cdn, mathjax活用で簡単実現!美しい数式表示方法とは

目次

はじめに

目的

この章では、本記事の狙いと読み方を丁寧に説明します。Webサイトやブログ、WordPress、静的サイトジェネレータ(SSG)などで数式を美しく表示したい方に向け、MathJaxをCDN経由で導入・運用する方法をわかりやすくまとめます。

こんな方におすすめ

  • ブログ記事や技術ドキュメントで数式を使いたい方
  • サイトに手早く数式表示を組み込みたい開発者や運営者
  • WordPressやSSGで設定方法を知りたい方

本記事で学べること

  • MathJaxの基本的な考え方と利点
  • CDNを使うメリットと実際の導入手順の例
  • バージョンやURLの違い、導入時の注意点

記事は実例中心に進めます。具体的なコードや設定例を示しながら、手順を追って導入できるよう配慮しました。まずは全体像をつかんでください。

MathJaxとは?Webで数式を美しく表示

概要

MathJaxは、TeX/LaTeXやMathML、AsciiMathなどで書いた数式をブラウザ上で見栄えよく表示するJavaScriptライブラリです。複雑な分数や根号、積分記号などもきれいに出力できます。

対応記法と例

  • LaTeX(例: $E=mc^2$ や (\int_0^1 x^2 dx))
  • MathML(ブラウザのネイティブ表現)
  • AsciiMath(簡易記法)

特長

  • 見た目が整うので論文風や教育コンテンツに向きます。
  • フォントや表示方法を細かく設定できます。
  • JavaScriptだけで動くため特別なソフトは不要です。

簡単な導入例

HTMLに次のように読み込むだけです。

そのままページに LaTeX 表記を書けば自動でレンダリングされます。

互換性とアクセシビリティ

主要な最新ブラウザで動作します。スクリーンリーダー対応やフォールバック表示も用意されているため、閲覧者に配慮した導入が可能です。

どんな場面で使うか

ブログ、教材、技術ドキュメント、プレゼン資料など、数式を正確に見せたい場面で便利です。

CDN経由でMathJaxを利用するメリット

概要

CDN(Content Delivery Network)を使うと、MathJaxのファイルを自サーバで持たずに、世界中に分散した高速サーバから配信できます。これにより初期表示が速くなり、信頼性も高まります。

表示速度と可用性

CDNは利用者に近いサーバから配信するため、読み込み時間が短くなります。特に地理的に離れた訪問者が多いサイトで効果が大きいです。さらに、CDN側の冗長化で一部サーバ障害が起きても配信が続きやすくなります。

運用の簡素化

自分でファイルをホスティングしないため、サーバ容量や帯域の負担を減らせます。MathJaxのバージョン切替や更新もURLを変えるだけで済み、手間が少なくなります。

キャッシュと安定性

CDNは長期間キャッシュされるためリピーターの表示がさらに速くなります。逆に、常に最新版を使いたい場合はバージョン固定のURLを指定すると予期せぬ変更を避けられます。

導入例(簡単なスクリプト)

<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/mathjax@3/es5/tex-mml-chtml.js"></script>

注意点

サードパーティへリクエストが飛ぶため、プライバシーや社内ポリシーに注意してください。オフライン環境や厳格なセキュリティ要件がある場合は自ホスティングを検討してください。

MathJaxのCDN最新版URLとバージョンの違い

概要

MathJax v4以降はES6(ECMAScript 2015)ベースに移行し、従来の「/es5」ディレクトリは廃止されました。コードは「bundle」やルートの単一ファイルに統合され、読み込み方法が簡素化しています。

主なCDNパス例

  • v4(例: beta版): https://cdn.jsdelivr.net/npm/mathjax@4.0.0-beta.2/tex-mml-chtml.js
  • v4(最新安定版を指定する場合): https://cdn.jsdelivr.net/npm/mathjax@4/tex-mml-chtml.js
  • v3(従来): https://cdn.jsdelivr.net/npm/mathjax@3/es5/tex-mml-chtml.js

バージョン差のポイント

  1. 実装基盤: v3まではES5互換を重視していましたが、v4はES6を前提に設計します。これにより軽量化やモダン機能が使えます。
  2. ディレクトリ構成: v3は/es5配下に複数のビルドがありました。v4ではbundle化され、ファイル名で機能を選びます。
  3. ブラウザ対応: IE11など古いブラウザ向けのサポートはv4で終了しました。

実務的なおすすめ

  • 安定した表示を重視する場合は、特定のバージョンを明示的に指定して読み込んでください。仕様変更で挙動が変わるのを防げます。
  • 古いブラウザ対応が必要ならv3の/es5ビルドを使ってください。モダン環境ならv4を選びやすいです。

必要であれば、WordPressや静的サイトジェネレータでの具体的な設定例も用意します。

WordPressやSSGでのMathJax CDN設定例

1. WordPress(プラグイン利用)

  • おすすめ手順:
  • 「MathJax-LaTeX」などのプラグインをインストールして有効化します。
  • 管理画面のプラグイン設定に移動し、CDN URL欄にMathJaxの最新版URLを入力します。
  • LaTeXの区切り記号(インライン: ( )、ディスプレイ: [ ] など)を設定できます。
  • 保存して投稿で数式を確認します。
  • ポイント: プラグインは管理画面で簡単に切り替え・無効化できるため手軽です。

2. 静的サイトジェネレータ(SSG)や手動設定

  • HTMLへ直接挿入する基本例(head内推奨):
<script>
window.MathJax = {tex: {inlineMath: [['\\(','\\)'], ['\\[','\\]']]}};
</script>
<script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/mathjax@3/es5/tex-mml-chtml.js"></script>
  • HugoやJekyllなどでは、共通のheadテンプレート(partialsや_layouts)に上記を追加します。ビルド後の全ページで有効になります。
  • bodyの末尾に置くと描画タイミングを調整できます。ページ速度やレンダリング順を確認してください。

3. 実用的な注意点

  • CDN URLは公式や信頼できるプロバイダを使ってください。
  • デリミタをサイト内の他の記法(Markdown拡張など)と衝突しないよう調整してください。
  • プラグインやテーマのキャッシュをクリアしてから動作確認してください。

Doxygenやその他ツールでのCDN指定

概要

Doxygenなどのドキュメント生成ツールは、MathJaxをCDN経由で読み込む設定を用意しています。ここでは代表的な設定例と、バージョンや拡張の指定方法、注意点をやさしく説明します。

Doxygenでの基本例

Doxygenの設定ファイル(Doxyfile)で次のように指定します。

MATHJAX_RELPATH = https://cdn.mathjax.org/mathjax/latest

安定さを優先する場合はバージョンを明示します。

MATHJAX_RELPATH = https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/mathjax/2.7.9/MathJax.js?config=TeX-AMS_HTML

拡張機能はMATHJAX_EXTENSIONSや、スクリプトの?config=で指定できます。

その他ツールの扱い方

SphinxやMkDocs、JSDocなどは、HTMLに挿入するスクリプトタグを設定ファイルで追加します。例(Sphinxのconf.py):

html_js_files = ['https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/mathjax/2.7.9/MathJax.js?config=TeX-AMS-MML_HTMLorMML']

より新しいMathJax(v3系)では、tex-mml-chtml.jsなどのバンドルを指定します。

注意点

  • HTTPSを使って読み込み、混在コンテンツを避けてください。
  • 社内ネットワークで外部CDNに接続できない場合は、ローカルにホストする方法を用意してください。
  • バージョンを固定すると、後の表示変化を防げます。

これらを踏まえ、使うツールに合わせてCDN指定を行えば、数式表示を手軽に整えられます。

MathJax CDN導入時の注意点・推奨事項

信頼できるCDNを使う

公式や実績のある配信元(jsDelivr、unpkg、cdnjs など)を利用してください。第三者が改ざんしたファイルはセキュリティ問題を生みます。

バージョンは固定して指定する

URLにバージョン番号を含めて固定してください。例: <script src="https://cdn.jsdelivr.net/npm/mathjax@3.2.2/es5/tex-mml-chtml.js"></script>。バージョン固定で将来の仕様変更や不具合の影響を避けられます。

SRI(Subresource Integrity)とCORS

可能ならSRIのハッシュを設定し、crossorigin="anonymous"を付けてください。ブラウザが改ざんを検出し読み込みを拒否できます。CSP(Content Security Policy)を使う場合はCDNホワイトリストを忘れずに設定してください。

ローカルフォールバックとオフライン検討

CDNが利用できない場合に備えてローカルホスティングのフォールバックを用意すると安全です。簡単な方法はスクリプト後に動的にCDNの読み込みを確認し、失敗したらローカルを読み込む方法です。

アクセシビリティとブラウザ互換性

スクリーンリーダー対応やテキスト選択の挙動を確認してください。古いブラウザではPolyfill(PromiseやFetchなど)が必要な場合があります。必要に応じてpolyfillを読み込んでください。

パフォーマンスとキャッシュ

CDNはグローバルキャッシュで高速化しますが、ヘッダーやキャッシュ戦略を意識してください。頻繁に更新する設定ならキャッシュ短め、安定版なら長めにします。

設定の検証

導入後は実際のページで数式表示、印刷、アクセシビリティツールで動作確認を行ってください。問題が見つかったらバージョンを戻すか、ローカルでの検証を行います。

まとめ:CDNで手軽に高品質な数式表現を

MathJaxをCDN経由で導入すると、手間をかけずに美しい数式を高速表示できます。小さなサイトから大規模な文書サイトまで導入しやすく、運用もシンプルです。

導入時の基本方針

  • CDNパスは公式または信頼できるプロバイダ(jsdelivr, cdnjsなど)を選びます。例:
  • バージョンは安定版を指定して互換性を保ちます。自動更新は慎重に。
  • セキュリティ対策としてintegrity属性やcrossoriginを活用し、ローカルフォールバックを用意します。

運用のポイント

  • deferやasyncで読み込みを最適化し、必要な拡張だけ読み込むことで速度を改善します。
  • キャッシュ設定やCDNの地理分散を活かして表示遅延を減らします。
  • プライバシー重視なら自己ホストを検討してください。

最後にチェックリスト

1) CDN URLとバージョンを確認 2) スクリプトの属性(defer/integrity/crossorigin)設定 3) ローカルフォールバック準備 4) 必要なMathJax拡張だけ有効化 5) 表示確認とパフォーマンス測定

この流れを守れば、手軽に高品質な数式表現をサイトに導入できます。

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