cmsの調べ方|ソースコードとツールでわかりやすく解説

目次

はじめに

この資料は、特定のWebサイトがどのCMS(コンテンツ管理システム)を使っているかを調べる方法を、やさしく丁寧に解説します。主に2つのアプローチ――ソースコードの解析と専用ツールの活用――を取り上げ、それぞれの手順や利点・注意点を具体的に示します。

目的

  • サイト移行やデザイン変更の準備をするために現状のCMSを把握する
  • 競合分析や調査で技術構成を確認する
  • トラブル対応や外注時の要件整理に役立てる

対象読者

  • サイト運営者、Web制作者、マーケター、技術に興味のある方
  • 専門知識が少なくても理解できるように書いています

本資料の流れ

  • 第2章:調査の基本となる2つの方法の概略
  • 第3章:ソースコードから調べる具体的手順
  • 第4章:Wappalyzerを使った方法
  • 第5章:その他の専用ツール紹介
  • 第6章:実務での活用例と注意点

注意事項

他者のサイトを無断で操作したり、サービスに負荷をかける行為は行わないでください。調査は所有者の許可があるか、公に許容される範囲で行ってください。

Webサイトで使用されているCMSを調べる2つの主要な方法

WebサイトがどのCMSを使っているか調べる方法は大きく2つに分かれます。ここでは、それぞれの特徴と簡単な手順、注意点を分かりやすく説明します。

方法1: ソースコードから調べる

  • ブラウザで対象ページを開き、開発者ツール(F12や右クリック→検証)を起動します。
  • タグやHTMLコメント、
    の表記を探します。例: “generator” タグや “wp-” や “/wp-content/” といった文字列はWordPressの手掛かりです。
  • URLパターンも手がかりになります。例: “/sites/default/files” はDrupal、”/administrator” はJoomlaの可能性があります。
  • 注意点: サイトがカスタマイズされていたり、情報を隠していると見つからないことがあります。

方法2: 専用ツール「Wappalyzer」を利用する

  • Wappalyzerはブラウザ拡張やウェブサービスで技術スタックを自動検出します。
  • インストール後、拡張アイコンをクリックするだけでCMS名や利用ライブラリが表示されます。
  • メリットは手早く調査できる点です。デメリットは完全ではなく、検出できない場合や有料機能がある点です。

この章では大枠を紹介しました。次章以降で、ソースコードを詳しく見る方法とWappalyzerの使い方を順に丁寧に解説します。

方法1: ソースコードから調べる方法

概要

ブラウザで表示されるソースコードやページ内リンクから、使われているCMSを推測します。特別なツールを使わずに手早く確認できる方法です。

手順(初心者向け)

  1. ブラウザで対象ページを開きます。
  2. 画面上で右クリックして「ページのソースを表示」または「検証」を選びます。
  3. 開いたソース画面で検索(WindowsならCtrl+F、Macなら⌘+F)を押します。
  4. 下の「主な見つけ方」に挙げたキーワードを順に検索します。

主な見つけ方

  • HTMLのmetaタグにあるgenerator属性を確認します(例: )。
  • 画像やCSS、JSへのリンクに含まれるファイル名やフォルダー名を見ます(例: wp-content、sites/default)。
  • フッターやページ下部に小さくCMS名が書かれていることがあります。
  • 管理画面のパスらしいURL(例: /wp-admin/)にアクセスして確認する方法も有効です。

主要CMSの検索キーワード例

  • WordPress:wp-content、wp-includes、/wp-admin/, “WordPress”
  • Joomla:/components/, /templates/, “Joomla”
  • Drupal:/sites/default/, /node/, “Drupal”
  • Shopify:cdn.shopify.com、/assets/、”Shopify”
  • Wix:wix.com、wixstatic、”Wix”
  • Squarespace:static.squarespace.com、squarespace.com

注意点

  • カスタム構成やセキュリティ対策でキーワードが隠されていることがあります。その場合は別の方法を併用してください。
  • 公開されている情報のみを確認してください。ログインや権限が必要な箇所に無断でアクセスしないでください。

方法2: 専用ツール「Wappalyzer」を利用する方法

概要

Wappalyzerはブラウザの拡張機能で、訪問中のWebサイトが使っているCMSやサーバー、言語、フレームワーク、解析ツールなどを素早く表示します。操作が簡単で、非技術者でも扱いやすいです。

インストールと基本操作

  1. Chromeウェブストアで「Wappalyzer」を追加します。拡張機能を有効にしてください。
  2. 調べたいサイトを開き、ブラウザ右上のWappalyzerアイコンをクリックします。
  3. 検出結果がポップアップ表示されます。ページをリロードすると検出精度が上がることがあります。

結果の見方

  • 分類ごとに使われている技術名が列挙されます(例: CMS、JavaScriptフレームワーク、分析ツールなど)。
  • 表示される項目をクリックすると、詳細やバージョン情報が出る場合があります。
  • 表示がなければ「検出されなかった」か、動的に読み込まれている可能性があります。

注意点と活用のコツ

  • 動的に読み込まれる技術や、CSPなどで隠されている場合は検出できないことがあります。
  • 複数ページを確認すると、採用技術をより確実に把握できます。
  • 大量に調べる場合は、公式サイトやAPIを検討すると効率的です。

この方法は手間が少なく、短時間で技術構成の当たりをつけたいときに便利です。

その他の専用ツール

ここではCMS検出に便利な専用ツールを紹介します。今回は特に「CMSチェッカー(CMS Checker)」と「WhatCMS」を取り上げます。

CMSチェッカー(Chrome拡張)

CMSチェッカーはChromeの拡張機能です。サイトを開いた状態で拡張のアイコンをクリックすると、使用中のCMS、検出できるプラグインやテーマ、技術スタックを一覧で表示します。競合サイトを回って複数を素早く比較したいときに便利です。使い方は簡単で、インストール後に対象ページを表示してアイコンを押すだけです。注意点としては、テーマやプラグインを隠しているサイトでは検出できないことがあります。

WhatCMS(オンラインツール)

WhatCMSはWeb上でURLを入力するだけでCMSを特定します。インストール不要で、複数のURLを手早くチェックできます。無料で使える範囲が広く、初めての調査や大量の候補サイトをざっと確認するときに向いています。ただし、独自開発のCMSや難読化されたサイトは見つけにくいことがあります。

その他のツールと実務での活用

BuiltWithやSimilarTechなども併用できます。複数のツールで結果を照合し、ソースコード確認と組み合わせると精度が上がります。競合分析や技術選定の初期調査で、まずはこれらのツールで候補を絞ると効率的です。

実務的な活用方法

目的と効果

他社のWebサイトで使われるCMSを把握することで、自社のCMS選定や運用改善に役立てられます。業界でよく使われる仕組みや導入パターンが分かり、採用判断の精度が上がります。

実務での具体例

  • 競合分析:競合がどのCMSを使っているかを確認し、同等の機能が自社に必要か判断します。例えば、投稿頻度が高く効率性が重要なら、操作性の良いCMSを検討します。
  • 技術選定:業界標準のプラグインやテンプレートが多いCMSは、拡張が楽でコストも抑えやすいです。
  • セキュリティ・運用:同じCMSで脆弱性の傾向やアップデート頻度を把握し、保守体制を整えます。

実践のステップ(簡潔)

  1. 調査対象をリスト化する(競合・参考サイト)。
  2. CMSを識別する(ソース確認かツール利用)。
  3. 機能・拡張性・コミュニティ規模・費用を比較する。
  4. 候補を絞り、試験導入(PoC)で運用負荷を確認する。
  5. 決定後は移行計画と保守体制を作る。

注意点

  • 表面だけで決めず、実際の運用負荷や将来の拡張性を重視してください。
  • 同じCMSでも構築方法で使い勝手が変わる点に留意してください。
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