ホームページ制作に欠かせないフレームの基礎知識と活用法

目次

はじめに

本資料の目的

この資料は、ホームページ制作やウェブデザインで使う「フレーム」という考え方をやさしく解説します。言葉の意味や種類、特に設計段階で重要なワイヤーフレームの役割に重点を置いています。初心者でも理解できるよう、具体例を交えて説明します。

誰に向けているか

・これからホームページを作る個人や小規模事業者
・デザインや制作に関わる初心者の方
・ワイヤーフレームの基礎を確認したい方

本資料で学べること

・フレームの基本的な考え方
・ブラウザ上のフレームの種類と特徴
・ワイヤーフレームの目的と使い方
・代表的なレイアウト例と作成時の注意点
・インラインフレーム(iframe)についての基礎知識

読み方の提案

各章は順に読んで理解を深める構成です。まず第2章で基本概念を押さえ、その後にワイヤーフレームの具体的な作り方や確認ポイントを確認してください。図や例を交えると理解が早まります。

ホームページにおけるフレームの基本概念

フレームとは

フレームは、ウェブページを複数の領域に分けて、それぞれに別のコンテンツを表示する仕組みです。たとえば左側にナビゲーション、右側に本文を常に表示する、といったレイアウトが作れます。ユーザーは同じ画面上で複数の情報を同時に確認できます。

具体例

  • ナビゲーションと本文を分ける:メニューを固定して、本文だけ切り替える。
  • ヘッダーや広告を固定する:上部や側面に常に表示しておく。
  • 外部コンテンツの取り込み:別サイトの一部を表示する。

利点

  • 情報を整理しやすく、使いやすい画面を作れます。
  • 一部だけ更新すれば済むため、ユーザーの操作が速く感じられます。
  • 共通部分(メニューなど)を再利用しやすいです。

注意点

  • 画面分割は見やすさを損ねることがあります。表示領域が狭くなる場合は特に注意してください。
  • アクセシビリティや検索エンジンへの影響に配慮が必要です。URL を直接共有したときに意図した部分が表示されないことがあります。
  • ブラウザやモバイル表示に合わせた設計が大切です。特に小さな画面では別の手法が適する場合があります。

簡単な使い分けの目安

固定メニューや外部コンテンツを取り込みたいときに検討してください。画面の柔軟性や検索性を重視する場合は、ほかの設計手法も合わせて検討するとよいです。

ウェブブラウザにおけるフレームの種類

ウェブブラウザで使われるフレームは、用途や表示方法によって使い分けます。ここでは代表的な5種類を、特徴と具体例を交えて分かりやすく説明します。

1. スタティックフレーム(静的フレーム)

画面の一部分を固定して表示するフレームです。サイズや位置を変更しない設計が多く、サイトのヘッダーやサイドナビに使われます。例:左側にメニュー、右側に本文を常に表示するレイアウト。

2. ダイナミックフレーム(動的フレーム)

表示や大きさをユーザー操作やスクリプトで変化させます。レスポンシブなナビや折りたたみパネルが該当します。画面幅に合わせて変わるため、スマホ対応に向きます。

3. インラインフレーム(埋め込みフレーム)

別のHTMLをページ内に埋め込む仕組みです。外部の地図や動画を枠内で表示するときに使います。独立したコンテンツを安全に切り離して載せられます。

4. フローティングフレーム

ページ上に重ねて表示するタイプです。スクロールに追従する通知や固定のサポートボタンがこれに当たります。視線を引きやすい利点がありますが、邪魔にならない配慮が必要です。

5. ポップアップフレーム

別ウィンドウやモーダルとして開くフレームです。ログインフォームや注意表示に使います。ユーザーの作業を一時停止して注目させたいときに有効です。

各フレームは表示方法や変更可能性が異なります。目的に合わせて選ぶと、使いやすいページが作れます。

ワイヤーフレーム:ホームページ制作の設計図

定義

ワイヤーフレームは、ウェブページの骨組みを示す設計図です。色やフォントなどの装飾は入れず、見出し・本文・画像・ボタンなどの配置と優先順位を明確にします。

なぜ必要か

ワイヤーフレームは関係者の共通理解を作ります。クライアント、デザイナー、開発者が「何を」「どこに」置くかを早い段階で確認できます。結果として手戻りが減り、制作が効率化します。

含まれる主な要素

  • レイアウトのグリッドと領域(ヘッダー、メイン、サイドバー、フッター)
  • テキストの優先度(見出し、リード文、本文)
  • 主要な導線(ナビゲーション、CTAボタン、フォーム)
  • 画像や動画の位置を示すプレースホルダー

作成の流れ(簡易)

  1. ページの目的を決める(例:商品購入、問い合わせ)
  2. 必要な要素を書き出す(例:商品写真、説明、価格、購入ボタン)
  3. 優先度に基づき配置を決める
  4. 手書き→デジタルへ移行し関係者に確認する

実例(ECサイトのトップページ)

上部にグローバルナビ、目立つ検索、メインビジュアル、注目商品カルーセル、人気カテゴリ、フッターの順に配置すると導線が自然になります。

ヒントと注意点

  • 初期段階ではシンプルに保つと議論がスムーズです。
  • レスポンシブを意識して、スマホ版のレイアウトも早めに作りましょう。

ワイヤーフレームの目的と役割

情報の整理と優先順位の明確化

ワイヤーフレームはページ上の情報を並べ替えて、何を先に見せるべきかを明確にします。例えばECサイトでは写真、価格、購入ボタンの優先順位を決め、ユーザーが迷わず行動できるようにします。

制作関係者とクライアントの共通認識形成

レイアウトや要素の配置を図で示すことで、デザイナー、開発者、クライアント間のズレを減らします。文言や画像は仮置きでも構いません。重要なのは「ここに何を置くか」を共有することです。

戦略を形にする設計図

ワイヤーフレームは戦略や要件を具体的なページ構成に落とし込みます。狙った導線やCTA(行動を促す部分)を配置して、ユーザーの理解や共感、行動につなげます。

ユーザーテストと改善の土台

早い段階でワイヤーフレームを使い簡易テストを行うと、操作性や導線の問題を早期に発見できます。修正が簡単なので、本制作前に改善を重ねられます。

コストと時間の削減

画面設計を固めることで、後工程での手戻りを減らし制作コストを抑えられます。明確な設計は開発効率を高めます。

実務での使い方と注意点

ワイヤーフレームは詳細デザインではありません。あくまで仮の設計図として、注釈や優先度をつけて共有します。関係者からのフィードバックを得やすくするため、複数パターンを用意すると効果的です。

ワイヤーフレームのレイアウト種類

全体の考え方

ワイヤーフレームのレイアウトは、閲覧者に情報をどう伝えるかを決める設計図です。目的に合わせて列の数や配置を選び、重要な情報を目立たせます。

シングルカラムレイアウト

1列で上から下へ情報を並べる構成です。企業サイトの会社案内やランディングページに適しています。閲覧者は自然に上から順に読むため、ストーリー性のある紹介がしやすいです。スマホ表示でも崩れにくく設計が簡単です。

マルチカラムレイアウト

複数の列に分けて情報を同時に見せます。
– 2カラム:メインコンテンツ+サイドバー。ブログや商品詳細で、関連情報や検索・フィルターを置くのに便利です。
– 3カラム:ナビゲーション+メイン+補助情報。ECのカテゴリ一覧や管理画面で使われます。画面幅が広いと情報量を効率よく見せられます。

カード・グリッドレイアウト

商品一覧やポートフォリオでカードを格子状に並べます。視覚的に情報を比較しやすく、画像中心のコンテンツに向きます。

レスポンシブの視点

画面幅に合わせてレイアウトを変える設計が重要です。PCではマルチカラム、スマホではシングルカラムに切り替えると使いやすくなります。優先順位の高い要素を上に配置してください。

選び方のポイント

  • 目的(紹介・販売・情報提供)
  • 見せたい情報の優先順位
  • ユーザーが操作する頻度(検索・絞り込み)
  • 画像や商品数などの量
    これらを基準にレイアウトを決めると、わかりやすいワイヤーフレームになります。

ワイヤーフレーム作成時の確認ポイント

はじめに

ワイヤーフレーム作成時は目的と対象を明確にして、無駄のない設計を心がけます。以下の確認項目で抜けや重複を防ぎます。

目的と対象の確認

各ページの目的(購入、問い合わせ、情報提供など)と主なユーザー像を決めます。例:初めて訪れるユーザーが商品を見つけやすいかを想定します。

サイトマップとコンテンツリストの照合

サイトマップで構成を確認し、コンテンツリストと突き合わせます。ECなら「トップ/カテゴリ/商品/カート/購入完了」などを揃え、ページの役割が明確か確認します。

優先度を決めて重要ページのみ作成

すべてのページを作る必要はありません。重要度の高いページ(トップ、主要カテゴリー、商品詳細、お問い合わせ)を優先してワイヤーフレーム化します。

見出しと原稿の整理(スプレッドシート活用)

スプレッドシートにページ名、URL案、目的、H1、H2、本文(案)、CTA、備考の列を作ります。これで担当者間のずれを防ぎ、差し替えも簡単になります。

ユーザ導線とCTA配置のチェック

導線が自然か、主要な行動(購入・申し込み・問い合わせ)に迷わずたどり着けるかを確認します。CTAは視認性の高い位置に置きます。

レスポンシブと状態の確認

スマホ・PCそれぞれでの見え方を想定し、表示崩れやフォームのエラー表示、読み込み中の状態も考えます。

共有とレビューの方法

注釈を付けて共有し、関係者からのフィードバックを受けます。最終承認を得てからデザイン作業に渡すと手戻りを減らせます。

インラインフレーム(iframe)

インラインフレームとは

iframeは、ホームページ内に別のウェブページやドキュメントをそのまま表示するためのHTMLタグです。たとえば地図や動画、他社が提供するコンテンツをページ内に組み込めます。

基本的な使い方(例)

<iframe src="https://www.example.com" width="600" height="400" title="説明用のコンテンツ"></iframe>

srcで表示先を指定し、幅や高さを調整します。titleは読み上げソフト向けの説明です。

主な属性とポイント

  • src: 表示するURL。必須です。
  • width/height: 表示サイズ。ピクセルやCSSで指定できます。
  • title: アクセシビリティのために必ず付けます。
  • sandbox: 制限をかけて安全に表示できます(スクリプトやフォーム送信の制御)。

メリット

  • 外部コンテンツを簡単に表示できます(例:YouTubeや地図)。
  • サイト自身のコードを変更せずに情報を組み込めます。

デメリットと注意点

  • 外部サイトがiframe表示を禁止する場合、表示できません(X-Frame-Optionsなど)。
  • セキュリティや表示崩れに注意が必要です。sandbox属性で権限を制限してください。

レスポンシブ対応と代替案

幅を100%にして親要素の高さをアスペクト比で調整するとスマホでも見やすくなります。外部のAPIでデータを取得して自分のデザインで表示する方法も、安全性や見た目の自由度で優れます。

実務でのおすすめ

  • 必要最低限の権限でsandboxを使う
  • titleを必ず付ける
  • 表示不可時の代替コンテンツを用意する
    これらを守ると、安全で使いやすい組み込みができます。
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