はじめに
ごあいさつ
本書を手に取っていただき、ありがとうございます。本ドキュメントは「ホームページ」と「ページ」の違いや、それぞれの役割、構成、検索やSEOの基本をやさしく説明します。初めてサイト運営に関わる方でも理解できるようにまとめました。
目的
ホームページという言葉が曖昧に使われることが多く、情報設計や検索対策で混乱が生じます。本書は用語の整理と実践的な考え方を提供し、適切な設計と運用を支援することを目的とします。
想定読者
・個人や小規模事業でサイトを作る方
・サイト内の役割分担を見直したい担当者
・用語の違いをはっきりさせたい方
読み方のポイント
各章は独立して読めますが、まず本章で用語の扱いと全体像を把握すると理解が深まります。具体例を交えながら進めますので、実務にすぐ活かせます。
「ホームページ」と「ページ」の定義・違い
定義
- ホームページ(本来):ブラウザを起動したときやドメインにアクセスしたとき最初に表示されるページを指します。いわゆる「トップページ」が該当します。例:https://example.com/ の最初の画面。
- ページ(Webページ):Webサイトを構成する個々の情報単位で、独立したURLを持ちます。例:https://example.com/about や https://example.com/contact。
違いを具体例で説明
ホームページはサイト全体の顔として、訪問者を案内する役割を担います。一方、各ページは詳しい情報や目的別の機能(商品詳細、会社案内、問い合わせ)を提供します。
表で整理
| 用語 | 本来の意味 | 日本での一般的な使い方 | 例 |
|---|---|---|---|
| ホームページ | ブラウザ起動時に表示される最初のページ | Webサイト全体やトップページを指すことが多い | example.com(トップ) |
| ページ | 独立した情報単位、URLを持つ | 同じ意味で使われる | example.com/about |
注意点
用語は文脈で意味が変わります。制作や担当者と話すときは「トップページ」「サイト」「ページ」を明確に使い分けると誤解を避けられます。
ホームページの構成と各ページの役割
トップページ
サイトの入り口として第一印象を左右します。会社やサービスの短い紹介、主要ページへの導線(ボタンやメニュー)、最新のお知らせを置きます。訪問者が次に何をすべきかが分かるように導くことが大切です。
会社概要ページ
会社の名前、沿革、代表メッセージ、所在地や連絡先を明示します。信頼感を高めるために写真や資格・受賞歴を載せると効果的です。
サービス紹介ページ
各サービスの目的・特徴・料金(目安)・導入事例を具体例で示します。利用の流れやよくある質問を載せると問い合わせにつながりやすくなります。
商品一覧ページ(カタログ)とページネーション
商品をカテゴリ別に整理し、絞り込みや並び替えの機能を用意します。項目が多い場合はページネーションや「もっと見る」ボタンで分割し、読み込みを軽くして見やすくします。
お問い合わせページ
問い合わせフォーム、電話番号、受付時間、担当窓口を明確にします。フォームは必須項目を絞り、入力しやすくすることが重要です。
採用情報ページ
募集職種、応募方法、社風や福利厚生、選考の流れを掲載します。応募ボタンや説明会案内を目立たせます。
共通要素と導線設計
ヘッダーで主要ページへ移動できるようにし、フッターに会社情報やSNSリンクを置きます。パンくずやサイト内検索で目的のページにたどり着きやすくします。CTA(問い合わせ・申し込み)は各ページに適切に配置してください。
モバイル対応と表示速度
スマホで見やすい表示と画像の最適化で離脱を防ぎます。読み込みを速く保つことがユーザー利便性の向上につながります。
SEO対策と検索キーワードの設定
基本方針
ホームページ名や各ページのタイトルに狙いたい検索キーワードを入れると分かりやすく、検索結果で目立ちます。説明文(メタディスクリプション)や本文にも自然にキーワードを散りばめると効果が高まります。
ページ毎の狙い方
各ページは主キーワードをひとつに絞り、関連する長めの語句(ロングテール)を補助にします。例: 「赤坂 カフェ」をトップにして、記事では「赤坂 穴場 カフェ 喫煙席 予約可」など具体的語句を狙います。
配置場所と具体例
- タイトルタグ(ページタイトル): 最重要。先頭に入れると有利です。
- 見出し(H1/H2): 内容と一致させます。
- 冒頭文と本文: 自然な文脈で数回登場させます。
- URL・画像のalt・内部リンクのアンカーテキスト: 補助的に使います。
検索データの活用
Google Search Consoleでページごとのクエリ、表示回数、CTRを確認します。反応が悪ければタイトルや説明文を変え、本文を補強します。
注意点
キーワードを詰め込みすぎると読者に不自然に感じられ、評価を下げることがあります。まず読者の意図を考え、役立つ情報を丁寧に書くことを優先してください。
サイト内検索・ページ内検索の機能と使い方
概要
サイト内検索は、そのサイトのコンテンツからキーワードで目的の情報を探す機能です。ページ内検索は、閲覧中のページ内で特定の語句を見つけるためのブラウザ機能(例:WindowsはCtrl+F、Macは⌘+F)です。
サイト内検索の使い方(利用者向け)
- 検索ボックスに目的の語句を入れて検索します。例:「商品 返品」
- フィルター(カテゴリーや日付)があれば絞り込みます。
- 検索結果のタイトルと抜粋を確認し、該当ページへ移動します。
Googleのsite:コマンド
Googleでsite:example.com キーワードと入力すると、そのサイト内にある該当ページを探せます。例:site:example.com レシピ
引用符で囲むと完全一致検索になります。
ページ内検索の使い方
Ctrl+F(⌘+F)を押し、探したい語を入力します。ブラウザは通常大文字小文字を区別しません。長いページや目次がない場合に便利です。
検索のコツ
- 具体的な語句を使う(例:「返品ポリシー」)。
- 引用符でフレーズを固定すると精度が上がります。
サイト運営者向けの工夫
- 検索ボックスは目立つ位置に置きます。
- オートコンプリートや関連語の表示を導入すると利便性が上がります。
- 検索結果は重要度順(新しい順や関連順)で表示し、ない場合は代替案を示します。
用語の誤用・日本独自の使い方
日本と英語圏での違い
日本語では「ホームページ」をサイト全体の意味で使うことが多いです。一方、英語圏では “homepage” は一般にサイトのトップページだけを指します。つまり同じ言葉でも指す範囲が違います。
具体例でわかりやすく
- 日本語: 「会社のホームページを見てください」=会社のWebサイト全体。
- 英語: “Please check our homepage.” =会社のトップページ(トップのURL)を指すことが多い。
海外とのやり取りでの注意点
海外の相手と話すときは混同に注意してください。曖昧になりそうなら「website(サイト全体)」「homepage/top page(トップページ)」と明確に使い分けます。URLやページ名を添えるとさらに誤解を防げます。
よくある誤用と対処法
- 「サイト」と「ページ」を混同する:サイト=まとまり、ページ=個々の文書と説明する。
- 翻訳時の直訳を避ける:英語にするなら意味に合った語を選ぶ。
日本独特の用法を理解し、相手に合わせて言葉を選べばスムーズに伝わります。












