cmsとnumberの基礎知識を分かりやすく解説!専門用語も理解

目次

はじめに

背景

医療現場では、多くの番号やコードを使います。たとえば、病院や診療所が保険請求や認可を受けるとき、機関ごとに固有の識別子が求められます。これらを正しく理解すると、請求ミスや手続きの遅れを防げます。

本資料の目的

本資料は、CMS(Centers for Medicare & Medicaid Services)に関係する主要な識別番号――CMS認証番号(CCN)、Type of Billコード、National Provider Identifier(NPI)、Taxonomy Code――の種類、構造、用途、取得方法を分かりやすく解説します。具体例を交え、実務で使い分ける際のポイントを示します。

対象読者

病院の事務担当者、診療所の開業者、医療請求を扱うコーディネーターや仕組みを学びたい方に向けています。IT担当者や保険請求の初心者にも読みやすい内容を目指します。

本資料の使い方

各章は独立して読めますが、初めて学ぶ方は第2章から順に読むと理解しやすいです。実務で確認するときは、公式の情報源も併せてご確認ください。

CMS認証番号(CCN)の基本

概要

CMS Certification Number(CCN)は、米国の医療機関がメディケア・メディケイド関連業務で使う6桁の識別番号です。病院や施設を一意に示し、認証・請求・統計管理に利用されます。

何に使うか

主に認証手続き、保険請求、公式データベースでの検索に使います。病院ごとの届出や調査で必須の番号です。

番号の構造(具体例付き)

  • 最初の2桁:州コード(例:12ならある州)
  • 3桁目:施設種別の目印(例:0は急性期病院、条件により3がCritical Access Hospitalを示す場合があります)
  • 残り3桁:施設ごとの個別識別番号
    例:仮のCCN「370123」は、37が州、0が急性期病院、123が個体番号という見方になります。

取得と管理

認証は州や連邦の手続きで行い、登録後にCCNが付与されます。番号は機関情報に紐づき、変更があれば更新手続きが必要です。

使用上の注意点

番号だけで施設の全情報は分かりません。請求や報告の際は他の識別情報(施設名・所在地など)と併せて確認してください。

Type of Billコードの構造と用途

構造

Type of Bill(TOB)コードは4桁の英数字で、請求の種類を素早く伝えます。先頭の「0」は一般に無視します。2桁目は施設種別を示し、例として「1:病院」「2:スキルドナーシング施設(SNF)」「3:ホスピス」などです。3桁目はサービスの種類(入院、外来、緊急など)を表します。4桁目は請求の頻度や状態を示し、初回、途中、最終、訂正などの区別に使います。

用途

TOBコードは請求を分類し、適切な処理ルートへ振り分けます。処理システムはこのコードを見て支払可否のルールや必要書類を判断します。結果として、正しいTOBを使うと審査が速くなり、誤りによる返戻や遅延を減らせます。

具体例

  • 011X:入院(Inpatient Hospital — Part A)の例示表記。先頭の0を無視すると“11X”として病院入院を示します。
  • 013X:外来(Hospital — Outpatient)の例示表記。外来診療の請求で使います。
    (ここでXは頻度を表す桁の代わりの表記で、実際は数字になります。)

実務上の注意

  1. 施設種別の桁を誤ると処理が止まることが多いので、請求前に必ず確認してください。
  2. 最終請求か途中請求かで4桁目が変わります。内部のワークフローと合わせて統一しておくとミスを減らせます。
  3. システムや保険者で扱いが少し異なる場合があるため、頻繁に使うコードは社内マニュアルで明確にしておくことをおすすめします。

以上がType of Billコードの基本的な構造と用途の説明です。ご不明点があれば具体的なコード例を挙げてご相談ください。

National Provider Identifier(NPI)とTaxonomy Code

NPIとは

NPIは医療提供者に割り当てられる10桁の固有番号です。病院や診療所、個人の医師や看護師など、組織と個人の両方に発行されます。請求書や保険者とのデータ連携で広く使われ、誰のサービスかを一意に示します。例:数字10桁の形式(例示として1234567890のように表現します)。

Taxonomy Codeとは

Taxonomy Codeは医療提供者の専門分野や職種を示す10桁のコードです。例えば内科、整形外科、理学療法士などを区別します。NPI登録時に主要な専門分野(Primary)を選び、必要に応じてサブの分類を追加します。コードには業種や役割情報が含まれ、請求や紹介で使われます。

登録と利用場面

NPIを申請するときにTaxonomy Codeを合わせて登録します。保険請求(クレーム)、医療情報の交換、医療機関の認定やレセプト処理で両者が必要です。実務では、NPIが「誰」を、Taxonomyが「何をする人か」を示します。

実務上のポイント

  • 個人NPIと組織NPIがあるため、どちらを使うか確認します。
  • Taxonomyは必ずしも請求で必須になるとは限りませんが、専門性を正しく伝えるために正確に設定してください。
  • 変更があれば速やかに更新します。誤った情報は支払い遅延や承認拒否の原因になります。

補足:NPIとTaxonomyは請求処理や医療ネットワークで連携を円滑にします。これらを正しく管理すると、事務作業が減り問い合わせにもすばやく対応できます。

各種番号の違いと使い分け

概要

CCN、NPI、Taxonomy Code、Type of Bill は目的が異なります。業務や請求の場面で何を使うかをはっきりさせると手続きがスムーズになります。

CCN(施設識別)とNPI(個人/組織識別)の違い

  • CCN:病院や診療所など「施設」単位の番号です。例:A病院全体の請求や施設契約で使います。
  • NPI:医師や医療機関(個人または組織)を識別します。例:田中先生個人の診療報酬請求で使います。

Taxonomy Code(専門分野)

専門領域を示します。例:循環器内科、整形外科など。プロバイダの専門を明示するため、保険者が審査するときに参照します。

Type of Bill(請求内容の分類)

請求書の種類や請求対象(入院、外来、転院など)を表します。請求処理や支払区分を決めるための情報です。

実務での使い分け(例)

  • 外来で個別診療費を請求するなら:NPI(医師)+Taxonomy(専門)を記載。
  • 病院全体の入院請求なら:CCN(施設)+Type of Bill(入院コード)。

注意点

どの番号を使うかで審査や支払いが変わります。請求書の欄に求められる番号を確認して正しく記入してください。

番号の調べ方と公式情報源

CCN(CMS認証番号)の確認

CMS認証番号はCMSの公式データベースで確認します。代表的な手段はPECOS(Provider Enrollment, Chain and Ownership System)へのログインです。ログインできない場合は、CMSのProvider of Services(POS)ファイルをダウンロードして施設名や住所で検索すると見つかります。自治体や審査担当の連絡先(MAC)に問い合わせることも可能です。

Type of Billコードの調べ方

Type of BillコードはCMSの請求処理マニュアル(Medicare Claims Processing Manual)やMedicare Learning Network(MLN)に一覧があります。実務では請求システムの画面で該当コードの説明を参照し、請求種別(入院・外来・スキルドナーシングなど)と照合してください。

NPIとTaxonomyの検索

NPIとTaxonomyはNPPES(National Plan & Provider Enumeration System)で検索・登録できます。個人名、施設名、所在地で検索すると、NPI番号と登録されたTaxonomyコードが表示されます。Taxonomyの正式一覧はNUCC(National Uniform Claim Committee)で確認できます。

実務上の注意点

複数の情報源を照合して正確性を確保してください。番号を院内のマスターリストで管理し、変更があれば記録と更新を行ってください。疑問が残る場合はCMSや担当MAC、州の保健当局に直接確認すると安心です。

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