はじめに
本調査の目的
本調査は、ホームページビルダー21(以降HPB21)とWindows11の互換性をわかりやすく整理することを目的としています。Windows11へアップグレードを検討している方が、HPB21を安心して使えるか判断できる情報を提供します。
対象読者
HPB21を現在お使いの方、古いバージョンからの乗り換えを検討している方、社内で環境移行を検討する担当者など、幅広いユーザーを想定しています。専門知識は不要で、実用的な観点から説明します。
調査の範囲と進め方
インストールの可否、主要機能(編集・プレビュー・公開)や周辺ツールの動作確認、既知の不具合情報、回避策を中心に検証します。ARM版Windows11や旧バージョンの扱いは別章で詳述します。
注意事項
アップグレード前は必ずデータのバックアップとライセンス情報の確認をお願いします。本章では概略を示し、具体的な検証結果は次章以降で順に説明します。
ホームページビルダーのWindows11対応状況
概要
ホームページビルダーのWindows11対応はバージョンごとに異なります。公式には主にWindows10と8.1を対象としていますが、実際には多くのバージョンがWindows11上でも動作します。最新版のホームページビルダー23はWindows11に正式対応しています。
対応状況のポイント
- 公式対応と実際の動作は異なる場合があります。公式サポートがない古い版でも問題なく動くことが多いです。例:インストーラーや基本編集機能は正常に動作することが多いです。
- 一方で、対応外のOSでは一部の機能(外部プレビュー、プラグイン連携、印刷プレビューなど)が正常に動かないことがあります。
バージョン別の違い(簡潔に)
- 最新版(23など):Windows11正式対応、動作保証とサポートあり。
- 中間バージョン(21〜22):多くは動作確認済みだが、細部で注意が必要。
- 旧版(20以前):動く場合があるが、自己責任での利用となる。
インストールと動作確認の注意点
- 管理者権限でインストールすることで問題を回避しやすいです。
- 互換モードやアップデート適用で改善することがあります。
- バックアップを取り、まずサブ環境で試すことをおすすめします。
トラブル時の対処
- 起動しない/エラーが出る場合は、ログやエラーメッセージを確認し、公式サポートやコミュニティの情報を参照してください。
- 必要なら最新版へアップグレードすることで解決することが多いです。
ホームページビルダー21の具体的な対応
概要
ホームページビルダー21(以下HB21)は、公式なWindows11対応情報が限定的でも、HB19〜23のアップデートが概ね問題なく行える実績から、基本的に動作する可能性が高いと考えられます。ここでは実際の導入で確認すべき点と対処法を具体的に説明します。
インストールと起動
- インストーラーは管理者権限で実行してください。例:インストーラーを右クリックして「管理者として実行」。
- 起動時にエラーが出る場合は、プロパティから互換モードでWindows10を指定して試します。
主な機能の動作確認
- テンプレート表示・編集:問題なく動くことが多いです。表示崩れが出たらプレビュー設定を見直します。
- プレビュー(ブラウザ表示):既定のブラウザを最新にしておくと安定します。
- FTPアップロード:設定情報(ポート、パスワード)を再入力すると接続しやすいです。
- 外部プラグインや古いActiveX系機能は動作しない場合があります。代替の機能で対応してください。
トラブル対処の基本手順
- 事前にプロジェクトのバックアップを取る
- 管理者実行、互換モードでの起動を試す
- セキュリティソフトの一時無効化で動作確認する(実行後は必ず有効化)
- 問題が続く場合は再インストールか、仮想環境(Windows10の仮想マシン)での運用を検討します。
注意点と推奨
- 重要な制作データは常にバックアップしてください。
- 可能なら最新の製品版(アップデート適用済み)を使うと安定性が上がります。
- 具体的な挙動が気になる場合は、まずテスト用の小さなサイトで検証してください。
旧バージョンのWindows11対応における注意点
概要
古いバージョンのホームページビルダーをWindows11で使うと、インストール時や動作中にエラーが出る可能性があります。特にWindows7やWindows10からアップグレードした場合は注意が必要です。
よくある問題例
- インストーラーが途中で止まる:古いセットアッププログラムが最新のインストーラーフレームワークと合わないことがあります。
- 32bit・64bitの不整合:64bit版Windows11で32bit専用のドライバやプラグインが正しく動かない場合があります。
- 依存コンポーネントの欠落:ActiveXや古い.NET、Internet Explorerの機能に依存する部分が動かないことがあります。
対応手順(具体例)
- 大切なデータを必ずバックアップする。プロジェクトやテンプレートを外付けに保存してください。
- インストール前に公式な対応情報やパッチを確認する。メーカーのサポートページで旧バージョンの動作報告を探します。
- 管理者権限でインストールする、または互換モード(右クリック→プロパティ→互換性)で実行してみる。
- 問題が起きる場合は、Windows10などの仮想マシンで動作確認を行う。Hyper-VやVirtualBoxで試すと安全です。
ライセンスとサポート
古い製品は公式サポートが終了している場合があります。ライセンスキーは残しておき、可能なら新しいバージョンへのアップグレードも検討してください。
最後に
Windows10でホームページビルダー11が動作した事例もありますが、個々の環境で結果が異なります。まずはバックアップと公式情報の確認を優先してください。
ARM版Windows11での互換性の問題
概要
ARM版Windows11上ではホームページビルダーの動作が保証されていません。使用中のアーキテクチャ(ARM/x86/x64)によって挙動が変わる可能性があります。
よく起きる問題と具体例
- インストーラーが起動しない:従来のx86専用インストーラーは実行できないことがあります。例:セットアップが途中で止まる。
- 一部機能の不具合:プレビューや印刷、外部プラグインが正しく動かない場合があります。例:ページプレビューが白紙になる。
- パフォーマンス低下:エミュレーション環境では処理が遅くなることがあります。大きなサイト編集で顕著です。
試すべき確認と対処法
- システム情報でアーキテクチャを確認する(設定→システム→情報)。
- インストール前に重要データをバックアップする。プロジェクトファイルを保存してください。
- 管理者として実行・互換モードでの起動を試す。
- 動作しない場合は、仮想マシンや別PC(x64)での実行、あるいはリモートデスクトップでの利用を検討する。
- メーカーのサポートや公式情報でARM対応状況を確認することをおすすめします。
注意点
エミュレーション環境では一部機能が完全再現されないことがあります。試す前に必ずバックアップを取り、重要作業は互換性が明確な環境で行ってください。
確実な動作を求める場合の推奨事項
推奨バージョン
安定した動作を重視するなら、ホームページビルダー19以降を推奨します。新しいバージョンはWindows11への対応や不具合修正が進んでいます。
購入の注意点
新品の正規版を優先してください。安価な中古は費用を抑えられますが、ライセンス移行やアクティベーションで問題が出る場合があります。中古購入時は販売者の信頼性、シリアルの有無、インストールメディアの有無を確認してください。
インストール前の準備
・重要なデータは必ずバックアップしてください。
・管理者権限のあるアカウントでインストールします。
・可能ならクリーンインストール後に最新の更新プログラムを適用してください。
インストール時の設定
互換性設定や管理者実行で動作が安定することがあります。付属のパッチやアップデートは必ず適用してください。
トラブル時の対処
エラーが出るときは、ログやエラーメッセージを控えてから検索やサポートに問い合わせます。初期化や再インストールで解決する場合も多いです。
代替案:仮想環境
どうしても動作が不安な場合は、Windows10など安定して動作する環境を仮想マシンで用意してそこで使用する方法があります。ライセンスや性能面を考慮して選んでください。
最後に
安定動作には正規版の入手、事前の準備、最新パッチの適用が重要です。中古を使う場合はリスクを理解した上で自己責任で運用してください。
Windows11システム要件との関連
概要
Windows11へアップグレードする前に、TPM 2.0、UEFI、セキュアブートなどの要件を確認してください。公式要件を満たさない場合は非公式な方法での導入となり、想定外の不具合が発生する可能性があります。
主な要件と簡単な説明
- TPM 2.0:暗号化や認証に使うハードウェア機能です。パスワードや鍵の保護に関係します。\
- UEFI(とセキュアブート):従来のBIOSに代わる起動方式で、不正なOSの起動を防ぎます。\
- CPU・メモリ・ストレージ:対応するCPU世代や最低メモリ容量が定められています。
要件不足で起きやすい問題
- OSの不安定化や起動エラー、ドライバの不整合が発生します。\
- ホームページビルダーではインストール失敗、動作不良、印刷・プレビューの不具合、プロジェクトデータの破損が起こる恐れがあります。
実践的な確認と対処法
- 「PC正常性チェック」ツールやメーカーの情報で要件を確認してください。\
- BIOS/UEFI設定でTPMやセキュアブートを有効にできるか確認します。\
- 要件を満たさない場合は非公式アップグレードを避け、データの完全バックアップとシステムイメージを作成してください。\
- 可能なら別PCや仮想環境で動作検証を行い、ホームページビルダーのファイルをバックアップしてから移行してください。
まとめ
ホームページビルダー21は、Windows11上で動作する可能性が高い一方で、メーカーの完全な動作保証があるわけではありません。特にARM版Windows11では互換性の問題が起きやすく、旧バージョンをそのまま使うと予期せぬエラーや動作不良が発生するリスクを伴います。
次の点をおすすめします。
- バックアップを必ず取る:作業前にサイトデータや設定を保存してください。
- 最新版への更新:安定性と互換性を重視するならホームページビルダー23などの最新版へ更新してください。
- テスト環境で検証:本番運用前に仮想環境や別PCで動作確認してください。
- 互換性対策:必要なら管理者権限での実行や互換モード、Windowsの更新を試してください。
- サポート利用:問題が出たらメーカーのサポートや公式情報を参照してください。
古いバージョンを使う場合は自己責任で慎重に運用し、不安があるなら最新版への移行を検討してください。












