直帰率と調べ方をわかりやすく基礎解説!改善策も紹介

目次

はじめに

本記事の目的

この連載では、Webサイトの「直帰率」についてやさしく丁寧に解説します。直帰率の定義や計算方法、Google Analytics(特にGA4)での確認方法、業界別の目安、改善策まで幅広く扱います。初心者の方でも実務で使える知識を目指しています。

誰に向けた内容か

サイト運営者、Webマーケター、コンテンツ担当者、個人ブログ運営者など、Webの成果を改善したい方に向けています。専門用語は最小限に留め、具体例で補足します。

読み方のポイント

まず直帰率の意味と計算方法を理解し、その後GA4での調べ方や改善策を順に学んでください。実際の改善では、ページごとの目的を明確にすることが重要です。例:商品ページは購入導線を強化、ブログ記事は関連記事やCTAで回遊を促します。

この章では記事全体の流れを示しました。次章から具体的な定義と計算方法に進みます。

直帰率とは?

概要

直帰率とは、Webサイトに訪れたユーザーのうち、入口となったページだけを見て離脱したセッションの割合です。つまり「そのページを見ただけでサイトを離れた人の比率」を示します。高い直帰率は、そのページが期待に応えていない可能性を示唆します。

具体例

  • ブログ記事を読み終えて離脱した場合:直帰扱いになりますが、ユーザーは目的を達成しています。
  • 商品ページで詳細が分からず離脱した場合:問題がある可能性が高いです。
  • 問い合わせページを見て電話や別の方法で連絡した場合:直帰率は高くても成果に結びつくことがあります。

直帰率が高いと考えられる理由

  • コンテンツが期待に沿っていない
  • 読み込みが遅い、デザインがわかりにくい
  • 導線(次の行動を促すリンクやボタン)が不足している

注意点

直帰率だけで良し悪しを判断しないでください。ページの目的やユーザーの行動によって、直帰が必ずしも悪い結果を示すとは限りません。ほかの指標(滞在時間、コンバージョンなど)と合わせて総合的に評価しましょう。

直帰率の計算方法

基本の計算式

直帰率(%)=(直帰セッション数 ÷ 全セッション数)× 100

直帰セッションとは、訪問者がサイトで最初のページだけを見て離脱したセッションです。

具体例

  • 10人がサイトを訪問
  • そのうち7人が最初のページだけ見て離脱
  • 直帰率=7 ÷ 10 × 100 = 70%

別の例:250セッション中75が直帰なら、75 ÷ 250 × 100 = 30%です。

計算の注意点

  • 単純に“1ページだけ見た”を数えますが、ページ内でのイベント(動画再生やスクロール)を「インタラクション」として計測すると直帰にカウントされない場合があります。これはツールの設定次第です。
  • サンプル数が少ないと割合が大きくぶれます。十分なデータで判断してください。
  • ボットや内部トラフィックを除外して計算すると、より実態に近づきます。

手早く確認する方法

  1. 指定期間の全セッション数を取得する
  2. その期間の直帰セッション数を数える
  3. 上の式で計算する

直帰率はシンプルな指標ですが、計測方法やサイトの目的で意味合いが変わります。数値の背景を確認しながら使ってください。

直帰率の目安(業界別)

直帰率の目安は業種やページの目的によって大きく変わります。ここでは代表的な目安と、その背景、使い方をやさしく解説します。

業種別の目安

  • ECサイト:20~45%
  • 商品一覧や購入ページへ誘導するため、複数ページを見る流れが多く直帰率は比較的低めです。
  • コンテンツサイト:35~60%
  • 記事を読んで満足して離脱する訪問者がいるため、中程度の直帰率になります。
  • LP(ランディングページ)/ポータル:60~90%
  • 単一ページで情報提供や申し込み完了を目指すため、直帰率が高くなりやすいです。

目安が変わる主な理由

  • ページの目的(購入、情報取得、申し込み)
  • 集客経路(広告は直帰しやすい、検索は意図が強い)
  • サイト構成や導線の有無
  • スマホ表示や表示速度

目安の使い方

まずは自分のサイト目的に照らして比較してください。目安より高い場合は、滞在時間やコンバージョンも合わせて確認すると原因が分かりやすくなります。逆に低すぎても必ずしも良いとは限りません。意図した行動が起きているかを優先して評価しましょう。

注意点

目安はあくまで参考値です。同業他社や時期、キャンペーンで変動するため、複数の指標で判断してください。

Google Analytics(GA4)での直帰率の調べ方

手順(画面操作)

  1. 左メニューで「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を選びます。
  2. 画面右上の鉛筆アイコンまたは「編集」をクリックします。
  3. 「レポートをカスタマイズ」→「指標」を選択します。
  4. 「指標を追加」から「直帰率」を検索して追加します。
  5. 「適用」を押すと、レポートに直帰率の列が表示されます。

並べ替え・絞り込みの活用

  • 表の見出しをクリックして、直帰率が高い順・低い順にソートできます。
  • 日付範囲を上部で変更し、期間比較(前期間と比較)も行えます。
  • デバイス、参照元、ページパスなどでセグメントを絞ると原因が見えやすくなります。

表示されない場合の対処

  • 「直帰率」が候補に無ければ、GA4の管理画面でレポート編集権限があるか確認してください。
  • イベント計測の設定によっては数値が変わるので、イベントが正しく計測されているかチェックしてください。

見方のポイント

  • 直帰率は単体で判断せず、滞在時間やコンバージョンと合わせて確認してください。ページの目的(情報提供型か販売型)で期待値が変わります。
  • 高いページはコンテンツの改善や導線の見直しを優先的に検討します。

これでGA4上で直帰率を確認し、原因を絞る準備ができます。必要なら具体的な状況に合わせた絞り込み方法もご案内します。

直帰率と離脱率の違い

概要

直帰率は、訪問者が「入ってきたページだけを見て離脱した割合」を指します。入口ページに特化した指標です。離脱率は、特定のページから離脱した割合で、サイト内のどのページにも適用できます。

計算式

  • 直帰率(Bounce Rate)= 直帰数 ÷ セッション数 × 100
  • 離脱率(Exit Rate)= 離脱数 ÷ ページビュー数 × 100

わかりやすい例

  • 例1(直帰): 検索結果から記事Aに来て、そのまますぐブラウザを閉じた場合は直帰になります。
  • 例2(離脱): 訪問者がトップ→記事B→お問い合わせの順に見て、お問い合わせページで離脱した場合はお問い合わせページの離脱になります。

解釈と使い分けのポイント

  • 直帰率は入口ページの評価に使います。広告や検索で来たページが期待通りかを確認できます。
  • 離脱率はページごとの問題把握に使います。サイト内の導線や離脱の多い箇所を見つけられます。

対策の例

  • 直帰率が高い場合: ページ文言と導線を見直す、読み込み速度を改善する、明確な次の行動(CTA)を出す。
  • 離脱率が高いページ: 導線を改善する、関連リンクを増やす、フォームや決済での障害を確認する。

両方の指標を併せて見ることで、入口の問題とサイト内の流れの問題を効率よく発見できます。

直帰率が高い場合の改善方法

ランディングページで期待と違う、操作が分かりにくい、表示が遅いといった要因で直帰率が高くなります。以下に具体的で実行しやすい改善方法を挙げます。

1) ランディングページの見直し

  • ファーストビューに目的を明確に表示します(例:商品の特徴、キャンペーン、問い合わせ先)。
  • 見出しと導入文を短くして、ユーザーが求める情報にすぐたどり着けるようにします。

2) コンテンツの充実

  • 説明を具体例や画像で補います。図や写真は理解を早めます。
  • FAQや関連情報への内部リンクを増やし、滞在時間を伸ばします。

3) ユーザビリティの向上

  • ボタンやリンクは見つけやすい位置と大きさにします。モバイルでのタップも確認します。
  • フォームは項目を減らし、入力しやすくします(例:自動入力、エラーメッセージの明示)。

4) ロード速度の改善

  • 画像は適切なサイズに圧縮し、不要なスクリプトを削除します。
  • キャッシュやCDNを利用して表示を速くします。

5) CTA(行動喚起)の最適化

  • 目的に合ったボタン文言(例:「資料をダウンロード」「見積りを依頼」)に変えます。
  • 目立つ色や余白で視線を誘導します。

6) A/Bテストと分析

  • 小さな変更ごとに効果を計測し、良い案だけ採用します。
  • 直帰が多いページは優先度高く改善して、結果を定期的に確認します。

これらを順に試し、アクセス解析で変化を確認すると効果が見えやすくなります。改善は小さな積み重ねが大切です。

GA4とUA(Universal Analytics)の違い

違いの要点

GA4は「エンゲージメント率」を重視します。エンゲージメント(滞在時間が10秒以上、コンバージョンイベント発生、または2ページ以上の閲覧)がなければセッションを直帰と見なします。直帰率は「1 − エンゲージメント率」で計算されることが多いです。

一方、UA(Universal Analytics)は単純に「1ページのみ閲覧で終了したセッション」を直帰とカウントします。ページビューが1回だけなら直帰扱いになる点が違います。

具体例での違い

  • 訪問者が1ページを開いて15秒滞在した場合:GA4ではエンゲージメントあり(直帰にならない)、UAではページビュー1回なら直帰になることが多い。
  • 1ページを開いてすぐ離脱した場合:両方とも直帰扱いになる可能性が高い。
  • 1ページでイベント(ボタン押下やスクロール)を発生させた場合:GA4は直帰にならないが、UAはイベントが非インタラクションに設定されていると直帰のままになることがある。

注意点

データの比較はそのままではできません。GA4移行後は指標の定義が変わるため、直帰率が下がる傾向があります。過去のUAデータと比べるときは「エンゲージメント率」や「エンゲージメントの有無」を基に解釈してください。

設定次第で結果が変わりますので、イベントの計測方法や閾値(例:滞在10秒)を確認して運用してください。

直帰率の活用方法

直帰率は訪問者が最初のページで離脱した割合を示す、入口の質を測る重要な指標です。ここでは実務で使える具体的な活用方法をやさしく説明します。

定期的に確認する

週次や月次で直帰率の推移をチェックします。急な上昇は導線の問題や配信ミスを示すことが多いので、すぐ原因を探しましょう。例:広告配信後に直帰率が上がったらランディングページを見直す。

セグメント別に分析する

流入元(検索・SNS・広告)、デバイス(スマホ・PC)、ページごとに直帰率を分けて見ます。SNSは短い導線が合うなど、流入経路で改善策が変わります。

KPIに組み込む

直帰率を目標の一つに設定し、コンバージョン率や滞在時間と合わせて評価します。単独で判断せず、関連指標と一緒に見ると効果が分かりやすいです。

改善サイクルを回す

仮説を立て、A/Bテストや簡単な改善(見出し・CTA・読みやすさ・表示速度)を実行し、結果を定量的に比較します。小さな改善を繰り返すことが成果につながります。

運用チェックリスト(例)

  • 週次:流入元ごとの直帰率確認、異常の有無
  • 月次:主要ページのA/Bテスト結果確認、施策の優先順位付け

直帰率は単なる数値ではなく、ユーザー体験を改善するための手掛かりです。定期的に分析し、改善を積み重ねてください。

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