はじめに
概要
本資料では、Googleのモバイルファーストインデックス（MFI）について、基本的な定義と運用上の要点をやさしくまとめます。MFIはスマートフォン向けページを優先して評価する仕組みです。サイト運営者はモバイル対応を整えることが重要になります。
何が変わるのか（簡単な例）
たとえば、デスクトップには詳しい説明があり、スマホ版で一部を省略しているサイトがあります。MFIではスマホ版の内容を基準に評価するため、スマホで情報が不足すると検索で不利になる可能性があります。
誰に必要か
情報発信をするウェブサイト全般、ECサイト、ブログ、企業サイトなど、あらゆる運営者に該当します。特にスマホの閲覧が多いサイトは優先的に対応すべきです。
本資料で学べること
本資料は以下を順に解説します。
– MFIの定義と仕組み
– Googleがモバイル重視にした背景
– SEOへの影響と対策
– モバイルフレンドリーとの関係
– 実装の具体的な流れ
まずは自分のサイトのスマホ表示とコンテンツの整合性を確認することをおすすめします。
モバイルファーストインデックス（MFI）とは
概要
モバイルファーストインデックス（MFI）は、Googleがサイトを評価・インデックス化するときに「まずスマートフォン版の内容を基準にする」仕組みです。従来はPC版が中心でしたが、現在は検索結果を作る際にモバイル版の情報を優先します。これにより、スマホで見たときの内容が検索表示に反映されます。
仕組みのポイント
- インデックスの基準をモバイル版に合わせます。つまり、スマホで表示されるテキストや画像、構造化データが評価対象になります。
- PC版にしかない情報は検索結果に反映されないことがあります。たとえばスマホで隠している画像や説明文があると、検索に出にくくなる可能性があります。
よくある構成と注意点
- レスポンシブ：同じURLで表示が変わるため、最も安全です。モバイルとPCで内容が一致していれば問題ありません。
- 別URL（例：m.example.com）：モバイル版とPC版で内容が違う場合は、モバイル版を優先するためモバイル側に必要な情報を揃えてください。
サイト運営者がやるべきこと（簡単チェック）
- モバイル版にPC版と同じ本文、画像、構造化データを入れる
- ビューポート（viewport）を設定して表示崩れを防ぐ
- 重要なリソース（CSS、画像）がブロックされていないか確認する
- GoogleのモバイルフレンドリーテストやSearch ConsoleでURL検査を行う
これらを整えることで、検索結果での表示が安定しやすくなります。
Googleがモバイル重視にした理由
増えるモバイル利用
スマートフォンやタブレットでのインターネット利用が急増しました。外出先で検索したり、買い物や地図を調べたりする機会が多く、結果としてGoogleの検索トラフィックもモバイル中心になっています。ユーザーが求める情報に素早くたどり着ける環境が重要です。
ユーザー満足度向上のための方針
Googleは検索結果で使いやすさを重視します。表示が遅かったり、操作しづらいページは評価が下がる可能性があります。モバイル版を基準にすることで、画面サイズや通信環境に合ったコンテンツ提供を評価しやすくなります。
一貫した情報提供のため
従来はデスクトップ版を基準に評価していましたが、表示や構成が異なるとユーザーが見る内容と検索エンジンが評価する内容がずれます。モバイルファーストにすることで、実際に多くの人が見るページを基準に評価できます。
結果としての利便性向上
モバイルを基準にすることで、利用者は適切で読みやすい情報に迅速にアクセスできます。サイト運営者はモバイル対応を意識して改善し、結果的により多くのユーザーに満足してもらえるようになります。
SEOへの影響
概要
モバイルファーストインデックス（MFI）は、検索順位がモバイル版の品質に基づく仕組みです。ユーザーがスマホで体験する内容がそのまま評価に反映されます。つまり、スマホで見えない情報は評価されにくくなります。
主な評価要素
- コンテンツの中身：本文や画像の説明（alt）などがモバイルに揃っているか。例：PCにしかない段落は順位に反映されません。
- 表示速度：ページが遅いと順位が下がりやすいです。画像やスクリプトの最適化が効きます。
- ユーザビリティ：ボタンの大きさや文字の読みやすさ、タップしやすさを評価します。
- 構造化データやメタ情報：リッチ結果に使う情報がモバイル版にもあるか確認してください。
よくある影響例
- PCだけにある詳細を削除すると検索順位が下がることがあります。
- モバイルでの読み込み遅延が直ちにトラフィック減につながります。例えば重いスライダーを残すと悪影響です。
対策チェックリスト（簡潔）
- コンテンツの同一性を確認する（文章・画像・構造化データ）
- PageSpeedなどで速度改善を行う
- ボタンやリンクをタップしやすくする
- スマホでの表示を定期的に確認する
これらを優先して整えると、MFI下でも安定したSEO効果が期待できます。
モバイルフレンドリーとの関係性
モバイルフレンドリーとは
モバイルフレンドリーはスマートフォンで見やすく、操作しやすいWebサイトを指します。文字が小さすぎない、リンクが押しやすい、画面幅に合わせてレイアウトが変わるといった点が基本です。
MFIとの違いと関係性
MFIはGoogleがページの評価にモバイル版を使う仕組みです。つまり検索順位を決める際、モバイルフレンドリーであるかが直接重要になります。モバイル対応が不十分だと、良いコンテンツでも評価が下がることがあります。
具体的なチェックポイント（例）
- レスポンシブデザインの採用（同一URLで画面幅に応じて表示を切替）
- 画像や動画のサイズ最適化で表示速度を改善
- フォントサイズとタップ領域の確保
- モバイルでの表示・動作がPC版と同等のコンテンツ量であること
企業が取るべき対策
まずモバイル版を優先して設計し、実際のスマホでの表示確認を行います。ページ速度を計測し、画像圧縮や不要なスクリプトの削除で改善します。コンテンツはモバイルでも見つけやすく整理します。したがって、SEO対策としてモバイルフレンドリーの改善は最優先です。
実装の流れ
準備：現状把握
まずモバイル版とPC版の差を確認します。ページ数、構造化データ、メタ情報、画像、読み込み速度を一覧にします。具体例：Search Consoleの「URL検査」やサイトマップで代表ページを確認します。
設計：モバイル優先の方針決定
レスポンシブ（同一HTMLでCSS切替）か動的配信（User-Agent判定）かを決めます。多くの場合レスポンシブが管理や検証で分かりやすいです。ビューポートやタップ操作を考慮したレイアウトを設計します。
実装：具体的手順
- ビューポートとレスポンシブCSSを追加
- 画像・動画は適切なサイズで配信（srcsetやWebPなど）
- 構造化データ・meta・canonicalはモバイル版でも同一に維持
- 不要なリソースの遅延読み込み（ただしクローラーで取得できるか確認）
テスト：確認項目
・モバイルで表示崩れがないか
・重要コンテンツがモバイルで見えるか
・構造化データが反映されているか
・ページ速度とコアウェブバイタル
公開後：監視と改善
公開後はSearch Consoleやアクセス解析でインデックス状況とクリック率を監視します。問題があれば優先順位を付けて修正します。ユーザーの挙動を見て改善を続けることが重要です。
