はじめに
この文書は、内部リンクにnofollow属性を設定することの適切性や必要性をわかりやすく解説するために作成しました。nofollowの基本的な意味や役割、具体的な使用場面、内部リンクにnofollowを付けてはいけない理由、適切な管理方法、nofollowとnoindexの違いまで順を追って説明します。
対象は、ウェブサイトを運営する方、コンテンツ編集者、開発者の方です。専門用語は最小限に抑え、具体例を交えて説明しますので、技術的な経験が少ない方でも読み進めやすくしています。
本書は全7章構成です。まず第2章でnofollowの基本を押さえ、第3章で主な用途と注意点を解説します。第4章・第5章で内部リンク管理について詳述し、第6章でnoindexとの違いを確認します。最後に重要なポイントをまとめ、現場での対応に役立つ実践的な考え方を提示します。
内部リンクにnofollowを付けるとSEO上のリスクとなる場合があります。本書ではその理由を明確に示し、代替案としてrobots.txtによるクロール制御など、より安全な対応方法も紹介します。どうぞ順にお読みください。
nofollowの基本的な定義と役割
概要
nofollowはリンクに付けるHTML属性で、検索エンジンのクローラーに「このリンクを評価・追跡しないでください」と伝えるためのものです。ユーザーの操作には影響せず、主に検索結果に与える影響を制御します。
定義と記述方法
実際の記述は次のようになります。
<a href="https://example.com" rel="nofollow">こちらのサイト</a>
rel=”nofollow”を付けると、クローラーはそのリンクを優先的に辿らない指示を受け取ります。
クローラーと評価への影響
通常のリンクは検索エンジンのクロールや評価に寄与します。nofollowを付けたリンクは、検索エンジンがリンク先ページの評価にそのリンクを反映しないよう促します。ただし検索エンジンの挙動は完全に統一されているわけではないため、必ずしも全てのクローラーが同じ扱いをするとは限りません。
ユーザーへの影響
ユーザーはnofollow付きリンクをクリックすれば通常どおりページを開けます。見た目や操作感は変わりません。
注意点
リンクの目的を考えて使い分けてください。信頼性の低い外部サイトや広告、コメント欄のリンクなどに設定することが一般的です。
nofollowの主な用途と適切な使用場面
概要
nofollowは主に外部リンクに使います。自分のサイトから相手サイトへ「検索エンジンに評価を渡したくない」「追跡してほしくない」と伝えるための属性です。広告やアフィリエイト、迷惑リンク対策などで使うと効果的です。
主な用途(具体例付き)
- 広告リンク(バナーや記事内の広告)
- 企業に対して広告費を払ってリンクを貼る場合、nofollowを付けます。これで検索評価の移動を防げます。
- アフィリエイトリンク
- 紹介料が発生するリンクに設定します。収益目的のリンクだと検索エンジンが特別扱いするためです。
- ユーザー投稿やコメント内の外部リンク
- フォーラムやコメント欄でユーザーが貼るリンクは信頼性が不明なことが多いのでnofollowを付けます。スパム対策になります。
- 信頼性が低い、もしくは関連性の薄い外部ページ
- 紹介はするが関係性を示したくない場合に使います。リンクの評価を渡さず、自サイトのSEOリスクを下げます。
適切な使い方のポイント
- 有料のリンクは必ずnofollowにする、または別の専用属性を使うことを検討してください。
- ユーザー生成コンテンツでは自動でnofollowを付与する仕組みを作ると安全です。
- 自分の評価を守るため、関連性の低い外部リンクには設定を検討してください。
nofollowは外部サイトとの関係性やリスク管理のために便利なツールです。用途を明確にして、必要な場面で適切に使ってください。
内部リンクにnofollowを設定してはいけない理由
内部リンクにnofollowを付けるべきではありません。以下で、分かりやすく理由を説明します。
サイト構造が正しく伝わらない
内部リンクはサイト内のページ同士の関係を検索エンジンに示します。例えば、トップページから商品ページへ自然にリンクが張られていると、検索エンジンはその商品が重要だと判断しやすくなります。内部リンクにnofollowを付けると、その関係性が伝わりにくくなります。
クローラビリティが低下する
クローラビリティとはクローラーがサイトを巡回しやすい状態のことです。内部リンクにnofollowが付くと、クローラーがページへ到達しにくくなり、新しい記事や商品ページがインデックスされないリスクが出ます。
ページ評価の分配が阻害される
内部リンクはページ評価(いわゆる“リンクジュース”)を回す役割も持ちます。nofollowを付けると評価が遮断され、重要ページが十分に評価されなくなります。
運用ミスの影響が大きい
テンプレートやナビゲーションに誤ってnofollowを入れると、サイト全体の評価に悪影響が出ます。nofollowは外部リンクや広告など、限定した場面で使うのが安全です。
内部の重要度調整は、リンクの張り方やサイト構造の見直しで行うことをおすすめします。
内部リンク管理における正しい対応方法
概要
内部リンクを貼るが、リンク先ページと検索エンジン上で関連を持たせたくない場合は、rel=”nofollow”は使わない方がよいです。代わりにrobots.txtでクロールを拒否する方法が基本です。
なぜnofollowではなくrobots.txtか
rel=”nofollow”はリンク評価の伝達を制御しますが、内部リンクで使うとサイト構造の解釈を乱す可能性があります。内部リンクはサイト内の関係性を示すため、これを人工的に断つと検索エンジンの理解が悪くなります。そこでrobots.txtでクロールを止めれば、検索エンジンにページを見に来させないという目的は達成できます。
robots.txtでの具体的手順(例)
- サイトルートのrobots.txtを編集します。例:
User-agent: *
Disallow: /private/
- ブラウザでhttps://あなたのサイト/robots.txtを確認します。
- 検索エンジンのテスターやサーバーログでブロックが働いているか確認します。
運用上の注意点
robots.txtでクロールを拒否すると検索エンジンはそのページの中身を見ません。したがってページの内容に基づく評価やインデックス化は制御しにくくなる場合があります。ページを完全に検索結果から除外したいなら、クロールを許可した上でページ内にmeta noindexを置くか、認証で保護する方が確実です。
内部リンク自体は通常通り普通のリンクを使い、nofollowを内部リンクの代替手段として使わない運用をおすすめします。
nofollowとnoindexの違い
両者の目的の違い
nofollowは「そのリンクを辿らないでほしい」という指示です。リンク先へのクローラーの移動や評価を抑えるために使います。一方、noindexは「このページ自体を検索結果に載せないでほしい」という指示で、ページのインデックス登録を防ぎます。
クローリングとインデックスの違い(具体例)
- nofollowを付けたページ:そのページ自体は検索エンジンにインデックスされる可能性がありますが、ページにあるnofollow付きのリンクはクロールや評価の対象から外れるように指示します。例えば、外部サイトへの広告リンクにrel=”nofollow”を付ける場面です。
- noindexを付けたページ:そのページは検索結果に出ません。ただし、そのページ上のリンクはクローラーに検出され、クロールや評価の対象になります。内部の非公開的な一覧ページでnoindexを使う例が当てはまります。
実装方法(簡単な例)
- リンクにnofollow:リンク
- ページにnoindex:
よくある誤解と注意点
nofollowはリンク先の評価を制限し、noindexはページ自体の公開を制限します。目的が違うため、混同すると意図しない表示や評価の変化を招きます。運用では「リンクの評価を止めたいのか」「ページ自体を検索結果から外したいのか」をまず明確にしてください。
まとめと重要なポイント
nofollowはリンク先にSEO評価を渡さないためのHTML属性で、主に外部サイトへのリンク管理で使います。適切に使えばリスクを抑えつつユーザーに有益なリンクを提供できます。
- nofollowの目的
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ペナルティや評価の流出を防ぐために、特定の外部リンクで評価を渡したくない場合に使います。
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使うべき場面(代表例)
- 有料リンクや広告、アフィリエイトリンク
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信頼性が不明なサイトやユーザー投稿(コメント等)
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避けるべきこと
- 内部リンクにnofollowを付けないでください。サイト内のページを検索エンジンに伝える役割が損なわれます。
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すべての外部リンクに一律で付けるのは誤りです。良質で関連性の高い外部リンクは通常通り渡すべきです。
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代替の対応
- インデックスを止めたい場合はnoindexやrobots.txtを検討してください。状況に応じて使い分けます。
最後に、リンクごとに目的を明確にして属性を設定してください。感情や迷信で決めず、サイトの方針とユーザーの利便性を優先するとよいです。












