はじめに
このドキュメントは、ホームページ作成にかかる費用をわかりやすく整理したガイドです。初めてサイトを作る方、リニューアルを検討している方、費用の相場を知りたい経営者や担当者に向けて作成しました。
本書の目的
- ホームページ制作に必要な初期費用と月額運用費用の全体像を示します。
- 制作方法やページ数、用途別に費用の違いを比較できるようにします。
- 実際に見積もりを取るときのチェックポイントをわかりやすく解説します。
読み方のポイント
- 章ごとに目的を分けて解説しています。自分の状況に合う章からお読みください。
- 目安はあくまで一般的な相場です。制作会社や依頼内容によって金額は変わります。
- 専門用語は最小限にし、具体例で説明しています。わかりにくい点があれば、その章だけ読み返すと理解が深まります。
この後の章で、規模別・ページ数別・制作方法別・用途別の費用や、月額運用費用の内訳と総額目安、管理体制ごとの違いまで順に解説していきます。まずは全体の流れをつかんで、必要な情報を効率よく集めてください。
ホームページ制作の初期費用相場【規模別】
概要
ホームページの初期費用は、サイトの目的や規模で大きく変わります。ここでは一般的な規模別の目安と、費用内訳、よくある追加項目、予算を抑える方法をわかりやすく説明します。
規模別の目安
- 個人向け（ブログ・ポートフォリオ）: 10万円〜30万円
- シンプルなテンプレート、最小限のページ数で済みます。例: 作品紹介＋問い合わせ。
- 中小企業向け（会社紹介・サービス）: 30万円〜100万円
- デザイン調整、CMS導入、スマホ対応、基本的なSEOを含みます。例: 会社案内＋採用情報＋お問い合わせフォーム。
- 大規模サイト（EC・会員制・多言語）: 100万円以上
- カスタム機能、決済連携、膨大なコンテンツが必要です。例: 商品管理・在庫機能・会員機能。
主な費用内訳（一例）
- デザイン・コーディング: 総額の40〜60%
- CMS導入・設定: 10〜25%
- 画像・コンテンツ作成: 5〜20%
- ドメイン・サーバー初期費用: 数千〜数万円
- テスト・修正: 5〜15%
よくある追加オプション
- EC機能、予約システム、決済連携、外部API連携、独自システム開発など。これらは費用を大きく押し上げます。
予算を抑える方法
- テンプレート利用や段階的な機能追加（フェーズ開発）を検討してください。要件を明確にすると見積もりが安定します。
ご希望に合わせて、具体的な規模や機能を教えていただければ、より詳細な見積目安を作成します。
ページ数別の費用目安
概要
ホームページの制作費用はページ数で大きく変わります。ここでは代表的な目安と、各ケースで何が含まれるかを具体例で示します。見積もりは要件で上下しますので、あくまで目安としてご覧ください。
ページごとの目安（代表例）
- 5ページ：30万円〜50万円
- 会社案内やサービス紹介など基本構成。テンプレート寄りで原稿支給の場合は下限に近づきます。デザイン調整や写真撮影が入ると上がります。
- 10ページ：50万円〜70万円
- サービス詳細や採用ページを含む中小規模。CMS（更新機能）導入で工数が増えます。
- 20ページ：70万円〜100万円
- 多くのコンテンツを内包するサイト。ページごとの設計、内部リンク調整、SEO対策に手間がかかります。
- 50ページ以上：100万円以上
- 大量のコンテンツや階層構造がある場合。設計、テンプレ化、運用ルールの整備が必要です。
費用が変わる主な要因
- デザインの独自性（オリジナルかテンプレか）
- CMS導入やカスタム機能（会員、予約、ECなど）
- レスポンシブ対応やブラウザ検証
- 原稿作成・写真撮影・翻訳などの有無
見積もりのポイント
見積りを依頼する際は、想定ページの構成（トップ、会社、サービス、採用、問い合わせ等）と、更新頻度・必要な機能を伝えます。複数社で比較し、何が含まれるかを明確にして選びましょう。
制作方法別の費用相場
概要
制作方法は主にフリーランス、制作会社、テンプレート型、オーダーメイド型の4種類です。用途や予算、求める機能で最適な方法が変わります。以下で具体的な費用例と選び方ポイントを説明します。
フリーランスへの依頼（目安：10万〜50万円）
個人の技術者に依頼します。小規模なコーポレートサイトや個人事業のサイト向けです。例：簡単な5ページ構成で10〜20万円、画像や軽微な機能追加で30〜50万円程度になります。費用は経験や稼働時間で変わります。
制作会社への依頼（目安：30万〜100万円）
デザイン、SEO対策、ディレクションを含めた一括対応が得意です。ブランディングや集客を重視する企業向けに向きます。中小企業の一般サイトで30〜80万円、大規模なプロジェクトで100万円前後になります。
テンプレート型（目安：10万〜50万円）
既存のテーマやテンプレートを導入してカスタマイズします。導入と設定で10〜30万円、見た目や機能を多めに調整すると50万円前後になることがあります。費用を抑えたい場合に有効です。
オーダーメイド型（目安：50万〜200万円）
要件に合わせて一から設計・開発します。会員機能、EC、独自の業務システム連携などがあると100万円〜200万円になります。将来的な拡張や差別化を重視する場合に適します。
選び方のポイント
予算、必要な機能、納期、保守体制を優先して考えます。例：低予算で早く公開したいならテンプレートやフリーランス、信頼性や集客効果を重視するなら制作会社やオーダーメイドを検討してください。
注意点
見積もりに含まれる項目（デザイン、コーディング、CMS導入、画像素材、SSL設定、レスポンシブ対応）を必ず確認してください。運用費用や追加開発は別途発生することが多いです。修正回数や納期も事前に取り決めましょう。
用途別の制作費用
企業・コーポレートサイト（30～150万円）
企業の顔となるサイトです。デザインや企業のブランディング、採用情報などを含めると費用は上がります。ページ数が多く、オリジナルデザインやCMS導入が必要だと100万円を超えることが多いです。期間は1〜3か月が目安です。
店舗サイト（30～150万円）
メニュー・アクセス・予約機能などがあると費用が増えます。予約システムを導入する場合は外部連携費用も考慮します。期間は2週間〜2か月程度です。
ランディングページ（20～50万円）
1ページ完結の集客用ページです。短納期で作れますが、効果測定や改善を繰り返す設計にすると費用は増えます。制作期間は2週間前後です。
ECサイト（50～300万円）
商品数、決済・在庫管理・配送連携で大きく変動します。テンプレートで低価格、独自機能や多言語対応で高額になります。制作期間は1〜4か月です。
オウンドメディア（30～100万円）
記事投稿の運用性やSEO対策、カテゴリ設計がポイントです。会員機能や課金システムを入れると費用が上がります。期間は1〜3か月程度です。
ポータルサイト（50～300万円）
複数の事業者や大量データを扱うため開発負担が大きくなります。検索・絞り込み・ユーザー管理などの機能で金額が跳ね上がります。制作期間は2か月〜4か月が目安です。
■ 費用が変わる主な要因
ページ数、デザインの独自性、機能（会員・決済・予約）、コンテンツの有無、外部連携の有無で上下します。
■ 費用を抑えるコツ
テンプレート活用、優先機能に絞った段階的リリース、事前に素材を準備することをおすすめします。制作前に明確な要件を出すと見積もりが正確になります。
月額運用費用の内訳
ホームページの月額運用費用は主に「サーバー代」「ドメイン代」「保守費用」に分かれます。以下でそれぞれの内容と金額目安、注意点をわかりやすく説明します。
サーバー代（1,000円〜5,000円／月）
共有サーバーなら安く、個人や小規模なら月1,000円前後で運用できます。アクセス増加や安定性を求める場合はVPSや専用サーバーで数千円〜となります。費用に含まれるのはディスク容量、転送量、稼働保証などです。トラフィック急増時の課金やバックアップの有無を確認してください。
ドメイン代（取得1,000円〜2,000円、更新数百円〜1,000円／年）
ドメインは取得時と更新時で費用が分かれます。一般的な価格帯は取得1,000〜2,000円、更新は年間数百円〜1,000円程度です。.jpや.co.jpは高めになることがあります。更新忘れで失効しないよう管理方法を決めてください。
保守費用（月額1万円〜5万円程度）
保守はサイトの更新、バックアップ、セキュリティ対策、CMSやプラグインの更新、簡単な修正対応などが含まれます。頻度や対応範囲で料金が変わります。緊急対応や作業量が増えると別途費用がかかることがあります。
その他の費用例
- SSL証明書：無料（Let’s Encrypt）〜有料数千円／年
- メールアカウント：サーバーに含まれるか別料金
- 定期バックアップや監視サービス：有料オプション
コストを抑えるポイントと確認項目
- 必要な性能に見合うサーバーを選ぶ
- ドメインは自動更新を設定する
- 保守は作業範囲を明確にして料金を比較する
月額費用は継続的な運用の安全性と利便性に直結します。費用内訳を明確にして、無駄のない運用を心がけてください。
月額費用の総額目安
ホームページの月額費用は、サーバー代・ドメイン代・保守費用を合わせて、一般に1万円〜5万円が目安です。年間では10万円〜50万円程度になります。個人サイトなら月額5,420円〜26,000円、平均で約15,000円前後が多いです。
内訳別の目安
- サーバー：月500〜3,000円（共用〜VPS）
- ドメイン：月100〜500円（年額を月割り）
- 保守・運用：月5,000〜40,000円（更新・バックアップ・軽微な修正）
- オプション：月数千〜数万円（EC機能、広告運用、外注更新）
実例で見る総額
- 個人ブログの目安：サーバー1,000円＋ドメイン200円＋簡易保守3,000円＝約4,200円／月
- 小規模事業者：サーバー2,000円＋ドメイン300円＋保守10,000円＋オプション3,000円＝約15,300円／月
年間換算の例
月1万円なら年12万円、月5万円なら年60万円。初期制作費が別にかかる点に注意してください。
費用を抑えるポイント
- 不要なオプションを見直す
- 更新作業を内製化する
- 長期契約やキャンペーンを活用する
これらを踏まえ、自社の用途と予算に合わせて見積もりを取ると安心です。
管理体制別の月額費用
自社管理（社内で運用）
- 月額目安：約5,000円
- 想定作業：基本的な文章・画像の差し替え、CMSの更新、簡単なセキュリティ確認
- メリット：費用を抑えられる。修正のスピードが速い
- デメリット：専門知識が必要。人手不足だと運用が滞る
最低限の外注（部分的に業者へ委託）
- 月額目安：10,000〜20,000円
- 想定作業：月数回の更新、定期バックアップ、簡単な保守・監視
- こんな場合に向く：社内リソースが限られるが、完全委託は不要なとき
フル外注（運用を丸ごと委託）
- 月額目安：30,000〜100,000円以上
- 想定作業：コンテンツ作成、SEO対策、広告連携、常時監視、障害対応
- メリット：専門家に任せて安心。戦略的な改善が期待できる
共通の費用要因と注意点
- 更新頻度、サイト規模、緊急対応の可否で金額が変わる
- ドメイン・ホスティング代は別途かかる場合が多い
- SLA（対応時間や復旧の目安）を契約で明確にする
選び方のポイント
- まず更新頻度と優先度を決める
- 発生しやすい作業（更新・バックアップ・障害対応）を洗い出す
- 複数社の見積もりで比較し、SLAと実績を確認する
※金額は目安です。業者や対応範囲で変動します。
