ハンドメイド作品を魅力的に見せるディスプレイの高さ調整法

目次

はじめに

ディスプレイで「高さ」を考える理由

ハンドメイド作品を並べるとき、高さに変化をつけることと高さの上限を決めることが大切です。高さに幅を出すと視線が動き、来店者が自然に作品をひとつずつ見るようになります。一方で上限を定めると全体がまとまり、見づらさや危険を防げます。

実際のめやす(床からの高さ)

一般的には床から約60〜150cmの範囲に商品が収まるように設計すると見やすくなります。たとえば低い棚や台は60〜90cm、小物や中くらいの作品は90〜120cm、目を引きたい主役は120〜150cmに置くと良いです。

なぜこの範囲なのか(簡単な理由)

  • 視線の動き:人は自然に腰から胸、顔の高さに視線を置きます。60〜150cmに収めると見落としが減ります。
  • 写真撮影:スマホ撮影でも収まりやすく、オンライン紹介用の写真が撮りやすくなります。
  • 安全と通行:高すぎると倒れる危険や圧迫感が出ます。したがって上限を決めると安心です。

最初にやること(実践的な一歩)

  1. 会場の床面からテープで60cm、90cm、120cm、150cmの目印を付ける。
  2. 実際に作品を置いて、離れて見て視線の流れを確認する。
  3. 高さがそろいすぎると単調になるので、重ねたり台を使って変化をつける。

次章では、おすすめの高さの具体的な考え方を紹介します。

おすすめの高さの考え方

なぜ床から80〜120cmがよいのか

多くの人の視線が集まりやすい高さだからです。作品の主役部分をこの範囲に置くと、立ち止まって見てもらいやすくなります。手に取りやすさと見えやすさの両方を満たします。

実際の高さの出し方

イベント用テーブルは約70cmが標準です。そこに20〜30cmの台を足すと、作品の中心が90〜100cm前後になり、理想の範囲に収まります。台は箱、木のすのこ、既製のディスプレイ台などで代用できます。

段差を作るメリットと注意点

段差があると視線が上下に動き、奥の作品まで目が届きます。手に取りやすくなるので販売にも有利です。ただし高さを高くしすぎると手が届きにくくなり、安定性も落ちます。重い物は低めに配置して安全を優先してください。

具体的な並べ方のコツ

高さを3段程度に分けると見栄えがよくなります。中央や奥の主役を80〜120cmに合わせ、手前は低くして触れやすくします。視線の動きを意識して、同系色やサイズで整列させると見つけやすくなります。

「高くしすぎない」ための目安

目安の基本

壁面ディスプレイや背面ボードは、作家本人の目線を大きく超えない高さに収めると安心感が出ます。会場を歩く来場者も自然に視線を止めやすくなります。

高さの測り方(具体例)

  1. 作家が立った状態で中心の目線の高さを測ります(家族や友人に協力を依頼すると楽です)。
  2. その高さより上に出す場合は、20〜30cm程度までを目安にします。これを超えると視覚的に不安定になりやすいです。

積み上げる際の注意点

軽い棚や木箱を積むときは2〜3段までに抑え、幅広い土台を作ってください。背面と壁を固定できる場合は結束バンドや耐震ジェルで補強します。

安全チェックリスト

  • 積み上げたときにぐらつきがないか確認する
  • 重心を下に置く(重い物は下段へ)
  • 人の通り道に倒れやすい部分がないか確認する

見た目のバランス

高さを抑えると作品同士のまとまりが出ます。低めに安定したベースを作り、必要なら照明やサインで視線を誘導してください。

具体的なレイアウトのコツ

基本の三段構成

前列(0〜10cm)/中央(15〜30cm)/後列(30〜50cm)の高さを意識して並べます。前列には低いトレーや箱を置き、手に取りやすい小物や試供品を配置します。中央には主力商品を目線より少し下に置き、触りやすく手に取りやすくします。後列にはボードやスタンドを使い、看板や目立たせたい作品を掲示します。

奥行きと間隔の調整

商品が重なりすぎないよう奥行きを確保します。前列と中央、中央と後列の間は15〜25cm程度あけると見やすくなります。狭いスペースでは縦の高さを活かし、横幅を詰めて陳列してください。

視線誘導の工夫

視線は左上から右下に流れる傾向があるため、左上に注目商品や看板を置くと効果的です。高さに変化をつけてリズムを作ると、自然に目が動き商品を見てもらいやすくなります。

握りやすさと取りやすさ

前列は手が入りやすいよう余白を残します。重いものは前に寄せず安定した台に置き、割れ物は前列より中央に配置してください。

照明と素材の選び方

顔が明るく見えるように前方から柔らかな光を当てます。反射しすぎる素材は避け、木箱や布を敷くと温かみが出ます。

実例(小さなテーブルの場合)

・前列:低トレーにアクセサリーや名刺サイズの案内(0〜10cm)
・中央:木箱で高さ20cmの台にメイン商品
・後列:30〜40cmのボードにポップや写真

実例(大きめのブースの場合)

・前列:複数の低トレーで手軽に取れる品を並べる
・中央:複数段の台(15〜30cm)で商品カテゴリごとに分ける
・後列:50cm近いスタンドで看板や目玉商品を強調

各セクションは実際に並べて高さを微調整してください。手に取ってもらいやすく、見やすい配置を心がけると売れ行きや注目度が上がります。

こんなディスプレイ用品が便利

概要

簡単に高さや段差を作れる小物を揃えると、見栄えがぐっと良くなります。ここでは持ち運びや扱いやすさを重視して、使い勝手の良い用品を紹介します。

おすすめの用品

  • 木箱・紙箱:ひっくり返して台に使えます。布をかければ見た目が整い、軽くて安価です。
  • アクリルのコの字台:透明で目立ちにくく、複数重ねて段差を作れます。小物の展示に適しています。
  • 小型ラック・ワイヤーラック:高さや奥行きを調整しやすく、棚替えも簡単です。
  • 持ち運び用の折りたたみ箱:イベント時は箱を什器として兼用すると荷物を減らせます。

使い方のポイント

  • 高さ差をつけると視線を誘導できます。小物は前方、背の高い物は後方に配置してください。
  • 布やラッカーで統一感を出すと品よく見えます。色は商品の色とぶつからないものを選びます。

購入・準備のコツ

  • 重量や耐荷重を確認し、予想を上回る重さに耐えられるものを選んでください。
  • 持ち運びの頻度が高い場合は、組み立てが簡単で軽量なものを優先すると便利です。

決め方に迷ったとき

はじめに

迷ったときは、とにかく“見る位置を変えて確かめる”ことが近道です。自宅で簡単にできる方法を順に説明します。

用意するもの

  • テーブル(高さを作るため)
  • スマホやカメラ
  • 目安用のもの(メジャーやマスキングテープ)

手順(実践)

  1. テーブルを壁から離して作品を仮置きします。テーブルを使うと高さの調整が楽になります。
  2. 立った状態で正面から写真を撮ります。自分の胸〜目の高さに“見せたい作品の中心”が来ているか確認してください。
  3. 次に座って同じ位置から写真を撮ります。座ったときに不自然でないかも大事な判断材料です。
  4. 両方の写真を見比べて、中心の位置や上下の余白を調整します。必要なら少しずつ高さを変えて撮り直します。

見極めのポイント

  • 一番見せたい作品の中心が胸〜目の間にあると、自然な見え方になります。
  • 高すぎる場合は下げて、低すぎる場合は上げるだけで印象が大きく変わります。
  • 複数の作品を並べるときは、中心線を揃えるか、視線の導線を意識して高さを決めます。

小さな工夫

  • 壁に一時的にテープで位置を示すと微調整が楽です。
  • 写真をトリミングすると、遠くから見たときのバランスを確認できます。

まずは写真で客観的に確認することを習慣にしてみてください。感覚に頼るより納得しやすくなります。

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