はじめに
ホームページの「問い合わせページ」は、単なる連絡先の一覧ではありません。お客様との最初の接点であり、信頼を築く重要な役割を果たします。本記事では、問い合わせページの必要性から、問い合わせ数を増やすための全体戦略、導線設計、フォーム最適化(EFO)、そして初心者でも使える作成手順とツールまで、実践的にわかりやすく解説します。
誰に向けた記事か
- 小規模事業者や個人事業主、サイト運営を始めたばかりの方に向けています。技術的な専門知識がなくても実行できる内容です。
この記事で学べること
- 問い合わせページの目的と作り方
- 訪問者が行動しやすい導線の作り方
- 問い合わせフォームの改善ポイント
- 無料・低コストで使えるツールの紹介
読み方のヒント
各章は順に読むと理解が深まります。まず第2章で「問い合わせページは本当に必要か」を確認し、目的をはっきりさせてから具体策に進むと効率的です。丁寧に手を動かせば、確実に問い合わせが増えます。始めていきましょう。
ホームページに問い合わせページは本当に必要か?
はじめに
問い合わせページは訪問者が疑問や要望を直接伝える窓口です。メールアドレスだけで済ませる場合もありますが、専用フォームを置くことで入力のしやすさが高まり、連絡のハードルを下げられます。
問い合わせページが必要な理由
- 連絡のしやすさを向上できる(例:スマホで簡単に送れるフォーム)
- 潜在顧客を逃さない(具体的な要望を受け取れば商談につながる)
- 信頼感を与える(問い合わせ窓口が明確だと安心)
不要に感じられるケース
- 個人ブログや趣味のサイトで連絡をほとんど受けない場合
- SNSのDMで十分に対応できる場合
問い合わせページがないリスク
- 機会損失(興味を持った人が離脱する)
- 取引先や取材の依頼を逃す可能性がある
すぐできる対応チェックリスト
- メールだけでなくフォームも用意する
- フォームは項目を絞って簡単にする
- 返信の目安(例:3営業日以内)を明記する
結論として、多くの事業サイトでは問い合わせページを用意する価値が高いです。用途や規模によっては簡易な窓口で足りますが、明確な導線を作ることで機会を逃さず対応できます。
問い合わせページの目的と役割
問い合わせページの主な目的は、ユーザーの疑問や要望をスムーズに吸い上げることです。訪問者が迷わず連絡できる窓口を用意することで、ビジネス機会を逃さずに済みます。
目的
- ユーザーの質問や相談を受け取る窓口を作る
- 見積もりや資料請求など具体的な商談につなげる
- 口コミやフィードバックを集めて改善につなげる
- 要望や不具合報告を受け取り優先度を付ける
主な役割(具体例つき)
- 製品・サービスの質問対応
- 例:仕様や在庫、導入可否などの問い合わせを受け付ける
- 見積もり依頼・商談の入り口
- 例:会社名、業種、希望納期、予算感を入力してもらい担当者へ振り分ける
- 資料請求の受付
- 例:PDFやカタログを自動返信で送る仕組みを用意する
- 口コミ・フィードバック収集
- 例:星評価と短いコメントで簡単に投稿できるようにする
- 要望や不具合の把握と社内共有
- 例:カテゴリ分けで担当部署に自動振り分けする
使い勝手を高める工夫
- 必須項目は最小限にし入力の手間を減らす
- 選択肢やチェックボックスを使い入力ミスを防ぐ
- 自動返信で受信確認と回答目安を伝える
- 添付ファイルやスクリーンショットを受け付けると原因把握が早まる
- プライバシーや個人情報の取り扱いを明示する
- 電話やチャットなど代替手段を明示して利用者に選んでもらう
問い合わせページは、単なる連絡先欄ではなく、顧客との最初の接点として信頼を築き、効率よく情報を集める役割を果たします。設計次第で問い合わせ数と成約率の改善につながります。
ホームページ問い合わせ数を増やす全体戦略
全体像
問い合わせ数を増やすには、個別施策だけでなく全体の流れを設計します。分析→集客→サイト設計→フォーム最適化(EFO)という順で改善を進めると効果が出やすいです。
分析フェーズ
自社(強み・弱み)、競合(訴求・導線)、顧客(ニーズ・行動)の3点を調べます。具体例:競合のCTA配置や料金表の見せ方をスクリーンショットで比較し、顧客は問い合わせ前に見るページをヒートマップで確認します。
集客(SEO・広告・コンテンツ)
検索で見つかるためのキーワード設計、広告で誘導するランディングページ、役立つ記事や事例で信頼を作ります。例として、業界の悩みを解決する短いQ&A記事を定期配信すると問い合わせにつながりやすいです。
サイト設計(導線・デザイン・訴求)
訪問者の行動を想定して導線を作ります。主要CTAはファーストビューと記事下に置き、信頼要素(実績・お客様の声)を近くに配置します。デザインは簡潔で視線を誘導する配色を使います。
フォーム最適化(EFO)の前倒し
フォームは後で最適化しますが、設置位置やボタン文言は早めに決めます。必須項目を絞り、入力補助や自動入力を導入します。
実行プランとKPI
短期(30日):流入改善と主要CTA設置。中期(60〜90日):コンテンツ充実とA/Bテスト。指標は問い合わせ数、コンバージョン率、流入経路ごとの成約率です。定期的に見直して改善を続けましょう。
問い合わせを増やすための導線設計
導線設計の考え方
問い合わせを増やすには、ユーザーが迷わず行動できる導線を用意します。訪問中に常に問い合わせ方法が見えること、目的のページに最短でたどり着けることを意識してください。具体例を交えながら説明します。
共通ヘッダーとフッターの配置
ヘッダー右上に目立つ問い合わせボタンを常時表示します。色はサイト内で目立つワンポイントにし、テキストは「お問い合わせ」や「相談する」など短くします。フッターにも同様のリンクを置き、どのページからでもアクセス可能にします。
ページ内の導線(コンテンツ内CTA)
記事や商品ページの最後に行動を促す一文とボタンを置きます。例:「詳しく知りたい方はこちらから相談ください」。サービス説明の途中にも小さなリンクやボタンを挟んで、気になったときにすぐクリックできるようにします。
スマホを意識した導線(クリック通話など)
スマホ利用者のために、電話発信がワンタップでできるボタンを導入します(tel:リンク)。緊急性の高い相談や複雑な内容は電話での対応が増えるため、営業時間や対応可能な内容を一緒に表示してください。
サイト内検索・サイトマップ・パンくず
目的のページにたどり着けないユーザーを減らすため、目立つ位置にサイト内検索を置きます。サイトマップやパンくずを整備して、情報の所在を分かりやすくしておくと問い合わせ経路が増えます。
404ページや離脱ポイントの活用
見つからないページ(404)にも問い合わせへの導線を設けます。フォームや電話、チャットへのリンクを置くと離脱を防げます。
計測と改善
どの導線が効果的かをアクセス解析で測ります。ボタンのクリック率やフォーム到達率を見て、色・文言・配置をA/Bテストで改善してください。小さな改善を積み重ねることで問い合わせ数は増えます。
実践チェックリスト(簡易)
- ヘッダーに問い合わせボタンがある
- フッターにもリンクがある
- 記事や商品ページにCTAがある
- スマホでワンタップ発信が可能
- サイト内検索・サイトマップが整備されている
- 重要な離脱ページに導線がある
- 効果測定を行っている
これらを意識して導線を設計すれば、ユーザーが迷わず問い合わせに進みやすくなります。
問い合わせフォーム最適化(EFO)のポイント
問い合わせフォームでの途中離脱を減らし、送信完了まで導く施策がEFO(Entry Form Optimization)です。ここでは実用的なポイントと具体例を紹介します。
1. 必須項目を最小化する
- 本当に必要な情報だけを必須にします。例:氏名・連絡先・問い合わせ内容。会社名や住所は任意にします。
2. 記述式より選択式を使う
- プルダウンやラジオボタンで入力を簡単にします。例:お問い合わせの種類(製品・サポート・見積り)を選ばせる。
3. リアルタイムの入力チェック
- 入力ミスをその場で知らせます。メール形式や電話番号の桁数チェックなどを即時表示します。
4. 入力補助を設ける
- プレースホルダの例文、フォーマット提示、自動補完を活用します。例:日付は「YYYY/MM/DD」で入力例を示す。
5. スマホでの使いやすさ
- タップしやすいボタン、大きめの入力欄、縦並びのレイアウトにします。片手操作を意識します。
6. 段階的に表示する(プログレッシブ)
- ステップ分けで一度に見せる項目を減らします。ステップごとに進捗を示すと安心感が増します。
7. 送信後の安心表示
- 送信完了メッセージと返信の目安時間を明記します。自動返信メールで受付内容を確認できると親切です。
8. テストと改善を繰り返す
- 実際のユーザー行動を分析し、離脱ポイントを減らす改善を続けます。A/Bテストで効果を確かめます。
初心者でもできる問い合わせページの作成方法とツール
はじめに
問い合わせページは難しくありません。目的と規模に合わせて、手軽に始められる方法を選べば大丈夫です。ここでは4つの代表的な手法と作り方、運用のコツをわかりやすく説明します。
1. Googleフォーム(手軽で無料)
手順:
1) Googleアカウントでフォームを作成
2) 質問を入力(名前・メール・問い合わせ内容など)
3) デザインを調整して公開URLを取得
ポイント: 小規模事業やテスト用に最適。自動でスプレッドシートに記録されます。
2. formrun(運用しやすいクラウド型)
手順:
1) アカウント作成
2) フォームをドラッグ&ドロップで作成
3) 受信管理や自動返信設定を行う
ポイント: 送信データ管理や担当者振り分けが簡単で、運用負担を減らせます。
3. Contact Form 7(WordPress向け)
手順:
1) WordPressにプラグインをインストール
2) フォームを作成してショートコードをページに貼る
ポイント: 無料で柔軟。メール設定とスパム対策(reCAPTCHA等)を忘れずに。
4. HTML/CSSで自作(自由度が高い)
手順:
1) フォームのHTMLを作成
2) サーバー側で受信処理(PHP等)を用意
3) バリデーションと送信確認を実装
ポイント: デザインや動作を細かく制御できますが、技術的な知識が必要です。
テストと運用のポイント
- テスト送信を複数回行い、メール受信や自動返信を確認
- プライバシー表記や個人情報の扱いを明記
- スマホ表示と入力しやすさをチェック
おすすめの選び方
- 手早く始めたい: Googleフォーム
- 運用を楽にしたい: formrun
- WordPressサイトなら: Contact Form 7
- こだわりたい・独自機能: 自作フォーム
これらを参考に、まずは一つ選んで試してみてください。












