AWS 8xlargeとは何か?基本と最新スペックを詳しく解説

目次

はじめに

本記事の目的

本記事はAWSのEC2インスタンスでよく検索される「8xlarge」というサイズに関する情報を整理するために書きました。読者が知りたい「スペック」「料金」「選び方」「コスト最適化」を体系的に説明します。

想定する読者

  • これから大規模なサーバーを検討するエンジニアや運用担当者
  • 既存環境のスケールアップを検討している方
  • 用途に合ったインスタンス選びで迷っている技術者

本記事で扱うこと

  • 8xlargeサイズの概要と表記の見方(第2章)
  • 最新世代の代表例としてM8i 8xlargeの主要スペック(第3章)
  • ファミリーごとの特長と選び方の判断軸(第4章)

読み方のアドバイス

各章は独立して読めるようにまとめます。まずは第2章で「8xlargeとは何か」を押さすと、後の章の理解が早くなります。具体的な数値や料金は世代やリージョンで変わるため、目安として捉えてください。

2.AWSの「8xlarge」とは何か?サイズ表記の基本

概要

AWS EC2のインスタンス名は「ファミリー.世代.サイズ」の形で表します。例えばm8i.8xlargeは「汎用(m)」「第8世代(8i)」「8xlarge」という意味です。サイズはおおよその相対比を示し、8xlargeは1xlargeの約8倍のリソースを持つことを表します。

サイズ表記の読み方

  • large/xlarge/2xlarge/4xlarge/8xlarge:数字が増えるほどCPUやメモリなどの割当が増えます。8xlargeは大規模な処理向けです。
  • 世代(例:8i)は世代ごとにCPUアーキテクチャや効率が改善されます。最新世代ほど性能当たりコストが良くなる傾向があります。

ファミリーごとの違い(具体例で説明)

  • 汎用(m):CPUとメモリをバランスよく備えます。ウェブサーバーやアプリケーションサーバーに向きます。
  • メモリ特化(r):同じサイズでもメモリ容量が多めです。データベースやインメモリ処理に適しています。
  • コンピューティング特化(c):vCPU数が多くなり、計算処理の多いバッチや解析に向きます。
  • GPUファミリー(g/p):GPU数やVRAMが加わります。機械学習や画像処理で重要です。

実務での見方

同じ”8xlarge”表記でもvCPU数やメモリ量はファミリーと世代で変わります。選ぶ際は使用するワークロード(CPU重視かメモリ重視か)を明確にして、ファミリーと世代を合わせて確認してください。

3.最新世代の代表例:M8i 8xlargeのスペック

概要

M8iはカスタムIntel Xeonプロセッサを採用し、全コア持続3.9GHzのターボ動作を実現します。第6世代のAWS Nitro Cardを搭載し、ネットワークやストレージの処理を効率よくオフロードします。m8i.8xlargeはバランスの良い汎用インスタンスです。

主なスペック

  • vCPU: 32
  • メモリ: 128 GiB
  • ネットワーク帯域幅: 最大15 Gbps
  • EBS帯域幅: 最大10 Gbps
  • 特徴: Sustained 3.9GHz オールコアターボ、Nitro System第6世代

どんな用途に向くか

ミドル〜大規模なWeb/アプリケーションサーバーに適します。中規模データベースやバッチ処理、分析ワークロードでも十分な性能を発揮します。例えば、複数のアプリコンテナを動かすサービスや、日次のデータ集計処理などで使いやすいサイズです。

運用上のポイント

  • CPUとメモリのバランスが良いため、垂直スケールで性能向上を図りやすいです。
  • ネットワークとEBS帯域がボトルネックになる場面では、I/O最適化(gp3やio2)や複数ボリュームの利用を検討してください。
  • Nitroによりセキュリティ機能やパフォーマンスの恩恵を受けやすい点もメリットです。

選定時の簡単な目安

アプリがCPUとメモリを同程度に使い、単一インスタンスでまとまった処理を行いたい場合は候補になります。水平スケール中心の構成なら、より小さなインスタンスを複数用意する選択肢も検討してください。

4.「8xlarge」を選ぶときの判断軸:ファミリーごとの違い

選ぶときの基本視点

8xlargeを選ぶ際は、単にサイズだけでなく「ファミリーの設計思想」を基準にしてください。主に見るべき項目はCPUコア数、メモリ量、ネットワーク帯域、ストレージの種類、GPUの有無、そしてコストです。代表的な用途を意識すると選びやすくなります。

ファミリー別の特徴と具体例

  • M(汎用):CPUとメモリのバランスを重視します。Webサーバー、アプリサーバー、中規模のPostgreSQLやMySQLに向きます。安定した汎用性能が必要なときに適します。

  • R(メモリ最適化):大きなメモリを提供します。RedisやインメモリDB、メモリ内分析、キャッシュ用途に向きます。メモリ不足で性能が落ちる懸念がある場合はR系を検討してください。

  • C(コンピューティング最適化):CPU性能を重視します。CPU負荷の高いバッチ処理、科学技術計算、トランスコーディングなどで力を発揮します。並列処理が中心のワークロードに向きます。

  • G/N/P(GPU搭載):機械学習のトレーニングや推論、大規模な画像・動画処理、3Dレンダリングに適します。GPUがあることで特定処理が格段に速くなりますが、コストも上がります。

実務での判断ポイント(チェックリスト)

  • ワークロードはCPU重視かメモリ重視か?
  • GPUを使う必要はあるか?
  • ネットワークやストレージの帯域要件は?
  • 予算とコスト効率はどうか?(同等の性能を複数台で代替できるか)
  • テスト環境で実際の負荷を計測したか?

実際には代表的なワークロードで短期間の負荷試験を行い、CPU使用率、メモリ利用率、ディスクIO、ネットワークを確認してください。これにより、どのファミリーの8xlargeが最も費用対効果が高いか明確になります。

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