はじめに
この章では、本記事の目的と対象読者、全体の構成をやさしく説明します。対象は、サーチコンソール(Google Search Console)で「所有権の確認」を初めて行う方向けです。主に知りたいのは「どの方法を選べばよいか」「具体的な手順」「エラーが出たときの対処」「次にやるべきこと」です。
なぜ所有権確認が必要か
– サイトの検索データを見たり、Sitemapを送信したり、URLの問題を修正するために必須です。例:検索パフォーマンスの確認やサイトマップ送信。
この記事で学べること(章の流れ)
– 所有権確認の意味と選び方(ドメインとURLプレフィックス)
– 全体の確認フロー(ステップをマップ化)
– DNSレコードでの確認方法(ドメイン向け)
– HTMLファイルを使った確認方法(URLプレフィックス向け)
初心者でも順を追って進められるよう、具体例と画面イメージを想定した説明を心がけます。疑問があれば、あとで章ごとに戻って確認してください。
サーチコンソールの「所有権の確認」とは?
概要
サーチコンソールの所有権の確認とは、Googleに対して「このサイトの管理者は私です」と証明する手続きです。サーチコンソールは検索状況やサイトの問題点など機密性の高い情報を扱うため、確認が必須です。所有権が確認されると、そのサイトのデータを閲覧・管理する権限が与えられます。
なぜ必要か
誰でも情報を見られないようにするためです。所有権が無いとサイトごとの詳細レポートや検出された問題の通知を受け取れません。Web運営や改善作業の出発点と考えてください。
確認で何ができるか
・検索パフォーマンスの確認や検索キーワードの分析
・インデックス状況やクロールエラーの把握
・サイトマップ送信やURLの削除要求などの管理操作
これらはサイトの改善に直接役立ちます。
よくある確認方法(概要)
代表的な方法は次の4つです。実作業は後の章で詳しく説明します。
・DNSレコード(ドメイン単位)
・HTMLファイルのアップロード
・HTMLのメタタグ挿入
・Googleアナリティクス/タグマネージャーの所有確認
注意点
確認作業は正確に行う必要があります。所有権が取り消されるとデータへのアクセスが失われるため、管理権限のある人が手順を行ってください。
プロパティタイプの選び方|ドメイン vs URLプレフィックス
違いを一言で
ドメインプロパティは「ドメイン全体」をまとめて管理できます。URLプレフィックスは「登録したURL配下」だけを対象にします。
主な比較ポイント
- カバー範囲:ドメインは example.com とそのすべてのサブドメイン(www、blog など)や http/https を含みます。URLプレフィックスは https://www.example.com/ のように指定した部分のみです。
- 所有権確認:ドメインはDNSレコードの編集だけで確認します。URLプレフィックスはHTMLタグ設置、ファイルアップロード、Googleアナリティクスやタグマネージャー連携など複数の方法が選べます。
どちらを選ぶべきか(判断基準)
- サイト全体を一元管理したい:ドメインプロパティがおすすめです。複数のサブドメインやプロトコルを個別に登録する手間が省けます。
- 一部だけ管理したい、またはDNSの編集が難しい:URLプレフィックスが向きます。テスト用サブディレクトリや限定公開ページの分析に便利です。
具体例
- 本番サイトと複数のブログを同時に見るならドメイン。ステージング環境や特定のディレクトリだけ確認したいならURLプレフィックスを使ってください。
サーチコンソール所有権確認の全体フロー(12ステップ)
以下は、Googleサーチコンソールで所有権を確認する際の一般的な12ステップの流れです。どの方法を選んでも迷わず進めるよう、各ステップを簡潔に説明します。
- Googleアカウントにログイン:確認はGoogleアカウントで行います。所有するアカウントでログインしてください。
- サーチコンソールを開く:search.google.com/search-console にアクセスします。
- プロパティを追加:『プロパティを追加』からドメインまたはURLプレフィックスを選びます。
- 確認方法の提示:利用可能な確認方法(DNS、HTMLファイル、HTMLタグ、Googleアナリティクスなど)が表示されます。
- 希望方法を選択:管理しやすい方法を選びます。初心者はHTMLファイルやタグが分かりやすいです。
- 指示に従って設定を実施:DNSレコード追加やファイルアップロード、タグ設置など、画面の手順に沿って作業します。
- 変更の反映を待つ:DNSは反映に時間がかかることがあります。数分から24時間程度を見てください。
- 『確認』ボタンを押す:設定後にサーチコンソール上で確認を実行します。
- 確認成功の確認:成功メッセージが出たら所有権の確認は完了です。
- 失敗時の対処:エラーメッセージを読み、ファイルの場所やDNS値、タグの抜けを再確認します。
- 複数方法の併用:うまくいかない場合は別の確認方法を試してください。複数の方法を併用しても問題ありません。
- 確認後の次ステップ:確認後はサイトマップ送信や検索パフォーマンスの確認など、次の設定に進みます。
この流れを頭に入れておけば、どの確認方法でも落ち着いて作業できます。
方法① DNSレコードで確認する(ドメインプロパティ向け)
概要
ドメインプロパティは、DNSにTXTレコードを追加して所有権を証明します。サーチコンソールでドメインを登録すると、コピーするためのTXTレコード値が表示されます。ドメイン管理画面でそのTXTを追加し、反映後に「確認」ボタンを押すと認証されます。
事前準備
- ドメインの管理者ログイン情報を用意する
- DNS管理画面(レジストラやDNSサービス)にアクセスできること
- サーチコンソールで表示されたTXTの値をコピーしておく
手順(簡単5ステップ)
- サーチコンソールで「ドメイン」を選び、ドメイン名を入力する
- 表示されたTXTレコードの値をコピーする
- ドメイン管理画面でTXTレコードを追加(ホスト名は“@”か空欄が多い)
- 設定を保存して反映を待つ
- サーチコンソールの「確認」をクリックして所有権を取得する
反映時間と確認
反映は数分〜最大48時間程度かかる場合があります。早く確認したいときはdigやnslookup、オンラインのDNSチェックツールでTXTが見えるか確認してください。
メリット
- ルートドメイン以下の全サブドメインとプロトコル(http/https)を一括で証明できます
- 一度設定すれば中長期の運用で安定します
注意点・トラブル対処
- ホスト名を誤ると反映されません(@や空欄を試す)
- 値の前後に余計なスペースや不要な引用符を入れない
- DNSが別サービスで管理されている場合はそちらで追加する
- 反映が遅いときは時間を置いて再確認し、必要ならサポートに問い合わせてください
方法② HTMLファイルをアップロードして確認する
概要
Googleが用意した専用のHTMLファイルをサーバーに置き、その存在を確認して所有権を証明する方法です。手順が分かりやすく、サーバーへ直接アクセスできる方に向きます。
手順(簡潔)
- サーチコンソールで「HTMLファイル」確認を選ぶ(URLプレフィックスのプロパティで利用)。
- 指示に従いHTMLファイルをダウンロードする(例: googleXXXXXX.html)。
- サイトのドキュメントルート(例: public_html や /var/www/html)にそのままアップロードする。
- ブラウザで https://あなたのサイト/googleXXXXXX.html にアクセスし、ファイルが表示されるか確認する。
- サーチコンソールの「確認」ボタンを押す。成功すれば所有権が確認されます。
注意点と対処法
- パスやドメインが一致しているか確認してください(http/https、wwwの有無)。
- WordPressなどでルートに書き込みできない場合は、ホスティングのファイルマネージャーやFTP/SFTPでアップロードしてください。
- アクセス制限(.htaccessや認証)があると確認できません。公開状態にして再試行します。
補足
確認後はファイルを残しておいても問題ありません。将来の再確認や自動検証に役立ちます。不要なら削除しても構いません。












