はじめに
目的
この文書は、2025年時点のWeb制作費用の全体像を分かりやすく伝えることを目的としています。個人サイトから大規模企業サイトまで、料金の目安や内訳、依頼先や制作スタイルによる違いを具体例を交えて解説します。
対象読者
・これからサイトを作ろうと考えている個人や中小企業の方
・見積りを比較したい広報・マーケティング担当者
・制作依頼の初めてのご担当者
本書で分かること
・費用を左右する主な要素(規模、機能、デザイン、運用)
・サイト規模別のざっくり相場感(個人・コーポレート・EC・大規模)
・フリーランスと制作会社の料金差や選び方
・テンプレート型とフルオリジナル型の違いと費用例
使い方と注意点
ここで示す金額はあくまで目安です。具体的な見積りは要件や運用方針で大きく変わります。まずは本書で全体像を掴み、実際の発注時は複数の見積りを比較してください。専門用語は極力避け、具体例で説明します。
Web制作費用は「何で決まるのか?」全体像
Web制作の費用は、複数の要素が組み合わさって決まります。ここでは主要な決定要因ごとに、具体例を交えて分かりやすく説明します。
サイト規模(ページ数・コンテンツ量)
ページ数や掲載する文章・画像の量で作業時間が増えます。例:ランディング1ページは比較的安価、企業の情報ページが10〜20ページあると工数が大きく増えます。
デザインのレベル
テンプレートを使うと短時間で低コストに仕上がります。フルオリジナルは打ち合わせ・デザイン修正が増え、費用が高くなります。テンプレート+最低限の機能で数十万円台、オリジナルと戦略設計を含むと100万円以上差が出ることもあります。
機能の有無
お問い合わせフォームだけなら費用は小さめですが、予約、検索、会員機能、ECなどは設計とテストに時間がかかり費用が増えます。外部システム連携も追加費用になります。
依頼先(誰に頼むか)
フリーランスは安価になりやすく、制作会社や広告代理店は体制や提案力があり費用が高めです。求める品質やサポート範囲で選びます。
コンテンツ制作の有無
文章作成、写真撮影、ロゴ制作、動画制作などを依頼すると別途費用が発生します。自社で用意できればコストを抑えられます。
運用・保守の範囲
更新代行、セキュリティ対応、改善提案を継続的に依頼すると月額や年間契約の費用が必要です。
見積もりでは、まず要件を「必須」「あると良い」「将来的」に分けて段階的に検討すると費用の振れ幅を抑えられます。
サイト規模別:Web制作のざっくり相場感
概要
2025年時点の相場感を端的に示します。個人や小規模サイトは低め、企業向けや多機能サイトは高めになる傾向です。
規模別の目安
– 個人・小規模(5〜10ページ程度): 10万〜60万円。テンプレート型なら10万〜30万円、デザインを含む場合は30万前後になることが多いです。
– 中小企業向けコーポレートサイト(10〜30ページ程度): 30万〜100万円。オリジナルデザインや簡単なCMS導入で相場が上がります。
– 大規模サイト(50ページ〜、多機能・多言語): 100万〜500万円以上。ECや会員機能、複雑な設計はさらに費用が増えます。
ページ数別の目安
– 5ページ: 30万〜50万円
– 10ページ: 50万〜70万円
– 20ページ: 70万〜100万円
– 50ページ以上: 100万円〜
費用が変わる主要要因
デザインの独自性、機能(予約・決済・会員など)、CMSの有無、多言語対応、納期、素材準備の有無、保守契約の有無が費用に大きく影響します。
実務的なアドバイス
見積もり前に優先順位(まずは問い合わせと会社案内だけなど)を決めると、無駄を省けます。テンプレートで抑える、段階的に機能追加するなどで費用をコントロールできます。
依頼先別:フリーランスと制作会社・代理店の料金差
概要
同じ規模のサイトでも、依頼先によって費用は大きく変わります。目安としては次のとおりです。フリーランス:28万〜96万円(中央値約62万円)、小規模制作会社:63.8〜190万円(中央値約127万円)、中規模制作会社:97.5〜292.5万円(中央値約195万円)、大規模制作会社:212.5〜493.8万円(中央値約353万円)、大手制作会社:300万〜1,000万円以上、広告代理店:180〜520万円程度。
価格差の主な理由
- 人件費と体制:制作会社はデザイナー、エンジニア、ディレクターなど複数人で対応します。フリーランスは人数が限定されるため人件費は抑えられます。
- 提案力と実績:会社は企画やブランディングの提案を含めることが多く、その分費用が上がります。
- 保守・サポート:長期の運用支援や保守を含むと制作会社の方が料金に反映されます。
どちらを選ぶかの目安
- 低予算でシンプルなサイト:フリーランスが向きます。柔軟で素早く対応できる利点があります。
- 高品質なデザインやチームでの対応、提案力を重視:小〜大規模の制作会社や代理店が向きます。要件が曖昧な場合は提案力のある会社を選ぶと安心です。
依頼時の注意点
- 見積もりで作業範囲と追加費用の有無を必ず確認してください。
- 制作後の保守や修正の料金体系(定額か都度か)を明確にしておくとトラブルが減ります。
- 実績や担当者の相性も重要です。予算だけで決めず、対応の速さやコミュニケーションも確認しましょう。
制作スタイル別:テンプレート型とフルオリジナル型の相場
概要
テンプレート型は10万〜50万円程度で、既成のデザインテンプレートを使い色・写真・文言を差し替えます。短納期で費用を抑えられますが、オリジナル性は限定的です。フルオリジナル型は50万〜200万円以上が目安で、ブランドに合わせてゼロから設計します。独自機能や複雑なレイアウトにも対応できます。
テンプレート型の特徴(例)
- 価格:目安10万〜50万円
- 納期:数日〜数週間
- 向き:ランディングページ、小規模の企業サイト、予算重視
- 注意点:デザイン差別化が難しい、後から大幅なカスタマイズは割高
フルオリジナル型の特徴(例)
- 価格:目安50万〜200万円以上
- トップページ設計:15万〜50万円以上が一般的
- 下層ページ:1ページあたり3万〜10万円程度の見積もり例あり
- 向き:企業ブランディング、大規模サイト、独自機能が必要な場合
選び方のポイント
目的(集客優先かブランド構築か)、予算、納期、運用体制で決めます。管理画面(CMS)やスマホ対応、保守を含めた総額で比較してください。
見積り時のチェックリスト
デザインの納品形式、レスポンシブ対応、CMS導入の有無、SEO初期設定、保守費用、納期を確認しましょう。これで実際の費用感とリスクを把握できます。












