はじめに
この章では、本調査の目的と読者に伝えたいことをわかりやすく説明します。
目的
本調査は「ホームページに予約機能を導入したい」「既存サイトに予約を組み込みたい」と考える方のために、方法や注意点、導入後の利点を整理することを目的としています。具体的な操作手順やおすすめサービスも紹介しますので、実践につなげやすい内容にしています。
想定する読者
小規模な店舗オーナー、個人事業主、サロンや教室の運営者、ウェブ担当者など、技術的な専門知識があまりない方でも理解できるように書いています。技術用語は最小限にし、具体例を交えて説明します。
本書の構成と読み方
第2章で導入方法の選択肢を、第3章で埋め込むメリットを、第4章で具体的な埋め込み手順を、第5章でおすすめの予約システムを紹介します。まずは目的やメリットを把握し、ご自身に合う方法を見つけてください。
予約受付できるホームページを作る3つの方法
ホームページに予約機能をつける方法は大きく分けて3つあります。用途や予算、技術力によって選べます。
1. 予約システムを導入する(ASP/クラウド型)
- 内容:既成の予約サービスを自社サイトに組み込む方法です。ウィジェットやリンク、埋め込みコードを使います。
- メリット:導入が早く、初期費用が低い。運用・サポートが付くことが多いです。
- デメリット:細かい表示や機能の自由度は限定されます。
- 費用目安:無料プラン〜月数千円〜数万円。
- 向いている人:すぐに予約受付を始めたい事業者や、運用を簡単にしたい人。
- 例:飲食店の席予約や美容室の来店予約。
2. 開発会社に発注する(フルカスタム)
- 内容:要望に合わせて予約機能を一から設計・開発してもらいます。
- メリット:デザインや動き、業務フローに合わせた完全なカスタマイズが可能です。
- デメリット:費用と納期がかかります。仕様の詰めが重要です。
- 費用目安:数十万円〜数百万円(要件による)。
- 向いている人:独自仕様が必要な事業者や、大規模な予約運用を見込む場合。
- 例:宿泊施設の複雑な料金体系や管理画面を含む場合。
3. 自分で作る(内製)
- 内容:自分や社内でプログラムを書いて予約機能を作る方法です。
- メリット:一番自由度が高く、学習の価値もあります。
- デメリット:技術力が必要で、開発と保守の負担が大きいです。
- 費用目安:人件費や学習コストが中心。外注より安く済む場合もあります。
- 向いている人:開発スキルがある個人やチーム、独自機能を自分で管理したい場合。
- 例:小さなスクールが独自の予約ロジックを実装する場合。
どの方法も一長一短があります。予算、導入までの時間、求める自由度を比べて選んでください。
ホームページに予約システムを埋め込むメリット
1) いつでも予約できる利便性
ホームページ上で予約を受け付けると、顧客は24時間いつでも手続きできます。たとえば仕事後にスマホで予約する、休業日でも次回の枠を確保するといった使い方ができます。電話がつながらない時間帯でも予約を逃しません。
2) 業務効率の向上
電話やメールでのやり取りが減り、スタッフは接客や重要な業務に集中できます。実際の例として、受付業務を自動化して月間の対応時間を大幅に短縮した店舗が多くあります。
3) ミスや二重予約の減少
システムが空き状況を自動で管理するため、手入力に伴うヒューマンエラーや二重予約のリスクを減らせます。キャンセルや変更も画面上で処理できるため整合性が高まります。
4) 顧客満足度の向上
予約確認やリマインド通知を自動送信できると、顧客は安心して来店できます。忙しい顧客ほど、手軽なオンライン予約を好む傾向があります。
5) データ活用と売上改善
予約データを蓄積すれば、人気の時間帯やメニューを把握できます。分析により効率的なシフト作成や販促計画が立てられ、売上改善につながります。
6) ブランディングと信頼感
サイト上に予約フォームがあると、運営が整っている印象を与えます。利用手順が分かりやすいほど、初めての顧客も安心して利用します。
ホームページに予約システムを埋め込む方法
方法1:iframeで埋め込む
外部予約サービスが発行するHTMLの埋め込みコード(iframe)をページに貼り付けます。手順は簡単です。
1. 予約サービスの「埋め込みコード」を取得
2. 自分のページの表示したい場所に貼り付け
3. 幅(width)と高さ(height)を調整
4. レスポンシブにするには、CSSでmax-width:100%やラッパー要素を使う
ポイント:SSL(https)で運用し、スマホでの表示を必ず確認してください。
方法2:WordPressプラグインを使う
WordPressならプラグインで簡単に導入できます。初心者でも操作しやすいです。
1. 管理画面→プラグイン→新規追加で検索
2. インストールして有効化
3. プラグインの設定でカレンダーや通知を設定
4. ショートコードやブロックを固定ページに貼る
カスタマイズ性が高く、顧客管理や決済連携もプラグインで対応できます。
方法3:JavaScriptウィジェット・APIで組み込む
デザインや挙動を細かく制御したい場合に有効です。開発者が必要ですが、ブランドに合わせた見た目が作れます。APIで空き情報を取得し、独自の予約フォームを作る流れです。
導入前のチェック項目
- モバイル表示の確認
- 通知メールのテスト
- タイムゾーンと営業時間の設定
- 個人情報の取り扱い(SSL・プライバシー表記)
- テスト予約で動作確認
これらを確認すれば、スムーズに埋め込みできます。
おすすめの予約受付システム5選
以下は使いやすく実績のある5つの予約受付システムです。用途に合わせて選びやすいよう、主な機能、料金目安、向いている業種、注意点を簡潔にまとめました。
1. RESERVA(レゼルバ)
- 主な機能:オンライン決済、予約カレンダー、Googleカレンダー・Zoom・LINE連携
- 料金目安:無料プランあり。月額プランは機能に応じて段階的
- 向いている業種:サロン、教室、イベント運営
- 注意点:高度なカスタマイズは上位プランが必要
2. STORES 予約
- 主な機能:多様な外部ツールと連携、顧客管理、決済対応
- 料金目安:無料プランからエンタープライズまで幅広い
- 向いている業種:小売・サービス店舗、個人事業主
- 注意点:機能が豊富なため初期設定に時間がかかることがある
3. ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)
- 主な機能:柔軟な料金設定、予約フローの細かい設定、CSV出力
- 料金目安:予約件数に応じたプラン
- 向いている業種:セミナー、複数会場の運営
- 注意点:大規模運用に最適だが小規模だと割高になる場合あり
4. Airリザーブ
- 主な機能:自由受付タイプと事前設定タイプ、店舗向け機能が充実
- 料金目安:無料プランあり。業種別のプラン設定
- 向いている業種:飲食店、サロン、クリニック
- 注意点:店舗管理に特化しているため、特殊なワークフローは要確認
5. SELECTTYPE(セレクトタイプ)
- 主な機能:フォーム作成と予約管理を組み合わせられる、柔軟な入力項目
- 料金目安:無料プランあり。必要機能で有料プランへ
- 向いている業種:アンケートや事前申込を伴う予約、教室運営
- 注意点:UIはシンプルだが高度な自動化は外部ツールで補う必要あり
どれも試用できるプランが多いので、まず無料プランやトライアルで操作感を確かめることをおすすめします。用途と予算に合わせて選んでください。












