大規模サイトリニューアル成功の全手順を徹底解説!最新ガイド

目次

はじめに

本書の目的

本ドキュメントは、大規模なWebサイトのリニューアルを検討・実行する方々に向けた実務ガイドです。調査に基づき、定義や規模感、プロジェクト期間、主要フェーズ、具体的な手順までを分かりやすくまとめました。実務で使えるチェックリストやスケジュール感の参考にしていただけます。

想定読者

プロジェクトマネージャー、Web担当者、経営層、発注側の責任者、外部ベンダーの担当者など、リニューアルに関与する幅広い方を想定しています。専門用語は最小限にし、具体例を交えて説明します。

本書の構成と使い方

全6章で構成します。第2章で大規模リニューアルの定義と規模感を示し、第3章で期間とスケジュール感を提示します。第4章は主要フェーズの流れ、第5・第6章で具体的な12ステップの実施方法を詳述します。本書は企画から業者選定、要件定義までの実務を順にたどれるように作成しています。まずは全体像をつかみ、各章を参照しながら計画を立ててください。

大規模サイトリニューアルの定義と規模感

定義

大規模サイトリニューアルとは、数十~数百ページに及ぶWebサイト全体を設計から実装まで改めるプロジェクトです。単なるデザイン変更だけでなく、ブランド再構築、情報設計の見直し、システム改修やSEO対策を同時に進めます。

規模感(ページ数・工数)

目安としてはページ数が数十ページなら中規模、数百ページになると大規模です。工数は数か月〜1年程度が一般的で、関係者やテストを含めるとさらに期間が延びます。

予算区分

  • 中規模:500万〜1,000万円。テンプレート活用や既存システムの部分更新が中心です。
  • 大規模:1,000万円超。フルオーダーのデザイン・システム開発、マルチ言語対応や大規模データ移行を伴います。

具体的な要件例

CMS移行、会員/EC機能の改修、API連携、検索・分析基盤の導入、モバイル最適化、SEO構造の再設計など多岐にわたります。

組織と関係者

プロジェクトマネージャー、デザイナー、開発者、コンテンツ担当、マーケ担当、外部ベンダーが主な関係者です。利害調整と意思決定の仕組みが成功を左右します。

注意点

要件が増えるほどリスクと調整コストが高まります。優先度を明確にし、段階的リリースや検証計画を早めに作ることが重要です。

プロジェクト期間と実施スケジュール

概要

大規模サイトリニューアルの期間は規模と目的で大きく変わります。目安として、シンプルなコーポレートサイトは2〜3ヶ月、機能の多いサイトやECは6ヶ月〜12ヶ月以上かかることがあります。

基本フェーズと目安期間

  • 計画・分析フェーズ:1〜2ヶ月(目的設定、競合調査、要件整理)
  • 設計・コンテンツフェーズ:2〜3ヶ月(サイトマップ、ワイヤー、デザイン、コンテンツ準備)
  • 実装・テストフェーズ:1〜3ヶ月(コーディング、システム開発、QA)
  • 公開・運用フェーズ:1ヶ月〜(移行・監視、微調整)

各工程の具体的な目安

  • 目的設定:1〜2週間(関係者の合意を取る)
  • 競合分析・要件定義:1〜3週間
  • サイトマップ制作:2〜4週間
  • ワイヤーフレーム:2〜4週間
  • デザイン制作:3〜6週間
  • フロント実装(HTML/CSS/JS):3〜8週間
  • バックエンド開発:4〜12週間(機能により増減)
  • コンテンツ作成・移行:2〜6週間
  • 総合テスト・UAT:2〜4週間
  • 公開準備・ローンチ:1〜2週間

スケジュール作成のポイント

  • 余裕を持たせ、全体で10〜20%のバッファを見込みます。例:3ヶ月予定なら3〜3.6ヶ月
  • 可能な作業は並行して進めます(デザインと一部開発など)
  • 週次で進捗確認、重要な決定はマイルストーンで固定します
  • コンテンツ準備の遅れが最も影響するため、早めに担当を決めます

以上を基に、規模と社内リソースを評価して具体スケジュールを作成してください。

4つの主要フェーズと実施手順

概要

大規模リニューアルは4つのフェーズで進めます。各フェーズで目的を明確にし、短いチェックリストで進捗を確認すると安心です。

フェーズ1:現状分析・目標設定・体制づくり

何が問題かを数値と事実で整理します。例:直帰率、流入経路、更新頻度。目標は具体的に(例:3か月で直帰率を10%改善)。担当者と外部パートナーの役割を決め、予算を見積もります。

フェーズ2:ターゲットと構造設計・コンテンツ

想定ユーザー像を紙に書き出します。サイトマップや導線図を作り、重要ページを優先してコンテンツを準備します。SEO対策はキーワードを現実的に選び、既存コンテンツの整理から始めます。

フェーズ3:デザイン・CMS・構築

ワイヤーフレームで画面の骨組みを確認します。操作性(ボタンの位置やフォームの流れ)を重点にUI/UXを固め、扱いやすいCMSを選びます。スマホ表示の確認は早めに行います。

フェーズ4:テスト・公開・改善

動作確認、リンク切れ、表示崩れ、セキュリティチェックを実施します。公開後はアクセス解析で効果を測り、優先度の高い改善を繰り返します。小さな改善を積み重ねることが成果につながります。

詳細な12ステップの実施方法(企画・準備フェーズ)

ステップ1:現状整理と目的の明確化

目的
– 何を改善したいか(集客、CV、ブランドなど)を社内で共通化します。
実施内容
– 現行サイトのアクセス傾向、主要ページ、施策履歴を短くまとめます。検索やSNS、広告施策との接続点も洗い出します。
成果物
– 現状分析シート(強み・課題)、KPI候補
注意点
– 課題は定量と定性の両方で確認します。関係者の認識ズレを早期に解消します。

ステップ2:ターゲットと戦略設計

目的
– 誰に何を届けるかを具体化します。
実施内容
– 主なペルソナ、主要導線、コンテンツの方向性を決めます。SNS施策やCRMとの連携方針もここで確認します。
成果物
– ターゲット定義、ユーザージャーニー図、主要KPI(例:流入、滞在時間、CV率)
注意点
– 現場の運用負担を考慮して実行可能な戦略にします。

ステップ3:プロジェクト立ち上げとRFP準備

目的
– 体制を固め、外部に伝える要件を整理します。
実施内容
– プロジェクト体制(責任者、各担当)を決め、稟議資料を作ります。外部に依頼するならRFPに目的・スコープ・想定スケジュール・予算感・評価基準を記載します。
成果物
– 稟議書、RFPドラフト、リスクリスト
注意点
– 必要要件と要望を切り分け、評価基準を明確にしておきます。

詳細な12ステップの実施方法(業者選定・要件定義フェーズ)

概要

ステップ4〜6では制作会社の選定、制作依頼(契約)、要件定義を行います。要望を端的に整理し、リニューアルの背景や目的を併せて伝えることが重要です。具体的な成果物と検収基準を最初に定めます。

ステップ4:業者選定

  • RFI/RFPを用意します。目的、対象ページ、想定予算、希望スケジュールを明記します。例:月間PV、会員数、主要導線。
  • 評価基準を決めます。技術力、デザイン力、運用支援、実績、コスト、対応力を点数化します。
  • 候補と面談し、実務担当者の相性や提案内容を確認します。短期のテスト課題で実務力を把握すると安心です。

ステップ5:制作依頼と契約

  • 見積と工程表を精査します。納品物、検収基準、保守範囲を明記します。
  • 契約書に納期、支払い条件、知的財産、秘密保持、瑕疵対応を入れます。
  • キックオフ日を決め、初回の成果物(ワイヤー、要件定義書)提出日を設定します。

ステップ6:要件定義

  • ユーザー要件(ペルソナ、主要シナリオ)と業務要件(管理画面、更新頻度)を分けて整理します。
  • 画面構成図、ワイヤーフレーム、機能一覧(優先度付き)を作成します。非機能要件(性能、SSL、バックアップ)も明記します。
  • 受入基準(テスト項目・合格条件)と変更管理フローを定めます。レビューは短いサイクルで複数回行い、合意を得ながら固めます。

注意点:要望を曖昧にせず文章化し、重要事項は契約や仕様書に反映してください。

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