はじめに
この章では、記事の目的と読み方をわかりやすく説明します。本記事は「ホームページ」という言葉が日本語でどのように使われているか、英語圏での本来の意味との違い、ビジネスでの誤解を避けるための適切な表現について丁寧に解説します。
目的:
– 「ホームページ」が和製英語であることを理解する。
– 英語での正しい表現と使い分けを学ぶ。
– 日本での用語変化の背景を知り、ビジネスでの混乱を減らす。
読者:
– ウェブ担当者、マーケティング担当、翻訳者、英語学習者など、言葉の正確さを重視する方に役立ちます。
この記事の構成(全7章の簡単な案内):
1. 「ホームページ」は本当に英語?和製英語としての正体
2. 英語で「ホームページ」はどう言う?正しい表現・使い分け
3. なぜ日本で「ホームページ=サイト全体」になったのか
4. 英語本来の “home page” の意味と、日本語とのズレ
5. ビジネスで「ホームページ」をそのまま使うと何が問題か
6. 「ホームページ」と「ウェブサイト」の違い(日本語内部での整理)
読み方のポイント:
– 各章は短く具体例を交えて説明します。専門用語は最小限に抑え、実務ですぐ使える言い換えや注意点を中心にまとめます。
1. 「ホームページ」は本当に英語?和製英語としての正体
はじめに
日本語で「ホームページ」と言うと、企業やお店の情報が載っているインターネット上のサイト全体を指すことが多いです。一方、英語圏では意味が少し違います。
英語での違い
英語の “home page” は、ウェブサイトの「最初に表示されるページ(入口ページ)」を指します。サイト全体は “website” と呼びます。ですから、英語では”home page”と”website”は明確に区別します。
なぜ和製英語になったか
日本ではパソコンやインターネットの初期に、入り口のページ=そのままサイト全体を指す言い方が広まりました。結果として「ホームページ」がサイト全体を表す和製英語になっています。
具体例と注意点
・英語で「ホームページを作る」は “create a website” が適切です。”create a home page” と言うと“トップページだけ作る”と伝わる可能性があります。
・海外向けの表現やビジネス文書では、”website” や “webpage” を正しく使い分けると誤解を防げます。
日常では気軽に使って差し支えありませんが、相手が英語話者なら用語を正しく使うと安心です。
2. 英語で「ホームページ」はどう言う?正しい表現・使い分け
概要
英語で日本語の「ホームページ」は、指す対象によって言い方が変わります。サイト全体を指すときは “website”、サイトの最初のページを指すときは “home page”(または短く “home”)を使います。
サイト全体を指す表現
- website(よく使われる一語)
- site(口語的に短く言うとき)
例: - 「弊社のホームページはこちら」→ “Visit our website.” または “Our website is here: [URL].”
最初のページを指す表現
- home page / homepage(どちらも可)
- Home(ボタンやナビで短く表示)
例: - 「ホームページに戻る」→ “Back to the home page.” や “Return to the homepage.” ボタンなら単に “Home” が自然です。
実務での使い分けのコツ
- 案内文やメールでは「website」を使い、URLや全体を示します。
- サイト内のナビゲーションやボタンでは「home」や「homepage」を使います。
- 「homepage」は一語で書かれることが多く、英語圏でも違和感なく通じます。
短く実例を示しました。用途に応じて使い分けると、英語の案内がより自然になります。
3. なぜ日本で「ホームページ=サイト全体」になったのか
背景 — 1990年代後半の混乱
インターネットが広がり始めた頃、企業や個人が初めて作る情報発信の場を「ホームページ」と呼びました。当時はWeb制作の専門家も少なく、メディアや広告が「ホームページで情報を公開」と表現したことが大きく影響しました。
メディアと広告の影響
新聞やテレビ、雑誌が「企業のホームページで確認してください」と伝え続けたため、多くの人がサイト全体を指して「ホームページ」と覚えました。広告代理店や印刷物のコピーでも同じ表現が使われ、日常語として定着しました。
企業側の事情
担当者が初心者であることが多く、外注先にも「ホームページを作る」と依頼しました。制作会社も慣用的に「ホームページ制作」と称したため、業界内でも「サイト全体=ホームページ」が標準になりました。
技術用語の違いが広まらなかった
英語圏ではhome pageやwebsiteの使い分けがある一方で、日本では専門用語を学ぶ機会が限られ、説明も簡略化されました。そのためトップページとサイト全体の区別が曖昧になり、今も両者が混在しています。
5. ビジネスで「ホームページ」をそのまま使うと何が問題か
はじめに
企業や個人が「ホームページ」と言葉をそのまま使うと、受け手に誤解が生じやすくなります。ここでは日常の業務で起きる具体的な問題点と、すぐに使える対策を分かりやすく説明します。
受け手に誤解を与える
日本語の「ホームページ」はサイト全体を指すことが多い一方で、英語では「home page」はトップ(出発点)のページを意味します。取引先や外国のパートナーに「ホームページを更新する」と伝えると、どの範囲を指すか伝わらず、作業内容がずれることがあります。たとえば、見積もりでトップページだけの修正を想定していたのに、依頼側は全ページの更新を期待していた、といったトラブルが起こります。
マーケティングや分析のズレ
「ホームページのアクセスが増えた」とだけ言うと、トップページ閲覧数なのかサイト全体の訪問数なのか不明になります。広告の効果測定やSEO対策で誤った指標を使うと、改善策が無駄になります。指標は必ず「サイト全体のセッション数」「トップページのPV」など明記してください。
契約・納品での問題
契約書に「ホームページの制作」とだけ書くと、納品物の範囲(ページ数・CMS・ドメイン・保守)が曖昧になり、後で追加費用や認識違いが発生します。見積もりや仕様書で具体的に「トップページ+下層○ページ」「CMS導入」「保守○ヶ月」と記載しましょう。
すぐに使える表現と対策
- 日本語の社内外文書では、「ウェブサイト(サイト全体)」「トップページ(ホームページ)」のように併記します。
- 英語で伝える場合は、全体なら”website”、トップページは”homepage”を使います。
- 見積もりや契約ではページ数や機能、納期を箇条書きにして明確にします。
これらの工夫で、誤解を減らしスムーズなやり取りが可能になります。
5. ビジネスで「ホームページ」をそのまま使うと何が問題か
誤解が生まれる具体例
英語圏の相手に「Please check our homepage」と伝えると、相手は“トップページだけ”を指すと受け取る可能性が高いです。サイト全体の確認を求めたい場合は意図が伝わらず、工数やレスポンスにずれが生じます。
信頼性とプロフェッショナルさへの影響
英語版の文書やメールで“homepage”を頻繁に使うと、不自然に感じられます。ネイティブは多くの場合“website”や“site”を使い、適切な語を使わないと語学力や品質管理の面で評価を下げる恐れがあります。
具体的な言い換え例
- サイト全体を見てほしい: “Please visit our website (or our site).”
- トップページを見てほしい: “Please check our homepage (the homepage).”
- 特定ページを見てほしい: “Please check the product page for [商品名].”
実務での運用ポイント
- 英語での案内は基本的に“website/site”を使う。URLを必ず添える。
- 何を見てほしいか(トップページ、製品ページ、申し込みフォーム)を明確に示す。
- マーケティングでは“landing page”という用語を使うと意図が正確に伝わる。
最後に(短い助言)
相手の誤解を防ぐために、言葉だけでなくURLやページ名を明記してください。簡潔で具体的な表現がビジネスの信頼を保ちます。
6. 「ホームページ」と「ウェブサイト」の違い(日本語内部での整理)
概要
日本では「ホームページ」が一般の会話でウェブサイト全体を指す言葉になっています。テレビや広告、制作会社の案内などで広く使われたため、一般ユーザーには「会社のホームページ=会社のウェブサイト」が通例です。
使い分けのポイント
- ホームページ:日常会話や名刺、チラシで親しまれる言葉。特定の入口ページ(トップページ)を指す場合もあります。
- ウェブサイト:技術的・専門的な場面や文書で使うと正確です。サイト全体を指す表現として誤解が少ないです。
実務での例
- お客様向け案内:『ホームページをご覧ください』が自然です。
- 契約書や要件定義書:『ウェブサイト全体』『サイト構成』と表現すると具体的です。
書き方のコツ
- 読み手を考えて言葉を選ぶ。一般向けは「ホームページ」で問題ありません。
- 正確さが必要な場面では「ウェブサイト」「トップページ」「ページ」を使い分けます。
この整理で社内外の認識差を減らし、伝わりやすい表現を心がけてください。












