はじめに
目的
本ドキュメントは「aws ホスティング」に関する検索意図を整理し、AWSでWebサイトやアプリを公開する際に知っておきたい基本事項を分かりやすくまとめることを目的としています。初心者から実務者まで、構成選びの参考になるよう配慮しています。
対象読者
- 小規模サイトや個人ブログの運営者
- 企業のWeb担当者や開発者
- クラウド移行を検討中のプロジェクトリーダー
具体例を交えて説明するので、技術に自信がない方でも理解しやすい内容です。
本書で扱う内容
本書は全4章構成です。第2章でAWSのホスティングの基本概念を解説し、第3章で代表的なサービスを4つ紹介します。第4章はフロントエンド向けのフルマネージドサービスであるAWS Amplifyに焦点を当てます。各章で利用例や料金の考え方、運用時のポイントを取り上げます。
読み方のヒント
まず第2章で全体像を把握してください。その後、自分のサイトの規模や要件に応じて第3章のサービスを比較すると選びやすくなります。実際の構成例は第4章を中心に参照してください。
AWSのホスティングとは何か
概要
AWSのホスティングとは、Amazon Web Services（AWS）上でWebサイトやWebアプリを公開することを指します。自分のパソコンや会社のサーバーを使わず、AWSが提供するサーバーやストレージを利用してインターネット上に公開します。たとえば、個人ブログやコーポレートサイト、ECサイトなどが対象です。
ホスティングでよく使う機能
- ストレージ：ファイルや画像、バックアップを置く場所です。例：サイトの画像を保存する。
- データ転送：訪問者へページやファイルを届ける仕組みです。高速化や帯域管理に役立ちます。
- メール機能：登録確認や通知メールの送信に使います。
- 自動スケール：アクセスが増えたときに自動で処理能力を増やす機能です。キャンペーン時の急なアクセスにも対応できます。
従来のレンタルサーバーとの違い
従来のレンタルサーバーは物理的な場所や固定のプランに基づきます。AWSは仮想化技術を使い、必要な分だけ資源を動的に割り当てます。これにより初期費用を抑えたり、使った分だけ支払ったりできます。自由度が高く、小さく始めて徐々に拡張しやすい点が特徴です。
ホスティングの形態（簡単な分類）
- 共有ホスティング：複数ユーザーで1台のサーバーを共有します。安価で初心者向けです。
- 専有ホスティング：1社や1人がサーバーを専有します。安定性や制御性が高いです。
- VPSホスティング：仮想的に区切られた環境を使います。専有ほど高価でなく、柔軟性があります。
- クラウドホスティング：AWSのように必要に応じて資源を増減します。柔軟でスケーラブルです。
AWSで使える4つの代表的なホスティングサービス
AWSでWebホスティングを行う際、目的やスキルに応じて使い分けると効率的です。ここでは代表的な4つを分かりやすく紹介します。
Amazon Lightsail
- 何か：VPS（仮想サーバー）を簡単に使えるサービスです。サーバー、ストレージ、ネットワークがパッケージ化されています。
- 向いている用途：個人サイト、ブログ、WordPress、小規模アプリ。
- 特長：定額料金で始めやすく、初期設定が簡単です。スナップショットでバックアップも取りやすいです。
- 注意点：高度なカスタマイズや大規模スケールは手作業が増えます。
AWS Amplify ホスティング
- 何か：フロントエンド向けのフルマネージドホスティングで、Git連携による自動デプロイが可能です。
- 向いている用途：ReactやVueなどのシングルページアプリ（SPA）、静的サイト。
- 特長：CI/CD、無料のSSL、カスタムドメイン設定が簡単です。
- 注意点：サーバーサイド処理は別サービスで用意する必要があります。
Amazon S3（+ CloudFront）
- 何か：S3は静的ファイルの保存先、CloudFrontはそれを高速に配信するCDNです。
- 向いている用途：静的サイト、画像や動画の配信、ダウンロード提供。
- 特長：高耐久でコスト効率が良く、世界中に高速配信できます。
- 注意点：動的処理はできません。動的機能は別途Lambdaやサーバーが必要です。
Amazon EC2
- 何か：フルマネージドではない仮想サーバーで、OSやソフトを自由に設定できます。
- 向いている用途：カスタム構成が必要なWebアプリ、大規模サービス、特定ミドルウェアの利用。
- 特長：柔軟性が高く、必要に応じて性能を細かく設定できます。
- 注意点：運用・保守の手間とコスト管理が必要です。
選ぶポイントは、サイトの性質（静的か動的か）、運用の手間、予算です。目的に合わせて最適なサービスを選んでください。
AWS Amplify ホスティング：静的・フロントエンド向けのフルマネージドサービス
概要
AWS Amplify ホスティングは、静的サイトやフロントエンドWebアプリを簡単に公開できるフルマネージドサービスです。Gitリポジトリと連携して継続的デプロイ（CI/CD）を自動で行い、CDNを標準で利用して高速に配信します。SSLは自動で発行・更新され、カスタムドメインも簡単に設定できます。
主な特徴
- Git連携による自動ビルド＆デプロイ：例）GitHubのmainにpushすると自動で公開されます。
- CDN配信：世界中のエッジから静的ファイルを配信し表示を高速化します。
- 自動SSL：証明書を自動発行してHTTPS対応します。
- リダイレクト／カスタムヘッダー：SPA向けのルーティング設定やキャッシュ制御が可能です。
2024年のS3統合
2024年にAmplifyとS3静的ウェブホスティングの統合が発表され、既存のS3バケットのコンテンツをAmplify経由で簡単にデプロイできるようになりました。S3にアップロードしたファイルをAmplifyで配信・管理するフローが取りやすくなります。
料金のポイント
料金はAmplifyホスティングの利用料金と、S3のストレージ・転送にかかる費用の組み合わせです。小規模な静的サイトなら低コストで始められますが、トラフィック増加時は転送量で費用が増えます。
導入手順（簡単3ステップ）
- Gitリポジトリを接続する、またはS3バケットを統合する。
- ビルド設定（ビルドコマンド、公開ディレクトリ）を登録する。
- カスタムドメインとSSLを設定して公開する。
運用のポイントと注意点
- ブランチごとのデプロイでステージング運用を分けると安全です。
- SPAはルーティング用のリダイレクト設定を忘れないでください。
- キャッシュ制御ヘッダーを適切に設定し、必要に応じてキャッシュ無効化を行ってください。
- 大量の転送や動画配信などではコストが上がるため用途に合わせた設計が重要です。
Amplifyホスティングは、フロントエンド中心の開発で素早く公開したい場合に特に向いています。導入は分かりやすく、運用も比較的シンプルです。
