はじめに
ウェブサイトを英語にする理由
ホームページを英語に翻訳する目的は人それぞれです。海外の顧客を増やしたい、製品情報を広く伝えたい、採用やリクルートのために海外人材へ情報提供したいなど、用途に応じて必要な翻訳の精度や範囲が変わります。たとえば趣味のブログなら自動翻訳で十分な場合もありますし、商品説明や契約に関わるページは正確な人の翻訳が必要です。
主な選択肢の概要
- 自動翻訳(ブラウザ内やプラグイン): 早くてコストが安い。原文のニュアンスが失われることがあります。
- CMSの多言語機能やプラグイン: 管理しやすく、段階的に整備できます。
- プロの翻訳者に依頼: 品質が高く信頼性がありますが、費用と時間がかかります。
品質とコストのバランス
短期的に掲載したい内容は自動翻訳や機械翻訳で対応し、重要なページは人のチェックを入れる方法が実用的です。目的と予算に応じて、どのページを優先するかを決めると良いです。
このガイドの使い方
本書では、まず全体のやり方を示し、その後すぐ試せる簡単な方法、本格対応、プロに依頼する場合、自動翻訳と人手の使い分けについて順に解説します。自分の目的に合った進め方を見つけてください。
やり方の全体像
1. 自動翻訳で手早く表示
ブラウザの翻訳機能やGoogle翻訳のサイト翻訳を使うと、短時間で英語表示に変えられます。手間が少なくコストもかかりません。例:Chromeでページを開き「英語に翻訳」を選ぶだけです。ただし訳が不自然になることがあり、ブランド表現や専門用語は誤訳されやすい点に注意してください。
2. サイト全体を多言語対応する方法
多言語対応のプラグインやSaaSを導入すると、ページごとに翻訳を管理できます。自動翻訳をベースに編集できる仕組みが多く、更新時の運用も楽になります。具体例:WordPressの多言語プラグインやホスティング型の翻訳サービスです。初期設定や運用ルールが必要ですが、見た目やSEOも整えやすい利点があります。
3. プロ翻訳者・翻訳会社に依頼する方法
高品質な英語が必要なら、翻訳の専門家に依頼します。ネイティブチェックやローカライズまで任せれば、読み手に自然に伝わる文章になります。費用と納期を踏まえて、どの範囲を依頼するかを決めてください。
選び方のポイント
目的(予算・品質・スピード)に応じて選びます。試したいならまず自動翻訳で様子を見て、長期的に運用するなら多言語ツールやプロ依頼に移行すると良いです。初心者向けの簡単なチェックリストも活用してください:優先ページ、更新頻度、予算、求める品質。
すぐ試せる簡単な方法
Google翻訳でURLを丸ごと確認する
- Google翻訳のサイトを開きます。左側に元の言語、右側に英語を選びます。
- 左側の入力欄に自分のホームページのURLを貼り付け、翻訳ボタンを押します。
- 生成されたリンクをクリックすると、英語に自動変換されたページをそのまま確認できます。見た目を崩さずざっくり内容を把握できます。
ブラウザの全体翻訳機能を使う
- ChromeやEdgeでは、ページ上で右クリックして「英語に翻訳」などを選べます。アドレスバーに翻訳アイコンが出る場合はそこから切り替えできます。
- 実際の手順:ページを開く → 右クリック → 「英語に翻訳」を選択、またはアドレスバーのアイコンをクリック。
すぐ試せるチェック項目(実用例)
- トップページ、会社概要、料金ページ、問い合わせフォームのラベルを確認してください。
- ナビゲーションが英語でも機能するかリンクをクリックして動作を確かめます。
- 画像内の文字は翻訳されないので、重要な案内はalt属性やキャプションを英語で用意します。
短時間での対処法
- 文章が短ければ、該当テキストをコピーしてGoogle翻訳に貼ると正確さを比べられます。
- 誤訳があれば簡単な語句だけ手直しして公開用に使うと効率的です。
本格的に多言語サイトにしたい場合
どんな仕組みか
WOVN.ioやWordPressのプラグイン(例:GTranslate)は、既存のページを保ったまま別言語を追加します。自動翻訳で大量に作り、人手で重要部分だけ直す運用がしやすいです。
導入の流れ(基本)
- 対象ページを決める(全ページか一部か)
- サービスを契約してドメイン設定や言語スイッチを組む
- 自動翻訳を適用し、優先ページを人手で校正
運用ポイント
- URLはサブディレクトリ(/en)かサブドメインで分けるとSEOに有利です。
- 言語切替は目立つ場所に置き、クッキーやブラウザ判定で導線を工夫します。
品質向上の工夫
- 翻訳メモリを使い、表現を統一します。
- 製品名や専門用語は翻訳除外リストに入れて誤訳を防ぎます。
- 重要ページはネイティブチェックを依頼します。
費用と体制の目安
- 自動翻訳中心なら月額+少量の校正費で始められます。
- 定期更新が多い場合は内製で1名〜2名の担当を置くと安定します。
導入前に対象と優先順位を明確にし、まずは小さな範囲で運用を回して改善していくと失敗が少なくなります。
プロに依頼するケース
重要ページはプロに任せる理由
集客や契約に直結するトップページ、料金ページ、問い合わせページは誤訳や不自然な表現が大きな損失につながります。信頼性とコンバージョン確保のため、翻訳会社やネイティブの翻訳・英語コピーライターに依頼するのが安心です。
依頼先の種類と使い分け
- 翻訳会社:大量ページや納期管理が必要な場合に向きます。校正や納品フォーマット対応が充実しています。
- ネイティブ翻訳者/コピーライター:自然な言い回しや文化に合った表現を重視する場合に最適です。SEOや訴求力の高い英語文を期待できます。
依頼時に伝えるべき情報(具体例を添えて)
- 対象ページのURLやスクリーンショット
- 想定する訪問者(例:海外の中小企業の担当者)
- トーン(フォーマル/フレンドリー)と重要キーワード
- 用語集やブランド表現の例
- 翻訳だけでなく英語コピー(CTAや見出しの最適化)を希望するか
納品物と公開方法
- 納品はGoogleドキュメントやWord、CSV/Excel、HTML断片で受け取ると扱いやすいです。
- 一般的には「/en/」配下やen.example.comなどに英語版を作り、CMSへ貼り付けて公開します。
- メタ情報(title、description)や画像のaltも依頼しておくとSEO対応がスムーズです。
品質チェックと運用体制
- 納品後は社内の英語に詳しい人に最終確認してもらい、リンクやフォームの動作を必ずテストしてください。
- 更新が頻繁なページは定期的に翻訳更新のスケジュールを設定すると運用が楽になります。
見積もりとスケジュール感
- ページ数・専門性・SEO対策の有無で費用が変わります。まずはサンプルページで見積もりを取り、修正ラウンドを含めた納期を確認してください。
最後に一つのコツとして、原稿に背景情報や目的を詳しく添えると、より効果的な英語表現が得られます。
自動翻訳と人手の使い分け
はじめに
自動翻訳と人手翻訳は、それぞれ得意分野があります。目的や予算に合わせて使い分けると効率よく品質を確保できます。
自動翻訳が向く場面
- ブログやニュースの概訳。大量ページを速く出すときに有効です。
- ユーザー生成コンテンツや内部資料の理解用。厳密さが不要な場合に使えます。
具体例: 多数の技術系ブログ記事をまず自動翻訳でアップし、反応の良い記事だけ人手で手直しします。
人手翻訳が向く場面
- トップページ、商品説明、購入ページ、契約書など。ブランドや法的正確さが重要な箇所です。
- 文化的配慮やトーン調整が必要なコンテンツ。
実践的な使い分け手順
- コンテンツを優先度で分類(高・中・低)。
- 低優先度は自動翻訳で公開。簡単な校正だけ行います。
- 高優先度は人手翻訳か自動翻訳+ポストエディット(人が修正)で仕上げます。
- 中優先度は自動翻訳後、ランダムサンプリングで品質チェックを実施します。
品質チェックのポイント
- トーンと文脈の一致
- 数値・単位・リンクの正確さ
- SEOキーワードの自然な配置
- 文化的表現や禁止表現の確認
コストと納期の目安
- 自動翻訳: 低コスト、即時〜数時間
- 人手翻訳: 高コスト、数日〜数週間
実務アドバイス
まず重要ページだけ人の手で品質を固め、残りを自動翻訳で回す方法が効率的です。効果測定を行い、改善ポイントに応じて人手投入を増やしてください。












