はじめに
本ドキュメントの目的
このドキュメントは「モバイルファーストインデックス（MFI）」について、わかりやすく整理した解説です。MFIの定義や従来の検索インデックスとの違い、導入背景、仕組み、モバイルフレンドリーとの違いまでを体系的に取り上げます。ブログ記事やサイト改善の参考に使えるよう、実務で役立つポイントにも触れます。
誰に向けた内容か
- ウェブサイト運営者やブロガー
- SEOの基本を学びたい方
- モバイル対応の優先度を検討している企業担当者
専門用語は最小限にし、具体例を用いて解説しますので、初めて学ぶ方でも読み進めやすくしています。
本書の使い方
各章を順に読むことで、MFIの全体像から具体的対策まで自然に理解できます。必要な箇所だけ読みたい場合は、目次から該当章にジャンプしてください。記事作成や技術共有のための引用や要約も想定して書いています。
注意点
本ドキュメントでは、最新の公式仕様や検索エンジンの挙動に基づき説明しますが、個別のサイト環境で結果が異なる場合があります。実際の改善は段階的に検証しながら進めることをおすすめします。
モバイルファーストインデックス（MFI）とは？
定義
モバイルファーストインデックス（MFI）は、Googleが検索のインデックス作成やランキング判断で、主にスマホ版のページを基準にする仕組みです。以前はデスクトップ版を中心に評価していましたが、今はモバイル版の情報を優先します。
具体例
例えばデスクトップにだけ長い商品説明があり、スマホ版では短い要約しかない場合、検索結果で評価されるのはスマホ版の内容です。写真や口コミがモバイルに載っていなければ、評価が下がる可能性があります。
評価される要素
- コンテンツの本文（商品説明、記事本文など）
- 構造化データやメタ情報（タイトル、説明文）
- 画像や代替テキスト、リンク
- ページの読み込み速度
リスクと注意点
モバイルに掲載していない情報は評価されにくくなります。別のURLでモバイルを用意する場合も、両方に同じ情報を入れる必要があります。
簡単な対策
- レスポンシブデザインを採用する
- モバイルにデスクトップと同等の本文・構造化データを含める
- 画像やメタタグを確認して統一する
- ページ速度を改善する
これらを守ると、MFI下でも検索で正しく評価されやすくなります。
Googleがモバイルファーストインデックスを導入した背景
スマホ利用の増加
2015年、Googleはスマートフォンなどモバイル端末での利用者数がパソコンを上回ったと発表しました。それにより、検索行動はモバイル中心へと変わりました。実際に外出先で調べものをすることが当たり前になり、検索の基準を見直す必要が生じました。
PC基準の限界と具体的な問題
従来はパソコン版のサイトを基準に評価していました。その結果、スマホで閲覧したときに次のような問題が多く発生しました。
– 文字が小さくて読めない、リンクが押しにくい
– レイアウト崩れで重要な情報が隠れる
– 画像やスクリプトがモバイルで読み込めない（表示が欠ける）
これらはユーザーの満足度を下げ、検索結果の価値を損ないます。
MFI導入の目的
Googleはモバイル利用者を第一に考えるため、モバイルファーストインデックス（MFI）を導入しました。目的は主に三つです。
– 検索ユーザーの満足度向上：実際の利用環境に即した評価を行う
– モバイル端末での利便性向上：表示や操作性を優先して評価する
– 検索結果の品質維持・向上：有益な情報を適切に上位表示する
日常への影響（例）
サイト運営者は、モバイル版で主要な本文や構造化データ、メタ情報が揃っているかを確認する必要があります。たとえばスマホで本文が省略されていると検索順位に影響します。
モバイルファーストインデックスの仕組み
MFIで何が変わるか
モバイルファーストインデックス（MFI）は、検索の評価基準を主にスマホ用ページに切り替えます。見た目や構成がスマホ向けの内容を基に順位付けします。例えば、PCで表示している情報がスマホ版で欠けていると評価が下がる可能性があります。
クロールとインデックスの実際
従来はPC用Googlebotがクロールしていましたが、MFIではスマートフォン用Googlebotがページを巡回し、その情報でインデックスを作ります。つまり、スマホでクロールした結果が検索に反映されます。サイトがレスポンシブ設計か、別URL（m.example.com）か、動的配信かで扱いが変わるので注意してください。
サーチコンソールでの通知と対応
MFIが適用されるとGoogleサーチコンソールで通知が届きます。届いたらまずモバイルページの内容がPCと同等か確認します。具体的には本文、構造化データ、メタ情報、画像のalt属性などを揃えます。別URL方式ではrel=”alternate”やrel=”canonical”の設定を正しく行ってください。
サイト運営者が優先すべき点
- モバイル版に重要な情報を全て載せる。例：商品説明、価格、主要なリンク。
- 構造化データやメタタグをモバイルにも実装する。
- ページ表示速度を改善する。スマホでの読み込みが遅いと評価に影響します。
これらを整えることで、MFI移行後も検索順位の安定化につながります。
モバイルファーストインデックスとモバイルフレンドリーの違い
概要
モバイルファーストインデックス（MFI）は、どのページの内容をインデックスし、検索で何を評価するかを決める仕組みです。モバイル版ページを基準に評価します。一方、モバイルフレンドリーはページがスマートフォンで見やすく操作しやすいかを判定する評価（アルゴリズム上の指標）です。
評価対象の違い
- MFI：どのバージョン（モバイル/デスクトップ）をインデックスするか、どのコンテンツをランキング材料にするかを決めます。
- モバイルフレンドリー：文字の大きさ、リンクやボタンの間隔、ビューポート設定など、実際の使いやすさをチェックします。
実務上の違い
MFI時代はモバイル版のコンテンツが特に重要です。モバイル版に本文や構造化データ、画像の代替テキストが欠けていると、評価が下がります。したがって、モバイルフレンドリーなデザインだけでなく、コンテンツの“同等性”を保つことが必要です。
具体例
- レスポンシブで同一コンテンツ：MFIにもモバイルフレンドリーにも有利。
- 別URLのモバイルサイトで主要コンテンツが省略されている：MFIで情報が反映されず不利になります。
対応ポイント
- モバイル版とデスクトップ版で主要コンテンツと構造化データを一致させる。
- フォントやリンク間隔などモバイルフレンドリーのチェックも行う。
- Googleのモバイルフレンドリーテストやサーチコンソールで問題を確認する。
モバイルフレンドリーは見やすさ・操作性の評価、MFIはどのバージョンを“評価対象”にするかの仕組みと覚えていただければ分かりやすいです。
