はじめに
この資料の目的
本資料は、業界別やサイト種別ごとの直帰率(バウンス率)の平均値や特徴を分かりやすくまとめたガイドです。Web担当者やマーケターが、自社サイトの直帰率を正しく評価し、改善につなげられるように作成しました。
対象となる方
- サイトの数字を見て改善を考えている方
- 初めて直帰率を評価する責任者や社内メンバー
- 複数の調査結果を比較して基準をつくりたい方
本資料で扱う内容
- 直帰率の定義と離脱率との違い(用語の確認)
- サイト種類別・業界別の平均直帰率の目安
- 流入経路(検索・広告・SNSなど)ごとの違い
複数の公表データや調査を照らし合わせ、実務で使える目安を示します。したがって、単一の数字に頼らず、傾向を参考に改善策を検討してください。
使い方の注意点
- 直帰率はページの目的や流入元で大きく変わります。
- サンプル期間やデバイス構成によって数値が変わるため、比較は条件を揃えて行ってください。
直帰率とは何か?平均値を見る前に押さえる基本
定義
直帰率(Bounce Rate)は、サイトに訪れたユーザーが最初の1ページだけ見て離脱した割合を示す指標です。Googleアナリティクスでは「1ページのみ閲覧でセッションが終了した割合」と定義します。例えば100セッション中50セッションが1ページだけ見て離脱した場合、直帰率は50%です。
直帰率と離脱率の違い
直帰率はセッション単位で「そのセッションが1ページだけで終わったか」を見ます。一方、離脱率はページ単位で「そのページから何%がサイトを去ったか」を示します。直帰率は入り口ページの評価に役立ち、離脱率はページごとの改善点発見に向きます。
直帰率が高くなる主な原因(例を交えて)
- 入り口ページとユーザーの期待がずれている(広告や検索語と内容が合わない)
- ページの読み込みが遅い、表示崩れや操作しにくい(特にスマホ)
- 目的が外部リンクや電話ボタンのクリックで完結する
- 計測の問題:ボタンクリックやスクロールなどのイベントを測っていないと実際の関与が反映されない
- シングルページアプリでは遷移が計測されず直帰が高く出ることがある
読み解き方のポイント
平均値だけで判断せず、流入元・デバイス・ページ種類ごとに分けて見てください。直帰率が高くても滞在時間が長ければ情報を読んで離脱した可能性があります。重要なのはコンバージョンや目標達成との関係です。
まずチェックすることと初歩対策
- 流入元(検索・広告・SNS)とデバイス別に直帰率を確認する
- ページの表示速度とモバイル表示を改善する
- 明確な導線(CTA・内部リンク)を設ける
- 実際の操作(スクロールやクリック)をイベントとして計測する
- 広告やランディングページの訴求とコンテンツを一致させる
目的やサイト種類で適正値は変わります。平均値は目安として使い、原因特定と分割分析で改善を進めてください。
サイト種類別の平均直帰率
概要
Bsearchtech(Contentsquareのベンチマーク)によると、サイト種類ごとに直帰率の目安が異なります。ここでは各タイプの平均レンジと、なぜ違いが出るのか、簡単な対策のヒントを分かりやすく説明します。
種類別の目安(目安の範囲)
- 辞書・ブログ・ポータル:65〜90%
- 単一ページで用が済むことが多く、直帰率が高くなりがちです。
- ランディングページ(LP):60〜90%
- 広告やキャンペーンで訪問し、目的が達成されると離脱します。
- コンテンツサイト:35〜60%
- 記事を読み進めたり関連記事に誘導されたりして回遊が発生します。
- リードジェネレーション:30〜55%
- 問い合わせや資料請求に誘導する導線があるため回遊が見られます。
- B2Bサイト:25〜55%
- 構成が階層的で複数ページを見る行動が多く、直帰率は低めです。
- ECサイト:20〜45%
- 商品閲覧やカート操作で複数ページを移動するため直帰率が低くなります。
なぜ差が出るのか
ユーザーの目的が最初のページで完結する場合は直帰率が高くなります。逆に購入や比較、問い合わせなどで複数ページを参照する行動が多いサイトは直帰率が低くなります。ページ構成や導線設計、流入元の性質も影響します。
対策のヒント(種類別のポイント)
- ブログ・辞書:関連記事や次のステップへのリンクを明確にし、滞在を促します。
- LP:CTAを目立たせ、必要な情報を簡潔に置きます。A/Bテストで効果を確認します。
- コンテンツサイト:内部リンクと目次を充実させ、ユーザーが他記事に移動しやすくします。
- リードジェン・B2B・EC:導線の分かりやすさと検索・フィルター機能を改善し、次の行動を促します。
業界別の平均直帰率(Webサイト)
業界ごとの代表値
複数調査を合算すると、主な業界の平均直帰率は次のとおりです。
– 飲食:65.62%
– IT関連:62.24%
– ニュース:57.93%
– 美容・健康:55.86%
– ビジネス・製造:50.59%
– 就職・教育:49.34%
– 買い物(EC等):45.68%
また、ContentsquareのデータではBtoBが平均75%と高く、エネルギー・旅行・食料品などは約40%前後と低めです。
高い業界に見られる理由
飲食やニュース、ブログ系が直帰率高めなのは、1ページで目的が達成されやすいためです。たとえば、店舗の営業時間やメニュー、記事の要点だけを確認して離脱する行動が多く見られます。したがって、最初のページで必要情報をすぐ提供できれば満足度は上がります。
低い業界に見られる理由
買い物や不動産、旅行などは比較・検討を重ねるため複数ページを閲覧する傾向があります。BtoBは逆に特定資料や仕様ページだけ見て離脱するケースが多く、直帰率が高く出ます。しかし、業界ごとの訪問目的の違いが大きく影響します。
実務向けの対策例
- 飲食・ニュース:重要情報を冒頭に置き、関連記事や予約・問い合わせボタンを目立たせる。
- EC・不動産:比較しやすいナビと関連商品表示を充実させ、回遊を促す。
- BtoB:ホワイトペーパーや導入事例で次のアクション(資料請求、問合せ)に導く。
ユーザーの訪問意図を想像してページ設計すると、直帰率の改善に役立ちます。
流入経路別の平均直帰率
はじめに
同じ業界でも、どこから来たか(流入経路)で直帰率は大きく変わります。訪問者の目的やページとのミスマッチが主な原因です。
チャネル別の目安(Contentsquare)
- ディスプレイ広告(バナー):56.50%
- SNS:54%
- 直接流入(ダイレクト):49.90%
- リスティング広告:44.10%
これらはあくまで目安ですが、広告やSNS経由は高め、リスティングは低めの傾向が出ます。
なぜ差が出るのか
リスティング広告は検索意図に合ったページに誘導しやすく、訪問者が目的を持って来るため直帰率が下がります。一方、ディスプレイやSNSは興味喚起が中心で、衝動的なクリックが多く直帰しやすいです。
改善の具体例
- ディスプレイ:ランディングページの訴求を広告と一致させ、遷移先を絞る。
- SNS:記事や動画で期待を先に示し、次の行動ボタンを明確にする。
- ダイレクト:サイト内導線を分かりやすくして回遊を促す。
- リスティング:検索語句に合わせたページ作り(FAQや価格情報を目立たせる)。
測定時の注意点
流入元のUTM設定を正確に行い、セッション定義や計測ツールの違いを把握してください。短期の数値変動だけで判断せず、期間やクリエイティブごとに比較しましょう。
(まとめは不要との指定のため省略します)












