はじめに(DNSがなぜ重要なのか)
Webサイトが正しく表示されるまでには、多くの仕組みが裏側で動いています。その中でもとくに大切なのが DNS(ディーエヌエス) です。
DNSは、インターネット上の“住所録”のような役割を持ち、
「URLを入力するとサイトが開く」 という当たり前の動作を支えている仕組みです。
CDNの確認にも DNS の理解が欠かせないため、ここでは初心者の方でも読みやすいようにDNSの基礎を整理していきます。
DNSとは?(まずは一番やさしい説明)
DNS(Domain Name System)は、
人が読みやすい文字(example.com)と、コンピュータが理解するIPアドレス(123.45.67.89)を結びつける仕組み です。
たとえるなら…
- 人間:
→「example.com」と入力したい - コンピュータ:
→数字のIPアドレスで通信したい
この“橋渡し”をしてくれるのが DNS です。
DNSが果たす3つの役割
DNSはインターネットの根本を支える重要なしくみで、次の3つの働きがあります。
① ドメイン名 → IPアドレスの変換
URLを入力するとWebサイトへ移動できるのは、DNSが裏側でIPアドレスを探し当ててくれるためです。
② メールの宛先(MXレコード)の管理
メールを正しいサーバーに届けるための設定もDNSが持っています。
③ CDNを利用するための経路指定
CDNを利用する場合、DNSが「このサイトはCDNを経由して配信する」というルートを決めます。
→ CDN確認でDNSを見る理由はここにあります。
DNSレコードとは?各レコードの役割をやさしく解説
DNSは“レコード”と呼ばれる設定の集合体で構成されています。
ここでは、CDN確認に必要なものだけをやさしくまとめます。
代表的なDNSレコード
Aレコード
ドメイン名を IPアドレス(数字) に結びつける情報。
例:example.com → 123.45.67.89
CNAMEレコード
別名(エイリアス)を設定するレコード。
CDN利用時には、このCNAMEが Cloudflare や Akamai などのCDNホスト名に書き換わる ことが多いです。
例:www.example.com → cdn.example.net
CDN確認では このCNAMEが最重要ポイント です。
MXレコード
メールをどのサーバーに配送するかを示す情報。
TXTレコード
認証(Google Search Console、SSL設定など)に使われる多目的レコード。
DNSの更新が反映されるしくみ(DNSの“伝播”)
DNSを変更しても、すぐに全世界に反映されるわけではありません。
これを「DNSの伝播(でんぱ)」と呼びます。
なぜ伝播に時間がかかるのか?
各地のDNSサーバーが古い情報をキャッシュしているため、すぐには新しい設定に切り替わらないからです。
伝播にかかる時間の目安
- 早い:数分〜1時間
- 遅い:24〜72時間
CDN導入時に「CDNが動かない」と感じる原因の多くが、このDNS未反映です。
CDN確認にDNSが重要な理由
CDNを使う場合、DNSの設定に次の変化が起こります。
① CNAMEがCDN事業者のドメインに変わる
例:
- Cloudflare →
xxx.cloudflare.net - Akamai →
edgesuite.net - Fastly →
fastly.net
② AレコードがCDNのIPに変わる場合がある
③ ルートドメインの振る舞いが変わる(プロキシ経由になる)
Cloudflareの場合は「オレンジクラウド(プロキシON)」が代表的です。
つまり、
DNSを見れば“このサイトがどのCDNを使っているか”を多くの場合判別できる
ということです。
nslookup / dig を使った簡単なDNS確認方法
DNSは無料で使えるコマンドを使って簡単に確認できます。
nslookupでの確認例
nslookup example.com
digでの確認例
dig example.com
結果の読み方のポイント
- CNAMEにCDN名が含まれているか
- AレコードがCDNのIP帯域か
- TTLが極端に長くないか
難しいことは覚えなくても、“どこを見ればいいか”だけ分かれば十分です。
まとめ(DNSを理解するとCDN確認がスムーズになる)
DNSは、Webサイトが正しく表示されるための基本的なしくみです。
CDNを確認する際にも、DNSの状態が大きな判断基準になります。
- DNSはインターネットの住所録
- CNAMEを見るとCDN利用状況がわかる
- 伝播に時間がかかることを知っておくと焦らない
- CDN判定の半分はDNSで完結する
この基礎を理解しておくと、CDN確認の記事がよりスムーズに読めるようになります。












