はじめに
概要
本ドキュメントは、Node.jsを使ってWebサーバーを作る手順を整理した入門ガイドです。基本のhttpモジュールでのサーバー作成から、Express.jsという便利な枠組みを使った実践まで、順を追って学べます。各章に具体的なコード例を載せ、実際に動かせることを重視します。
本書の目的
初心者がつまずきやすいポイントを避けつつ、最短で動くサーバーを作れるように導きます。例えば、サーバー起動、ルーティング（URLごとの処理）、静的ファイルの配信、そしてフォームの送信（POST）の受け取りなどを実例で示します。
誰向けか
プログラミングの基礎（変数や関数）が分かる方を想定します。JavaScriptに触れたことがあると読みやすいですが、初めてでも順を追えば理解できます。
本書で学べること（例）
- Node.jsのhttpモジュールで簡単なサーバーを立てる方法
- Express.jsでルーティングやミドルウェアを使う基本
- 静的ファイル（画像やCSS）の提供方法
- POSTリクエストの受け取り方と簡単な処理
読み進め方
各章は実際に手を動かせるように構成しました。コードをコピーして、手元の環境で実行してみてください。エラーが出たら、該当箇所のコメントをよく読み、順に修正していきましょう。
動作環境（簡潔）
Node.jsの推奨バージョンは公式サイトで確認してください。最小限はNode.jsが動くPCと、テキストエディタがあれば始められます。
次章からは、実際にhttpモジュールでサーバーを作る手順を解説します。
Node.jsで簡単にServerを作ってみる①
準備
まず作業フォルダを作り、npm init -yでプロジェクトを作ります。ファイル名はserver.jsとします。Node.jsが入っていればすぐ始められます。
最小のHTTPサーバー
httpモジュールを使うとシンプルにサーバーを作れます。例：
const http = require('http');
const server = http.createServer((req, res) => {
res.statusCode = 200;
res.setHeader('Content-Type', 'text/plain');
res.end('Hello World');
});
server.listen(3000, () => console.log('http://localhost:3000'));
createServerで接続を受け、listenで待ち受けます。ブラウザでアクセスすれば応答を確認できます。
自動再起動（nodemon）
変更を反映する手間を減らすならnodemonを使います。インストール例：npm install -D nodemon。npx nodemon server.jsで実行すれば、編集後に自動で再起動します。
HTMLファイルを返す（fsとpipe）
fs.createReadStream(‘index.html’).pipe(res)とすると、ファイルをストリームで直接送れます。メモリ消費が小さく速いです。Content-Typeはtext/htmlに設定してください。
簡単なルーティング
req.urlを見て返すファイルを切り替えます。例：’/’ならindex.html、’/about’ならabout.html、それ以外は404ページを返す、といった実装が基本です。
【Node.js入門】Express.jsでWebサーバーを構築する
準備
Node.jsとnpmが入っている前提です。新しいフォルダを作り、ターミナルでそこに移動します。
mkdir my-express-app
cd my-express-app
npm init -y
npm install express
基本的なファイル作成
プロジェクトルートにindex.jsを作成し、以下のように記述します。
const express = require('express');
const app = express();
const port = process.env.PORT || 3000;
app.get('/', (req, res) => {
res.send('Hello Express!');
});
app.listen(port, () => {
console.log(`Server running on http://localhost:${port}`);
});
コードの説明
- expressを読み込み、アプリを作成します。
- app.getでルート(“/”)へのGET処理を定義します。ここでレスポンスを返します。
- app.listenで待ち受けポートを指定し、起動時に通知します。
実行と確認
node index.js
ブラウザでhttp://localhost:3000 にアクセスすると”Hello Express!”が表示されます。
ちょっと便利な設定例
- JSONを受け取る: app.use(express.json());
- 静的ファイルを配信: app.use(express.static(‘public’));
以上でExpressの基本的なサーバー構築は完了です。次章ではより実践的な構成を扱います。
Node.js と Express を使ってサーバーを立ち上げてみる
導入
ExpressはNode.js上で簡単にWebサーバーを作れる軽量フレームワークです。ここではインストールから基本的なルーティング、静的ファイル提供、POSTの受信までを順に説明します。
インストールと基本セットアップ
- インストール：
npm install express - 最小構成：
const express = require('express');
const app = express();
const PORT = 3000;
appはアプリケーションの本体です。
静的ファイルの提供
publicフォルダ内のHTML/CSS/画像を配信するには次を追加します。
app.use(express.static('public'));
これでpublic/index.htmlは/で参照できます。
POSTデータの解析
フォーム送信を受け取るにはボディパーサーを使います。
app.use(express.urlencoded({ extended: false }));
app.post('/submit', (req, res) => {
const data = req.body; // nameやemailなど
res.send('受け取りました');
});
ルーティング（URLパラメータ）
パスに変数を含めたい時は:paramを使います。
app.get('/user/:id', (req, res) => {
const id = req.params.id;
res.send(`ユーザーID: ${id}`);
});
クエリ文字列はreq.queryで取得します。
サーバー起動とログ表示
最後にポートを指定して起動します。
app.listen(PORT, () => {
console.log(`Server running: http://localhost:${PORT}`);
});
起動時にコンソールへメッセージを出すと確認が楽になります。
