はじめに
AWS ビルダー ID(以下、ビルダー ID)は、AWS が提供する学習サービスやコミュニティサービスにログインするための個人用 ID です。例えば、AWS Skill Builder で学習コースを進めたり、community.aws のフォーラムに投稿したりするときに使います。本章では、ビルダー ID の役割と本記事で扱う内容をわかりやすく説明します。
目的
ビルダー ID の基本を短く理解していただくことが目的です。どんな場面で必要か、どのように作成できるか、また AWS アカウントとの違いを簡単に示します。
対象読者
AWS を初めて使う方、学習プラットフォームに登録したい方、コミュニティ参加を考えている方に向けています。技術的な予備知識は不要です。
本記事で扱う内容
- ビルダー ID の用途と利点
- 作成できる入口(メール/Google など)
- 各方法の手順と注意点
- AWS アカウントとの違い
注意事項
ビルダー ID は学習やコミュニティ向けの個人 ID です。AWS の請求やリソース操作とは別物です。個人情報の取り扱いには十分ご注意ください。
AWS ビルダー ID とは?何に使うIDなのか
概要
AWS ビルダー ID は、学習やコミュニティ、開発支援に使う“個人プロファイル”用のIDです。個人のメールアドレスを使ってログインし、学習履歴やコミュニティでの活動を自分のアカウントに紐づけて管理できます。
主な利用先(具体例)
- AWS Builder Center:学習コンテンツの閲覧や進捗管理
- AWS Skill Builder:無料・有料のコース受講と完了履歴の保存
- AWS トレーニングと認定:認定試験の申込や準備情報の参照
- AWS re:Post:質問や回答の投稿、評価の蓄積
- community.aws:コミュニティ参加やプロフィール表示
- AWS Startup、Kiroなど:コミュニティ支援サービスへのログイン
AWSアカウントとの違い
AWSアカウントはクラウド資源の作成や課金を行うためのものです。一方、AWS ビルダー ID は“人”に紐づくプロフィールです。たとえば会社のAWSアカウントでクラウドを操作していても、学習履歴やコミュニティの活動は個人のBuilder IDで管理できます。
利点(具体的な場面)
- 個人のメールアドレスだけで無料の学習教材にアクセスできます。
- 認定履歴やコースの進捗を自分のアカウントに保持でき、転職や部署異動後も記録が引き継がれます。
- re:Postやcommunity.awsでの投稿が個人プロフィールに結びつき、信用や実績の可視化に役立ちます。
注意点
- クラウド上でのリソース作成や課金はAWSアカウントが必要です。ビルダーIDはそれらの代替になりません。
- メールアドレスとパスワードの管理は自分で行ってください。アカウントを使い分けることで、会社と個人の活動を明確にできます。
AWS ビルダー ID を作成できる主な入口
概要
AWS ビルダー ID は複数の AWS 関連サービスのサインイン画面から新規作成できます。ここでは代表的な入口と、気をつけたい点を分かりやすく説明します。
主な入口一覧
- AWS Builder Center(builders.flash)
- 画面右上の「サインイン」ボタンを押すと、メニューに「AWS ビルダー ID の作成」または「Sign in with Builder ID」が表示されます。ここから新規作成できます。
- AWS Skill Builder
- トップページ右上に日本語では「無料アカウントの作成」、英語では「Create Free Account」があります。続けて「AWS ビルダー ID で作成する」を選ぶ流れです。
- community.aws
- トップ画面右上に「Sign up with Builder ID」があり、ここから作成できます。
- その他のサービス
- AWS トレーニングと認定、re:Post などのサインイン画面にも「AWS ビルダー ID でサインイン/作成」リンクが表示されます。多くの AWS 関連サービスが入口になります。
利用時の注意点
- 表示はサービスや言語設定で異なります。英語表示ではボタン文言が変わることが多いので、迷ったら「Builder ID」や「Sign up」「Create」を探してください。
- 既に別の方法で作成した ID があると重複する恐れがあります。同じメールアドレスを使うときは既存アカウントの有無を確認してください。
- 作成後はメール確認などの手続きが求められるため、受信できるメールアドレスを用意してください。
メールアドレスで AWS ビルダー ID を新規作成する手順
以下はメールアドレスを使った新規作成の具体手順です。順に進めれば迷わず登録できます。
1. サインアップ画面を開く
AWS Skill Builder、Builder Center、community.awsなどで「AWS ビルダー ID で作成」や「Sign up with Builder ID」ボタンをクリックします。
2. メールアドレスを入力
個人用のメールアドレスを入力して「次へ」をクリックします。初めてのメールなら新規作成フローに進み、既に登録済みならパスワード入力画面になります。パスワードを忘れた場合はリセットを選んでください。
3. 表示名を入力
サービス上に表示される名前(表示名)を入力して「次へ」をクリックします。後で変更可能です。
4. メールの認証コードを入力
入力したメールアドレス宛に認証コードが届きます。メールが届かない場合は迷惑メールフォルダを確認してください。届いたコードを画面に入力して「認証」をクリックします。コードには有効期限があります。
5. パスワードを設定
画面に表示される条件(文字数、英数字や記号など)を満たすパスワードを設定します。画像認証(キャプチャ)を実施し、「AWS ビルダー ID を作成」をクリックします。
6. 最終の検証コード入力
登録完了前に再度メールで検証コードが届きます。届いたコードを入力して「検証」をクリックして完了します。
7. 詳細プロフィールを確認・編集して完了
名前やニックネームなどのプロフィールを確認・編集できます。登録が終わると、以降はそのメールアドレスとパスワードで各種AWS関連サービスにログインできます。
注意点:メールはすぐ届くことが多いですが、遅れる場合があります。迷惑メールに分類されることがあるため、届かない場合はそちらも確認してください。
Google アカウントで AWS ビルダー ID を作成する方法
概要
2025年10月以降、Google アカウントで AWS ビルダー ID を作成できるようになりました。サインイン画面で「Sign in with Google(Google でサインイン)」を選ぶと、その Google アカウントに紐づくビルダー ID が自動で作成されます。Kiro、AWS Builder Center、AWS トレーニングと認定、AWS re:Post、スタートアップ関連アプリなどが利用できます。
手順(簡単・安全に始める)
- AWS のサインインページを開きます。
- 「Sign in with Google」または「Google でサインイン」をクリックします。
- 使用したい Google アカウントを選ぶか、メールアドレスを入力します。
- Google の承認画面で権限を確認し、許可します。
- 許可後、その Google アカウントに紐づいた AWS ビルダー ID が作成され、すぐにサービスへアクセスできます。
利点と注意点
- パスワードを別途作る必要がなく、ワンクリックでのログインが可能です。
- 利用する Google アカウントを間違えると別のビルダー ID が作成されるため、所望のアカウントでサインインしてください。
- セキュリティ向上のため、Google 側で二段階認証(2FA)を有効にすることをおすすめします。
- 連携の取り消しは Google アカウントの「セキュリティ」→「サードパーティ アクセス」から行えます。
既存のビルダー ID とメール重複がある場合
同じメールアドレスで既にビルダー ID を作成済みだと、ログイン方法の選択やアカウントの結合を求められることがあります。その際は画面の案内に従って操作してください。必要ならば別のログイン方法を検討してください。












