awsとebsの特徴と運用方法を徹底解説!初心者にもわかる基本から応用まで

目次

はじめに

この記事の目的

本記事は、AWSのElastic Block Store(EBS)について分かりやすく解説することを目的としています。基本的な仕組み、特徴、代表的な利用例、利点と注意点、操作や管理の概要、他サービスとの違い、運用のベストプラクティスまで順を追って説明します。

誰に向けた記事か

クラウドを使い始めたエンジニアや、EBSの基本を整理したい運用担当者、検討段階の技術者に向けています。専門用語は最小限にし、具体例で補足します。

本記事の構成と読み方

各章を順に読むことで、EBSの全体像から実務で使う際の注意点まで理解できます。まずは第2章でEBSの基本を押さし、その後に特徴やユースケースを確認してください。実際の運用に役立つポイントは第8章でまとめています。

AWS EBSとは何か?

概要

Amazon Elastic Block Store(EBS)は、EC2インスタンスに接続して使う永続的なブロックストレージです。ハードディスクのように振る舞い、OSやデータベース、アプリケーションのデータを保存できます。

永続性と可用性

EBSボリュームはインスタンスを停止・再起動してもデータが残ります。ボリュームを別のインスタンスにアタッチして移動することも可能です。バックアップ用にスナップショットを作成できます。

使い方のイメージ

例えば、WebサーバーのルートディスクやMySQLのデータ領域として使います。必要に応じてサイズを変えたり、I/O性能の高いタイプを選んだりできます。

インスタンスストアとの違い

インスタンスストアは一時的(エフェメラル)で、再起動や停止で消えます。EBSは永続的なので、長期保存や重要データに向いています。

誰に向いているか

サーバーのOSやデータベース、ログ保存など、消えてはいけないデータを扱う人に適しています。

EBSの主な特徴

概要

EBS(Elastic Block Store)はEC2インスタンス向けのブロックストレージです。単体では使えず、必ずインスタンスにアタッチして利用します。ファイルシステムやデータベースのディスクとして働きます。

EC2専用設計

EBSは同じアベイラビリティゾーン(AZ)内のEC2に接続して使います。例えば、東京リージョンのAZ-aに作ったボリュームは、同じAZの別のインスタンスへ付け替え可能です。

スナップショットとバックアップ

スナップショット機能でデータをAmazon S3へ差分バックアップできます。スナップショットから新しいボリュームを作成し、短時間で復旧できます。定期バックアップやコピー保存に便利です。

柔軟なアタッチ/デタッチ

稼働中のインスタンスへアタッチやデタッチが可能です(ファイルシステムの準備が必要)。運用中にボリュームを別インスタンスへ移して検証や修復ができます。

容量・IOPS・スループットの変更

運用状況に応じて容量やIOPS、スループットを増減できます。例えば、データ増加に合わせてオンラインで容量を拡張できます。

ボリュームの種類

汎用SSD(gp3など)、プロビジョンドIOPS SSD(io1/io2)、スループット最適化HDD(st1)、コールドHDD(sc1)などを用途に応じて選べます。データベースならIOPS重視、ログや大容量データならスループット重視が目安です。

セキュリティと耐久性

暗号化を有効にすると保存時と伝送時に自動で暗号化されます。EBSはAZ内で高い耐久性を持ち、S3へスナップショット保存で長期保護が可能です。

運用上の注意点

ボリュームはAZに紐づくため、リージョン間やAZ跨ぎで直接移動できません。設計時に可用性やバックアップ戦略を決めておくことが重要です。

EBSの主なユースケース

EC2のOS・アプリケーションストレージ

EBSはEC2のブートボリュームやアプリケーションデータの保存に使います。例えば、WebサーバーのOSとログをEBSに置けば、インスタンスを再作成してもデータを保持できます。

データベースの永続ストレージ(高ランダムI/O)

ランダムI/O性能が求められるMySQLやPostgreSQL、MongoDBなどのストレージに向きます。高負荷ならProvisioned IOPS(io1/io2)を選び、安定した応答を確保します。

ファイルシステム・ファイルサーバー

EBSは基本的に単一インスタンスにアタッチされます。そのため、複数台で共有する場合はEC2上にNFSやSMBサーバーを立て、EBSを裏側のディスクとして使います(例:社内ファイル共有)。

バックアップと災害対策(スナップショット)

EBSスナップショットは増分でS3に保存され、定期バックアップや別リージョンへのコピーで災害対策に利用できます。スナップショットから新しいボリュームを素早く作成できます。

クローン作成・テスト環境の構築

本番データのスナップショットを使って開発・検証環境を短時間で作れます。ボリュームのサイズ変更や性能調整も行いやすく、検証に便利です。

EBSのメリットとデメリット

メリット

  • データの永続性
  • EBSボリュームはEC2の再起動や停止後もデータを保持します。例えば、データベースやファイル保存に向いています。

  • 容量と性能のオンデマンド拡張

  • 必要に応じて容量や性能(IOPS)を調整できます。トラフィック増加時に柔軟に対応できます。

  • 柔軟なバックアップ運用

  • スナップショットで差分バックアップが取れます。別リージョンや別アカウントへコピーして冗長化できます。

  • 高可用性(同一AZ内での冗長化)

  • EBSは障害対策のため同一アベイラビリティゾーン内でデータを複製します。可用性と耐障害性が向上します。

  • セキュリティと暗号化

  • サーバー側の暗号化に対応し、アクセス制御も設定できます。機密データの保護に役立ちます。

デメリット

  • EC2インスタンスが前提
  • EBSはブロックストレージのため、単体で使えません。必ずEC2にアタッチして利用します。

  • AZをまたいだアタッチ不可

  • ボリュームは基本的に同一AZ内でしかアタッチできません。別AZで使うときはスナップショットから復元する必要があります。

  • コストが高くなる場合がある

  • 高性能なプロビジョンドIOPSや使用容量によりコストが増えます。使い方によっては割高になる点に注意が必要です。

  • スケール形態の制約

  • 一つのボリュームは基本的に一台のインスタンスに接続して使う設計です。複数インスタンスで同時に共有する分散ストレージ用途には向きません。

  • バックアップ・操作の影響

  • 大きなスナップショットやボリューム変更は一時的に性能へ影響することがあります。運用時は時間帯や手順に配慮してください。

EBSの操作・管理方法

コンソールでの基本操作

AWSマネジメントコンソールでは、ボリュームの作成・アタッチ・デタッチ・削除を直感的に操作できます。例としてボリュームを増設する場合は、対象のインスタンスを選び「ボリュームの作成」からサイズやタイプを指定して作成、続けて「アタッチ」で接続します。容量変更はボリュームを選んで「ボリュームの変更」を実行します。多くの場合、オンラインで容量を拡張できますが、ファイルシステム側での拡張操作が別途必要です(Linuxならresize2fsやxfs_growfsなど)。

スナップショットと復元

スナップショットはオンデマンドで取得できます。コンソールから「スナップショットの作成」を選び説明を付けるだけでバックアップが始まります。復元はスナップショットから新しいボリュームを作成してアタッチするだけです。スナップショットは増分で保存されるため、保存容量を節約できます。

CLI/SDKによる自動化

AWS CLIや各種SDKを使うと定期バックアップや一括操作を自動化できます。例: aws ec2 create-snapshot、aws ec2 create-volume、aws ec2 modify-volume。スクリプトで夜間にスナップショットを取る、古いスナップショットを削除する、といった運用が可能です。

検索・タグ管理

タグを付けると運用が楽になります。プロジェクト名やオーナー、環境(dev/prod)をタグに入れておくと、Resource Explorerやタグ検索で対象のEBSを横断的に見つけ出せます。コスト配分やアクセス管理にも役立ちます。

監視と性能調整

CloudWatchのメトリクス(I/O、レイテンシ、スループット)で状態を監視し、閾値を超えたらアラームを出すと良いです。性能が不足したらボリュームタイプの変更やIOPSの調整で改善します。また、定期的にスナップショットを取り、不要なボリュームは削除してコストを管理してください。

他AWSストレージサービスとの比較

概要

EBSはブロックストレージで、EC2のOSディスクやデータベース用に使います。永続化とスナップショットが特徴で、低遅延のランダムアクセスを必要とする用途に向きます。

EFS(ファイルストレージ)

EFSはPOSIX準拠の共有ファイルシステムです。複数のEC2から同時にマウントでき、ウェブサーバーのコンテンツ共有やユーザーディレクトリの共有に便利です。ファイル単位でのアクセスを想定してください。

S3(オブジェクトストレージ)

S3はオブジェクト単位で保存します。容量は事実上無制限で、バックアップ、ログ保存、静的ウェブホスティングやデータレイクに適します。ファイルシステムのような直接マウントは想定されていません。

FSx(マネージドファイルシステム)

FSxはWindows(SMB)や高性能ファイルシステム(Lustre)などをマネージドで提供します。Windowsのファイル共有や、高スループットが必要な解析処理に向きます。

選び方のポイント

  • 単一のEC2で高速なブロックI/Oが必要:EBS
  • 複数サーバーで共有POSIXファイルが必要:EFS
  • 大容量オブジェクト保存や公開配布:S3
  • Windows共有やハイパフォーマンス:FSx

用途、性能、コストを比較して最適なサービスを選んでください。

ベストプラクティス・運用上の注意点

はじめに

EBSを安定かつ低コストで運用するための実践的な注意点をまとめます。日常運用で確認する項目を中心に説明します。

スナップショット(バックアップ)

  • 定期的にスナップショットを取得してください。差分方式のため頻度を上げても効率的です。例: 重要データは毎日、ログ等は週次。
  • スナップショットはライフサイクルを決め自動削除を設定すると管理が楽です(Data Lifecycle Managerの活用)。
  • 一貫性が必要な場合は、ファイルシステムのフラッシュやアプリケーションの一時停止を行ってから取得します。

タグ付けと命名規則

  • プロジェクト名、環境(dev/prod)、所有者をタグで付けます。検索と請求分解に役立ちます。

ボリューム選定とパフォーマンス

  • IOPSやスループット要件に合わせてgp3/io2/st1等を選びます。読み書きが多いDBは高IOPSのio2を検討してください。

モニタリングとアラート

  • CloudWatchでレイテンシ、スループット、BurstBalanceを監視し、閾値超過で通知を設定します。

セキュリティ

  • 暗号化を有効にし、スナップショットの共有は最小限にします。IAMで操作権限を絞ってください。

コスト最適化と廃止

  • 不要な未使用ボリュームは削除し、古いスナップショットはライフサイクルで整理します。ボリュームサイズは適正化してください。

運用上の注意点

  • 定期的にリストア検証を行い、復旧手順をドキュメント化します。変更時は影響範囲を確認してから実施してください。
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