です。
企画の目的と取材対象の理由
なぜこの企画が必要か、なぜこの対象に取材するのかを明確に書きます。独自性や社会的意義を短く伝え、熱意を添えると承諾されやすくなります。
記載は簡潔に、相手の立場で読みやすくまとめてください。具体例や所要時間を提示すると対応が得やすくなります。
