はじめに
目的
この章では、本記事の目的と読み方を丁寧に説明します。読者が「大規模サイトとは何ページからか」を理解し、ページ数による制作費や区分の違いを整理できるようにします。
想定読者
・企業の広報やマーケティング担当者
・ホームページ制作を検討中の担当者
・制作会社の見積りを比較したい方
背景と重要性
大規模サイトの定義は会社によって差があります。30ページから大規模とする場合もあれば、数百ページを基準にする場合もあります。本記事は複数の制作会社の基準や費用相場を比較し、実務で使える目安を提供します。
読み方のポイント
各章で具体的なページ数の目安、役割、制作費用の相場を示します。自社の目的や運用体制を踏まえ、どの区分が適切か判断する材料にしてください。
大規模サイトは何ページから?各社の基準を比較
概要
制作会社ごとに「大規模サイト」の基準は異なります。ある会社は30ページ前後を超えたあたりから大規模と判断し、別の会社は100ページや300ページを目安にします。共通点として、30〜50ページを超えるとコンテンツや機能が複雑化しやすく、大規模とみなされることが多いです。
各社の基準(具体例)
- Value Domain:30〜50ページ以上を目安。ページ数増加で構成設計が必要と考えます。
- ValueAgent:30ページ以上を大規模の目安にしています。
- FIRST / KGC:60ページ以上を大規模と位置づけます。
- BlueMonkey:50ページ超から数百ページまで幅広く大規模扱いです。
- お名前.com:約300ページ規模を大規模の典型例としています。
- ReadyCrew:100ページ以上で大規模と判断します。
なぜ差が出るのか
差は評価基準の違いから生まれます。単純にページ数だけでなく、次の点が関係します。
– ページの種類(静的な案内ページか、商品一覧や記事が多いか)
– 必要な機能(会員管理、EC、検索、フィルタ、API連携など)
– 更新頻度と運用体制(頻繁に更新する場合は仕組みが必要)
– 多言語対応やユーザー数の想定
ページ数で判断するときの実務的目安
- 〜30ページ:小規模。単純な構成で制作しやすい。
- 30〜50ページ:中大規模の境界。サイト設計と運用方針を決める段階です。
- 50〜100ページ:設計や分業が必要になりやすい。
- 100ページ以上:専用の管理体制や自動化が必要になります。300ページ規模は大企業向けの情報量です。
最終的にはページ数だけで判断せず、機能や運用の要件で制作会社と相談してください。
小規模・中規模・大規模サイトのページ数目安と役割
ページ数の目安
- 小規模:1〜10ページ程度
- 中規模:約10〜30ページ前後
- 大規模:30〜50ページ以上(場合によっては数百ページ)
各規模の役割と具体例
- 小規模サイト
- 役割:名刺代わりの情報発信。会社概要やサービス概要、問い合わせを中心に掲載します。
-
具体例:トップ、会社概要、サービス紹介、採用、問い合わせフォーム。
-
中規模サイト
- 役割:詳しいサービス説明と更新コンテンツで集客を図ります。
-
具体例:サービス別ページ、導入事例、FAQ、ニュース・ブログ、複数の支店ページ。
-
大規模サイト
- 役割:大量コンテンツや高度な機能でユーザーの様々なニーズに応えます。
- 具体例:ECの商品一覧・カテゴリ、会員機能、予約・申込システム、マイページ、地域別コンテンツ。
規模感を把握するポイント
- ページ数だけでなく、動的機能(会員・検索・予約など)があるかで管理負担が変わります。
- 「〜10ページ:小規模/〜30ページ:中規模/30〜50ページ以上:大規模」を目安に、自社サイトの目的と更新頻度で判断してください。
大規模サイトの特徴:ページ数だけでなく「機能」も複雑
概要
大規模サイトは単にページが多いだけでなく、機能も高度で複雑です。構造や運用体制まで含めて設計する必要があります。
よくある機能例
- 予約管理:日時指定や空き状況の照会、キャンセル処理などを自動で行います。
- 口コミ・レビュー投稿:ユーザー生成コンテンツの収集とモデレーション(表示制御)が必要です。
- レコメンド機能:閲覧履歴や購入履歴を元に表示を変えることで売上向上に寄与します。
- 高度な検索・フィルター:大量のページや商品から素早く絞り込める仕組みが必要です。
- 会員管理・認証:権限や会員種別ごとの表示制御、ログ管理を行います。
- 多言語・多拠点対応:地域ごとのコンテンツ差分や表示ルールを用意します。
- API・外部システム連携:決済、在庫管理、CRMなどとの連携が頻繁に発生します。
技術と運用のポイント
- CMSと運用体制:編集権限や更新フローを整備しないと更新負荷が高まります。
- データ設計:検索やレコメンドで使うデータは正しい構造で保存します。
- パフォーマンス対策:ページキャッシュや検索のインデックス作成で表示速度を確保します。
- セキュリティ:個人情報や決済データの保護は必須です。
- 自動テストと監視:機能追加での不具合を早期に発見できます。
開発・保守での注意点
- 要件を細かく整理し、優先順位を付けます。
- 段階的に機能をリリースして負荷を調整します。
- 運用マニュアルと担当者の育成を用意します。
企画時のチェックリスト
- 主要な機能は何か
- どの外部システムと連携するか
- 更新頻度と担当者は誰か
- パフォーマンスとセキュリティ要件はどうするか
これらを踏まえ、ページ数だけでなく機能や運用の複雑さを基準に大規模サイトを判断してください。
ページ数別のホームページ制作費用相場
概要
ページ数や規模ごとの相場を分かりやすく紹介します。目安は各社の提示をもとにしていますが、機能やデザインで大きく変わります。
各社の目安
- Value Domain
- 小規模(1~10ページ):10万〜30万円
- 中規模(11~30ページ):30万〜60万円
- 大規模(30~50ページ以上):60万〜200万円以上
- FIRST
- 小規模:30万円〜
- 中規模:60万円〜
- ECサイト:100万円〜
- 大規模:300万円〜(最大で1,000万円規模も)
- KGC
- 大規模(60ページ以上):300万〜500万円程度
- BlueMonkey
- 費用相場を公表していますが、ここでは詳細を省略します。
ページ数別の実例と予算目安(簡易)
- 会社案内サイト(1〜10P): 10万〜30万円
- コーポレート+採用(10〜30P): 30万〜60万円
- 商品カタログや機能多め(30〜50P): 60万〜300万円
- 会員管理・EC・多言語対応(50P以上): 300万以上
見積りで確認すべき点
- デザインとテンプレートの違い
- CMSや会員機能の有無
- ECや決済、外部連携の必要性
- 保守・更新費用と納期
見積りを取る際は、目的と必要な機能を明確にして内訳を確認すると無駄を減らせます。












