はじめに
本ドキュメントの目的
本ドキュメントは、CDN Planetというウェブサイトとその提供するツールについての調査結果を分かりやすくまとめたものです。CDNに詳しくない方でも理解できるよう、具体例を交えて説明します。
CDN Planetとは
CDN Planetは世界中のコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)プロバイダー情報を集め、地域別の配置状況や比較ができるプラットフォームです。たとえば、動画配信やウェブサイトの表示を速くするために、近くのサーバーからデータを届ける仕組みを分かりやすく示します。
想定読者
ウェブ運営者、開発者、インフラ担当者、あるいはCDN選定を検討している方を想定しています。専門用語は最低限にし、必要な箇所で補足します。
本ドキュメントの構成
第2章でCDN Planetの詳細機能を解説し、第3章で地域別のCDN配置、第4章で主要プロバイダーの特徴を紹介します。各章は独立して読めるように作成していますので、目的に応じて必要な箇所をお読みください。
CDN Planetに関する詳細情報
概要
CDN Planetは2011年にAaron Peters氏によって構築・運営されているウェブサイトです。世界中のCDN(コンテンツ配信ネットワーク)に関する情報を幅広く集め、利用者がプロバイダーや技術を比較しやすい形で提供しています。サイトは個人運営ですが、情報の網羅性を重視しています。
主な掲載内容
- プロバイダー一覧と基本情報(サービス地域、主要機能など)
- 導入ガイドや技術解説(初心者向けの説明を含む)
- 比較表やランキング(複数の条件で比較できる例を含む)
「CDN Finder」の特徴と使い方
CDN Finderは特定の地域や国で利用可能なCDNを検索・比較できるツールです。使い方は簡単で、地域(例:日本、ヨーロッパ)や必要な機能(例:動画配信、TLS、キャッシュ制御)を選ぶだけで候補が表示されます。各候補はPOP(配信拠点)数や主要な機能、公式サイトへのリンクなどで比較できます。
利用時のポイント
- 具体的な導入判断は公式資料や見積もりで最終確認してください。サイトは比較の出発点として便利です。
- 掲載情報は更新されるものの、最新の価格や契約条件はプロバイダー側の確認が必要です。
こんな場合に役立ちます
- 地域ごとの対応プロバイダーを短時間で把握したいとき
- 初期候補の絞り込みや、機能比較を手早く行いたいとき
以上がCDN Planetに関する詳細な説明です。次の章では地域別のCDN配置情報を見ていきます。
地域別CDN配置情報
各地域でのCDN配置を分かりやすくまとめます。配備数や代表的なプロバイダー、実務上の影響を具体例で説明します。
アフリカ
アフリカには18のCDNがエッジサーバーを保有し、南アフリカ、ケニア、エジプトなどに展開しています。主要なプロバイダーはAkamai、Cloudflare、Gcore、CDNetworks、Bunny CDNです。例えば、南アフリカにPOPがあると動画配信やECページの読み込みが速くなり、ユーザーの離脱を減らせます。
オセアニア
オセアニアにも18のCDNがあり、Cloudflareが最も多くのPOP位置を持ちます。オーストラリアやニュージーランド向けの配信で特に効果を発揮します。たとえば、大容量のゲームアップデート配信が高速化します。
北米
北米には23のCDNが展開し、Cloudflareが最多の54POPを保有しています。POP密度が高いと国や都市内での遅延が小さく、API応答やライブ配信で安定性が向上します。
ラテンアメリカ
ラテンアメリカには20のCDNがあり、Cloudflareが最多の55POPを持ちます。都市間の接続品質が改善され、モバイルユーザーの体感速度が上がります。
選定のポイント
POP数は重要ですが、実際の回線品質やユーザー分布も見てください。POP数が多くても接続品質が低ければ効果は限定的です。したがって、パフォーマンス測定(実測)や冗長性の確認を併せて行うと安心です。
CDNプロバイダーの特徴
概要
CDN(コンテンツ配信ネットワーク)プロバイダーは、配信速度、信頼性、機能で差が出ます。ここでは代表的な特徴を分かりやすく説明します。専門用語はなるべく避け、具体例で補足します。
速度と分散
多くのプロバイダーは世界中にサーバー(エッジ)を置き、利用者に近い場所から配信します。たとえばAkamaiは非常に多くの国にエッジを持つとされ、配信の速さと安定性に強みがあります。ただし、Akamaiは各POPの正確な数や位置を公開していません。代わりに「Server Points of Presence」を保有する国の一覧をPDFで提供しています。
機能と柔軟性
プロバイダーによってキャッシュの細かさ、セキュリティ機能(DDoS対策やWAF)、画像最適化などの追加機能が異なります。たとえばある会社は開発者向けの細かな設定が得意で、別の会社は管理画面が簡単で運用しやすいです。
料金とサポート
料金体系は従量制や定額制があります。小規模サイトは低コストで始められるプランが向きますが、大量トラフィックにはボリュームディスカウントが重要です。サポート体制も比較のポイントです。
選び方のポイント
用途(動画配信、ウェブ、APIなど)、配信地域、予算、サポートの有無で選びます。Akamaiのように広範囲に強みがある事業者は国際配信に向きますが、特定地域や機能重視なら別の選択肢が合うことがあります。
注意点
POPの詳細を公開しない事業者もあり、実際の接続品質は地域や時間帯で変わります。導入前に試験的に使って確認することをおすすめします。












