はじめに
本書の目的
本書は、オウンドメディアにおけるSEO対策の全体像と実践方法をわかりやすく整理したガイドです。検索からの流入を着実に増やし、問い合わせや売上といった成果につなげるための考え方と手順を示します。
何を学べるか
- オウンドメディアSEOの定義と目的を具体例で説明します。たとえば、サービス紹介記事で問い合わせを増やす方法などです。
- 戦略設計、キーワード選定、記事制作、内部・外部対策、KPI設計、運用の進め方まで段階的に解説します。
想定読者
マーケティング担当者、コンテンツ制作担当、経営者など、実務で成果を出したい方を想定しています。初めての方でも実行しやすいよう丁寧に説明します。
本書の使い方
章は順を追って読むことで全体像が身につきます。必要な箇所は実務に合わせて部分的に参照してください。専門用語は最小限にし、具体例で補います。
オウンドメディアSEOとは何か
定義
オウンドメディアSEOとは、自社が所有するウェブサイトやブログに対して検索エンジンからの流入を増やす施策です。外部広告に頼らず、検索結果から自然にユーザーを集める仕組みをつくります。
目的
主な目的はアクセス増だけでなく、見込み客へのリーチ拡大とコンバージョンの向上、長期的なリード獲得の資産化です。記事が資産になれば、継続的に見込み客を呼び込めます。
メリット
- 幅広い層にアプローチできます(潜在〜顕在)。
- 広告費を抑えつつ安定した流入を得られます。
- 専門知識を示すことで信頼性が高まり、ブランド価値が上がります。
具体例
商品レビューや使い方のガイド、業界の悩みを解決する記事が典型例です。例えば、掃除用品メーカーなら「素材別のお掃除方法」などで検索流入を取り込めます。
始め方の簡単な流れ
- ターゲット読者と目的を決める
- 読者が探す疑問をリスト化する
- 優先順位をつけて記事を作成する
- 定期的に内容を見直し改善する
初めて取り組む場合は、小さく始めて成果を見ながら改善することをおすすめします。
オウンドメディアSEOの全体戦略
戦略の全体像
成功するオウンドメディアは、誰にどんな価値を提供するかを最初に決め、サイト全体を設計します。思いつきで記事を増やす運用は効果が出にくいです。主要な柱は次の4つです。
1. キーワード戦略・SEO設計
まずターゲット(例:30代子育て中の母)を想定し、彼女の課題を洗い出します(例:時短レシピ、睡眠対策)。具体的な検索語(ロングテール含む)をリスト化して、どの記事でどのキーワードを狙うかを決めます。競合と検索意図を確認し、情報提供型・比較型・商談型のバランスを取ります。
2. コンテンツ制作
読者の課題解決を最優先に、具体例や手順を盛り込みます。テンプレートを用意して品質を安定させ、ハブページ(まとめ記事)で関連記事をつなぎます。すべての記事に分かりやすいCTAを入れて導線を作ります。
3. テクニカル&内部SEO
モバイル表示、高速化、構造化データ、適切な内部リンクと正しいcanonical設定を行います。サイト構造を扁平にして、重要ページへリンクを集めます。
4. 外部施策とコンバージョン設計
SNSやプレス、業界サイトでの露出を増やし被リンクを得ます。広告と連携して初期流入を作り、各記事からのコンバージョン経路(メルマガ登録、資料請求など)を設定します。
KPI設計と運用サイクル
最初は認知〜情報収集層の記事を優先してアクセス基盤を作ります。KPIはオーガニック流入、滞在時間、コンバージョン率を設定し、四半期ごとにデータを見て記事改訂やキーワード調整を行います。データに基づき仮説を立てて検証を回す運用が成功の鍵です。
SEO記事制作のポイント
1. キーワードと検索意図の分析
まず主キーワードを決め、関連語も洗い出します。意図は「知りたい」「買いたい」「比較したい」などに分類します。例:”ダイエット 方法”なら『短期で痩せたいのか』『健康的に続けたいのか』を想定します。
2. 見出し設計(記事構成)
見出しは読者の疑問を段階的に解決する流れで作ります。冒頭で結論や要点を示し、次に理由や手順、最後に実践例や注意点を載せます。箇条書きや番号で読みやすくします。
3. 執筆のコツ(検索意図を満たし独自性を出す)
最初に結論を書く「結論ファースト」を心がけます。具体例や数値、体験談を入れて独自性を出します。質問形式を見出しにして、その下で簡潔に答えると読者満足度が上がります。
4. 画像・図解・動画の活用
手順や比較は図や表で示すと理解が速くなります。画像は説明文(alt)を必ず付け、ファイルサイズを圧縮して表示速度に配慮します。
5. 公開前チェックリスト
・タイトルに主キーワードを含める
・導入で検索意図に応える
・見出しと本文が一致している
・内部リンクとCTAを設置
・モバイルでの見え方と読み込み速度を確認
これらを意識して制作すると、ユーザーに役立つ記事を効率よく作れます。











