ホームページで使うグーグルアナリティクス活用術完全ガイド

目次

はじめに

本記事の目的

この連載は、ホームページにGoogleアナリティクス(GA4)を導入し、アクセス解析を実務で使える形にすることを目的としています。訪問者数の把握だけでなく、検索キーワードの確認やその活用まで丁寧に解説します。

こんな方におすすめ

  • 個人事業主や小規模サイト運営者
  • 初めて解析ツールを使う担当者
  • 検索流入を増やして記事や商品を改善したい方
    具体例を交えて進めるので、専門知識が無くても読み進められます。

本記事の流れ

全7章で、導入からデータの読み取り、改善策の立て方、レポート自動化まで順を追って説明します。第2章で基本を学び、第3章で導入、第4章で取得データの種類を確認します。第5章・第6章で検索キーワードの扱い方を詳しく解説し、第7章で応用と自動化を紹介します。

読み方のポイント

まずは全体像を把握してから、必要な章を詳しく読み進めると理解が深まります。実際にGA4に触りながら進めると効果的です。次章から、基礎を分かりやすく説明していきます。

Googleアナリティクスとは何か?ホームページ解析の基本

1. Googleアナリティクスとは

Googleアナリティクスは、ホームページの訪問状況や利用者の行動を無料で詳しく知れるツールです。誰が、どこから来て、どのページを見ているかを数値で把握できます。初心者でも基本的な指標を押さえれば、改善ポイントが見えてきます。

2. 主な指標と意味(具体例つき)

  • ユーザー数:実際にサイトを訪れた人の数。例)1人が3回訪問=ユーザー1、セッション3
  • セッション数:訪問回数。ページの閲覧や操作のまとまりを指します。
  • 直帰率:最初のページだけ見て離脱した割合。高い場合は導線や内容の見直しを検討します。
  • 平均セッション時間:滞在の長さ。短い場合は情報が見つけにくい可能性があります。
  • コンバージョン(成果):問い合わせ送信や購入など目的の達成数。具体的な目標を設定します。

3. 流入経路の見方(例)

  • オーガニック検索:検索から来た訪問
  • 参照(リファラル):他サイトのリンクから来た訪問
  • ソーシャル:SNS経由の訪問
  • ダイレクト:URL直接入力やブックマーク
    各流入経路ごとに行動や成果を比べ、効果的なチャネルに注力します。

4. データの活用例(すぐできる改善案)

  • 直帰率が高いランディングページは見出し・導線・CTAを改善します。
  • 滞在時間が短い場合は情報の配置や導入文を分かりやすくします。
  • 流入元ごとのコンバージョンを比較して、広告やSNS投稿の内容を調整します。

5. 注意点

データは解釈が大切です。同じ数値でもページの目的で良し悪しが変わります。まず目的をはっきりさせ、指標を定期的に確認して改善を繰り返してください。

Googleアナリティクス(GA4)の導入・初期設定方法

1. 準備

まずGoogleアカウントを用意します。既に持っている場合はそのまま使えます。

2. アカウントとプロパティの作成

Googleアナリティクスにログインし、「アカウントを作成」を選びます。アカウント名を入力し、次にプロパティ(計測対象のサイト名)を作ります。プロパティはサイトごとに1つ作成します。

3. データストリームの設定

プロパティ内で「データストリーム」を追加し、計測したいサイトのURLやストリーム名を入力します。ここで測定ID(例:G-XXXXXXX)が発行されます。

4. トラッキングコードの設置方法

  • HTML直接挿入:内に計測IDを含むタグを貼ります。初心者にも分かりやすい方法です。
  • CMS(例:WordPress):公式プラグインやテーマ設定でIDを入力します。Site Kitなどを使うと簡単です。
  • Google Tag Manager:複数ツールを管理する場合に便利です。GTMコンテナを設置し、タグでGA4を連携します。

5. 内部アクセスの除外

自分やチームのアクセスをデータから除外します。管理画面で「データストリーム」→「タグ付け」→「内部トラフィックの定義」を設定し、自分のIPアドレスを登録してください。これにより正確な訪問数が得られます。

6. 初期の推奨設定

  • タイムゾーンと通貨を正しく設定します。
  • 「拡張計測」を有効にすると自動で基本イベントを取得します。
  • Search Consoleと連携すると検索クエリ情報が見やすくなります。
  • 重要なページ(問い合わせ完了など)をコンバージョンとして登録します。

7. 動作確認

リアルタイムレポートで自分の訪問が反映されるか確認します。反映されない場合はタグの設置場所やIDを再確認してください。

ホームページで取得できるアクセスデータの種類

Googleアナリティクスで取得できる主なデータを、実例を交えて分かりやすく説明します。

  • 訪問とユーザー(ユーザー・セッション・ページビュー)
    ユーザーはサイトを訪れた人数、セッションは1回の訪問のまとまり、ページビューは見られたページの回数です。たとえば1人が3ページ回ると、ユーザー1・セッション1・ページビュー3です。

  • 集客経路(オーガニック検索・ダイレクト・参照・SNS・広告)
    どこから来たかを示します。検索から来ているならSEO改善、SNSが多ければ投稿の見直しに活かせます。

  • 行動データ(ページ遷移・滞在時間・イベント)
    人気のページや離脱ポイント、ボタンのクリックや動画再生などのイベントを計測します。例:申し込みボタンのクリック数。

  • 離脱・直帰率
    直帰率は最初のページだけで離れた割合、離脱はサイト内でどのページでやめたかを示します。

  • コンバージョン(成果)
    購入や問い合わせなど、目標達成の数値です。目標を設定して効果を測ります。

  • 属性・デバイス(地域・言語・モバイル/PC)
    利用端末やアクセス地域で表示や導線を調整します。

  • ヒートマップについて
    クリックやスクロールの可視化はGAに含まれません。必要ならHotjarやPtengineなど他社ツールと併用してください。

検索キーワード(検索クエリ)の確認方法

サーチコンソールと連携する理由

ホームページにどんな検索語で来ているかは、改善やSEO対策の基本です。GA4単体では検索クエリの詳細が出にくいため、Googleサーチコンソール(Search Console)と連携して「検索クエリレポート」を使います。これで、実際に検索された語句・表示回数・クリック数・平均順位などが確認できます。

連携方法(手順)

  1. Search Consoleでサイトを所有権確認する。
  2. GA4の管理(Admin)→『プロダクト連携(Product Links)』→『Search Console』を選ぶ。
  3. 指示に従ってSearch Consoleプロパティを選び、リンクを作成する。
  4. 数時間から数日でデータが反映されます。

検索クエリレポートの見方

  • クエリ(検索語):ユーザーが実際に入力した語句。
  • クリック数・表示回数:どれだけ流入につながったか。
  • CTR(クリック率):表示に対するクリックの割合。
  • 平均掲載順位:検索結果での平均位置。
    各クエリがどのランディングページに結びついているかも確認してください。

“not provided”への対応

一部のキーワードはGAで非表示になりますが、Search Consoleでは多くのクエリが確認できます。GAの集客データとSearch Consoleのクエリを照らし合わせると、非表示部分を補えます。

サイト内検索の取得方法

内部検索は、GA4の拡張計測で検索パラメータ(例:q, s)を設定すると自動で取得できます。パラメータが複雑なら、カスタムイベントで『search_term』を送ると確実です。

注意点

データは多少遅れて集まります。キーワードは個人差や地域で変わるため、定期的に確認して改善に生かしてください。

検索キーワードデータの活用方法とサイト改善

検索キーワードデータでわかること

検索キーワードはユーザーの意図や悩みを示します。「〜の方法」「〜比較」「価格」などで検索意図が分かります。頻出ワードは需要のあるテーマ、長い語句(ロングテール)は具体的な悩みを示します。

具体的な活用方法

  • コンテンツ改善:よく検索されるテーマを深掘りし、見出しやFAQを増やします。例:『使い方』が多ければ手順を図解で追加します。
  • 新規コンテンツ作成:検索クエリで不足する情報を記事化します。ロングテールは記事1件ずつの狙い目です。
  • SEO対策:タイトルやメタディスクリプションに狙うキーワードを自然に入れます。内部リンクで関連ページをつなぎます。
  • 導線改善:キーワードと離脱率を照らし合わせ、直帰が多いページは導線やCTAを見直します。

実践の流れ(簡潔)

  1. データ抽出→2. 意図分類→3. 仮説作成(例:情報不足で離脱)→4. 改善施策実行→5. 指標で検証(PV・滞在時間・コンバージョン)

注意点

キーワードだけで判断せず、アクセス解析データと組み合わせて仮説を検証してください。ユーザー目線で読みやすさを最優先に改善を行います。

Googleアナリティクスのレポート自動化と応用

概要

Googleアナリティクスのレポート自動化は、手作業を減らし迅速に意思決定するために役立ちます。定期的な数字を自動で集めると、忙しい運営でも状況把握がしやすくなります。

レポート自動化の主な方法

  • スケジュール配信メール:管理画面でレポートを作成し、週次や月次で自動送信します。担当者全員に届くよう設定します。具体例:週次で流入数と直帰率を送る。
  • Googleスプレッドシート連携:データを自動でスプレッドシートに取り込み、関数やグラフで可視化します。共有も簡単です。
  • Looker Studio(旧Data Studio):自由に見た目を作り、ダッシュボードを共有します。フィルタを付けて部門別の表示も可能です。

カスタムレポートとアラート

重要指標を絞ったカスタムレポートを作成します。閾値を超えたらメールで通知するアラートを設定すれば、問題発見が早くなります。

運用のポイント

KPIを3〜5個に絞る、確認頻度を決める、担当者を明確にする。自動化は導入後の見直しも重要です。

応用例

  • 週次ダッシュボードで広告効果を確認
  • 異常値を検知してすぐ対応
  • ABテスト結果を自動集計して共有

自動化を進めると、日々の判断が速く正確になります。まずは小さなレポートから始めて徐々に広げてください。

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