はじめに
ブログの記事をどう書けばいいかわからない、記事がうまくまとまらない……という疑問をお持ちではありませんか? 本記事では、AWSのネットワーク構成図について基礎からわかりやすく解説します。実務で使う図の考え方や、オンプレミスとの接続イメージ、作成に役立つツールや注意点まで順を追って学べます。
対象読者
- AWSの利用を始めたばかりの方
- ネットワークの全体像を図で整理したい方
- 構成図作成を任されるエンジニアや担当者
この記事で学べること
- ネットワーク構成図の目的とメリット(例:運用や共有が簡単になる)
- VPCやサブネット、ゲートウェイの役割をやさしく理解する方法(専門用語は最小限)
- オンプレミスとAWSをつなぐときのイメージ図の作り方
- 図を作る際の実務的なポイントとおすすめツール
読み方の目安
第2章で構成図の全体像を掴み、第3章で主要要素の役割を確認します。第4章は具体的な接続パターンの例、第5章は図の作り方とツール紹介、第6章で注意点を押さえます。第7章で振り返りを行ってください。
まずは、第2章でネットワーク構成図とは何かを一緒に見ていきましょう。
AWSネットワーク構成図とは
概要
AWSネットワーク構成図は、AWSクラウド上のネットワーク設計や要素の配置、通信経路を視覚化した図です。図を作ることでシステム全体が見え、セキュリティや拡張性、障害対策を検討しやすくなります。
主な目的
- 設計の共有:チーム間で構成を正確に伝えます。
- 運用支援:障害時の切り分けや変更作業を助けます。
- セキュリティ確認:アクセス経路や境界を明確にします。
図に含める要素(例)
VPC、サブネット、ルート、インターネットゲートウェイ、NAT、セキュリティグループ、ネットワークACL、VPN/Direct Connect、ロードバランサ、主要インスタンスやDB。
レベルの違い
- 高レベル:サービス間の接続や境界を示す簡潔図。経営層や要件定義向け。
- 詳細レベル:サブネットやルート、ポート開放などを含む運用向け図。
利用シーンと注意点
設計段階、移行計画、セキュリティレビュー、運用手順書作成で役立ちます。図は最新状態に保ち、重要な設計選択は注記してください。
AWSネットワーク構成の主な要素と役割
この章では、AWSネットワーク構成でよく使う主要な要素と、それぞれの役割を分かりやすく説明します。具体例を交えて紹介します。
VPC(Virtual Private Cloud)
AWSアカウントごとの仮想ネットワークです。IPアドレス範囲(CIDR)を決めてネットワーク全体を設計します。例:社内専用のネットワーク空間をクラウド上に作る場合に使います。
サブネット(Subnet)
VPCを小さく分けた単位です。パブリックサブネットはインターネットと通信でき、プライベートサブネットは外部から直接アクセスできません。例:Webサーバーはパブリック、DBはプライベートに配置します。
インターネットゲートウェイ(IGW)
VPCをインターネットにつなぐ装置です。パブリックサブネットのインスタンスが外部からの通信を受けるために必要です。
NATゲートウェイ
プライベートサブネット内のインスタンスがインターネットに出るための通路です。例:パッチやライブラリをダウンロードする際に利用します。
セキュリティグループ/ネットワークACL
通信制御のためのフィルターです。セキュリティグループはインスタンス単位で状態を持つ(ステートフル)ルール、ネットワークACLはサブネット単位で状態を持たない(ステートレス)ルールです。例:SSHは管理者のIPだけ許可する設定など。
Direct Connect(DX)
オンプレミスとAWSを専用線で直結するサービスです。大容量データ転送や低遅延が必要な場合に使います。
Route53
AWSのDNSサービスです。ドメイン名の解決、トラフィックルーティング、ヘルスチェックが行えます。例:障害時に別リージョンへ流す設定。
NLB/ALB(ロードバランサ)
トラフィックを複数のインスタンスに分散して可用性を高めます。ALBはHTTP/HTTPSの振り分けやパスベースルーティングに適し、NLBは低遅延で大量接続のTCP向けです。
オンプレミスとAWSのネットワーク接続構成図のサンプル
概要
オンプレミスとAWSを接続する代表的な構成を、図にしやすい形で説明します。接続は主にDirect Connect(専用線)かVPN(インターネット経由)で行います。
接続パターン例
- Direct Connect(DX): 高速で安定した専用線。大容量通信やレイテンシを抑えたい場合に使います。例: 本社データセンター → DX → VPC
- VPN: 暗号化されたトンネルをインターネット上に作ります。短期間やコスト重視で使います。
サンプル構成(具体例)
- VPC: 10.0.0.0/16
- パブリックサブネット(AZごとに /24): ALB、NAT Gateway、踏み台(Bastion)
- プライベートサブネット(AZごとに /24): EC2アプリ、コンテナ
- DBサブネット(専用 /24): RDS(外部から直接アクセス不可)
- Route53: DNS解決を行い、ALBへ振り分け
- ネットワーク接続: オンプレミス → DX/VPN → 仮想ゲートウェイ/Transit Gateway → VPC
フローの説明
- ユーザーはRoute53で名前解決し、ALBに到達します。ALBはパブリックサブネットに配置します。
- ALBが受けたリクエストをプライベートサブネットのEC2に転送します。
- EC2からインターネットアクセスが必要な場合はNAT Gateway経由で外部へ出ます。
- 管理用アクセスは踏み台経由で行い、RDSは外部から直接アクセスしません。
注意点
- サブネット分割で公開/非公開を明確にすることでセキュリティを保ちます。
- ルートテーブルとセキュリティグループは役割ごとに整理してください。
AWSネットワーク構成図の作成方法とおすすめツール
はじめに
この章では、構成図の作り方を手順に沿って分かりやすく説明します。また、初心者でも使いやすいおすすめツールも紹介します。
作成手順(6ステップ)
- 目的を決める:誰が何のために使うかを明確にします。運用向けか設計向けかで詳細度が変わります。
- 情報を集める:VPC、サブネット、ルート、接続先など主要要素をリスト化します。
- レイアウトを決める:左から右に流れる形やレイヤーごとに分けると見やすくなります。
- アイコンと色を使う:公式アイコンや色で役割を区別します。通信は矢印で示します。
- ラベルと注釈を付ける:IPレンジ、ポート、セキュリティ設定の要点を短く記載します。
- レビューと版管理:関係者に確認して、更新履歴を残します。
おすすめツール
- Draw.io(diagrams.net):無料でAWS公式アイコンを利用できます。VSCode拡張で直接編集できます。
- Cacoo:テンプレートが豊富で共同編集しやすく、初心者にも扱いやすいです。
- Lucidchart:操作性が高く多機能ですが有料プランが中心です。
- AWS公式ツール/アイコン:公式アイコンセットやAWS Perspectiveと組み合わせると正確な図が作れます。
実践のコツ
アイコンは統一し、通信の向きや重要な設定は色や太線で強調してください。PNGやPDFでエクスポートして共有し、常に最新版を保つ習慣をつけると管理が楽になります。
構成図作成のポイントと注意事項
はじめに
構成図は設計や運用で使う共通の地図です。見やすく正確に作ることで誤解や作業ミスを減らせます。
1. ラベリングを明確にする
各要素に役割やIPアドレス、サブネットCIDR、通信先を明記してください。たとえば「Webサーバ(10.0.1.10): HTTP(80)/HTTPS(443)」のように書くと、誰が見ても動作が分かります。通信経路は矢印で向きとプロトコルを示します。
2. アイコンと見た目を統一する
公式アイコンやテンプレートを使い、色や線種で意味を統一してください。例:パブリックは薄い青、プライベートは薄い緑、管理系は灰色。統一すると図の把握が早くなります。
3. 表現する範囲と詳細レベル
公開/非公開のサブネット、ルートテーブル、NATやIGW、セキュリティグループの概要は必ず入れてください。一方でポート毎の細かなルールは別図に分けると分かりやすくなります。
4. セキュリティとアクセス経路の表記
セキュリティ設定は抽象化して示します(例:SG: Web-ALB-HTTPのみ許可)。オンプレ接続はVPN/専用線を明記し、暗号化や認証方式も一言添えると安心です。
5. 更新性・保守性を考える
編集しやすいフォーマット(例:図編集ツールのソース)で保存し、バージョン管理を行ってください。変更履歴と担当者を書くルールを決めると混乱を防げます。
注意事項
・機密情報(パスワードや個別の認証キー)は図に載せないでください。
・実機の設定と図を定期的に突合し、差分を早めに修正してください。
・図は関係者とレビューし、運用視点で問題がないか確認してください。
以上を守ると、見やすく実用的な構成図を作れます。
まとめ
AWSネットワーク構成図は、設計・運用・セキュリティ対策・障害対応に欠かせない重要なドキュメントです。本書で紹介した基本要素とその役割を押さえれば、目的に合った分かりやすい構成図を作成できます。
- 重要なポイント
- 対象範囲を明確にする(どのサービスや拠点を含めるか)。
- レイヤごとに整理する(インターネット、VPC、サブネット、EC2、ロードバランサ等)。
-
セキュリティを可視化する(FWやACL、ルート、認証の位置)。
-
実務で使えるチェックリスト
- 目的と利用者を定義する。
- 必要なコンポーネントを洗い出す。
- ネットワーク経路とアクセス制御を明示する。
- 名前やIP帯域を記載して一意にする。
-
定期的に見直し、更新履歴を残す。
-
次の一手
- draw.ioやCacooなどテンプレートを活用して素早く作成してください。チームで共有し、運用ルールを決めると管理が楽になります。これらを実践すれば、運用負荷を減らし、障害対応がより迅速に行えるようになります。