はじめに
目的
本ドキュメントは、2025年時点でAWS(Amazon Web Services)が提供するサービスの全体像をわかりやすく伝えることを目的としています。AWSは335のサービスを分類しており、本書はその一覧と主要機能を簡潔に紹介します。
対象読者
クラウド導入を検討中の企業担当者、開発者、運用担当者、そして学び始めた方まで幅広く役立つ内容です。専門用語は最小限にし、具体例で補足しています。
本書の構成と使い方
全13章で、サービスの規模や主要カテゴリー、コンピューティング、ストレージ、データベース、分析、機械学習、ネットワーク、セキュリティ、管理、アプリ統合、IoTなどを順に解説します。各章は代表的なサービス名と短い説明、利用シーンの具体例を示します(例:EC2=仮想サーバ、S3=オブジェクトストレージ、Lambda=サーバーレス関数)。
注意点
本書はサービスの概要紹介が目的です。詳細な設定手順や料金の詳細は公式ドキュメントをご確認ください。
AWSサービスの規模と全体像
概要
AWS(Amazon Web Services)は現在、約335のサービスを提供しています。これらはクラウドで必要となる機能を広くカバーし、企業や個人がインフラ、データ、分析、AI、ネットワークなどを柔軟に利用できるように設計されています。2025年も新機能やアップデートでサービスは継続的に拡張されています。
規模を支える要素
- 地理的な広がり:AWSは世界中にリージョンと可用性ゾーン(データセンター群)を持ち、サービスは多くの場所で利用できます。これにより、遅延を減らし冗長性を高めます。
- サービスの多様性:コンピューティング、ストレージ、データベース、分析、機械学習、ネットワーキングなど、多彩な分野を網羅します。
- マネージドサービス中心:運用負荷を軽くするマネージド型サービスが多く、初めてでも利用しやすくなっています。
カテゴリ化の利点
サービスは用途別に分類されているため、目的に合わせて選びやすいです。例えば、ファイル保存ならストレージ、リアルタイム処理ならコンピューティング系という具合に分かれます。カテゴリで探すと学習や設計が効率的です。
拡張と更新の特徴
AWSはユーザーのニーズに合わせて機能を頻繁に追加します。新機能は既存のサービスに統合されることが多く、進化のスピードが速い点が特徴です。
はじめの一歩
まずは利用したい目的を決め、該当カテゴリの主要サービスを1つずつ試すとよいです。無料枠や公式ドキュメント、チュートリアルを利用すると学習が効率的です。
主要なサービスカテゴリー
AWSのサービスは用途別にカテゴリに分かれます。ここでは各カテゴリの役割と、身近な具体例をやさしく説明します。
コンピューティング関連
サーバーや処理を提供するサービスです。例:Webアプリを動かす仮想サーバーや、短時間で処理を行うサーバーレス実行環境。
ストレージとデータベース
データを保存・管理するためのサービスです。例:画像やファイルを置くオブジェクトストレージ、検索や集計に使うデータベース。
分析とビッグデータ
大量データを集めて解析するためのサービスです。例:ログを集めて傾向を可視化したり、データを集計してレポートを作成します。
機械学習とAI
予測や画像認識などを行うサービス群です。例:学習済みモデルを使ってテキスト分類や顔認識を行います。
ネットワーキングとコンテンツ配信
通信や配信のしくみを支えるサービスです。例:Webサイトの表示を高速化するCDNや、安全な接続を作るネットワーク設定。
セキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンス
アクセス管理や監査を助けるサービスです。例:誰が何をしたかを記録したり、利用者ごとの権限を設定します。
管理とガバナンス
複数のサービスをまとめて運用するための仕組みです。例:利用状況の可視化やコスト管理、設定の自動化。
アプリケーション統合
サービス間で情報をやり取りするための仕組みです。例:メッセージキューやイベント連携でシステムをつなぎます。
IoT関連
センサーなどの機器をクラウドとつなぐサービスです。例:現場の温度データを取り込んで可視化します。
その他のサービス
開発支援やデベロッパーツール、業務向けの専用サービスなど多岐に渡ります。必要に応じて使い分けます。
コンピューティング関連サービス
概要
コンピューティング関連サービスは、アプリケーションの実行基盤を提供します。ここでは利用シーンごとに代表的なサービスを紹介し、選び方のポイントを分かりやすく説明します。
AWS Lambda(サーバーレス)
Lambdaはサーバー管理不要でコードを短時間実行できます。たとえばS3に画像がアップロードされたときに自動でリサイズする処理に向きます。短い処理やイベント駆動型のワークロードに適し、使用した分だけ料金がかかるためコスト効率が高いです。
AWS App Runner(フルマネージドなウェブアプリ)
App Runnerはコンテナ化したウェブアプリを簡単に公開できます。開発者はソースやコンテナイメージを渡すだけで、本番環境でのスケールや運用を自動化します。中〜大規模のウェブサービスを素早く立ち上げたい時に便利です。
AWS Batch(バッチ処理)
Batchは大量のバッチジョブを効率よく実行します。夜間に大量のデータ集計や変換を行う場合に向きます。ジョブの依存関係や並列実行を管理でき、必要に応じてリソースを自動で割り当てます。
Amazon EC2(仮想サーバー)
EC2は自由度の高い仮想サーバーを提供します。レガシーアプリや特定のカスタマイズが必要なソフトウェアを動かす際に適します。インスタンスタイプを選んでCPUやメモリを細かく調整できます。
選び方の目安
- 短いイベント処理:Lambda
- コンテナ化されたウェブアプリ:App Runner
- 大量のバッチ作業:Batch
- 高い自由度が必要:EC2
用途に合わせて使い分けると効率的に運用できます。
ストレージとデータベースサービス
この章では、AWSが提供する主要なストレージとデータベースサービスをやさしく説明します。用途や性能、可用性の違いを具体例で示し、どの場面で選ぶべきかを分かりやすく解説します。
Amazon S3(オブジェクトストレージ)
Amazon S3はファイルや画像、バックアップなどを扱う汎用的なオブジェクトストレージです。耐久性が高く、静的ウェブサイトのホスティングやログ保存に向きます。たとえば、ウェブサイトの画像や動画を置くと配信が安定します。バージョニングや暗号化、ライフサイクル管理でコスト最適化できます。
Amazon S3 Express One Zone
Express One ZoneはS3の中で最速をうたうオプションで、単一のアベイラビリティゾーンにデータを置きます。読み書きのレイテンシーを極力下げたい動画処理や一時的キャッシュに適します。ただし、単一ゾーン配置のため耐障害性は通常のS3より低く、重要データの長期保存には注意が必要です。
Amazon RDS(リレーショナルデータベース)
RDSはMySQLやPostgreSQL、Oracle、SQL ServerなどのリレーショナルDBを管理された形で提供します。自動バックアップ、パッチ適用、スケールの簡素化が特徴です。ECサイトや会員管理など、整ったスキーマで関係性のあるデータ管理に向いています。高可用性が必要ならマルチAZ構成を選べます。
Amazon Timestream(時系列データベース)
Timestreamは時系列データに特化したフルマネージドDBです。センサーや監視データのように時間軸で増える情報を効率的に保存・集計できます。自動でホットとコールドを分け、コストとクエリ性能を両立します。IoTデータやメトリクス集計に便利です。
Amazon Keyspaces(Cassandra互換)
KeyspacesはApache Cassandraと互換性のあるマネージドデータベースです。広いスケールで大量の書き込みや読み出しをさばく用途に向きます。既にCassandraのクライアントや設計を使っている場合、そのまま移行しやすい点がメリットです。
選び方のポイント
- ファイルや静的コンテンツならS3
- 低レイテンシで単一ゾーン許容ならExpress One Zone
- 関係性の強いデータやトランザクション性が必要ならRDS
- 時系列データはTimestream
- Cassandra互換で高スループットならKeyspaces
いずれも暗号化やアクセス制御、バックアップ機能があり、用途に合わせて組み合わせると効果的です。
分析とビッグデータサービス
概要
AWSは大量データの収集・処理・分析を簡単にするサービスを揃えています。リアルタイムで流れるデータを扱うものや、大規模な履歴データを高速に分析するものなど、用途に応じて選べます。
Amazon Kinesis
Kinesisはセンサーやアプリから送られるデータをリアルタイムで受け取り、処理します。例として、IoT機器の温度データを即座に集めてアラートを出す、といった使い方が可能です。ストリーム処理のためのライブラリや、保存用の仕組みも提供します。
Amazon Kinesis Video Streams
動画ストリームを取り込み、保存や再生、解析に使えます。防犯カメラ映像をクラウドで保存して、後で顔認識や動体検知に回すといった用途に向きます。
Amazon Redshift
Redshiftは大量のテーブルを高速に問合せできるデータウェアハウスです。複数のデータソースをまとめて分析レポートを作る際に便利です。分散処理で大きなデータセットも短時間で処理します。
Amazon QuickSight
QuickSightはグラフやダッシュボードを手軽に作れるBIツールです。RedshiftやS3などにあるデータに接続して、視覚的に分析結果を共有できます。
Amazon OpenSearch Service
ログやテキスト検索向けのサービスです。アプリのログを集めて検索や可視化を行い、問題の早期発見に役立ちます。
機械学習とAIサービス
本章では、AWSが提供する機械学習(ML)とAI関連サービスをわかりやすく説明します。各サービスの役割と、日常的な利用例を中心に紹介します。
Amazon SageMaker
モデルの構築・学習・本番化を一元で行えるサービスです。ノートブックでデータを準備し、学習を自動化してAPIとして公開できます。例:取引データで不正検知モデルを作り、リアルタイム判定APIを提供する。
Amazon Bedrock
事前学習された大規模モデル(基礎モデル)を使いやすくしたサービスです。独自のデータで調整して、文章生成や要約などに利用できます。例:商品説明文の自動生成。
Amazon Rekognition
画像や動画の解析を行います。顔や物体認識、コンテンツのモデレーションが可能です。例:防犯カメラの映像から異常を検出する。
Amazon Textract
スキャンした書類から文字や表形式の情報を自動抽出します。例:請求書から金額や日付を取り出して会計処理を自動化する。
Amazon Transcribe
音声を自動でテキスト化します。会議録音やコールセンターの記録作成に便利です。例:会議録を文字起こしして検索可能にする。
Amazon Polly
テキストを自然な音声に変換します。多様な声や言語に対応しており、音声案内や読み上げで使えます。例:ナビや自動応答の音声出力。
Amazon Lex
音声・テキストのチャットボットを簡単に作れます。対話の意図を理解して応答を返します。例:注文受付の自動応答システム。
Amazon Kendra
機械学習を使ったエンタープライズ検索です。社内ドキュメントやナレッジから正しい答えを探します。例:社員が就業規則をすばやく検索する。
Amazon Personalize
個々の利用者に合わせたレコメンデーションをリアルタイムで提供します。例:ECサイトでの個別商品の推薦。
Amazon Forecast
売上や需要など時系列データの予測を行います。複雑な前処理を自動で行い、精度の高い予測を生成します。例:在庫発注の最適化。
Amazon Fraud Detector
不正取引や不正登録を自動で検知するサービスです。自分のデータでモデルを学習させて運用できます。例:決済時の詐欺リスク判定。
各サービスは単独でも連携しても使えます。用途に合わせて組み合わせることで、実務の自動化や効率化が進みます。
ネットワーキングとコンテンツ配信サービス
概要
ネットワークと配信は、アプリやデータを速く確実に届けるために重要です。本章では代表的なサービスと使いどころをやさしく説明します。
Amazon CloudFront
世界中のエッジロケーションから静的ファイルや動画、APIレスポンスを低遅延で配信するCDNです。配信元の負荷を減らし、ユーザー体験を改善します。たとえば動画配信や画像の高速配信に向きます。
Amazon Route 53
スケーラブルなDNSサービスです。ドメイン名の名前解決を行い、ヘルスチェックや地理的ルーティングで可用性と応答速度を向上させます。サイトの障害時に自動で別の正常なエンドポイントに切替えられます。
AWS Direct Connect
専用線でAWSに接続するサービスです。大容量のデータ転送や安定した通信が必要な場合に使います。オンプレミス環境とクラウド間のバックアップや大量同期に適します。
AWS Global Accelerator
グローバルなネットワークを通じてアプリの可用性とパフォーマンスを改善します。固定のAnycast IPを提供し、ユーザーに最適なエッジに自動で誘導します。多地域展開のリアルタイムアプリに便利です。
AWS Transit Gateway
複数のVPCやアカウントを中央で接続するハブです。個別のピアリングを減らし、ネットワーク設計を簡素化します。大規模な環境で特に有効です。
利用時のポイント
・用途に応じてCDNとDNSを組み合わせると効果的です。
・コストと監視(ログやヘルスチェック)を忘れずに設定してください。
・ネットワーク経路やアクセス制御はシンプルに保つと運用が楽になります。
セキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンスサービス
概要
AWSのセキュリティ関連サービスは、操作履歴の記録、設定の監視、脅威検出、アクセス管理、機密データ保護などをカバーします。それぞれ役割が分かれているので、目的に応じて組み合わせて使います。
AWS CloudTrail
APIやコンソール操作を記録します。誰が、いつ、どのリソースで何をしたかを追跡でき、不正操作の調査や監査に役立ちます。例:誤って削除されたリソースの操作履歴確認。
AWS Config
リソースの設定を継続的に評価・記録します。設定変更の履歴を保存し、ルール違反を検出します。例:セキュリティグループの不適切な開放を検知。
Amazon Security Lake
複数のセキュリティログを自動で集約し、一元管理します。ログの検索や長期保管を簡単にします。
AWS Firewall Manager
複数アカウントに渡るファイアウォールルールやWAFルールを一括で管理します。ポリシーを一度設定すれば適用されます。
Amazon Cognito
アプリ向けの認証・ユーザ管理サービスです。ソーシャルログインやユーザプールにより、ログイン機能を簡単に追加できます。
Amazon GuardDuty
脅威を検出するサービスです。異常なAPI呼び出しや不審なネットワーク挙動を自動で分析してアラートを出します。
Amazon Inspector
EC2やコンテナの脆弱性とベストプラクティス違反をスキャンします。修正優先度の高い項目を示すので対応がしやすくなります。
Amazon Macie
機密データ(例:個人情報)の検出と保護を支援します。S3内のデータを自動で分類してリスクを可視化します。
Amazon Detective
セキュリティイベントの原因追及を支援する分析ツールです。ログや検出結果を関連付けて可視化し、なぜ問題が起きたかを調べます。
管理とガバナンスサービス
概要
管理とガバナンスサービスは、運用の可視化、コスト管理、準拠性の維持を助けます。日々の監視や自動化で手間を減らし、リスクを早期に発見できます。
AWS Trusted Advisor
コスト削減やセキュリティ向上の提案を自動で行います。例:未使用のリソースを見つけて停止を提案したり、セキュリティ設定の不備を指摘します。
AWS Budgets
予算を設定して超過時に通知します。月ごとの使用量やコストに閾値を設け、メールやSNSで知らせることで支出を管理できます。
Amazon CloudWatch(アラーム・Events・Synthetics)
CloudWatch Alarmsはメトリクスに基づき自動で通知やスケーリングを行います。CloudWatch Events(EventBridge)はリソースの変更やスケジュールをトリガーに自動処理を起動します。CloudWatch Syntheticsは外部からWebサイトを定期的に模擬チェックし、画面表示やAPI応答を監視します。
監査と構成管理
AWS Configはリソースの設定履歴を保存し、設定変更の追跡に使えます。AWS CloudTrailはAPI操作を記録し、誰がいつ何をしたかを証跡として残します。
運用の自動化と組織管理
AWS Systems Managerはパッチ適用やコマンド実行を一元管理します。AWS OrganizationsやControl Towerは複数アカウントのポリシー統制やガバナンスを簡素化します。
各サービスを組み合わせることで、運用の信頼性とコスト効率を高められます。
アプリケーション統合サービス
クラウドのアプリケーション統合サービスは、異なるシステム間でデータやイベントをつなぎ、処理を自動化します。ここでは代表的なサービスを分かりやすく説明します。
Amazon AppFlow
SaaS(例:Salesforce、Google Sheets、Slack)とAWS(例:S3、Redshift)を簡単にデータ連携できます。コードを書かずに定期的にデータを転送したり、条件でフィルタして同期したりできます。たとえば、毎晩マーケティングリストを自動でS3に保存する、といった使い方です。
Amazon EventBridge
イベントを中心にシステムをつなぐサービスです。外部サービスやAWS内のサービスが出す“出来事”を受け取り、他のサービスへ渡して処理を起動します。たとえば、決済サービスの成功イベントで在庫更新処理を自動で呼び出す、といった用途に向きます。
Amazon Managed Workflows for Apache Airflow (MWAA)
ワークフロー(処理の流れ)を管理して自動化するためのサービスです。ETLや複数ステップのバッチ処理を定期実行したいときに有効です。外部API呼び出しやAWSサービスの連携を順序立てて実行できます。
Amazon MQ
メッセージブローカーを管理してくれるサービスで、ActiveMQやRabbitMQ互換です。サービス間を疎結合にして信頼性高くメッセージを渡せます。既存システムをクラウドに移行する際の“そのまま使える”選択肢です。
どのサービスを使うかは、扱うデータの形(バッチかイベントかメッセージか)や自動化の粒度で決めると分かりやすいです。
IoT関連サービス
概要
AWSのIoT関連サービスは、数多くの端末(センサーや機器)を安全に接続・管理し、収集データを分析して価値ある情報に変えることを目的としています。例えば、多数の温度センサーを稼働監視に使う場合、接続・更新・異常検出まで一連で支援します。
主なサービスとわかりやすい説明
- AWS IoT Core:デバイスとクラウドをつなぐ入口です。メッセージ送受信やデバイスの識別を行います。例:家庭の温度計が測定値を送る。
- AWS IoT Device Management:大量デバイスの登録・分類・遠隔操作を簡単にします。例:数千台のセンサーに一括で設定を配る。
- AWS IoT Device Defender:セキュリティ監視と不正検知を行います。通信の異常や設定ミスを見つけます。
- AWS IoT Analytics:IoTデータを前処理して分析しやすくします。時系列の傾向分析に便利です。
- AWS IoT Greengrass:クラウド処理を端末側で実行できるようにします。ネットワークが弱い現場で有効です。
- AWS IoT SiteWise:工場などの産業機器データを集約し、可視化します。
- 他:LoRaWAN向けの接続、イベント検知サービスなどもあります。
導入時のポイント
- セキュリティを最優先に設定(証明書や認証)。
- エッジ処理が必要かクラウド中心かを判断する。
- デバイスの大量管理やOTA(遠隔更新)運用を計画する。
- データの保存期間や費用を見積もる。
実際の導入では、まず小さな試験運用で接続・監視・更新の流れを確認すると安全です。
その他のサービス
以下では、SES、Pinpoint、App Mesh、App2Container といった補助的なサービスをやさしく解説します。実務でよく使う場面を具体例で示します。
Amazon Simple Email Service(SES)
大規模な送受信メールを扱うサービスです。送信側では登録確認や注文確認などの自動メールを安価に大量配信できます。受信側ではメールを受け取って保存や解析、Lambda での自動処理につなげられます。たとえば、会員登録時の確認メールをSESで送信し、受信した応答をLambdaで処理するといった使い方が一般的です。
Amazon Pinpoint
メール、SMS、プッシュ通知など複数チャネルでマーケティング配信と解析を行えます。ユーザー属性でセグメントを作り、行動に応じたメッセージを送ることが得意です。例として、特定エリアの利用者にのみ割引クーポンをSMSで送る、開封率を見てA/Bテストする、といった運用が可能です。
AWS App Mesh
マイクロサービス間の通信を細かく制御し、可観測性を高めるサービスメッシュです。トラフィックの分割、リトライやタイムアウトの設定、メトリクス収集ができます。たとえば、新バージョンへ段階的にトラフィックを流しつつ問題を監視するような運用に向きます。
AWS App2Container
既存のオンプレや仮想マシン上のJava/.NETアプリをコンテナ化するためのツールです。コードを書き換えずにDocker イメージやECS/EKS用の設定を生成します。たとえばレガシーアプリを短期間でコンテナ化し、クラウド移行をスムーズに開始できます。
これらは特定のニーズを補うサービス群で、他の主要サービスと組み合わせることで運用の幅が広がります。












