はじめに
このガイドの目的
この文書は、ジュエリーについて体系的に学びたい人向けに作りました。基礎知識、制作技術、歴史や文化、検定対策まで、目的別におすすめの書籍やテキストを紹介します。専門学校で学ぶ内容を自宅で補える参考書リストも含め、独学でも着実に力をつけられる道筋を示します。
誰に向いているか
・これからジュエリーを始める初心者
・趣味で制作を深めたい方
・検定や講座の準備をしたい方
・専門学校で学ぶ前に基礎を固めたい方
具体的な例を交えて分かりやすく案内しますので、専門用語に不安がある方でも安心して読めます。
本ガイドの使い方
章ごとに目的別の書籍を並べています。まず第2章で専門学校レベルの参考書を確認し、第3章で制作・彫金の入門書を手に取って実際に作ってみてください。第4章は歴史と文化の理解に、第5章は総合的な基礎固めに使えます。読書と実習を交互に行うと理解が深まります。
本シリーズの構成
全5章で構成しています。第2章は「日本宝飾クラフト学院」の参考書リスト、第3章は制作・彫金入門、第4章はジュエリーの歴史や文化、第5章は総合入門書の紹介です。目的や学習レベルに応じて章を選んで進めてください。
専門学校レベルの内容を自宅で学べる「日本宝飾クラフト学院」の参考書リスト
概要
日本宝飾クラフト学院が公開する参考書リストは、学院で使われる教科書や理事長・講師の著作を中心にまとめられています。独学でも専門学校と同等の学びを得られるよう、制作技術、宝石学、文化史、検定対策など幅広くそろっています。
参考書リスト(分野別・使い分けの目安)
- ジュエリー制作入門:工具の使い方から基本工程まで写真や図で丁寧に解説。初心者がまず手に取る一冊です。
- 彫金・彫り留めの専門技法:細かな手作業や刃物の扱い方、仕上げのコツを実例で示します。実習前に読むと理解が深まります。
- ワックスモデリング:原型作りや鋳造の流れを解説。造形感覚を養いたい方に向きます。
- 宝飾文化史・装身具史:歴史的背景やデザインの変遷を学べます。創作の着想源になります。
- 宝石図鑑・価値判断:主要宝石の特徴や鑑別の基本、価値づけの考え方を学べます。
- ジュエリーコーディネーター検定用テキスト:検定合格を目指す人の必読書です。
使い方と学習プランの例
- 初心者は制作入門→彫金基礎→ワックスの順で学ぶと基礎が固まります。
- 理論は並行して宝石図鑑や文化史を読むと理解が深まります。
- 検定を目標にする場合は、最後に検定テキストで総復習してください。
学びのコツ
- 実際に手を動かす時間を必ず確保してください。読んだ知識は作業で定着します。
- 図や写真をよく見ることで手順をイメージしやすくなります。
- わからない用語は省略せず確認すると学習効率が上がります。
購入・入手方法
学院の公式サイトや書店、専門ショップで入手できます。古い版でも基礎は役立つので、手頃なものから始めてください。
作るところから学びたい人向け:ジュエリー制作・彫金の入門書
はじめに
ジュエリーを“作る”ことから学びたい方へ。ここでは実技中心の入門書を用途別に紹介します。写真や工程図が豊富な本を選ぶと、独学でも進めやすいです。
オリジナルジュエリー入門(新装カラー版)
デザイン画からロストワックス、貴金属加工まで一連の流れをやさしく解説しています。例として簡単なペンダントやリングの制作工程が載っているため、最初の一作に向きます。写真が多く、道具の使い方も具体的です。
彫金と宝石の彫り留め技法
タガネを使った彫り留めの専門書です。基礎を習得した後、仕上げや石の留め方を深めたい人に適しています。練習方法や失敗の直し方、実例の写真も豊富でスキルアップに役立ちます。
ワックスモデリングの基本/ワックスモデリングの実際
ロストワックス製法の造形技法を段階的に学べます。基本編で道具と形作りを学び、実際編で複雑な形や中空構造の作り方に進みます。最初は柔らかいワックスで小さなペンダントを作ると良い練習になります。
学び方のポイント
- まずは道具に慣れるため、真鍮や安価な素材で試作してください。
- 写真や工程を真似して、小さな作品を完成させることを目標にします。
- 安全面では換気と目の保護を忘れずに。
ジュエリーの歴史や文化を学べる本
『日本の宝飾文化史』
この本は日本の宝飾・装身具の変遷を体系的に追えます。時代ごとの様式や材料、職人の技法まで幅広く扱い、学術的な裏付けがあるため信頼できます。学ぶポイントは「時代背景」と「素材の変化」です。例えば、江戸時代の金工や明治期の洋風化が作品にどう影響したかを意識して読むと理解が深まります。
『日本の宝飾装身具(ジュエリー)広告史』
広告を史料にしたユニークな一冊です。広告図版を通じて流行や消費者の価値観、ブランド戦略の変化が見えてきます。写真やコピーを実際に比べながら読むと、当時の美意識や価格帯の違いがわかりやすくなります。
『すぐわかる日本の装身具』
アイテム別・時代別に整理された入門書です。かんざし、帯留め、指輪などを写真と解説で手早く学べます。初心者が全体像をつかむのに向いています。
読み方と活用法
写真や年表を先に眺めてから本文を読むと理解が速くなります。気になった作品はメモして、博物館や展示で実物を確認すると知識がつながります。複数の視点で比較すると、歴史と文化の立体的な理解が進みます。
ジュエリー全般の基礎知識を広く学べる“総合入門書”
本書の概要
『ジュエリーコーディネーター検定3級 公式テキスト』は、日本ジュエリー協会が発行する検定向けの公式テキストです。歴史、産業、宝石、貴金属、デザイン、技術、商品知識、販売知識、コーディネートといった基礎分野を幅広く網羅しています。入門者が全体像をつかむのに適した一冊です。
本書の特徴
- 用語を丁寧に説明し、図や写真で理解を補助します。具体例として宝石の種類や金属の見分け方を写真で示します。
- 検定対策として重要ポイントが整理されており、学習の目安がつきます。
おすすめの使い方
- まず通読して全体像をつかみます。2回目は興味ある章に付箋を付け、写真や表をじっくり確認します。実物に触れられる場合は、書籍の写真と比べて観察してみてください。
こんな人に向くか
- ジュエリーの基礎を幅広く学びたい方
- 検定受験を目指す初心者
- 販売や接客の知識を体系的に身につけたい方
学習の進め方と実践例
- 週に1章ずつ読み、用語ノートを作ると定着します。実践としては、友人にジュエリーの特徴を説明してみると理解が深まります。












