はじめに
この章では、本記事の目的と読者に期待することをやさしく説明します。無料でWebサイトを作りたい人向けに、基本知識から便利なサービス比較、検索機能やSEOツールの使い方、選び方の注意点まで順を追って解説します。
こんな人におすすめ
- 個人のブログや作品集（ポートフォリオ）を持ちたい方
- 小規模なネットショップや教室の案内を始めたい方
- 初めてWebサイトを作る事業者や副業の方
具体例を挙げると、趣味で写真を公開するブログ、名刺代わりのポートフォリオ、メニューを載せる小さな飲食店の案内などです。
無料サービスでできること／できないこと
無料サービスはテンプレートや公開機能をすぐ使え、費用を抑えて始められます。一方で独自ドメインや高度な拡張、広告非表示などは有料プランが必要な場合があります。簡単に始めて成果を見てから必要に応じて拡張するのが現実的な進め方です。
本記事の読み方
第2章で基本と注意点を確認し、第3章でサービスを比較します。第4〜6章で具体的な導入方法や注意点、無料で使えるツールを紹介します。困ったときのFAQも用意しました。初心者の方でも無理なく進められる内容にしていますので、安心して読み進めてください。
無料でWebサイトは作れる？基本と注意点
無料でできること
多くの作成サービスは無料プランでサイト公開に必要なサーバーやサブドメイン、基本テンプレートを提供します。個人の自己紹介ページや作品のポートフォリオ、テスト運用なら無料だけで十分です。コード不要で直感的に作れる点が魅力です。
よくある制限（注意点）
- 広告表示：サービス側の広告がサイトに入ることが多いです。広告が収益やブランディングに影響します。
- 独自ドメイン不可：無料はサブドメイン（例: yoursite.example.com）限定のことが多く、プロ用途は不向きです。
- 機能制限：ページ数、ストレージ、帯域、フォーム送信数などが制限されます。
- ブランディング制約：フッターにサービス名が残る場合があります。
- サポートと移行：サポートが限定的で、将来別サービスへ移すときにエクスポートが難しい場合があります。
こんなときは無料で始めると良い
- 個人の練習や小規模なポートフォリオ
- アイデア検証（MVP）や非公開で確認したいとき
有料を検討したほうが良いケース
- 企業サイトやECなど収益化を本格的に行う場合
- 自分のブランドとして見せたいとき（独自ドメインや広告除去が必要）
無料で始めるときのチェックポイント
- 広告の有無と種類、独自ドメイン対応、ページや転送量の上限を確認する
- データのエクスポート可否とサポート体制を確認する
- 後からアップグレードしやすいかプランを確認する
無料プランは気軽に始められる反面、制約もあります。目的に応じて、最初は無料で試し、必要に応じて有料へ移行する選択が現実的です。
無料で使えるWebサイト作成サービスおすすめ比較
以下は主要な無料サービスの特徴を分かりやすくまとめた比較です。用途に応じて選びやすいよう、広告の有無、独自ドメイン対応、ページ数の目安、サポート体制を中心に説明します。
WordPress.com
- 広告：無料プランはサイト上に広告が出ることがあります。
- 独自ドメイン：無料では不可（有料プランで対応）。
- ページ数：投稿や固定ページは多数作れますが、ストレージ制限があります。
- サポート：公式フォーラムやヘルプ記事中心で、個別サポートは有料向け。
- 向く用途：ブログや情報発信を始めたい人向け。
Wix
- 広告：無料プランにWixの広告表示があります。
- 独自ドメイン：有料プランのみ対応。
- ページ数：テンプレートで複数ページ作成可能。高度な機能は制限されます。
- サポート：ヘルプセンターと有料プラン向けチャットサポート。
- 向く用途：デザイン重視の小〜中規模サイト。
Jimdo
- 広告：無料プランで表示されます。
- 独自ドメイン：有料プランで対応。
- ページ数：簡単な会社サイトや個人サイト向けの構成が中心です。
- サポート：ヘルプ記事とメールサポート（有料優先）。
ペライチ
- 広告：目立たない表示が出ることがあります。
- 独自ドメイン：有料プランで対応。
- ページ数：ランディングページや1ページ構成に特化しています。
- サポート：使い方ガイドやチャットサポート（プランにより差あり）。
STUDIO
- 広告：目立つ広告は少ないですが、無料は機能制限があります。
- 独自ドメイン：有料プランで対応。
- ページ数：デザイン自由度が高く複数ページ作成可能ですが一部機能は制限。
- サポート：コミュニティとドキュメント中心。
Google Sites
- 広告：表示なし（Googleアカウントで利用）。
- 独自ドメイン：個人向けは設定に制限があり、組織向けは管理者次第で設定可能です。
- ページ数：複数ページ作成可能でシンプルな構成に向きます。
- サポート：ヘルプセンターとコミュニティ。
- 向く用途：社内ポータルや簡易サイト。
BASE（ネットショップ）
- 広告：ショップページにブランド表記やリンクが出る場合があります。
- 独自ドメイン：一部で対応する場合あり（プランや条件による）。
- ページ数：商品数で拡張するタイプ。ページ数制限は比較的緩めです。
- サポート：メールやヘルプページ、オンラインマニュアル。
- 向く用途：ネットショップを無料で始めたい人向け。
※各サービスの仕様や料金は変更されることがあります。正式な対応可否や詳細は、利用前に公式ページでご確認ください。
サイト内検索機能も無料で導入できる
概要
自分のサイトに検索機能を入れると、訪問者が目的のページを見つけやすくなります。費用をかけずに導入できる代表的な方法を、利点・注意点とともにわかりやすく紹介します。
1) Googleカスタム検索（Programmable Search Engine）
- 特徴：無料で利用でき、設定画面で検索対象のサイトを指定できます。簡単に埋め込みコードを貼るだけで動きます。
- 注意点：無料版は検索結果に広告が表示されます。また検索クエリはGoogle側に送られるため、プライバシー面の配慮が必要です。
2) WordPressの無料プラグイン
- 代表例：Relevanssi（無料版）、Ivory Searchなど。
- 特徴：サイト内のインデックスを作り、管理画面で検索の動作や表示を細かく調整できます。広告は表示されません。
- 注意点：大量のコンテンツではサーバー負荷が増える場合があります。キャッシュプラグインと組み合わせて調整してください。
3) クライアント側検索（Lunr.jsなど）
- 特徴：JavaScriptでブラウザ側に検索インデックスを持たせるため、外部サービスにデータを送らずに動作します。小規模サイト向けで高速です。
- 注意点：ページ数が多いとインデックスが大きくなり読み込みに時間がかかります。静的サイトジェネレーターと相性が良いです。
導入のポイントと選び方
- 広告を出したくないならWordPressプラグインやLunr.jsを検討してください。
- 設定の手軽さを重視するならGoogleカスタム検索が便利です。コード貼り付けだけで使えます。
- プライバシーやパフォーマンスを考慮して、訪問者の検索データが外部に出るか、サーバー負荷を確認しましょう。
簡単な導入手順やプラグインの具体的な設定が必要でしたら、次に詳しくご案内します。
無料で使えるSEO＆キーワードツール
概要
Webサイトを作るとき、どんな言葉で検索されるかを知るのは大切です。無料のツールを使えば、検索ボリュームや関連語を調べ、狙うキーワードを絞れます。本章では代表的な無料ツールと使い方のコツをわかりやすく紹介します。
Googleキーワードプランナー
- 特徴：広告向けの正式ツールで、検索ボリュームや入札の目安が分かります。Googleアカウントと広告アカウントが必要です。
- 使い方：キーワードを入力すると月間検索数（大まかなレンジ）と関連語を確認できます。地域や期間を指定して絞り込みましょう。
ラッコキーワード（関連キーワード取得ツール）
- 特徴：キーワードの派生語や質問形式の語を一覧表示します。無料で手早く候補を集められます。
- 使い方：調べたい語を入れると関連リストが出ます。リストの中から実際の検索意図（疑問・購買など）を選んで対応するページを作りましょう。
Ubersuggest
- 特徴：キーワード候補、検索ボリューム、競合度の簡易表示が可能です。サイトのドメインを入れて競合分析もできます。
- 使い方：キーワード入力で候補を確認。競合サイトと比較して、自分が狙える隙間（ロングテール）を探します。
その他の無料ツール
- Googleサーチコンソール：実際に検索されているクエリや表示回数・クリック率が分かります。サイトを所有しているなら必須です。
- Keyword SurferやMozBar：ブラウザ拡張で手早く検索ボリュームや関連語を確認できます。
上手な使い方のコツ
- 複数ツールで比較する：指標はツールごとに差があるため、2〜3個で照らし合わせます。
- 検索意図を重視する：数値だけで決めず、ユーザーが何を求めているかを考えます。
- ロングテールを狙う：競合が強い語より、具体的で検索数は少なめの語に対策を打つと効果が出やすいです。
注意点
- 数値は目安です。特に無料版は粗いレンジ表示が多いので、過信しないでください。
- 地域や言語設定を忘れずに。日本向けかどうかで結果が変わります。
これらの無料ツールを組み合わせて、効率よくキーワードを見つけてください。
無料サービスを選ぶときのポイントと注意点
目的を明確にする
まず何のためにサイトを作るかをはっきりさせます。個人ブログ、作品ポートフォリオ、店舗紹介、簡単なECなど目的で向き不向きが変わります。例えば作品の見せ方重視なら画像ギャラリー機能があるかを確認します。
無料プランの主な制約
- 広告表示（サービス名やバナーが入る）
- 独自ドメイン不可（example.service.com の形式になる）
- ページ数・ストレージ・帯域の上限（例：ページ50件、容量500MB）
- 機能制限（決済・予約・プラグインが有料）
- サポートやバックアップが限定的
- データのエクスポートに制約がある場合がある
運用を考えたときのチェックリスト
- 利用規約と有料移行後の料金を確認する
- データのエクスポート方法を確認（定期的に保管）
- SSL／モバイル対応／読み込み速度を確認
- SEO設定や解析ツールが使えるか確認
- 隠れた手数料（取引手数料、転送料金）をチェック
有料プランを検討すべきタイミング
訪問者が増えた、ブランドを守りたい、決済やメール機能が必要になった、広告を外したい場合は有料化を検討します。収益化や信頼性を重視するなら早めの移行が安心です。
実践的な注意点
小さなテストサイトで操作感を確かめ、重要なデータはローカルに保存します。サービスの変更や終了に備え、移行手順や解約条件を事前に把握してください。無料は気軽ですが、長期運用の視点で選びましょう。
よくある質問（FAQ）
Q1: 無料プランで作ったサイトは商用利用できますか？
A: 多くのサービスは商用利用を認めますが、利用規約はサービスごとに違います。販売や広告掲載をする場合は、決済機能や商用ライセンスの有無を確認してください。
Q2: デザインのカスタマイズはどこまでできますか？
A: テンプレートの色・画像・文字は変更できますが、HTML/CSSの直接編集や高度なウィジェットは有料の場合が多いです。ブランドロゴや細かいレイアウト調整をしたい場合は上位プランを検討してください。
Q3: SEO対策は無料でできますか？
A: 基本のSEO（ページタイトル、メタ説明、見出し、URL）は設定できることが多いです。サイト速度改善や構造化データなど高度な対策は制限される場合があります。
Q4: 独自ドメインや広告表示はどうなりますか？
A: 独自ドメイン接続は有料が一般的で、無料プランはサブドメインとプロバイダの広告表示が付くことが多いです。
Q5: サポートやデータの引き出しは？
A: 無料プランはメールやコミュニティ中心のサポートで、データエクスポートに制限がある場合があります。重要なデータは定期的にバックアップしてください。
※不明点は使いたいサービス名を教えていただければ、具体的に確認して回答します。
まとめ：無料Webサイト作成サービスの選び方
目的をはっきりさせる
まず何のためにサイトを作るかを決めます。趣味の情報発信、名刺代わり、ネットショップ、問い合わせ窓口など目的で必要な機能が変わります。
まずは無料で試す
無料プランで操作感やデザインを試してください。実際に記事を投稿したり、スマホ表示を確認すると適合度が分かります。初期コストを抑えて学べます。
将来を見据えたチェック項目
- カスタムドメイン対応、広告表示の有無
- ストレージ容量、ページ数の上限
- 決済やメール配信などの拡張性
- サポート体制とサイト移行のしやすさ
これらは後で有料化するときの負担に直結します。サービス間で差が出やすい点なので注意してください。
運用のコツ
無料のSEO・解析ツールを活用し、小さく始めて改善を続けます。訪問者の反応を見て有料プラン導入を判断すると、無駄な出費を抑えられます。まずは試して学び、目的に合うものを選んでください。
