はじめに
本書の目的
本稿はホームページ作成ソフト「ホームページビルダー」について、初心者にも分かりやすく紹介することを目的としています。基本的な使い方や主な機能、料金、メリット・デメリットを順を追って説明します。実際に導入を検討する際の判断材料になるよう配慮しました。
想定読者
ホームページを自分で作りたい個人や、小規模事業者を主な対象としています。パソコンやスマートフォンでの閲覧に不安がある方、専門知識があまりない方にも読みやすい内容にしています。中級者でWordPressなど他ツールとの連携を考えている方にも役立ちます。
本書の構成と読み方
第2章でソフトの概要と位置づけを説明し、第3章で具体的な機能を詳述します。第4章は料金面の解説、第5章でメリットを整理します。まずは第2章から順に読むと全体像が把握しやすいです。必要に応じて興味のある章だけ読むこともできます。
本稿の特徴
専門用語を極力避け、具体例(テンプレートの利用やドラッグ&ドロップ操作など)で補足します。導入の可否を判断する際に重要なポイントを分かりやすく示します。どうぞ気軽に読み進めてください。
ホームページビルダーとは?基本概要と位置づけ
概要
ホームページビルダーは、ジャストシステムが長年提供する国産のホームページ作成ソフトです。Windows向けのパッケージ型ツールで、パソコン上でページを組み立ててから公開します。ドラッグ&ドロップで部品を配置でき、HTMLやCSSの専門知識がなくてもサイト制作が可能です。
主な特徴
- 直感的な編集:パーツを画面上で動かしてレイアウトを作ります。
- テンプレートや部品が豊富:見本を選んで文字や画像を差し替えるだけで形になります。
- 公開はサーバーへのアップロードで実施:専門用語ではFTPと言いますが、要するに作ったファイルを契約先のサーバーに送ります。
- オフラインで編集できるため、インターネット接続がない環境でも作業できます。
どんな人に向いているか
小さな会社やお店、個人で簡単に見栄えの良いサイトを作りたい方に向きます。制作を外注せず自分で管理したい方、Windows環境で確実に編集したい方に適しています。
他ツールとの位置づけ
有料の本格派ツールの一つとして、SIRIUS、Dreamweaver、BiNDup、Jimdo、Wix、WordPressなどと並びます。日本語サイトのCMSシェアではWordPressが優勢ですが、ホームページビルダーも一定の利用者(約1.7%)を持つ選択肢です。
補足(運用イメージ)
テンプレートで作って定期的に写真やお知らせを差し替える、といった運用が一般的です。制作と公開の作業が分かれているため、編集はローカルで行い、準備が整ってからアップロードして公開します。
ホームページビルダーの主な機能と特徴
簡単に作れる「SP(初心者向け)」
SP版は直感的に操作できます。画面上でパーツをドラッグ&ドロップして配置し、テンプレートに沿って写真や文章を差し替えるだけでページが完成します。初めての方でも、例としてお店の写真と営業時間を入れ替えるだけで公開まで進められます。
細かく作れる「クラシック(中級〜上級者向け)」
クラシック版はHTMLやCSSを直接編集できます。色や余白、レイアウトを自由に調整できるため、独自デザインや細かい表現を実現できます。例えばフォントやアニメーションを独自に設定する場合に向きます。
テンプレートと業種別デザイン
テンプレートは業種別・用途別に豊富に用意されています。会社案内・飲食店・ポートフォリオなど、用途に応じたデザインを選び、写真や文言を差し替えるだけで見栄えの良いサイトが作れます。
操作性とプレビュー
編集はWordやPowerPoint感覚で行えます。ブロックを追加して配置し、PC・スマホの表示を切り替えて確認できます。操作ミスは元に戻せるため安心して編集できます。
WordPressとの連携
作ったデザインをWordPress用に出力し、既存サイトに組み込むことができます。デザインの流用やテーマ化ができるため、運用効率を高めます。一部手作業が必要な場合もありますが、柔軟に連携できます。
使い分けのポイント
手軽に始めたいならSP版、細部までこだわりたいならクラシック版がおすすめです。両方を使い分けて、デザインはクラシックで詰め、日常の更新はSPで行う、という運用も可能です。
ホームページビルダーの料金・コスト感
ソフト本体の価格例
ホームページビルダーは買い切り型のパッケージソフトです。旧バージョンの例として「ホームページ・ビルダー21 スタンダード 通常版」が約10,706円、バージョンアップ版が約6,445円でした。最新版では価格やエディション構成が変わる場合がありますが、買い切りでバージョンごとのアップグレード版が提供される点は変わりません。
運用でかかる追加費用
- ドメイン:年間1,000〜3,000円程度が目安です。
- サーバー:月額数百円〜数千円。用途やアクセス数で変わります。
- 有料テンプレートや素材:必要に応じて数千〜数万円。
- 保守・更新:自身で行えば費用は抑えられますが、外注すると別途費用が発生します。
WordPressとの費用比較
WordPress自体は無償ですが、テーマやプラグイン、サーバー、設定代行の費用がかかります。ホームページビルダーはツール代が発生しますが、自分で作れば制作費は不要です。初期費用を抑えて自作したい方には有力な選択肢です。
選び方のポイント
- 初期費用を抑えたいなら:ホームページビルダーで自作
- 拡張性や大規模な運用を重視するなら:WordPressを検討
用途や予算に合わせて、どの費用を優先するかで選ぶと良いです。
ホームページビルダーのメリット
初心者でも始めやすい操作性
ドラッグ&ドロップでレイアウトを組めるため、専門知識がなくても直感的にページを作れます。例えば、店舗の案内ページやプロフィールページなら短時間で形になります。テンプレートが豊富で、目的に合ったデザインを選べば見栄えも整います。
ノーコードから細かな調整へ移行できる
SP版でノーコード操作を始め、慣れてきたらクラシック版でHTMLやCSSを編集できます。一つのツールで段階的にスキルアップできる点が便利です。初心者が急に難しい作業を強いられません。
時間とコストの節約
外注に比べて制作費や更新費を抑えられます。テンプレート利用や内製で作業時間を短縮でき、月額プランで運用費を一定にできます。特に小規模事業や個人サイトで費用対効果が高いです。
運用・保守が簡単
更新やバックアップ、SSL設定などが管理画面で行えるため、日常の保守負担が軽くなります。サポート窓口やヘルプが整っているサービスが多く、問題が起きても対処しやすいです。
機能の拡張性と実用性
ショップ機能や予約フォーム、SNS連携などの拡張が簡単です。テンプレートはレスポンシブ対応でスマホ表示も自動調整され、基本的なSEO設定も備わっているため実用性が高いです。












